2018年04月13日

Stefania Rava『Send In The Clowns』

Paolo Scottiプロデュースの女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Stefania Rava『Send In The Clowns』
Send In The Crowns
発表年:2009年
ez的ジャンル:イタリアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :巻き返しなるか!

今回はクラブジャズ作品からイタリア人女性ジャズ・シンガーStefania Ravaの1stアルバム『Send In The Clowns』(2009年)です。

1970年イタリア、パルマ出身の女性シンガーStefania Ravaの紹介は、2ndアルバム『The Sweetest Sound』(2010年)に続き2回目となります。

本作『Send In The Clowns』(2009年)は、『The Sweetest Sound』(2010年)と同じく、イタリア・ジャズ界の仕掛人の一人Paolo Scotti(Deja Vu Records主宰)がプロデューサーとして関与したNorma Bluからのリリースです。

プロデュースはPaolo ScottiGuido Pistocchi

Guido Pistocchiは、Paolo Scottiが"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"を目指し、結集したプロジェクトidea6のメンバーです。

レコーディングにはStefania Rava(vo)、Guido Pistocchi(tp)、Roberto Rossi(tb)、Claudio Filippini(p)、Dario Rosciglione(b)、Marcello di Leonardo(ds)といったミュージシャンが参加しています。

2nd『The Sweetest Sound』(2010年)は、ソウル、ファンク、フュージョン、ブラジル音楽系のカヴァーが印象的でしたが、本作はジャズ・スタンダードのカヴァーが中心です。

クラブジャズ人気の高いLorez Alexandriaヴァージョンをお手本にしたタイトル曲「Send In the Clowns」、ブラジリアン・テイストの「Jubilee」、ボッサ・ジャズな「Speak Low」、軽やかに疾走する「When Sunny Get Blue」Vince Andrewsの人気曲カヴァー「The One Who Needs You」あたりがおススメです。

クラブジャズ好きのための女性ジャズ・ヴォーカル作品を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Our Day Will Come」
Mort Garson/Bob Hilliard作。Ruby & the Romantics、1963年の全米チャートNo.1ヒットをカヴァー。小粋で軽快なピアノ・トリオのバッキングを従え、Stefaniaが色気のあるヴォーカルを披露してくれるオープニング。

「Send In the Clowns」
Stephen Sondheim作。ミュージカル『A Little Night Music』(1973年)挿入歌であり、ジャズ・スタンダードとしてお馴染みの楽曲をカヴァー。クラブジャズ・ファンにはアフロ・キューバン・テイストのLorez Alexandriaヴァージョンが人気ですね。本ヴァージョンもLorez Alexandriaヴァージョンをお手本としつつ、ボッサなエッセンスを加え、よりスタイリッシュに聴かせてくれます。Lorez Alexandriaヴァージョンと同じくトロンボーンの響きが印象的です。
Lorez Alexandria「Send In the Clowns」
 https://www.youtube.com/watch?v=eVgCnH-v9do

「Summertime」
George Gershwin/Ira Gershwin/DuBose Heyward作。オペラ『Porgy and Bess』(1935年)のために書かれた、お馴染みのスタンダードをカヴァー。少しレイジーなStefaniaのヴォーカルと共にスタートしますが、途中でテンポアップし、ワルツ調で疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=V5_CAc_zlnY

「When Sunny Get Blue」
Marvin Fisher/Jack Segal作のジャズ・スタンダードをカヴァー。オリジナルは1956年のJohnny Mathis & Ray Conniff。軽やかに疾走するサウンドとStefaniaの小気味よいヴォーカルが心地好い1曲に仕上がっています。

「Jubilee」
Bobby McFerrin作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Bobby McFerrin』(1982年)に収録されています。僕の一番のお気に入り。クラブジャズらしいブラジリアン・テイストの疾走感とポジティブなヴァイヴに溢れたStefaniaのヴォーカル&スキャットが聴く者にワクワク感を与えてくれます。

「A Time For Love」
Johnny Mandel/Paul Francis Webster作。映画『An American Dream』(1966年)挿入歌であり、スタンダードとしてお馴染みの楽曲をカヴァー。疾走するピアノ・トリオをバックに、ジャズ・ヴォーカリストらしいStefaniaの語り口を満喫できます。。

「I've Got Just About Everything」
Bob Dorough作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Just About Everything』(1966年)に収録されています。ジャズ・ヴォーカリストとしてのStefaniaの巧みなテクニックを楽しめるスピード感のある仕上がり。

「The One Who Needs You」
Vince Andrews/Bobby Floyd作。クラブジャズ方面で再評価の高まったVince Andrews作品をカヴァー。オリジナルの雰囲気を受け継いだカヴァーに仕上がっています。
Vince Andrews「The One Who Needs You」
 https://www.youtube.com/watch?v=MOQuJI6gNH0

「Speak Low」
Kurt Weill/Ogden Nash作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。ボッサ・ジャズ・テイストのクラブジャズらしいスタイリッシュな仕上がり。

「Sambandrea」
Renato Pistocchi/Stefania Rava作。ラストは哀愁ボッサ・グルーヴで締め括ってくれます。

『The Sweetest Sound』(2010年)
The Sweetest Sound
posted by ez at 02:37| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする