録音年:1967年
ez的ジャンル:3管ハードバップ
気分は... :一期一会
今回は60年代ジャズからHank Mobley『Hi Voltage』(1967年)です。
“テナー・サックスのミドル級チャンピオン”と評されたジャズ・サックス奏者Hank Mobley(1936-80年)に関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『No Room For Squares』(1963年)
『Dippin'』(1965年)
『A Caddy For Daddy』(1965年)
『A Caddy For Daddy』を投稿したのが2008年だったので、、約10年ぶりのHank Mobley作品の紹介となります。こんなに間隔が空いていたんですね。
本作『Hi Voltage』は1967年にレコーディングされ、1968年にBlue Noteからリリースされた作品です。
レコーディング・メンバーはHank Mobley(ts)、Jackie McLean(as)、Blue Mitchell(tp)、John Hicks(p)、Bob Cranshaw(b)、Billy Higgins(ds)という6名。
Mobley、Jackie McLean、Blue Mitchellという3管のラインナップに惹かれる1枚ですね。この三者が顔を合わせた唯一のアルバムが本作です。
アルバム全体はストレート・アヘッドな演奏が中心であり、『ハイ・ヴォルテージ』というアルバム・タイトルがイメージされるハイ・テンションな演奏のオンパレードというよりも、バラエティに富んだ構成のバランスの取れた作品となっています。
ヒップなジャズ・ロック「High Voltage」、3管の格好良さを満喫できる「Two and One」、ビューティフル・バラード「No More Goodbyes」、ストレート・アヘッドな魅力を持つ「Advance Notice」、哀愁ボッサ・ジャズ「Bossa De Luxe」、リラックス・モードの小粋なファンキー・ジャズ「Flirty Gerty」とどの演奏も充実しています。
Blue Note後期におけるHank Mobleyの成熟を実感できる1枚です。
全曲Mobleyのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「High Voltage」
ジャズ・ロックなオープニング。特にHigginsの白熱のドラミング、Hicksのヒップなピアノ、Mitchellのトランペット・ソロが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Vj3rCmig1Ok
「Two and One」
Mobley、McLean、Mitchellによる3管の格好良さを満喫できる1曲。ハイ・ヴォルテージなCranshaw & Higginsのリズム隊もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=kq3qQavgU04
「No More Goodbyes」
Mobleyのワン・ホーンによるビューティフル・バラード。Hicksの美しいピアノを従えて、リリカルなサックスで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8gmCVqem3z0
「Advance Notice」
迷いのないストレート・アヘッドな演奏がいいですね。Mobleyをはじめとする参加メンバーの美学を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=naXwYHUgDIc
「Bossa De Luxe」
哀愁ボッサ・ジャズ「Recado Bossa Nova」好きの人は、どうしてもこのタイプのボッサ・ジャズを期待してしまいますね。
https://www.youtube.com/watch?v=DE34onHHdeM
「Flirty Gerty」
ラストは緩やかなテンポのリラックスしたファンキー・サウンドで締め括ってくれます。Horace Silver好きの人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=VGuBoiEX6as
Hank Mobleyの過去記事もご参照ください。
『No Room For Squares』(1963年)
『Dippin'』(1965年)
『A Caddy For Daddy』(1965年)