録音年:1960年
ez的ジャンル:イタリアン・ジャズの至宝系ヨーロッパ・ジャズ
気分は... :Ciao!
今回はGianni Basso(ts)とOscar Valdambrini(tp)の双頭コンボQuintetto Basso-Valdambriの『Walking in the Night』(1960年)です。
サックス奏者Gianni Basso(1931-2009年)とトランペット奏者Oscar Valdambrini (1924-1997年)を双頭リーダーにしたイタリアン・ジャズの至宝コンボの紹介は、Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)、Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)に続き3回目となります。
1955年の結成から1973年までイタリアのジャズ・シーンを牽引してきたイタリア・ジャズ界の功労者と呼べるコンボであると同時に、今日のクラブジャズに多大な影響を与えたBasso-Valdambri。
クラブジャズ世代からBasso-Valdambriへのリスペクトは、イタリアのクラブジャズ・ブームの立役者であるマエストロNicola ConteがプロデュースしたBasso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)に象徴されています。『Look Out』には本作『Walking in the Night』からのカヴァーも多数収録されています。
レコーディング・メンバーはGianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini(tp)、Renato Sellani(p)、Giorgio Azzolini(b)、Gianni Cazzola(ds)の5名。
本作のハイライトといえば、Schema Sextetのカヴァーでも知られるクラブジャズ好きにはマストな人気曲「Lotar」になりますね。
それ以外にも同じくSchema Sextetがカヴァーした「Time Was」、軽快なアフロ・キューバン「Tea Time」、スタイリッシュな「Mitigati」、快調なハードバップ「Bashfully」、高速で疾走する「Estroverso」はクラブジャズ好きにフィットするはずです。品良くソフトリーな「Ricordando Lester」も個人的には大好きです。
クラブジャズ好きの人は触発されること間違いなしのセンス抜群の1枚です。
やはり伊達男の国のジャズはこうでなくちゃ!
全曲を紹介しときやす。
「Lotar」
Oscar Valdambrini作。前述のSchema Sextetのカヴァーでも知られるクラブジャズ人気曲。前作『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)にも同曲が収録されていますが、ヴァージョンが異なります。スリリングに疾走するアフロ・キューバン調のハードバップの格好良さは、とても58年前のレコーディングとは思えません。このクールなオープニングだけでも本作を聴く価値がありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=mnc-GVrT71g
Schema Sextetヴァージョンもチェックを!
Schema Sextet「Lotar」
https://www.youtube.com/watch?v=U9na7I0Frf4
「Blues For Gerry」
Attilio Donadio作。この曲もSchema Sextetがカヴァーしています。タイトルの通り、ブルースですが決して重くならず、伊達男の国らしい小粋なセンスを感じます。
Schema Sextet「Blues For Gerry」
https://www.youtube.com/watch?v=3zBaJIiaANE
「Time Was」
A. Grettici作。この曲もSchema Sextetがカヴァーしています。クラブジャズ好きの人は気に入るであろうスタイリッシュなハードバップ・チューンです。小気味良いアンサンブルがいいですし、Valdambri、Bassoのソロも快調です。
「Time Was/Softly」
https://www.youtube.com/watch?v=DVHKESiUq9Q
Schema Sextetヴァージョンもチェックを!
Schema Sextet「Time Was」
https://www.youtube.com/watch?v=xcxEv9cS61k
「Bashfully」
A. Grettici作。快調なハードバップ。メンバー5名の息の合ったアンサンブルを満喫できます。純粋に格好良い!
「Estroverso」
Piero Umiliani作。高速で疾走するスリリングな演奏は、クラブジャズ世代の人にもスーッと入ってくるクールな演奏です。
「Bashfully/Estroverso」
https://www.youtube.com/watch?v=bdWGbOq-oN8
「Tea Time」
H. Gefolge作。アフロ・キューバン調の軽快な演奏はクラブジャズ好きにはたまりません。
「Mitigati」
Oscar Valdambrini作。スピーディーな格好良さでいえば、このハードバップも文句なし!伊達男のスタイリッシュなジャズが凝縮されています。
https://www.youtube.com/watch?v=5S7z2htv45w ※ノイズ多し
「Softly」
A. Grettici作。タイトルの通り、ソフトリーな演奏で一端落ち着きを与えてくれます。
「Walking In The Night」
Oscar Valdambrini作。タイトル曲はその名の通り、ウォーキング・ベースが牽引する真夜中モードの哀愁ジャズ。小粋な雰囲気が本作らしいですね。
「Renee」
Attilio Donadio作。前曲の続編のような演奏ですが、こちらの方が穏やかな雰囲気です。二管のリラックスしたトーンがいいですね。
「Dialogo」
Piero Umiliani作。本作唯一のバラード。男の哀愁が滲み出てくる感じがいいですね。
「Ricordando Lester」
Attilio Donadio作。軽快ながらも品良くソフトリーな演奏が印象的です。今聴いても実にスタイリッシュでセンス抜群です。
他のBasso/Valdambrini作品もどうぞ!
『Basso Valdambrini Quintet』(1959年)
『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
『Exciting 6』(1967年)
ご興味がある方は、本作からのカヴァーを多く含むBasso-Valdambriniへのトリビュート・アルバムSchema Sextet『Look Out』(2000年)も併せてチェックを!
Schema Sextet『Look Out』(2000年)