2018年03月28日

Barbara Acklin『Seven Days Of Night』

永遠の名曲「Am I The Same Girl」収録☆Barbara Acklin『Seven Days Of Night』
セヴン・デイズ・オブ・ナイト
発表年:1969年
ez的ジャンル:Brunswick系レディ・ソウル
気分は... :色褪せない名曲!

今回はシカゴ・ソウルの名門レーベルBrunswickを代表する女性ソウル・シンガーBarbara Acklinの代表作『Seven Days Of Night』(1969年)です。

Barbara Acklin(1943-1998年)はカリフォルニア州オークランド生まれ、シカゴ育ちの女性ソウル・シンガー。

プロデューサーCarl Davisに見出され、シカゴ・ソウルの名門レーベルBrunswickから『Love Makes a Woman』(1968年)、『Seven Days Of Night』(1969年)、『Someone Else's Arms』(1970年)、『I Did It』(1971年)、『I Call It Trouble』(1973年)という5枚のアルバムをリリースしています。その後Capitolからアルバム『A Place in the Sun』(1975年)をリリースしています。

また、作詞家として、Jackie Wilson「Whispers (Gettin' Louder)」、大ヒット曲The Chi-Lites「Have You Seen Her」等を手掛けたことでも知られます。

今回紹介する2ndアルバム『Seven Days Of Night』(1969年)は、彼女の代表曲「Am I The Same Girl」が収録されていることで知られる1枚です。「Am I The Same Girl」は、Swing Out Sisterのカヴァーで知られる名曲と紹介した方がピンと来る方が多いかもしれませんね、

「Am I The Same Girl」は、1968年に全米チャート第3位、同R&Bチャート第3位の大ヒットとなったYoung Holt Unlimited「Soulful Strut」と同トラックのヴォーカル入りヴァージョンとして知られる曲です。

しかし、実際には先にレコーディングされたのは「Am I The Same Girl」であり、そのトラックをベースにピアノを加えたインスト・ヴァージョンとして整え、(Isaac "Redd" HoltやEldee Youngが演奏していないも関わらず)Young Holt Unlimited名義でリリースしたのが「Soulful Strut」でした。

Young Holt Unlimitedの大ヒットを受けて、慌てて「Am I The Same Girl」もシングル・リリースされましたが、結果としてYoung Holt Unlimitedのようなヒットには至りませんでした。(名義だけ使われた)Young Holt UnlimitedとBarbara Acklinの双方にとってスッキリしない話でしが、それでも「Am I The Same Girl」がいつ聴いても色褪せない永遠の名曲であることには変わりません。

さて、話を本作『Seven Days Of Night』(1969年)に戻すと、Carl DavisThe Chi-Litesのリード・シンガーEugene Recordがプロデュースを手掛け、ソングライティングでも貢献しています。

彼らやBarbaraによるオリジナル曲が中心ですが、Dionne Warwickヴァージョンで知られるHal David/Burt Bacharach作品を3曲カヴァーしている点も印象的です。

ハイライトは勿論「Am I The Same Girl」ですが、それ以外であれな、ノーザン・ソウル/R&Bな魅力に溢れた「A Raggedy Ride」「Seven Days Of Night」「Just Ain't No Love」が僕のおススメ。

3曲のBacharachカヴァーを含むポップ・ソウル路線の中では「This Girl's In Love With You」「Until You Return」「Here Is A Heart」「Mr. Sunshine (Where Is My Shadow)」あたりが僕好みです。

Swing Out Sisterの「Am I The Same Girl」しか聴いたことがない方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「A Raggedy Ride」
Barbara Acklin/Carl Davis/Eugene Record作。ファンキーなR&BグルーヴをバックにBarbaraのヴォーカルが弾けるオープニング。とぼけた音色のハモンドも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2wh8iw6SlyE

「Go With Love」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲をカヴァー。オリジナルはDionne Warwick。ポップ・ソウルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=U9MP-RM9OZg

「Seven Days Of Night」
Carl Davis/Eugene Record作。タイトル曲は僕好みのはつらつとしたキュートさが魅力のノーザン・ソウル調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=JBxc9lFAJUc

「Just Ain't No Love」
Carl Davis/Eugene Record作。この曲もノーザン・ソウル調の仕上がり。シングルにもなったキャッチーさがあり、キュートな格好良さにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=I5WcUkVOgFA

「Where Would I Go」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲をカヴァー。オリジナルはDionne Warwick。あらゆる意味でDionne Warwickっぽいですね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=nTp5tl567NQ

「Am I The Same Girl」
Sonny Sanders/Eugene Record作。前述のようにYoung Holt Unlimited「Soulful Strut」のヴォーカル入りヴァージョンです。このイントロを聴いただけで心トキメクものがありますね。そこにBarbaraのヴォーカルが加わると、さらにチャーミングな音世界が広がっていくのがいいですね。時代を超えた普遍的魅力を持った永遠の名曲です!
https://www.youtube.com/watch?v=nZzIl25d6_0

本曲の場合、前述のようにBarbaraやYoung Holt Unlimitedのヴァージョン以上にSwing Out Sisterヴァージョンの知名度が高いでしょうね。僕もSwing Out Sisterで本曲を知った一人です。

それ以外にもDusty Springfield、Salena Jones等がカヴァーしています。インストの「Soulful Strut」のカヴァーまで含めると、さらに多くのアーティストがカヴァーしていますね。また、サンプリング・ソースの場合、元が同じなので「Soulful Strut」ネタと呼ぶべきか、「Am I The Same Girl」ネタと呼ぶべきか、よく分かりません。一般的には先にリリースされた「Soulful Strut」がオリジナル扱いなので、「Soulful Strut」ネタになっているケースが多いと思います。当ブログで以前に紹介したFor Real「Good Morning Sunshine」の場合、「Soulful Strut」ネタとコメントしていました。
Young Holt Unlimited「Soulful Strut」
 https://www.youtube.com/watch?v=yX1XSOzDPik
Swing Out Sister「Am I The Same Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=C3dkLr1yFps
Dusty Springfield「Am I The Same Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=59M_oJaLulE
Salena Jones「Am I The Same Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=QPZSkz1Ua00
For Real「Good Morning Sunshine」
 https://www.youtube.com/watch?v=VD6xOwa6nNc

「Until You Return」
Barbara Acklin/Carl Davis/Eugene Record作。ポップ・ソウル路線のバラードですが、キュートな切なさにグッとくる僕好みの1曲です。

「This Girl's In Love With You」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲をカヴァー。オリジナルはHerb Alpert、有名なのはDionne Warwickヴァージョンですね。少しわざとらしい位の艶めかしい歌い回しのポップ・バラードですが、逆にそれが良かったりします(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=bzFmbB1x_Vo

「Here Is A Heart」
Barbara Acklin/Carl Davis/Eugene Record作。本作の中であまり語られることのない1曲ですが、僕はかなり好きです。適度にビートが効いていて、ポップでキュートな魅力に溢れていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Hvez33G1LWc

「Mr. Sunshine (Where Is My Shadow)」
Carl Davis/Eugene Record作。キュートなBarbaraを聴きたいならば、アレンジが冴えているこの曲もおススメ。

「Love Had Come To Stay」
Barbara Acklin/Carl Davis/Eugene Record作。ラストはしっとりとしたバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8obMplUyBWQ

Barbara AcklinBrunswick時代の他作品もチェックを!

『Someone Else's Arms』(1970年)
サムワン・エルスズ・アームズ

『I Did It』(1971年)
アイ・ディド・イット(期間限定価格盤)

『I Call It Trouble』(1973年)
アイ・コール・イット・トラブル+1
posted by ez at 05:03| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする