発表年:1974年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :今宵楽しく!
今回は70年代ソウル作品からシカゴの名グループThe ImpressionsのCurtom時代の1枚、『Finally Got Myself Together』(1974年)です。
Jerry Butler、Curtis Mayfield、Leroy Hutsonらを輩出したシカゴ・ソウルの名グループThe Impressionsの紹介は、
全米R&BチャートNo.1となったヒット曲「Choice Of Colors」を収録したCurtom第2弾アルバム『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)に続き、2回目となります。
本作『Finally Got Myself Together』(1974年)は、Curtis Mayfield脱退後にリード・ヴォーカルとしてグループに加入したLeroy Hutsonが抜け、さらにCurtis Mayfieldがプロデュースからも完全に手を引き、グループへの不安が渦巻く中でリリースされました。
結果として、そんな不安を払拭するように、シングル「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」を全米R&Bチャート第1位へ送り込んだ起死回生の1枚です。
本作におけるメンバーは、Sam Gooden、Fred Cashという従来メンバー2名に、Reggie Torian、Ralph Johnsonという新加入の2名が加わった4名。
プロデュースはEd Townsend、Lowrell Simon/Rich Tufo。Ed TownsendはMarvin Gaye「Let's Get It On」の共作者としてお馴染みですね。
前述のヒット・シングル「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」のみならず、全8曲ファンキー・チューンからスウィート・ソウルまでかなり充実していると思います。アルバム全体がポジティヴかつスウィートな魅力に溢れているのがいいですね。
個人的にはモダン・ソウルな魅力に溢れた「I'll Always Be Here」、スウィート&メロウな「We Go Back A Ways」、Curtis Mayfield調のサウンドも聴こえてくる「If It's In You To Do Wrong」、ファンキーな魅力に溢れた「Don't Forget What I Told You」あたりがおススメです。
僕の場合、The Impressionsについて、Curtom時代のCurtis Mayfield、Leroy Hutson絡みのアルバムしか興味の対象ではありませんでしたが、その認識を改めさせられたのが本作です。
変な先入観なしに聴けば、かなりいいアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「If It's In You To Do Wrong」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。シングルにもなったオープニング。ドラム・ブレイク、ワウワウ・ギター、ストリングスが醸し出す不穏なサウンドはCurtis Mayfield調ですが、ヴォーカルが始まると本作らしいスウィート・ソウルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=P8K4cfPB15Y
Ganksta C「Str8-Husla」、Young Buck feat. Stat Quo「Walk With Me」、Wiz Khalifa「Gotta Get It」、Big K.R.I.T.「2000 & Beyond」等のサンプリング・ソースとなっています。
Ganksta C「Str8-Husla」
https://www.youtube.com/watch?v=RlwhKvF7uE8
Young Buck feat. Stat Quo「Walk With Me」
https://www.youtube.com/watch?v=BvP2WAqbb60
Wiz Khalifa「Gotta Get It」
https://www.youtube.com/watch?v=SAVMB8YfRRk
Big K.R.I.T.「2000 & Beyond」
https://www.youtube.com/watch?v=cQxxcn7c3f4
「Finally Got Myself Together (I'm A Changed Man)」
Ed Townsendプロデュース。全米R&Bチャート第1位、全米チャート第17位となったヒット曲。The Impressions健在!を示したソウル・チューン!力強いヴォーカルとしなやかなコーラス、Crusadersメンバーらがバックを務めた都会的なソウル・サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=q9A0RpXtgiw
「I'll Always Be Here」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。今日再評価が高いのはモダン・ソウルな魅力に溢れた本曲かもしれませんね。ポジティヴに躍動するキャッチーなソウル・チューンは何度もリピートしたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=oxStukWbibU
「Miracle Woman」
Ed Townsendプロデュース。昔ながらのソウル・チューンをエレピの音色が心地好い70年代メロウ・ソウルへアップデートさせた雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b-c0XI_nOpw
「We Go Back A Ways」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。ヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークを楽しめるメロウ・ミディアム。本作らしいスウィートな魅力を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=9lGylF94O2A
「Guess What I've Got」
Ed Townsendプロデュース。新生The Impressionsの実力を示してくれる絶品バラードです。オーセンティックなスウィート・ソウルで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qMjrtk7zRR8
「Try Me」
Ed Townsendプロデュース。ゴスペル・フィーリングのミディアム・バラード。抑えたトーンのファンキー・メロウなサウンドが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jDi91gunRbE
「Don't Forget What I Told You」
Lowrell Simon/Rich Tufoプロデュース。ラストはThe Temptations調のファンキー・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9XK8eb_SF8M
The Impressionsの他作品もチェックを!
『The Impressions/Never Ending Impressions』(1963/1964年) ※2in1CD
『Keep on Pushing/People Get Ready』(1964/1965年) ※2in1CD
『One by One/Ridin' High』(1965/1966年) ※2in1CD
『The Fabulous Impressions/We're a Winner』(1967/1968年) ※2in1CD
『This Is My Country』(1968年)
『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)
『Check Out Your Mind!』(1970年)
『Times Have Changed』(1972年)
『Preacher Man』(1973年)
『First Impressions/Loving Power』(1975/1976年) ※2in1CD
『It's About Time』(1976年)
『Come to My Party/Fan the Fire』(1979/1981年) ※2in1CD