2018年04月12日

Jesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』

R&B/Hip-Hopの新たな方向性を示した1枚☆Jesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』
Zulu Guru [帯・解説付き・国内盤仕様 / 輸入盤] (BRZN191)
発表年:2012年
ez的ジャンル:新世代R&B/Hip-Hop
気分は... :真理はどこに・・・

今回はカリスマ的存在感を放つ男性R&BアーティストJesse Boykins IIIがN.Y.出身のDJ/プロデューサー/ラッパーMelo-Xと共同名義でリリースしたアルバムJesse Boykins III & MeLo-X『Zulu Guru』(2012年)です。

1985年シカゴ生まれの男性R&BアーティストJesse Boykins IIIの紹介は、Machinedrumがプロデュースした『Love Apparatus』(2014年)に続き2回目となります。

Ninja Tuneからリリースされた本作『Zulu Guru』(2012年)はリリース当時からR&B/Hip-Hopの新たな方向性を示したアルバムとして評価が高かった1枚ですね。

Jesse Boykins III自身は自らの音楽を"ワールド・ソウル"と称しているようであり、本作もアルバム・タイトルにはアフリカ、神秘的なジャケットにはアジアを感じます。実際のサウンドにもアフリカ、アジアのエッセンスを感じる楽曲があります。

Jesse Boykins IIIMelo-X以外にAfta-1Gora SouA.CHALTrackademicsBig MonoJ.MostAngoがサウンドを手掛けています。

『Jazz The New Chapter』方面からも注目度が高い男性R&BシンガーChris Turnerをはじめ、Trae HarrisMorufJoe KennethMara HrubryAngoKesedStreet Etiquetteといったアーティストがフィーチャリングされています。

Chris Turner、Moruf、Street EtiquetteはJesse Boykins IIIが主宰するアート・コレクティヴThe Romantic Movementのメンバーでもあります。ちなみに本作のソングライティングは全てThe Romantic Movement名義です。

フューチャリスティック&コズミックなエレクトリック・サウンドとジャケ・イメージそのままの神秘的な雰囲気を融合させたサウンドで独自の音世界を切り拓いているのが魅力的です。

D'AngeloSteve Spacekを引き合いに出されることも多かった本作ですが、確かにD'Angeloのカリスマ性とSteve Spacekのフューチャリスティックな斬新さを持ち合わせた1枚かもしれません。

アートや美学を感じる新世代R&B/Hip-Hop作品です。

全曲紹介しときやす。

「Zulu Guru (Part I)」
Trae Harrisをフィーチャー。ズールーについて語るアルバムのイントロ。

「I'm New Here」
MeLo-Xがトラックを手掛けた哀愁モードのエレクトリック・ソウル。フューチャリスティックで神秘的な音世界に引き込まれます。

「Black Orpheus」
Afta-1がサウンドを手掛けたアルバムからのリード・シングル。アフロ・パーカッシヴ&コズミックなトラックの中でJesseのヴォーカルが浮遊し、MeLo-Xのラップがパーカッシヴ・リズムとシンクロします。
https://www.youtube.com/watch?v=JpxsRwnRwCQ

「Change Of Heart」
Chris TurnerとニュージャジーのラッパーMoRufをフィーチャー。ギターが織り成すビューティフル・サウンドとChris Turnerのファルセット・ヴォーカルが夢心地の気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jBebA-KGzCc

「Broken Wings」
元々MeLo-X『More Merch』(2010年)に収録されていた楽曲。 MeLo-Xによる幻想的でフューチャリスティックなトラックが冴えます。MeLo-Xのキレのあるラップもグッド!

「Schwaza」
Joe Kennethによるスポークン・ワードをフィーチャー。タイトルはJesseらによる造語であり、正しく理解すること、感謝することを意味するらしいです。

「The Perfect Blues」
Jesse Boykins IIIがGora Souと制作した楽曲。来日中に鎌倉の大仏、寺、神社で撮影されたPVも印象的です。幻想的なミディアムR&Bですが、東洋哲学の影響もあるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=qzIPPKPtAJ8

「Searching Her Ways」
A.CHALがサウンドを手掛けています。ダイナミズムのある近未来的エレクトリック・ソウルは僕好みのダンサブルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=4amhAERSHvs

「Primal Chance」
Mara Hrubryの女性ヴォーカルをフィーチャー。Trackademicsがサウンドを手掛け、リズミックなエレクトリック・サウンドとヴォーカルワークが絶妙にマッチした完成度の高い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=c86j3P1Ita4

「Strange Recreation」
Big Monoがサウンドを手掛けています。タイトルの通り、不思議な音世界に引き込まれるコズミック&ダビーなミディアム・チューン。

「Tribe Of Stafa」
J.Mostがサウンドを手掛けています。ストリングスによるイントロを切り裂くようにトライバル・リズムとMeLo-Xのラップが駆け抜けていきます。

「Better For You (Remix)」
カナダ出身のシンガー/プロデューサーAngoをフィーチャー。リズミックなエレクトリック・サウンドが神秘的な音世界を構築します。

「Outta My Mind」
再びChris Turnerをフィーチャー。東洋哲学の影響も感じる内省的な1曲に仕上がっています。

「Zulu Guru (Part II)」
Kesedをフィーチャー。ズールーについて語るパート2。

「Schwaza Culture」
Street Etiquetteをフィーチャー。再びSchwazaがタイトルに登場します。MeLo-Xが手掛ける壮大かつダンサブルなエレクトリック・サウンドが格好良いです!

Jesse Boykins IIIの他作品もチェックを!

『The Beauty Created』(2008年)
The Beauty Created

『Love Apparatus』(2014年)
LOVE APPARATUS [国内盤/解説付/ボーナス・トラック3曲収録]
posted by ez at 02:53| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする