発表年:1996年
ez的ジャンル:マンギ・ビートのカリスマ
気分は... :多彩で刺激的なミクスチャー・サウンド!
いよいよGW突入ですね!
のんびりしつつ、幾つかやろうと思っていることに時間を割いて有意義に過ごしたいと思っています。
今回は90年代ブラジルの一大ブーム、"マンギ・ビート(Manguebeat)"の創始者Chico Science率いるChico Science & Nacao Zumbiの2ndアルバム『Afrociberdeli』(1996年)です。
Chico Science & Nacao Zumbiは、1991年Chico Scienceを中心に結成されたブラジル北東部レシフェ出身のミクスチャー・バンド。ブラジル北東部の伝統音楽にHip-Hop、ロック/ハードコア、ファンク、レゲエ、エレクトロニカをミクスチャーさせたサウンド/リズムをChico自らが"マンギ"と称し、"マンギ・ビート(Manguebeat)"が誕生しました。その後、レシフェを中心にマンギ・ビートは拡散していきます。
そして、1994年にChico Science & Nacao Zumbiのデビュー・アルバム『Da Lama Ao Caos』がリリースされ、マンギ・ビートは多くの音楽リスナー/評論家に大きなインパクトを与えました。こうしてマンギ・ビートは大きな音楽ムーブメントとして注目されるようになります。
1996年には2ndアルバムとなる本作『Afrociberdeli』がリリースされ、さらなる飛躍が期待されていた中、大きな悲劇が起こります。シーンの絶対的カリスマであったChico Scienceが1997年2月2日に交通事故に遭い、30歳という若さで急逝してしまいました。
Chico Science死後もNacao Zumbiは、Chicoの遺志を受け継いで活動し、コンスタントに作品をリリースし続けています。
2ndアルバムである本作『Afrociberdeli』は、結果としてChicoの遺作となってしまいました。
伝統的リズムを巧みに取り入れた多彩で刺激的なミクスチャー・サウンドを堪能できる本作を聴けば聴くほど、Chicoという偉大な才能の若すぎる死が残念でなりません。
1枚の中で縦ノリ、横ノリの両方を楽しめるのがいいですね。
最近はハードコアなロックは殆ど聴きませんが、そんな僕でも格好良いと感じるハードコア・サウンドも冴えています。
Chico Science & Nacao Zumbiと共にマンギ・ビートの中心にいたバンドMundo Livre S/AのリーダーFred 04がゲスト参加しています。
濃密な全23曲です。
若くして旅立ったカリスマが残してくれた宝を大切に聴き込みましょう!
全曲紹介しときやす。
「Mateus Enter」
ハードコアなアルバムのプロローグ。
https://www.youtube.com/watch?v=maGbdNuCos0
「O Cidadao Do Mundo」
ノルデスチ+Hip-Hop/ラガなサウンドが刺激的な1曲。終盤にはヘヴィなロック・サウンドも加えて盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=T2G1stPzTsU
「Etnia」
ハードコア+ファンク+ノルデスチなサウンドが格好良い1曲。このバンドのスケールの大きさを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=r49G6PXBhQY
「Quilombo Groove」
ヘヴィなハードコア・サウンドに伝統的リズムを融合させたインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=pMXjgObF4uk
「Maco」
ミクスチャー・バンドらしいリズミックな仕上がり。♪マコ♪マコ♪という雄叫びは日本人にもフィットしますね!
https://www.youtube.com/watch?v=cDzPiiwbLAY
「Um Passeio No Mundo Livre」
ノルデスチ・ファンクとでも呼びたくなるブラック・フィーリングのグルーヴが格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=EWZNRlZTNLo
「Samba Do Lado」
Mundo Livre S/AのリーダーFred 04が参加。ソリッドなミクスチャー・ロックで格好良くキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jP4lcGBxzjI
「Maracatu Atomico」
ブラジリアン・リズムとギターが印象的な僕好みのダンサブル・サウンド。クラブミュージック好きの人も気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=tXZrSv-dgDQ
「O Encontro De Isaac Asimov Com Santos Dumont No Ceu」
近未来的なアブストラクト・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=n1flcgTCGp4
「Corpo De Lama」
少しダークなミクスチャー・サウンドが印象的です。中盤以降はハードコアに攻めます。
https://www.youtube.com/watch?v=pxu_tl4pVt8
「Sobremesa」
少し退廃的なグルーヴがクセになる1曲。聴いていると脳内がジワジワ侵食されていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=aUuS_cMHyGg
「Manguetown」
タイトル通り、マンギ・ビートを満喫できる1曲。僕の一番のお気に入り。ミクスチャーなダンサブル・サウンドと少しぶっきらぼうなChicoのヴォーカルがフィットしていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=vx9w1OP9V_g
「Um Satelite Na Cabeca」
ヘヴィなロック・サウンドで疾走します。アルバムで最もハードドライビングな仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=Q3qaDamqTMA
「Baiao Ambiental」
エクスペリメンタルなブラジリアン・サウンドのインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=cRIswvV6fMs
「Sangue De Bairro」
ハードコアに攻めまくる縦ノリの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=TPSoY4SQMdE
「Enquanto O Mundo Explode」
ハードコアに伝統的リズムでアクセントをつけた小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=gnGoaWRckvs
「Interlude Zumbi」
ノルデスチ・モードの伝統的リズムを強調した小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=vJJOK8qNlp4
「Crianca De Domingo」
ノルデスチ・モードのミディアム。アコースティックな質感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=LY_3wU9t_og
「Amor De Muito」
軽快なリズムのメロウ・フィーリングが印象的です。ハードのみではない音楽性の幅の広さを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=QuKLvWCsFzU
「Samadarish」
本編のラストは短いインスト。その後に隠れトラック(?)のようなアウトロが収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=BzePw0K7pZE
「Maracatu Atomico (Atomic Version)」
DJ Cucaによる「Maracatu Atomico」のリミックス。コズミックなダンス・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=TJN1aYnNKaw
「Maracatu Atomico (Ragga Mix)」
Edu Kによる「Maracatu Atomico」のラガ調リミックス。
https://www.youtube.com/watch?v=rhGCcAhzuRo
「Maracatu Atomico (Trip Hop)」
Edu Kによる「Maracatu Atomico」のトリップ・ホップ調リミックス。
https://www.youtube.com/watch?v=67_h2_JoASo
Chico Science & Nacao Zumbiの他作品もチェックを!
『Da Lama Ao Caos』(1994年)
『CSNZ』(1998年)