発表年:1992年
ez的ジャンル:UKアシッド・ジャズ系変名バンド
気分は... :コレはジャケ買いでしょ!
今回はUKアシッド・ジャズ作品からNew Jersey Kings『Party To The Bus Stop』(1992年)です。
New Jersey KingsはUKアシッド・ジャズの人気グループThe James Taylor Quartetの変名バンド。
ニュージャージーのEarphone Recordsに埋もれていたファンキー・オルガン・グルーヴのレア音源を発掘!という設定です。
New Jersey Kings名義で『Party To The Bus Stop』(1992年)、『Stratosphere Breakdown』(1995年)、『Uzi Lover』(2001年)という3枚のアルバムをリリースしています。
特に1stアルバムとなる本作『Party To The Bus Stop』(1992年)は、Miles Davis『On The Corner』(1972年)からインスパイアされたジャケで思わずジャケ買いしたくなる1枚ですね。ちなみにジャケ・デザインを手掛けたのはMother EarthのMatt Deightonです。
Miles Davis『On The Corner』(1972年)
アルバム全体としては、初期The James Taylor Quartetのサウンドを70年代ジャズ・ファンク寄りにしたような全曲インストの内容です。
改めて聴くと、わざわざ変名バンド名義ではなくJTQ名義でも良かったのでは?とも思いますが、
初期のモッド・ジャズなアプローチから90年代初めにはヴォーカルやプログラミングも取り入れてクラブミュージック的なアプローチを試みるなどJTQが試行錯誤を続ける中で、純粋に自分たちの好きな音を演奏できる変名バンドの受け皿が必要だったのかもしれませんね。
Melvin Sparksのカヴァー「All Wrapped Up」以外はオリジナルです。
とりあえずジャケにピンと来た方はサウンドもチェックを!
全曲紹介しときやす。
「The Monkey Drop」
New Jersey Kingsの幻の7"シングルという設定のオープニング。リラックスしたジャズ・ファンク。現行ジャズ・ファンクに通じる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=7ea9Z2UcCrY
「Get Organized」
軽やかな躍動感が心地好い演奏です。涼しげなフルートの音色がいいアクセントになっていますし、格好良いドラム・ブレイクにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=64NGkxx7E70
「Solid」
タメの効いたジャズ・ファンク・サウンドが醸し出す余裕がいいですね。JTQメンバーが変名バンドでの演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ufh_rcdKvWs
「Sweet Cakes」
オルガン・ジャズ・ファンクとしての格好良さを存分に堪能できる演奏です。現行ジャズ・ファンク好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=avjOCHvy0d0
「Sweet Shirley」
格好良いブレイクと共にスピーディーに疾走します。JTQのモッドな格好良さをジャズ・ファンク風に表現してみました!って感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HimxEyBjyFM
「The Latin One」
タイトルの通り、ラテン・フレイヴァーの小粋な仕上がりです。この変名バンドの設定とは少し外れている気もしますが、ラテン好きの僕にはフィットするサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=INkNipiAWuQ
「All Wrapped Up」
Melvin Sparksのカヴァー。オリジナルは『Akilah!』(1972年)に収録されています。グルーヴィー・オルガン・ジャズですが、Melvin SparksカヴァーということでDavid Taylorのギターも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=oC_x6YY86fE
「Charlies Groove」
本作らしい余裕たっぷりのオルガン・ジャズ・ファンクを聴かせてくれます。改めて、JTQのインスト・バンドとしての魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=HvA_HJNF5wQ
「Solid (Alternative Take)」
「Solid」の別テイク。
New Jersey Kingsの他作品もチェックを!
『Stratosphere Breakdown』(1995年)
『Uzi Lover』(2001年)
JTQの過去記事もご参照ください
『Mission Impossible』(1987年)
『Supernatural Feeling』(1993年)
『In The Hand Of The Inevitable』(1995年)