2018年02月17日

Ariel『Ariel』

デンマーク産ブラジリアン・フュージョン!☆Ariel『Ariel』
エリアル+7
発表年:1980年
ez的ジャンル:デンマーク産ブラジリアン・フュージョン
気分は... :冬季五輪と北欧・・・

冬季オリンピックを観ていると、北欧の国々が気になってきますね。

ということで、今回はデンマーク産ブラジリアン・フュージョン作品、Ariel『Ariel』(1980年)です。

Arielは1979年から1984年まで活動していたデンマークのジャズ/フュージョン・バンド。

『Ariel』(1980年)、『Solens Born』(1980年)という2枚のアルバムをリリースしています。

1stアルバムとなる本作『Ariel』におけるメンバーはPer Goldschmidt(sax)、Anders Muller (key)、Klavs Hovman (b)、Luiz Carlos "Chuim" De Siqueira (ds、per)、Lei Moe(vo)。

2ndアルバム『Solens Born』では、1stのメンバーからLuiz Carlos "Chuim" De Siqueiraが抜け、新たにNicolai Gromin(g)、Lars Beijbom(ds)、Atilla Engin(per)が加わっています。

1stアルバムとなる『Ariel』(1980年)は、北欧ブラジリアン・フュージョン作品として、サバービア、ブリザ・ブラジレイラでも紹介されたことで再評価が高まりました。

そして、2008年に日本で世界初CD化が実現しました。しかも、CDにはボーナス・トラックとして、2ndアルバム『Solens Born』(オリジナルはデンマーク語)の英詞ヴァージョンにあたる未発表盤『Children Of The Sun』から7曲が追加収録されるという嬉しい特典付きです。

本編のハイライトは、クールなブラジリアン・フュージョン「The Girl With Three Faces」、サンバ・フュージョン「7:47 To Rio」、フリーソウルなブラジリアン・メロウ・グルーヴ「Black Wing」の3曲。この3曲のみで大満足できるはずです。

ボーナス・トラックの中では「Treasures」「Jacuma Blue」の2曲がおススメ。1stにはないギター・フュージョンを楽しめます。ただし、全般的なクオリティは1stに及びませんが・・・

北欧ブラジリアン・フュージョン好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「The Girl With Three Faces」
本編の3大ハイライトその1。サンバ・ホイッスルとコズミック・シンセが印象的なブラジリアン・フュージョン。リズミックながらもクールな美学が貫かれている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FiQwBe99h3M

「Black Wing」
本編の3大ハイライトその2。Lei Moeの女性ヴォーカルをフィーチャーしたフリーソウルなブラジリアン・メロウ・グルーヴ。僕の一番のお気に入りでもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=DkuEhTRw_s8

「Circles In The Air」
メロウな中にもミステリアスな雰囲気が漂う演奏です。純粋にフュージョンを楽しむのであれば、こういうのもいいのでは?

「Would You」
荒々しいビートに煽られて、サックスのテンションも上がっていくフュージョン・チューン。

「From Dusk Towards Dawn」
縦横無尽のサックスと滑らかなベース・ソロが格好良いアップテンポのブラジリアン・フュージョンです。

「When I Close My Eyes」
再びLei Moeのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・ミディアム。せっかくのメロウネスを叩きすぎのドラムがぶち壊している気もしますが(笑)

「Travelling」

「7:47 To Rio」
本編の3大ハイライトその3。本編のラストはサンバ・フュージョンで盛り上げてくれます。躍動するサンバ・リズムにのってサックスが軽やかにブロウします!
https://www.youtube.com/watch?v=lURjcjzoK_Q

ここまでの8曲がオリジナル。ここからの7曲が未発表盤『Children Of The Sun』からのボーナス・トラックです。

「Baltic Park」
個人的にはボートラの目玉2曲と並んでボートラのお気に入り曲。ブラジリアン・フュージョンらしい魅力があります。終わり方が少しあっけないですが・・・

「When You Walked Out On Me」
悪くないけど、ヴォーカル・メインなのか演奏メインなのか少し中途半端な気も・・・

「Treasures」
ボートラの目玉その1。Lei Moeのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・フュージョン。2ndから加入のNicolai Grominのギター・プレイもグッド!

「Blue Rooms」
Lei MoeのヴォーカルとNicolai Grominのギターが映えるメロウ&ミステリアスな演奏です。

「Loneliness」
全くロンリネスな感じはない(笑)躍動感のある演奏です。

「Jacuma Blue」
ボートラの目玉その2。Lei Moeのヴォーカルをフィーチャーしたアップテンポのブラジリアン・フュージョン。全体的にキレがある躍動感がいいですね。

「Nonsense」
ラストはメロウ・バラードですが、音源が悪く気になって音に集中できません。

冬季オリンピックで、ここ数日、ついついカーリングの試合を観てしまいますが、意外に試合時間が長く、終わる頃には結構ぐったりです(笑)

それより今日のフィギュア男子フリーで、ようやく今大会初の日本人金メダリストを見ることができそうですね。
posted by ez at 01:04| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

Lou Bond『Lou Bond』

再評価の高いフォーキー・ソウル作品☆Lou Bond『Lou Bond』
Lou Bond
発表年:1974年
ez的ジャンル:メンフィス系フォーキー・ソウル
気分は... :善は急げ!

今回は再評価の高い70年代フォーキー・ソウル作品Lou Bond『Lou Bond』(1974年)です。

Lou Bond(1945-2013年)はシカゴ出身の黒人ソウル・シンガー。

60年代に数枚のシングルと1974年に唯一のアルバムとなる本作『Lou Bond』をリリースしています。

アルバム『Lou Bond』は、名門Stax傘下のマイナー・レーベルWe Produce Recordsからリリースされた作品ですが、あのGilles Petersonに絶賛されるなどフォーキー・ソウル作品としての再評価が高い1枚です。確かに、Terry Callierあたりに通じる部分があるかもしれませんね。

ただし、フォーキー・ソウルといってもストリングスやホーン・サウンドを配したアレンジが施されており、フォーキーな質感と練られたサウンドの調和が本作の魅力かもしれません。

プロデュースはJo BridgesLester SnellTom Nixon

レコーディングにはAl McKay(g)、William Murphy(b)、 Steve Holt(ds)、Willie Hall(ds)、 Lester Snell(p)、Sidney Kirk(org)、The Horns Of South Memphis(horns)といったメンフィス系ミュージシャンが参加しています。

再評価のきっかけとなった10分超の大作「To The Establishment」が本作のハイライト。個人的にはオリジナルの「Why Must Our Eyes Always Be Turned Backwards」が一番好きです。

また、「Lucky Me」(Jimmy Webb作)、「Let Me Into Your Life」Bill Withers作)、「That's The Way I've Always Heard It Should Be」Carly Simon作)といったカヴァーも本作らしいフォーキー・ソウル感を楽しめます。

ファルセットを交えて歌い上げるLou Bondのヴォーカルは、味わい深く魅力的です。

フォーキー・ソウル好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Lucky Me」
Jimmy Webb作。Richard Harris、1968年のシングル曲をカヴァー。Lou Bondらしい哀愁フォーキー・ソウルとして聴かせてくれます。味わい深い語り口がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=djn-TWE3Hmk

「Why Must Our Eyes Always Be Turned Backwards」
John Harris/Lou Bond作。個人的にはコレが一番好きです。ピースフルな雰囲気のサウンドとファルセットを交えたLou Bondのヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=tz01ffaDZWs

「To The Establishment」
John Harris/Lou Bond作。本作の再評価を高めた1曲はストリングスを配したニューソウル的な仕上がり。哀愁のメロディをしみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=7psjsGe6A3g

本曲は定番サンプリング・ソースとしても大人気です。OutKast「Wailin'」、Prodigy「Trials of Love」、Mary J. Blige「Free (Interlude)」、Brother Ali「Picket Fence」、Houston feat. LeToya Luckett「My Promise」、Ransom「Funeral」、Algebra「My Pride」、Supar Novar「Never Give In」、Starlito「Alright」、Lil B「Whats 100 Dollars」 、Fabolous feat. Trey Songz「Slow Down」、ScHoolboy Q feat. Punch & BJ The Chicago Kid「I'm Good」、Eko Fresh「Zu Extrem」、Genesis the Greykid「A Thought」、Joe Budden「Quality of Life」、Purpose & Confidence「Felony Findings」、Ta-Ku「I Need You」、Cookin Bananas「NPDDPET」、Kuba Knap「Jak Dym Z Tipa」、Mindz of a Different Kind「Black & Brown」、Torae「R.E.A.L.」等のサンプリング・ソースとなっています。
OutKast「Wailin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=Hat11nEGpIQ
Prodigy「Trials of Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=9_Q5a2VrTOI
Mary J. Blige「Free (Interlude)」
 https://www.youtube.com/watch?v=dZUdgG_UQUI
Brother Ali「Picket Fence」
 https://www.youtube.com/watch?v=a1XzHWP1Lsc
Houston feat. LeToya Luckett「My Promise」
 https://www.youtube.com/watch?v=fuO3GUikeyY
Supar Novar「Never Give In」
 https://www.youtube.com/watch?v=zx5fKgrgq2o
Lil B「Whats 100 Dollars」
 https://www.youtube.com/watch?v=MIPL3wBseIw
Fabolous feat. Trey Songz「Slow Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=F7hG3HnrqyY
ScHoolboy Q feat. Punch & BJ the Chicago Kid「I'm Good」
 https://www.youtube.com/watch?v=_4Pq7cE8G0k
Eko Fresh「Zu Extrem」
 https://www.youtube.com/watch?v=dHdOQVY68fk
Genesis the Greykid「A Thought」
 https://www.youtube.com/watch?v=wCaMHGf2F_E
Joe Budden「Quality of Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=dpNAOLsrg8Y
Purpose & Confidence「Felony Findings」
 https://www.youtube.com/watch?v=gOQSgHCboVc
Ta-Ku「I Need You」
 https://www.youtube.com/watch?v=OCa-fyaODwQ
Cookin Bananas「NPDDPET」
 https://www.youtube.com/watch?v=sa-JdVKWH6k
Kuba Knap「Jak Dym Z Tipa」
 https://www.youtube.com/watch?v=EBOdp4q3oqk
Mindz of a Different Kind「Black & Brown」
 https://www.youtube.com/watch?v=ICoYthkp010

「Let Me Into Your Life」
Bill Withers作品をカヴァー。Bill Withers自身のヴァージョンは『Bill Withers Live At Carnegie Hall』(1973年)に収録されています。正にフォーキー・ソウルな仕上がりです。少しストリングスが仰々しい感じもしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=MPqC-gKbJow

「That's The Way I've Always Heard It Should Be」
Carly Simon/Jacob Brackman作。初の全米Top10ヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Carly Simon』(1971年)に収録されています。そんなヒット曲を魅惑のファルセットによるフォーキー・ソウル・カヴァーで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=H_E8n9expGQ

Murs & 9th Wonder「Marry Me」のサンプリング・ソースとなっています。
Murs & 9th Wonder「Marry Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=TWDJGuXoV7o

「Come On Snob」
Lou Bond/Sarah Chandler作。素朴なフォーキー感とスケールの大きなストリングスのコントラストが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=q1Y-x3HEo4E

「I'm Still In Love With You/Motherless Child (Live)」
CDボーナス・トラック。Al Green、1972年の大ヒット曲「I'm Still In Love With You」(Al Green/Al Jackson Jr./Willie Mitchell作)とトラディショナル「Motherless Child」のメドレーのライブ音源です。本編にはないシンプルなギターの弾き語りを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=yxAqx3e3cOY

ギター抱えつつ、面構えは影で見えないジャケの佇まいもいいですね。思わずジャケ買いしたくなる1枚でもあります。
posted by ez at 03:48| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月14日

Johnny "Hammond" Smith『The Stinger』

アメコミ調ジャケのオルガン・ソウル・ジャズ☆Johnny "Hammond" Smith『The Stinger』
スティンガー
発表年:1965年
ez的ジャンル:オルガン・ソウル・ジャズ
気分は... :アメコミ・ヒーロー!

今回はジャズ・オルガン奏者Johnny "Hammond" Smith(1933-1997年)の『The Stinger』(1965年)です。

1950年代から70年代にかけて活躍したハモンド・オルガン奏者Johnny "Hammond" Smithの紹介は、レア・グルーヴ/フリーソウル人気作『Gears』(1975年)、『Gambler's Life』(1974年)に続き3回目となります。

Prestigeからリリースされた本作『The Stinger』(1965年)は、彼がソウル・ジャズへ舵を切ったターニング・ポイントとなる1枚です。

プロデュースはCal Lampley

レコーディング・メンバーはJohnny "Hammond" Smith(org)以下、Floyd Smith(g)、John Harris(ds)、Earl Edwards(sax)、Houston Person(sax)。

「There Is No Greater Love」「You Don't Know What Love Is」というスタンダード・カヴァー2曲以外は、Johnny "Hammond" Smithのオリジナルです。

ちなみにカヴァー2曲は共に1963年レコーディングの『A Little Taste』収録曲の再演です。ただし、結果的に発売は本作『The Stinger』が先になってしまいましたが。

今日的にハイライトとなるのは「Benny's Diggin'」「Brother John」の2曲。この2曲目当てで本作を購入する方が多いのでは?

それ以外の演奏は正直少し地味かもしれませんが、それでもJohnny "Hammond" Smithらしいオルガン・ジャズ・サウンドを楽しめます。

Freddie McCoy『Spider Man』(1966年)と並ぶアメコミ系ジャケも印象的ですね。

Freddie McCoy『Spider Man』(1966年)
スパイダー・マン

全曲紹介しときやす。

「The Stinger」
Johnny "Hammond" Smith作。タイトル曲はブルージーに迫ります。ソウルフルなオルガンと2本のテナー・サックス・ソロを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=k6l3j8V8j_I

「There Is No Greater Love」
Isham Jones/Marty Symes作のジャズ・スタンダードをカヴァー。リラックスしたソウル・フィーリングでサラッと聴かせる感じがいいですね。

「Brother John」
Johnny "Hammond" Smith作。オルガン・ジャズらしいヒップな格好良さのあるソウル・ジャズ。Earl Edwardsのサックス、Floyd Smithのギターもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=X-FuSfttOrg

「Cleopatra And The African Knight」
Johnny "Hammond" Smith作。タイトルも表しているように少しエキゾチックなムードが漂います。

「You Don't Know What Love Is」
Don Raye/Gene DePaul作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。オルガン・ジャズならではのバラード演奏で魅せてくれます。

「Benny's Diggin'」
Johnny "Hammond" Smith作。本作のハイライトはコレなのでは?クラブジャズ好きの人は気に入るであろうスリリング&スピーディーに疾走するオルガン・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=c01ofYuu9Vg

Johnny "Hammond" Smithの他作品もチェックを!

『That Good Feelin'』(1959年)
ザット・グッド・フィーリン

『All Soul』(1960年)
オール・ソウル

『Talk That Talk』(1960年)
Talk That Talk

『Johnny "Hammond" Cooks With Gator Tail』(1962年)
クックス・ウィズ・ゲイター・テイル

『A Little Taste』(1963年)
ア・リトル・テイスト

『Black Coffee』(1963年)
Black Coffee

『Opus de Funk』(1966年)
Opus De Funk

『Breakout』(1971年)
ブレイクアウト

『What's Going On』(1971年)
ホワッツ・ゴーイン・オン?

『Wild Horses/Rock Steady』(1971年)
ワイルド・ホース・ロック・ステディ

『Higher Ground』(1974年)
ハイアー・グラウンド

『Gambler's Life』(1974年)
ギャンブラーズ・ライフ

『Gears』(1975年)
Gears
posted by ez at 01:59| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

Paulo Muniz『Sine Qua Non』

ジャジー/AORフィーリングが増した爽快メロウ・ボッサ☆Paulo Muniz『Sine Qua Non』
シネ・クァ・ノン
発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジリアン男性シンガー・ソングライター
気分は... :素直に楽しめないモヤモヤ感・・・

オリンピックは短時間に日本人メダリストが3名誕生しましたが、できることならば高木選手と高梨選手にはもっといい色のメダルを獲らせてあげたかったですね。3名とも感動をありがとう!

一方、スノーボード女子スロープスタイルはTVで観ていても日本人選手も含めて選手たちが気の毒で仕方がありませでした。4年間の努力の集大成の場があれほど劣悪な条件とは・・・選手たちのやりきれない気持ちを思うと言葉がありません。

そんな事もあってか、今回のオリンピックは素直に楽しめないモヤモヤ感がありますね。

今回はブラジリアン男性シンガー・ソングライターPaulo Munizの2ndアルバム『Sine Qua Non』(2007年)です。

1976年リオ・デ・ジャネイロ生まれのブラジル人SSW、Paulo Munizの紹介は『Trying To Fool Destiny』(2007年 ※国内盤)、『Your Love』(2012年)に続き3回目となります。

Paulo Munizと言えば、2007年に国内盤がリリースされた『Trying To Fool Destiny』(オリジナルは2006年)で日本のブラジル音楽ファンを魅了した現在進行形のボサノヴァ作品でした。

『Trying To Fool Destiny』は、ソフト&ジェントルな歌声と爽快メロウ・サウンドで当時の僕のヘビロテの1枚でもありました。

その勢いに乗ってリリースされた2nd『Sine Qua Non』(2007年)は、前作のソフト&ジェントルな歌声と爽快メロウ・サウンドを受け継ぎつつ、サウンドのバリエーションを増したジャジー/AORフィーリングが加わった1枚に仕上がっています。

楽曲はすべてPaulo Munizのオリジナルです。

他のPaulo Muniz作品同様に、親しみやすいソフト&メロウな音世界を満喫できる日本人込みのボッサ作品に仕上がっています。

優しい歌声と爽快メロウなボッサ・サウンドを求めている方はチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Last Try」
小粋なボッサ・フィーリングにフルート&ピアノによるジャジー・フィーリングが加わった洗練されたオープニング。スキャット・コーラスもいいですね。晴れた日の朝に聴くと、何か良いことが起きそうな予感しそう!

「Esqueca」
Paulo Munizらしい現在進行形ボサノヴァを堪能できる日本人好みの1曲に仕上がっているのでは?Munizのジェントル・ヴォーカルが実に心地好いですね。

「Sweet Delusion」
少しテンポを落としたスウィート・フィーリングの仕上がり。ストリングスが雰囲気を盛り上げてくれます。

「Um Acidente So」
ジャジー・サックスと共に始まるメロウ・チューン。ブラジル人SSWらしいメロディのジャジー・メロウを楽しめます。

「Even Better, Somehow」
ハーモニカがいいアクセントになっている爽快メロウ・ボッサ。どこまでも爽やかに疾走していく感じがPaulo Munizらしいですね。

「Tantas vezes」
シンプルなギターの弾き語りですが、逆にはMunizのジェントルな魅力が伝わってきます。

「Perdao」
『Trying To Fool Destiny』国内盤ボーナス・トラックとして収録されていた楽曲の正式ヴァージョン。ファンなら納得の洗練された爽快メロウに仕上がっています。涼しげなフルートとスキャット・コーラスもグッド!

「Sine Qua Non」
タイトル曲はエレガントなストリングスを配したロマンティックなボッサ・チューン。素敵なアレンジがいいですね。

「Ate O Final」
小粋なジャズ・サンバ調の仕上がり。60年代ジャズ・サンバの2000年代仕様にアップデートした感じがいいですね。素敵なサックスが盛り上げてくれます。

「Perdi」
ブラジル人SSWらしいメロディを楽しめる爽快メロウ。クラリネットのアクセントがいいですね。

「Any Further」
ラストは落ち着いた雰囲気のオトナのジャジー・メロウで締め括ってくれます。

Paulo Munizの他作品もチェックを!

『Trying To Fool Destiny』(2007年 ※国内盤)
トライング・トゥ・フール・デスティニィ(ジャパニーズ・エディション・デジパック仕様)

『Your Love』(2012年)
paulo muniz your love.jpg
posted by ez at 00:45| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

Lenny Williams『Choosing You』

ガラージ・クラシック「Choosing You」収録☆Lenny Williams『Choosing You』
CHOOSING YOU: EXPANDED EDITION
発表年:1977年
ez的ジャンル:元Tower Of Power系アーバン・ソウル
気分は... :祝日モードの音!

Tower Of Powerのリード・シンガーLenny Williams『Choosing You』(1977年)です。

ベイエリアの人気ファンク・グループTower Of Powerの絶頂期を支えたリード・シンガーLenny Williamsの紹介は、1stソロ・アルバム『Pray For The Lion』(1974年)に続き2回目となります。

本作『Choosing You』(1977年)は、『Pray For The Lion』(1974年)、『Rise Sleeping Beauty』(1975年)に続くソロ第3弾アルバムとなります。

プロデュースはFrank Wilson

レコーディングにはGreg Adams(tp)、Mic Gillette(tp、tb)、Lenny Pickett(ts、as)、Emilio Castillo(as)、Steve Kupka(bs)という古巣Tower Of Powerのホーン・セクションをはじめ、James Gadsen(ds)、Ollie Brown(ds)、James Jamerson(b)、Nathan Watts(b)、Willie Weeks(b)、Ray Parker, Jr.(g)、SpaceArkKenny Chavis(g)、Sonny Burke(key)、Gregory Phillinganes(key)、Neil Larsen(key)等の腕利きミュージシャンが参加しています。

ハイライトとなるのはガラージ・クラシックとしても知られる「Choosing You」ですね。

僕の一番のお気に入りはフリーソウルなメロウ・グルーヴ「Look Up With Your Mind」。それ以外に、ディスコ調の「Riding The High Wire」、軽やかなシャッフル「Shoo Doo Fu Fu Ooh!」、アーバン・ファンク「Please Don't Tempt Me」あたりもおススメです。バラードならば、「Problem Solver」ですかね。

西海岸のアーバン・フィーリングが心地好い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Shoo Doo Fu Fu Ooh!」
Bernard Thompson/Lenny Williams作。シングル・カットもされた軽やかなシャッフル・ミディアム・グルーヴ。聴いているだけで開放的な気分になれるオープニングです。TOPホーン隊が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eJl1f9T9hXA

「Look Up With Your Mind」
Frank Wilson/Judy Wieder作。この曲もシングルになりました。フリーソウル好きが気に入りそうなメロウ・グルーヴ。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=YGfYmm5E_dA

「Choosing You」
Lenny Williams作。今日的にはガラージ・クラシックとしても知られる本曲が本作のハイライトかもしれませんね。シングルにもなりました。国内盤ライナーノーツにも書いてありますが、The Isley Brothersっぽいですね。当時のIsleysをアーバンにすると、こんな感じになるのでは?Ernie Isleyばりのギター・ソロはRay Parker, Jr.です。
https://www.youtube.com/watch?v=vDunbeWjSi8

「Riding The High Wire」
Frank Wilson/John Footman/Judy Wieder作。ディスコ調のダンサブル・チューン。華やかなストリングス・アレンジで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eaw8_nM1HgI

Willie the Kid & Lee Bannon「Bath Water Running」のサンプリング・ソースとなっています。
Willie the Kid & Lee Bannon「Bath Water Running」
 https://www.youtube.com/watch?v=99I-AeWIF4s

「Please Don't Tempt Me」
Art Posey/Frank Wilson/Josef Powell作。ジャケットの雰囲気を音に反映したようなアーバン・ファンク。重心の低いグルーヴでグイグイくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OBovQ4cDUmo

「I've Been Away For Too Long」
Art Posey/Josef Powell作。しっとり歌い上げるバラード。ヴォーカリストとしての本領を発揮してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QbzkwLWK-Ps

Kool G Rap feat. Haylie Duff「On the Rise Again」のサンプリング・ソースとなっています。
Kool G Rap feat. Haylie Duff「On the Rise Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=unOMLdiErBo

「Trust In Me」
Frank Wilson/John Footman/Terri McFaddin作。この曲もバラード。美しいピアノ&ストリングスをバックに切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=hVUb3QN6UU4

「Problem Solver」
David Stallings/Lenny Williams作。1stソロ『Pray For The Lion』(1974年)に収録されていたジェントル・バラードの再演。『Pray For The Lion』ヴァージョンも大好きでしたが、アーバン・メロウ風味の本ヴァージョンもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=zHeNrAN91Rg

ご興味がある方は他のLenny Williams作品もチェックを!

『Pray For The Lion』(1975年)
Pray for the Lion by Wounded Bird Records 【並行輸入品】

『Spark of Love』(1978年)
Spark of Love: Expanded Edition

『Layin' In Wait』(1989年)
Layin' In Wait

『Here's To The Lady』(1996年)
Here's to the Lady

『Love Therapy』(2000年)
Love Therapy

『My Way』(2004年)
My Way

『It Must Be Love』(2007年)
It Must Be Love

『Unfinished Business』(2009年)
Unfinished Business

『Still In The Game』(2012年)
Still in the Game by Music Access Inc. 【並行輸入品】
posted by ez at 00:04| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする