発表年:2018年
ez的ジャンル:Fela Kuti直系アフロビート
気分は... :レベル・ミュージック!
新作アルバムから、アフロビートの創始者Fela Kutiの一番下の息子Seun Kutiが、父も率いたグループEgypt 80を従えた最新4thアルバム『Black Times』です。
1982年生まれのサックス奏者/ヴォーカリストSeun Kutiの紹介は2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)、3rdアルバム『A Long Way To The Beginning』(2014年)に続き3回目となります。
前作に続き、先鋭ジャズ・ピアニストRobert Glasperを共同プロデューサーに迎えているようです(所有する輸入盤ではクレジットを発見できませんでしたが・・・)。
父Fela Kutiが遺した"アフロビート"という世界遺産の素晴らしさを受け継ぎつつ、さらに2018年仕様にアップデートさせている点が魅力の1枚です。各曲のタイトルからして、父の遺志を継いだレベル・ミュージックになっているのがいいですね。
大物ギタリストCarlos Santanaをフィーチャーしたタイトル曲「Black Times」や、刺激なタイトルのオープニング「Last Revolutionary」あたりが目立ちますが、個人的には「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」、「Struggle Sounds」、「Theory Of Goat And Yam」あたりもアフロビートの魅力に溢れていて大好きです。
普段、アフロビートを聴かない人にも聴いて欲しい、最新形アフロビートの魅力が詰まった1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Last Revolutionary」
父の遺志を継ぐ、権力と闘うアフロビートでアルバムは幕を開けます。パワフルなリズム隊、軽快なギター・カッティング、鼓舞するようなホーン・サウンドを従え、Seun Kutiのヴォーカルが人々を扇動します。
https://www.youtube.com/watch?v=CvU2O6YSkco
「Black Times」
タイトル曲はCarlos Santanaをフィーチャー。黒人としてのプライドを訴えるSeun Kutiのメッセージに呼応するようにSantanaのギターが唸りを上げるエネルギッシュな仕上がり。大物ゲストに敬意を払いつつ、現行アフロビートのパワーを伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HRggdDV-dBc
「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」
曲タイトルからしてFela KutiのDNAを強く感じる戦闘モードのアフロビート。同時に格好良すぎる最新アフロビートのグルーヴを存分に満喫できます。僕の一番のお気に入り。
「Kuku Kee Me」
父Fela Kutiのバックを務めていた元Egypt 80のサックス奏者Rilwan Fagbemiとの共作。攻撃的なアフロビートですが、ダイナミックなホーン・サウンドにはアフロ・ジャズ的な魅力もあります。
「Bad Man Lighter (B.M.L.)」
漆黒のリズム隊の格好良さにグッとくる1曲。勢いだけではない緻密に練られたアフロビートを楽しめます。
「African Dreams」
少しテンポを落としたアフロ・ジャズ。女性コーラス隊との掛け合いがいいですね。終盤の加速するアンサンブルも格好良いです。
「Struggle Sounds」
「Corporate Public Control Department (C.P.C.D.)」と並ぶ僕のお気に入り。初っ端のバリトン・サックスとSeun&コーラス隊の掛け合いを聴いただけでテンション上がりまくりです!父が創り出したアフロビートの初期衝動的な魅力を失わず、2018年仕様にアップデートされている感じがたまりませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=jOJrqWfF9Sg ※ライブ音源
「Theory Of Goat And Yam」
攻撃的ホーン・アンサンブルに脳内を刺激されるアッパーな直線的アフロビートでアルバムを締め括ってくれます。スピード感はアルバムで一番!
Seun Kutiの過去作品もチェックを!
『Many Things』(2008年)
『From Africa With Fury: Rise』(2011年)
『A Long Way To The Beginning』(2014年)