2018年03月07日

Leon Thomas『Spirits Known And Unknown』

個性派黒人ジャズ・シンガーによるスピリチュアル・ジャズ・クラシック☆Leon Thomas『Spirits Known And Unknown』
スピリッツ・ノウン&アンノウン +3  (日本独自企画盤、解説、歌詞付き)
発表年:1969年
ez的ジャンル:個性派黒人シンガー系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :シンプルかつ個性的に!

今回は独自のヨーデル調スキャットで知られる男性ジャズ・シンガーLeon Thomasの1stソロ・アルバム『Spirits Known And Unknown』(1969年)です。スピリチュアル・ジャズ・クラシックとして再評価の高い1枚ですね。

Leon Thomas(1937-1999年)イリノイ州イーストセントルイス出身。

当ブログでも紹介したスピリチュアル・ジャズ名盤Pharoah Sanders『Karma』(1969年)への参加で注目され、『Karma』のプロデューサーであったBob Thieleが設立したレーベルFlying Dutchmanとの契約に成功します。

Pharoah Sanders『Karma』(1969年)
カーマ

そして、Flying Dutchmanから本作『Spirits Known And Unknown』(1969年)を皮切りに、『The Leon Thomas Album』(1970年)、『In Berlinb』(1971年)、『Blues And The Soulful Truth』(1972年)、『Full Circle』(1973年)といったアルバムをリリースしています。

本作『Spirits Known And Unknown』(1969年)は、ジャケに"New Vocal Frontiers"と表記されているように、ヨーデル調スキャットでジャズ・ヴォーカルの新たな可能性を示した作品です。

ただし、ヨーデル調スキャットで奇をてらうのではなく、本格的なスピリチュアル・ジャズ作品として魅力的な1枚です。

プロデュースはBob Thiele

レコーディング・メンバーはLeon Thomas(vo、per)以下、Roy Haynes(ds)、Lonnie Liston Smith(p)、Richard Landrum(bongos)、Richard Davis(b)、Cecil McBee(b)、James Spaulding(as、fl)、Little RockPharoah Sanders)(ts)。

Little Rockの変名で参加したPharoah Sanders、Leon Thomasと共に『Karma』で注目され、Flying Dutchmanから多くのリーダー作をリリースしたLonnie Liston Smithの参加が目を引きます。

目立つのは前述の『Karma』収録の名曲「The Creator Has A Master Plan」のリメイクですが、それ以外にも「Malcolm's Gone」「Song For My Father」Horace Silverの名曲カヴァー)、「Echoes」といった演奏にもスピリチュアル・ジャズらしい魅力が詰まっています。また、クラブジャズ的な格好良さを持つハイスピードの「One」もお気に入りです。

Pharoah Sandersのスピリチュアル・ジャズ・ワールドがお好きな人であれば、気に入る1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Creator Has A Master Plan」
Leon Thomas/Pharoah Sanders作。
前述のように、彼の名を一躍知らしめたPharoah Sanders『Karma』収録のスピリチュアル・ジャズ・クラシックのリメイク。『Karma』の30分超の長尺オリジナル・ヴァージョンを、約4分半のコンパクト・ヴァージョンで聴かせてくれます。オリジナルよりも少し遅いテンポで、Thomasがヨーデル調スキャットは少し控えめにしつつ、穏やかに歌い上げます。オリジナルと同じくLonnie Liston Smithの内部奏法、James Spauldingのフルートも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ipRZEHRx6ow

「One」
Leon Thomas作。クラブジャズ好きの人は要チェックの1曲。ハイスピードのバッキングを従え、ヨーデル調スキャット全開で格好良く疾走します。この時代らしいラブ&ピースな歌詞もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fzAPyoaBdp4

「Echoes」
Leon Thomas作。スピリチュアル・ジャズらしい神秘的な崇高さが魅力の演奏です。James Spauldingのフルートのアヴァンギャルドな響きとヨーデル調スキャットがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Dwk_8UIf6YQ

「Song For My Father」
Horace Silverの名曲をカヴァー。Silverのオリジナルは『Song For My Father』(1964年)に収録されています。Steely Dan「Rikki Don't Lose That Number(リキの電話番号)」のモチーフとしてもお馴染みですね。ここではEllen May Shashoyanによる歌詞を歌い上げ、この名曲にThomasらしいスピリチュアル・ジャズなエッセンスを吹き込んでいます。適度にパーカッシヴなのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=AqU-E6NGwoM

「Damn Nam (Ain't Goin' To Vietnam)」
Leon Thomas作。サウンドだけ聴けば、ブルージーで軽やかなジャズ演奏ですが、サブ・タイトルにもあるように、ベトナム戦争への反戦歌です。
https://www.youtube.com/watch?v=Dwk_8UIf6YQ

「Malcolm's Gone」
Leon Thomas/Pharoah Sanders作。タイトルからも分かるように黒人公民権運動活動家マルコムXの暗殺をモチーフにした社会派ソングです。Pharoah SandersもLittle Rockの変名で加勢し、重厚で壮大なスピリチュアル・ジャズ・ワールドを展開します。Pharoah Sanders好きの人ならば気に入るエネルギッシュな演奏です!
https://www.youtube.com/watch?v=QV6M94mZARE

「Let The Rain Fall On Me」
Aaron Bell/Carla Huston作。James Spauldingのフルート、Lonnie Liston Smithの美しいピアノが先導するビューティフル・ジャズ・バラードでジェントルに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EQDPVDG8Gr4

ボーナス・トラックとして、H. Rap Brownと共同名義でリリースされた『SNCC's Rap』(1970年)にも収録されているFilmore Eastでのライブから「A Night In Tunisia」「Damn Nam (Ain't Goin' To Vietnam)」「Um Um Um」の3曲が追加収録されています。

Leon Thomasの他作品もチェックを!

『The Leon Thomas Album』(1970年)
レオン・トーマス・アルバム  (日本初CD化、日本独自企画盤、解説、歌詞付き)

Leon Thomas With Oliver Nelson『In Berlinb』(1971年)
In Berlin

『Blues And The Soulful Truth』(1972年)
ブルース・アンド・ザ・ソウルフル・トゥルース (日本初CD化、日本独自企画盤、歌詞、解説付き)

『Full Circle』(1973年)
フル・サークル (日本初CD化、日本独自企画盤、歌詞、解説付き)
posted by ez at 00:25| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

The Dynamic Superiors『The Dynamic Superiors』

ファルセットが映えるスウィート・ソウル☆The Dynamic Superiors『The Dynamic Superiors』
ダイナミック・スーペリアーズ
発表年:1975年
ez的ジャンル:男性ソウル・ヴォーカル・グループ
気分は... :ジャケで引かないで(笑)

今回は70年代ソウル作品からThe Dynamic Superiors『The Dynamic Superiors』(1975年)です。

The Dynamic Superiorsは、リード・シンガーTony Washingtonを中心に、George SpannGeorge Wesley Peterback, Jr.Michael McCalpinMaurice Washingtonというハイスクールの仲間5名が1963年にワシントンD.C.で結成したソウル・ヴォーカル・グループ。当初はThe Superiorsを名乗っていました。

グループはMotownから『The Dynamic Superiors』(1975年)、『Pure Pleasure』(1975年)、『You Name It』(1976年)、『Give And Take』(1977年)という4枚のアルバムをリリースしています。それ以外に『The Sky's the Limit』(1980年)というアルバムをリリースしています。

1stアルバムとなる本作『The Dynamic Superiors』(1975年)は、ゲイを公言していたリード・シンガーTony Washingtonがゲイ・モード全開で中央に陣取るイラストのジャケがインパクト大ですね。

内容的にもAshford & Simpson(Nickolas Ashford & Valerie Simpson)がプロデュースし、最大のヒットである名バラード「Shoe Shoe Shine」が収録されているグループを代表するアルバムです。

「Shoe Shoe Shine」をはじめ、「Leave It Alone」「Don't Send Nobody Else」「Romeo」といったスウィート・バラードが売りのアルバムですが、「Soon」「Release Me」あたりのメロウ・ミディアムもおススメです。

「I Got Away」以外はAshford & Simpsonによるソングライティングです。

ファルセット・ヴォーカルが映えるスウィート・ソウルをご堪能ください。

全曲紹介しときやす。

「Shoe Shoe Shine」
前述のようにグループを代表する名バラード。甘く切ないメロディをTony Washingtonのファルセット・ヴォーカルが歌い上げるスウィート・ソウル。クラシックに相応しい佇まいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=mOtk-3R44QQ

XV feat. El Prez「Please, Holdのサンプリング・ソースとなっています。
XV feat. El Prez「Please, Hold」
 https://www.youtube.com/watch?v=p9ZgU9pFu4k

「Soon」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。適度にメロウ&グルーヴィーなサウンドとこのグループらしいコーラスワークがマッチした爽快ミディアム。クラヴィネットのグルーヴィーな音色がいいアクセントになっています。

「Leave It Alone」
「Shoe Shoe Shine」に引けを取らない素敵なバラード。聴けば聴くほど味わいが増すオーセンティックな名バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C2CNVBP5FpY

「Don't Send Nobody Else」
Millie Jacksonのカヴァー(Nickolas Ashford/Valerie Simpson作)。Millie Jacksonのオリジナルは『It Hurts So Good』(1973年)に収録されています。Ace Spectrumもカヴァーしていました。
https://www.youtube.com/watch?v=4yruV9o04Y0

Wade Waters「Back in Time」、Noel Gourdin「Better Man」、Lil B「Myself Alone」、Shaun Boothe feat. Kim Davis「Do It for You」、Blu feat. Prodigy, Mitchy Slick & Phil Da Agony「Red and Gold」のサンプリング・ソースとなっています。
Wade Waters「Back in Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=F-YlRrJfEew
Noel Gourdin「Better Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=yMKdpvo5mOU
Lil B「Myself Alone」
 https://www.youtube.com/watch?v=N7M7W8y9a9U
Shaun Boothe feat. Kim Davis「Do It for You」
 https://www.youtube.com/watch?v=MM5Vs-GWdqA
Blu feat. Prodigy, Mitchy Slick & Phil Da Agony「Red and Gold」
 https://www.youtube.com/watch?v=4CY3DE6MpTc

「Romeo」
切々と歌い上げるドラマティックなバラード。Tony Washingtonのファルセットも冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=oWCgZ7GMTcU

ソウル・グループMirageがアルバム『Princes Of Love』(1978年)でカヴァーしています。また、Puff Daddy feat. Busta Rhymes, Sauce Money,Redman,Shyne, G. Dep & Cee-Lo Green「Reverse」、1982「Born in 82」のサンプリング・ソースとなっています。
Mirage「Romeo」
 https://www.youtube.com/watch?v=Kl5m94hdnJY
Puff Daddy feat. Busta Rhymes, Sauce Money,Redman,Shyne, G. Dep & Cee-Lo Green「Reverse」
 https://www.youtube.com/watch?v=dDWBfJ43_X0
1982「Born in 82」
 https://www.youtube.com/watch?v=OHFe0e9h06Y

「Star of my Life」
しっとりと歌い上げるバラード。Tony Washingtonの天まで届きそうなファルセットが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=rKOfqdeD74E

「Cry When You Want To」
切々とした哀愁バラード。ジワジワくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ouWfvtDKKJM

Crazy P「One True Light」のサンプリング・ソースとなっています。
Crazy P「One True Light」
 https://www.youtube.com/watch?v=yp7x7u3KkyA

「I Got Away」
後にVillage PeopleのメンバーとなるRaymond Simpsonの作品。ソウル・コーラス・グループらしいカラっとしたダンサブル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pqqKuRYKheo

「One-Nighter」
ポップなアレンジを施したミディアム・グルーヴ。少し狙いすぎの感もありますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=7V6U_D86E1U

「Release Me」
ラストはファルセットが映える雰囲気のあるメロウ・ミディアムで素敵に締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wj6iDhScgDk

The Dynamic Superiorsの他作品もチェックを!

『The Dynamic Superiors/Pure Pleasure』(1975/1976年)※2in1CD
DYNAMIC SUPERIORS + PURE PLEASURE

『You Name It』(1976年)
YOU NAME IT ~ EXPANDED EDITION

『Give And Take』(1977年)
GIVE & TAKE ~ EXPANDED EDITION
posted by ez at 02:01| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月04日

Matador! Soul Sounds『Get Ready』

現行ジャズ・ファンクの強力ユニット誕生!☆Matador! Soul Sounds『Get Ready』
ゲット・レディ
発表年:2018年
ez的ジャンル:現行ジャズ・ファンク
気分は... :テキーラ!テキーラ!テキーラ!

新作アルバムから現行ジャズ・ファンクの強力ユニットの1stアルバムMatador! Soul Sounds『Get Ready』です。

Matador! Soul Soundsは、UKの人気ジャズ・ファンク・バンドThe New Mastersoundsの中心人物であるギタリストEddie RobertsとN.Y.のジャズ・ファンク・バンドSouliveのドラマーAlan Evansを中心に結成されたジャズ・ファンク・ユニット。

この2人に加え、Chris Spies(key)、Kevin Scott(b)、Kim Dawson(vo)、Adryon de Leon(vo)がこのユニットに参加しています。

アルバムは現行ジャズ・ファンクの魅力が凝縮されたような作品に仕上がっています。殆どの曲にソウルフルな女性ヴォーカルが入っているので、インスト中心という理由でジャズ・ファンク作品を敬遠している人も楽しめる1枚だと思います。ユニット名にもある闘牛士のような格好良さがあります。

個人的なおススメは「Get Ready」「Stingy Love」「Anything For Your Love」「El Dorado」「Move Move Move」あたりですかね。

「Computer Love」(Kraftwerkのカヴァー)、「Move Move Move」(Alan Parker & Alan Hawkshawnのカヴァー)以外はメンバーのオリジナルです。

グルーヴィーなジャズ・ファンク好きの方は、ぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Get Ready」
シングル・カットもされたタイトル曲。パワフルなジャズ・ファンク・グルーヴとソウルフル女性ヴォーカルが織り成すグループの名刺代わりのオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=ydS7sNA_8Aw

「Stingy Love」
シンプルながらもスリリングなグルーヴが女性ヴォーカル陣の格好良さを引き立てます。聴けば聴くほど魅了される1曲です。

「Too Late」
現行ジャズ・ファンクらしいロウ・ファンク。女性ツイン・ヴォーカルならではの臨場感がいいですね。

「The State Of Affairs」
Alan Evansの格好良いブレイクを存分に堪能できるダンサブル・ジャズ・ファンク。軽やかなEddie Robertsのギター・プレイもグッド!

「Anything For Your Love」
グルーヴィーなオルガン・サウンドが印象的なファンキー・ソウル。女性ヴォーカル陣がパワフルなヴォーカルで盛り上げてくれます。

「Mr Handsome」
推進力がありつつもリラックスしたソウル・ジャズ・グルーヴを楽しめるインスト。Alan Evansのブレイクもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GxOZk7ZWJ90 ※ライブ音源

「El Dorado」
ここではAlan Evansがヴォーカルも務めます。現行ジャズ・ファンクならではドープな格好良さが詰まっている僕好みの1曲です。

「Cee Cee」
ソウルフルな女性ヴォーカルが映える1曲。Eddie Robertsのソロも存分に楽しめます。

「Soulmaro」
軽快なテンポで疾走するギター・プレイの映える1曲です。

「Covfefe」
雰囲気のある女性ヴォーカル陣とパワフルなジャズ・ファンク・グルーヴが噛み合った臨場感のある演奏です。

「Theme For A Private Investigator」
ドラム・ブレイクと共に始まるスリリングなジャズ・ファンク。刑事アクション映画のサントラとかにフィットしそうです。

「Computer Love」
本編のラストは意外にもドイツの電子音楽の雄Kraftwerkのカヴァー。オリジナルは『Computer World』(1981年)に収録されています。テクノ・ポップ名曲をジャズ・ファンク・スタイルでカヴァーするセンスが心憎いですね。

ここからの2曲はボーナス・トラック。

「Ludvig」
The Metersばりの骨のあるファンキー・グルーヴで楽しませてくれます。

「Move Move Move」
Alan Parker & Alan Hawkshawnのカヴァー。オリジナルは『Music For A Young Generation』(1971年)に収録されています。ここではアッパー&アグレッシブなジャズ・ファンク・サウンドで弾けています。

Eddie Roberts関連の過去記事もご参照下さい。

The New Mastersounds『Therapy』(2014年)
セラピー

Eddie Roberts & Freckles『Move』(2010年)
ムーヴ
posted by ez at 01:33| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月03日

Trin-I-Tee 5:7『Spiritual Love』

艶やかな女性コンテンポラリー・ゴスペル☆Trin-I-Tee 5:7『Spiritual Love』
Spiritual Love
発表年:1999年
ez的ジャンル:女性コンテンポラリー・ゴスペル・グループ
気分は... :救済されたい・・・

週末突入前にプチ・トラブル・・・
余計な労力を使い、精神的に少しお疲れモード(泣)
こんな時にはゴスペルでも聴いて救済されたい・・・

ということで、今回は女性ゴスペル・グループTrin-i-tee 5:7の2ndアルバム『Spiritual Love』(1999年)です。

ニューオリンズで結成された女性ゴスペル・グループTrin-i-tee 5:7の紹介は、デビュー・アルバム『Trin-i-tee 5:7』(1998年)に続き2回目となります。

本作『Spiritual Love』(1999年)におけるメンバーは、前作と同じくAngel TaylorChanelle HayesAdrian Andersonの3名。

アルバム全体は前作と同じく、R&B寄りのコンテンポラリー・ゴスペル作品に仕上がっています。

メイン・プロデュースはArmando Colon。前作に続きR. Kellyが1曲プロデュースしています。それ以外にFred Jerkins IIIRodney Jerkinsの兄)等もプロデュースを手掛けています。

個人的なハイライトはa href="http://eastzono.seesaa.net/article/431774616.html">L.T.D.「(Every Time I Turn Around) Back in Love Again」ネタがキャッチーな「Put Your Hands」。とりあえずコレをチェックしてみてください!

それ以外であれば、「Spiritual Love」「The Day You Came」「If They Only Knew」といった美メロ曲、「My Body」「How You Living」といったR&Bモードの妖艶チューンが僕のお気に入り。

ゴスペル・モードに浸りたい方には、R. Kellyプロデュース、Kirk Franklinをフィーチャーした「There He Is」「I Promise You」あたりがおススメです。

コンテンポラリー・ゴスペルという枠に関係なく、90年代女性R&Bグループがお好きな人はぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Put Your Hands」
Armando Colonプロデュース。本作のハイライト。L.T.D.「(Every Time I Turn Around) Back in Love Again」ネタの軽快なダンサブル・トラックと、Ocean「Put Your Hand in the Hand」のフレーズを引用したコーラスが実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=qHDRr9Y7j3c

「My Body」
Armando Colonプロデュース。当時のR&Bサウンドを意識したダンサブルなミディアム・グルーヴ。なかなかセクシーな仕上がりなのでは。
https://www.youtube.com/watch?v=guSl2m-BJ3s

「Spiritual Love」
Armando Colonプロデュース。タイトル曲はピュア&キュートな魅力が伝わってくる美メロのミディアム。女性R&Bグループらしい胸キュンな感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9C2m2NgzeA0

「Imagine That」「Interlude: Tribute」
Robert Smith/Fred Jerkins IIIプロデュース。インタールード。

「Highway」
Tramaine Hawkinsをフィーチャー。ここではゴスペル・フィーリングを前面に打ち出したミディアム。Joe "Flip" Wilsonプロデュース。ゴスペル・コーラス・グループとしての本来の魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=UqqT0J3YBM0

「Gonna Get Myself Together」
Gerald Isaacプロデュース。情感たっぷりに歌い上げるコンテンポラリー・ゴスペルらしいミディアム・スロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=klIJc45amfI

「There He Is」
R. Kellyプロデュース。Kirk Franklinをフィーチャーした注目曲。丁寧に歌い上げるゴスペル・バラードです。聴いているだけで神に救われる気分になってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=qGg6kI_mask

「How You Living」
Joe "Flip" Wilsonプロデュース。再びR&Bモードへ突入!悩殺ミードの妖艶ダンサブル・チューン。前曲「There He Is」のギャップの大きさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZROrm6kC1qU

「I Promise You」
Crystal Lewisをフィーチャー。Fred Jerkins IIIプロデュース。ゴスペルらしいタイトルからも想像できるように、ビューティフルなゴスペル・バラードです。大きな愛を感じましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Yj5iUJLZnJg

「You Were There」
Fred Jerkins IIIプロデュース。R&Bフィーリングとゴスペルらしさを程良くバランスさせたミディアム・バラード。Rev. James Moore「He Was There All the Time」のフレーズを引用しています。

「We Know」
Armando Colonプロデュース。アグレッシブなサウンドは印象的な妖艶ミディアム・グルーヴ。

「The Day You Came」
Fred Jerkins IIIプロデュース。僕好みの美メロのミディアム。女性コーラス・グループらしいしなやかさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=mrLbHzn91y0

「Interlude: Prayer」
Armando Colonプロデュース。インタールード。

「If They Only Knew」
Armando Colonプロデュース。感動的なビューティフル・バラード。優しい歌声が聴く者を包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tli6KVULpeA

「Y'all Put Your Hands (Remix)」
ラストは Kenny Mによる「Put Your Hands」のリミックス。オリジナルほどのインパクトはありませんが、それなりに楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=LdSsHTYHSBg

ご興味のある方は他のアルバムもどうぞ!

『Trin-i-tee 5:7』(1998年)
Trin-I-Tee 5:7

『The Kiss』(2002年)
Kiss

『T57』(2007年)
T57

『Angel & Chanelle』(2011年)
Angel & Chanelle
posted by ez at 02:40| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月02日

Dave Mason『Dave Mason』

レイドバック感が心地好い1枚☆Dave Mason『Dave Mason』
デイヴ・メイスン(紙ジャケット仕様)
発表年:1974年
ez的ジャンル:レイドバック系ロック
気分は... :少しモヤモヤ...

今回はレイドバック感のある70年代ロック作品、Dave Mason『Dave Mason』(1974年)です。

TrafficのメンバーDave Masonの紹介は、『It's Like You Never Left』(1973年)、『Let It Flow』(1977年)に続き3回目となります。

本作『Dave Mason』(1974年)は、Columbia移籍第2弾アルバムです。前作『It's Like You Never Left』(1973年)には、George HarrisonGraham NashStevie Wonderといった豪華ゲストが参加していましたが、本作ではそうしたゲストを排し、自身のバンドでのレコーディングを重視した1枚に仕上がっています。

そのThe Dave Mason Bandのメンバーは、Dave Mason(vo、g)、Mike Finnigan(key、back vo)、Bob Glaub(b)、Rick Jaeger(ds)、Jim Krueger(g、back vo)。

それ以外にRichard Bennet(pedal steel)、Gary Barone(horn)、Jerry Jumonville(horn)、Jock Ellis(horn)、Sal Marquez(horn)、Tim Weisberg(fl)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはDave Mason本人。また、Nick DeCaroがストリングス・アレンジを手掛けています。

気心知れたメンバーと肩肘張らずにリラックスして制作された感じがいいですね。「All Along the Watchtower」「Every Woman」あたりの人気が高いかもしれませんが、個人的には「Show Me Some Affection」「It Can't Make Any Difference To Me」あたりもおススメです。

アルバムは全米アルバム・チャート第25位となっています。

ある意味、とてもDave Masonらしい1枚に仕上がっているのでは?

全曲紹介しときやす。

「Show Me Some Affection」
Dave Mason作。レイドバックした中の爽快メロウ・フィーリングが心地好いオープニング。涼しげなフルートの音色もいいですね。個人的にはコレが一番のお気に入り。

「Get Ahold On Love」
Dave Mason作。この時期のウエスト・コースト・ロック好きの人であれば気に入るであろう仕上がり。軽やかなホーン・サウンドもグッド!

「Every Woman」
Dave Mason作。人気の高い曲ですね。Richard Bennetのペダル・スティールが印象的なカントリー調の仕上がり。前作『It's Like You Never Left』(1973年)にも収録されていた楽曲の再録。本ヴァージョンの方が作り込まれていて完成度は高いです。
https://www.youtube.com/watch?v=_iI1Hv84o_k

「It Can't Make Any Difference To Me」
Lane Tietgen作。ソウルフルな味わいのイントロが格好良いミディアム・ロック。Jim Kruegerのギター・ソロもキマっています。

Xzibit「Judgement Day」のサンプリング・ソースとなっています。
Xzibit「Judgement Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=4SgGBSPDS9M

「All Along the Watchtower」
Bob Dylanの名曲をカヴァー。オリジナルは『John Wesley Harding』(1967年)に収録されています。Jimi Hendrixのカヴァーでもお馴染みですね。本ヴァージョンはDave Masonのギタリスト魂を堪能でき、ジミヘン・ヴァージョンがお好きな方も気に入ると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=erHGEagAk_g

「Bring It On Home to Me」
Sam Cooke、1962年のヒット曲をカヴァー(Sam Cooke作)。ア・カペラ・コーラスと共に始まるカントリー・ソウル調の仕上がりはなかなか感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ruSVxqIsDv0

「Harmony and Melody」
Dave Mason作。レイドバックした雰囲気が心地好い1曲。Jim Kruegerのギター・ソロがいい味出しています。

「Relation Ships」
Dave Mason作。しみじみと歌い上げる味わい深い1曲ですが、重くなりすぎないのがいいですね。

「You Can't Take It When You Go」
Dave Mason作。ラストは本作でしっかりロックしている演奏で締め括ってくれます。中盤のMike Finniganのオルガン・ソロにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=eS7M0mjIcbk

Jay Dee(J Dilla)「Nothing Like This」のサンプリング・ソースとなっています。
Jay Dee「Nothing Like This」
 https://www.youtube.com/watch?v=_ncSt5xC8Uk

Dave Masonの他作品もチェックを!

『Alone Together』(1970年)
アローン・トゥゲザー

Dave Mason & Cass Elliot『Dave Mason & Cass Elliot』(1971年)
Dave Mason & Cass Elliot

『Alone Together/Headkeeper』(1970/1972年) ※2in1CD
ALONE TOGETHER / HEADKEEPER

『It's Like You Never Left』(1973年)
忘れえぬ人(期間生産限定盤)

『Split Coconut』(1975年)
Split Coconut

『Certified Live』(1976年)
ライヴ~情念(期間生産限定盤)

『Let It Flow』(1977年)
流れるままに(期間生産限定盤)

『Mariposa de Oro』(1978年)
黄金の蝶(紙ジャケット仕様)

『Old Crest on a New Wave』(1980年)
明日へのチャンピオン(期間生産限定盤)
posted by ez at 07:19| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする