2018年04月02日

Edwin Moses『Love Turns You Upside Down』

スペイン産ヤング・ソウル・ポップ・バンド☆Edwin Moses『Love Turns You Upside Down』
Love Turns You Upside Down
発表年:2003年
ez的ジャンル:スペイン産ヤング・ソウル・ポップ・バンド
気分は... :気分一新!

今回はスペイン産ヤング・ソウル・ポップEdwin Moses『Love Turns You Upside Down』(2003年)です。

Edwin Mosesは、スペイン北部の海岸都市ヒホンで1994年に結成された白人ヤング・ソウル・ポップ・バンド。架空ソウル・シンガーEdwin Mosesという設定に基づき、Curtis Mayfieldをはじめとする70年代ソウルへのオマージュを感じるソウル・サウンドへアプローチしています。バンド名はアメリカの男子陸上400Mハードルの金メダリストEdwin Mosesに因んだものでしょうね。

バンドはスペインのネオアコ/ソフトロック系レーベルSiestaから『Edwin Moses』(2000年)、『Love Turns You Upside Down』(2003年)、『The Gospel African Years Of Jamal Nafsum』(2006年)、『Cabrini Green』(2012年)という4枚のアルバムをリリースしています。

国内盤もリリースされているバンドですが、ソウル・バンドとしての注目というより、Siestaレーベルからの新進バンドとしての注目の方が大きかったのでは?スペイン産ということもあり、王道R&B/ソウル好きの方には馴染みの薄いグループかもしれませんね。

本作におけるメンバーはPablo Errea(Pablo R. A.)(vo、g)、Pedro Vigil(b、g、org、back vo)、Luigi Navarro(g、back vo)、Cesar Latorre(p、org)、Manuel Molina(ds、per)、Guzman Arguello(sax、back vo)の5名。

本作『Love Turns You Upside Down』(2003年)は、人気の高い1stアルバム『Edwin Moses』(2000年)ほどの派手さはない作品ですが、このバンドらしいヤング・ソウル・ポップを楽しめる1枚です。個人的には1st以上にバンドの魅力を満喫できる1枚に仕上がっていると思います。

70年代ニューソウル調のエッセンスを取り入れつつ、ポップ・バンドらしいメリハリをつけた巧みなアレンジ・センスが冴えます。正直、ヴォーカルはソウルフルというよりも少し青臭さの残るポップ・バンド調ですが、逆にそれがバンドの魅力になっていると思います。

ギター・ポップ・バンドがソウルを素材に極上のポップに仕上げる確信犯的センスは、スペインの渋谷系とでも呼びたくなります。

とりあえず「Let You Down」「Summertime (In India)」「Looking For Another」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できると思います。

ソウルとポップの巧みないいとこ取りをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Looking For Another」
しっとりとしたピアノの続き、70年代ニューソウル調のストリングス&ギター・カッティングと共に始まるオープニング。Curtis調と評されることが多いバンドですが、この曲はMarvin Gaye『What's Going On』ライクです。今の時期に相応しい柔らかな雰囲気が、ポップ・ソウル・バンドならではのセンスかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=fRsoEcsBzEE

「(I'm Feeling) So Much Better」
メロトロンとホーン・サウンドを効果的に配したミディアム・ソウル。レトロ・ソウルのエッセンスを用いつつ、ポップ・バンドらしい巧みなアレンジ・センスが冴える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=J9tLHI4e9IU

「Glory Glory」
Curtis Mayfieldの初期ソロ作を思わせるストリングスが印象的なメロウ・ソウル。本作らしい柔らかいソウルネスが心地好いです。

「Summertime (In India)」
ポップ・バンドらしいソウル・グルーヴを楽しめる1曲。軽快なギター・カッティング、グルーヴィーなハモンド・オルガン、開放的なホーン・サウンド、少し青臭いヴォーカルがよく調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=bNh4vLa_cRQ

「Wouldn't You Keep It」
ポップ・バンドとしての魅力を感じるミディアム・バラード。ここでもPablo Erreaの青臭いヴォーカルが吉と出ています。

「Let You Down」
僕の一番のお気に入り。Curtis Mayfield調のファルセット・ヴォーカルが映えるメロウ・ソウル・グルーヴ。フリーソウル好きの人も気に入りそうなヤング・ソウル・ポップ・バンドらしい1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ecnO4g7JrSg

「Love Turns You Upside Down」
哀愁のインスト・チューン。追憶のバラードといった趣です。

「Holding Back For Sorrow」
ピアノをバックにしみじみと歌い上げるバラード。レトロなエッセンスで味わい深さを演出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=D2_66zGj0Ck

「Blues Away」
北欧ブルーアイド・ソウルの人気作であったTuomo『My Thing』(2007年)がお好きだった人ならば、気に入りそうなサウンドの1曲です。ヴォーカルはポップ・バンド寄りですが。

「Streams Of Love And Hate」
素敵なアコースティック・メロウ。Siestaというレーベルを考えると、もう少しこのタイプの曲があってもいいのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=7Aer-fEvYXM

「Falling For You」
リズム隊なしのサウンドでしっとりと歌い上げるラブ・バラード。

「The Love Rising」
インストによるアルバムのアウトロ。

Edwin Mosesの他作品もチェックを!

『Edwin Moses』(2000年)
Edwin Moses

『The Gospel African Years Of Jamal Nafsum』(2006年)
ザ・ゴスペル・アフリカン・イヤーズ・オブ・ジャマル・ナフサム
posted by ez at 00:31| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする