濃厚ファンクネスの西海岸ギャングスタ・ラップ☆
『WC And The Maad Circle『Ain't A Damn Thang Changed』♪
発表年:1991年
ez的ジャンル:西海岸ギャングスタ・ラップ
気分は... :ギャングスタ・ラップ!
たまたま深夜に伝説的ヒップホップ・グループ
N.W.A.の歴史を描いた映画
『Straight Outta Compton』(2015年)を観ていたら、気分がウエスト・コーストHip-Hop/ギャングスタ・ラップモードになってきました。
『Straight Outta Compton』(2015年)
(熱曲的Hip-Hopリスナーであった訳ではありませんが)当時の僕自身のHip-Hop嗜好はイースト・コースト寄りであり、ウエスト・コーストのギャングスタ・ラップは斜め目線で眺めていたので、N.W.A.を偉そうに語れる身分ではありません。
それでも(当ブログで紹介したことはありませんが)N.W.A.やDr. Dre関連のCDも一応所有しており、
N.W.A.や
Dr. Dre、
Ice Cubeが音楽シーンに与えた影響はリアルタイムで実感していました。
その意味で
『Straight Outta Compton』は実に興味深い映画でした。
Eazy-E、
Dr. Dre、
Ice Cubeという中心メンバー3名それぞれの目線で描かれていたのが良かったですね。
映画でも描かれていましたが、結局、才能ある音楽グループを崩壊させるのはメンバーではなく、グループが生む莫大な金に群がる連中というのは、いつの時代も同じなのですね。
前置きが長くなりましたが、そんな気分でセレクトした西海岸ギャングスタ・ラップ作品が
WC And The Maad Circle『Ain't A Damn Thang Changed』(1991年)です。
本当はベタに
N.W.A.『Straight Outta Compton』(1988年)、
Dr. Dre『The Chronic』(1992年)あたりにすればいいのかもしれませんが、いずれも歴史的作品だけに生半可な記事を書けないと思い、逃げました(笑)
WC And The Maad Circleは、Hip-Hopデュオ
Low Profileのメンバーであった
WC(William Calhoun)がデュオ解消後にL.A.で結成したHip-Hopユニット。
ちなみに
Minority Alliance of Anti-Discriminationを意味する
The Maad Circleというユニット名は、
Ice Cubeが命名したものです。
結成時のメンバーは
WC、
Chilly Chill、
Big Gee、
Sir Jinx、
Coolio、
DJ Crazy Toones。1995年に
「Gangsta's Paradise」で大ブレイクする
Coolioもメンバーでした。
グループは
『Ain't A Damn Thang Changed』(1991年)、
『Curb Servin'』(1995年)という2枚のアルバムをリリースしており、どちらも
Ice Cubeが関与しています。
また、リーダー
WCは、
Ice Cube、
Mack 10とのギャングスタ・ラップ・スーパー・ユニット
Westside Connectionを結成し、
『Bow Down』(1996年)、
『Terrorist Threats』(2003年)という2枚のアルバムを大ヒットさせています。
1stアルバムとなる本作
『Ain't A Damn Thang Changed』は、1991年リリースということで、まだG-Funk前夜ですが野太いハードコア感が漂うギャングスタ・ラップ作品に仕上がっています。
必ずしもギャングスタ・ラップ好きではなかった僕が、なぜ本作をリアルタイムで購入したのか全く覚えていません。多分、ファンクネス濃厚なトラックが多いので、ショップで試聴して気に入ったのかもしれません。
「Ghetto Serenade」、
「You Don't Work, U Don't Eat」、
「Ain't A Damn Thang Changed」、
「Behind Closed Doors」、
「Get Up On That Funk」、
「Back To The Underground」あたりで当時の西海岸らしい重量ファンク・サウンドとギャングスタ・ラップを楽しめます。
もう一回、『Straight Outta Compton』が観たくなってきました!
全曲紹介しときやす。
「Intro」アルバムのイントロ。
「Ain't A Damn Thang Changed」The Sequence「Funk You Up」ネタのトラックに
James Brown「The Payback」、Kurtis Blow「AJ Scratch」、Low Profile「Funky Song」の声ネタが絡む重量ファンク。後半には
The Brothers Johnson「Ain't We Funkin' Now」のベース・ネタも加わり、パワー・アップします。西海岸ギャングスタ・ラップ然としたタイトル曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=pvaaEPu-kiI「The Break Up (Skit)」短いスキットですが、
Parliament「Do That Stuff」、
Parliament「Agony of Defeet」、The Staple Singers 「I'll Take You There」、
Digital Underground 「The Humpty Dance」といったネタ満載です。
https://www.youtube.com/watch?v=RPbLIoiiL4Q「Behind Closed Doors」Fred Wesley & The J.B.'s「More Peas」のホーン・ネタ、
Digital Underground 「The Humpty Dance」ネタの重量トラックに、N.W.A「Gangsta Gangsta」、Dana Dane「Cinderfella Dana Dane」ネタが絡む不穏なギャングスタ・ラップ。
https://www.youtube.com/watch?v=7FvBICxisfo「Out On A Furlough」Sly & The Family Stone「Thank You for Talkin' to Me Africa」ネタのミディアム・ファンク・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pvDAwY5w3_c「A Crazy Break」1分にも満たないトラックですが、
Marvin Gaye「What's Going On」、
Bloodstone 「Who Has the Last Laugh Now」、Bo Diddley「Hit or Miss」、
James Brown「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」、、「Funky President (People It's Bad) 」、「Coldblooded」、Melvin Bliss「Synthetic Substitution」 ネタのファンキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=lpTASI_tLCs「Caught N A Fad」ラガ/レゲエ調のアクセントと途中のTears for Fears「Shout」ネタの挿入が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-xzSVLpdhHw「Fuck My Daddy」ギャングスタ・ラップらしい挑発的なリリックを畳みかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=1vviS0uC44k「Back On The Scene」このトラックも1分強しかありませんが、
The Isley Brothers「Fight the Power」、
Earth, Wind & Fire「Fantasy」、
Rick James「Mary Jane」、The Dramatics「Get Up and Get Down」、Rufus Thomas「Do the Funky Penguin」という大ネタで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Oqyz7eibRKw「Get Up On That Funk」Average White Band「Your Love Is a Miracle」ネタのトラックに
James Brown「Get Up Offa That Thing」のフレーズを引用した重量ファンク感が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=23AZO6hnmHM「Gettin' Looped/Dress Code」「Dress Code」としてシングル・カットもされました。The Mar-Keys「Black」のトラックに、N.W.A「A Bitch Iz a Bitch」、Grandmaster Flash & The Furious Five feat. Grandmaster Melle Mel & Duke Bootee 「The Message」、Joeski Love「Pee-Wee's Dance」、
The O'Jays「Back Stabbers」ネタが絡むデンジャラスなギャングスタ・ラップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4i1_FPGb93A「Smokers La La Bye」インタールード的なトラック。
「You Don't Work, U Don't Eat」Ice Cube、 J-Dee、MC Eihtをフィーチャー。
Zapp「More Bounce to the Ounce」 、
Johnny Guitar Watson「Superman Lover」One Way「Pull Fancy Dancer/Pull」ネタの超重量ファンク・トラックに、Ice Cube「You Can't Fade Me/JD's Gafflin'」、Rollin' Wit' the Lench Mob by 「Rollin' Wit' the Lench Mob」、
James Brown「Mind Power」、
Ohio Players「Skin Tight」、Malcolm Xネタが絡み、ウエッサイな雰囲気を存分に楽しめます。
The Headhunters「God Make Me Funky」、Fred Wesley & The J.B.'s「You Can Have Watergate Just Gimme Some Bucks and I'll Be Straight」ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=tyImtXh4n-E「Grandma Locked Out (Skit)」放送禁止用語が聞こえっぱなしのスキット。
「Ghetto Serenade」僕の一番のお気に入り。
One Way feat. Al Hudson「Pop It」、
Parliament「Gamin' on Ya!」ネタに
B.T. Express「You Got Something」のベース、
James Brown「Funky Drummer」、Joe Tex「Papa Was Too」のドラムが絡むファンクネスたっぷりのトラックが格好良すぎます。
James Brown「Stone to the Bone」、Big Bird「Big Bird Writes a Poem」ネタも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=aj1E0As3IgY「Back To The Underground」The Soul Searchers「Ashley's Roachclip」ネタのドラムに、
James Brown「Say It Loud, I'm Black and I'm Proud」、The Jimmy Castor Bunch「Troglodyte (Cave Man) 」、T La Rock and Jazzy Jay「It's Yours」、
Digital Underground 「The Humpty Dance」の声ネタが絡む強力ファンク・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=9j85ac-maDA 「A Soldiers Story」ラストは
Sun「My Woman」ネタの哀愁モードが、中盤に一転し、Bobby Demo「More Ounce (Rap)」ネタの重量ファンク・トラックへ変貌します。
https://www.youtube.com/watch?v=QoRLtyUjPvQご興味がある方は2nd
『Curb Servin'』(1995年)や
Westside Connectionの他作品もチェックを!
『Curb Servin'』(1995年)
Westside Connection『Bow Down』(1996年)
Westside Connection『Terrorist Threats』(2003年)