2018年05月31日

Tavares『Supercharged』

David Foster等がプロデュースしたアーバン・メロウ作品☆Tavares『Supercharged』
スーパーチャージド
発表年:1980年
ez的ジャンル:兄弟グループ系アーバン・ソウル
気分は... :西野ジャパンどうなる!

サッカー日本代表、西野ジャパンの初陣にして最終メンバー選考前のラスト・マッチとなったガーナ代表戦は0対2で敗れました。

敗戦および試合内容に対してネガティヴな反応が目立ちますが、新システム試行や最終メンバー選考といった複数の目的を持って試合に臨んだことや、相手国ガーナの実力を踏まえれば、この結果は仕方がないし、それ程悲観する内容でも無かったのでは?と思います。

勿論、本番のグループ・リーグで日本が4か国中で最も弱いことは承知していますが、2010年の南アメリカW杯と同じく、この危機感がチームに結束や良い意味での開き直りをもたらすのでは?と密かに期待しています。

いよいよ今日はメンバー発表ですが、当ブログではドイツW杯以来、毎回最終メンバー予想をしているので今回も予想しておきます。

GK:川島、東口、中村
DF:吉田、 槙野、昌子、植田、遠藤、長友、酒井宏、酒井高
MF:長谷部、山口、大島、柴崎、本田、香川、原口、宇佐美、乾
FW:大迫、武藤、岡崎

過去最高は23名中22名的中ですが、今回は如何に!

さて、70〜80年代に活躍したソウル/ディスコ・グループTavaresが1980年にリリースした『Supercharged』です。

マサチューセッツ州出身のRalphPoochChubbyButch Tiny というTavares兄弟によって結成されたグループTavaresの紹介は、『New Directions』(1982年)に続き2回目となります。

本作『Supercharged』は、David FosterPagesを手掛けたことで知られるBobby Colomby(元 Blood, Sweat & Tears)といった白人プロデューサーを迎え、Jay GraydonTotoDavid HungateSteve Lukather等を起用し、ポップ・フィールドとのクロスオーヴァーにアプローチした作品です。

プロデュースはDavid FosterBenjamin WrightBobby Colomby

レコーディングにはDavid Shields(b)、David Hungate(b)、James Jamerson Jr.(b)、Ed Greene(ds)、Harvey Mason(ds)、Jay Graydon(g)、Steve Lukather(g)、Paul Jackson, Jr.(g)、Timothy James May(g)、David Williams(g)、Dale Oehler(p)、Gregory Phillinganes(p、el-p)、Patrick Henderson(p)、David Foster(key)、John Barnes(key)、Bill Champlin(key)、Steven George(syn)、Jim Hirsen(syn)、Bobby Colomby(per)、Ed Mann(per)、Eddie "Bongo" Brown(per)、Frederick Walker(per)、Paul Lani(per)、Peter Christlieb(sax)等のミュージシャンが参加しています。また、 Jerry Heyがホーン・アレンジを手掛けています。

シングルにもなった「Bad Times」、ライト感覚のダンス・チューン「Can't Get Enough」Deniece Williamsのカヴァー「Why Can't We Fall In Love」Bill Champlinのカヴァー「I Don't Want You Anymore」、Teddy Randazzo作のメロウ・チューン「Paradise」が僕のおススメです。

ソウル好きのみならずAOR好きの人もチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Bad Times」
Bobby Colombyプロデュース。Gerard McMahon作。アルバムからの1stシングル。全米チャート第47位、同R&Bチャート第10位となりました。本作らしいクール&メロウなアーバン・ミディアムはAORファンも気に入るはず!Peter Christliebがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bXYybJoKCj4

Digable Planets「Dial 7 (Axioms of Creamy Spies)」、Dynamite Deluxe「Samy Deluxe」のサンプリング・ソースとなっています。
Digable Planets「Dial 7 (Axioms of Creamy Spies)」
 https://www.youtube.com/watch?v=gfzuNeVCpwg
Dynamite Deluxe「Samy Deluxe」
 https://www.youtube.com/watch?v=h-P-ngLfrwg

「We Both Tried」
David Fosterプロデュース。David Foster/Bill Champlin作。Bill Champlinのオリジナルは当ブログでも紹介した『Single』(1978年)に収録されています。本ヴァージョンはオリジナルの雰囲気を尊重しつつ、素晴らしいヴォーカルワークで哀愁メロディを聴かせてくれます。Jay Graydon & Steve Lukatherという人気ギタリスト2人が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=O4oKcPX_58w

Joe Budden「Def Jam Diss」のサンプリング・ソースとなっています。
Joe Budden「Def Jam Diss」
 https://www.youtube.com/watch?v=z8y1Oe4jTD8

「Can't Get Enough」
Benjamin Wrightプロデュース。Benjamin Wright/Kathy Wakefield/Tony Coleman作。Tavaresらしい開放的なダンス・チューンですが、本作らしいポップ・フィールドを意識したライト感覚がいいですね。

「Why Can't We Fall In Love」
Benjamin Wrightプロデュース。Carole Bayer Sager/David Foster/Deniece Williams作。Deniece Williamsのカヴァー。オリジナルは『When Love Comes Calling』(1979年)に収録されています。Deniece Williamsヴァージョンも大好きですが、本ヴァージョンも男性ヴォーカル・グループならではの感動がある絶品バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dp4z90tk88w

「I Can't Go On Living Without You」
Benjamin Wrightプロデュース。Benjamin Wright作。アルバムからの2ndシングル。オーセンティックなソウル・バラードです。本作の狙いとは少しズレている気もしますが感動バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LCaDThfgkdU

Slick Rick「I Own America Part 2」、DJ 600 V「93...94」、Joy Denalane「One in a Million」、Messy Marv feat. J. Holiday「Cheat on Her」、Sean One & Monark「Forgive Me (Remix)」のサンプリング・ソースとなっています。
Slick Rick「I Own America Part 2」
 https://www.youtube.com/watch?v=LkFx2GgtAjo
DJ 600 V「93...94」
 https://www.youtube.com/watch?v=d0JUsYGCZSM
Joy Denalane「One in a Million」
 https://www.youtube.com/watch?v=52HKPGwayxk
Messy Marv feat. J. Holiday「Cheat on Her」
 https://www.youtube.com/watch?v=ymVtVFVsFus

「I Don't Want You Anymore」
David Fosterプロデュース。David Foster/Bill Champlin作。
Bill Champlinのオリジナルは「We Both Tried」と同じく『Single』(1978年)に収録されています。いかにもDavid Fosterプロデュース、Jay Graydon & Steve Lukather参加らしいポップ・ロック寄りのAORチューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ccFjzOi_WTY

「Paradise」
Bobby Colombyプロデュース。Teddy Randazzo作。アコースティックな質感を強調したメロウ・ミディアム。中盤以降はシンセによるアーバン・フィーリングが印象的です。Johnny Mathis、Karen Silverがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=toGT3_butvA

「Got to Have Your Love」
Bobby Colombyプロデュース。Angelo Richards/Patrick Henderson作。軽快なアーバン・サウンドに惹かれるミディアム・グルーヴ。Paul Jackson, Jr.のギター・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zd1xT4azPY0

Tavaresの他作品もチェックを!

『Check It Out』(1974年)
チェック・イット・アウト

『Hard Core Poetry』(1974年)
Hard Core Poetry - Expanded Edition

『In the City』(1975年)
愛のディスコティック

『Sky High!』(1976年)
スカイ・ハイ

『Love Storm』(1977年)
Love Storm

『Future Bound』(1978年)
Future Bond

『Madam Butterfly』(1979年)
Madam Butterfly

『Love Uprising』(1980年)
Love Uprising - Expanded Edition

『Loveline』(1981年)
Loveline

『New Directions』(1982年)
ニュー・ダイレクションズ(期間生産限定盤)

『Words and Music』(1983年)
ワーズ&ミュージック(期間生産限定盤)
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2018年05月30日

Slam Slam Featuring Dee C. Lee『Free Your Feelings』

Dee C. LeeとDr.Robertのユニット!Paul Wellerも楽曲提供☆Slam Slam Featuring Dee C. Lee『Free Your Feelings』
Free Your Feelings
発表年:1991年
ez的ジャンル:スタカンの歌姫系UKハウス
気分は... :「Digging Your Scene」だけじゃない!

Style Council等でお馴染みの黒人女性ヴォーカリストDee C. LeeThe Blow MonkeysDr.RobertことRobert HowardによるユニットSlam Slam唯一のアルバム『Free Your Feelings』(1991年)です。

Dee C. Leeといえば、元Style Councilのメンバーであると同時に、Paul Wellerの公私のパートナーであったことでも有名ですね。

そんなDee C. LeeがUKブルーアイド・ソウル・グループThe Blow MonkeysのリーダーRobert HowardDr.Robert)と組んだユニットがSlam Slamです。

その唯一のアルバム『Free Your Feelings』(1991年)では、Paul Wellerが7曲のソングライティングに関与し、奥方をバックアップしています。それ以外にアシッド・ジャズの人気グループYoung Disciplesが1曲プロデュースし、Style Councilの盟友Mick Talbotもソングライティングで関与しています。プロデュースはSlam Slam自身。

正直言って、アルバム自体はハウス寄りのB級ダンス作品ですが、Style CouncilThe Blow MonkeysYoung Disciplesという、いずれも僕が当時夢中になったUKグループの主要メンバーが勢揃いした作品であり、その一点のみでも手元に置いておきたい1枚です。

さらにシングルにもなったタイトル曲のリミックスはGang Starrが手掛けており、Guru『Jazzmatazz』プロジェクトの登場を予感させる点も興味深いです。

スタカンやブロウ・モンキーズを期待すると裏切られる内容ですが、UKソウル、アシッド・ジャズ、ハウス、Hip-Hopの接点が近かった当時の音楽シーンを知るという意味では興味深い1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Move (Dance All-Night)」
Dee C. Lee/Robert Howard作。アルバムに先駆けて前年にシングル・リリースされた楽曲。UKらしいダンサブル・サウンドを楽しめるハウス・チューン。当時のUKクラブミュージックがお好きだった人であれば、しっくりくる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=TCIOK5i7o0c

「Something Ain't Right」
Paul Weller作。Paul兄貴の楽曲がハウシーなダンス・チューンに仕上がっているのが不思議ですね(笑)。涼しげなフルートによるアシッド・ジャズ風のアクセントが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UhfnoDHR88Q

「Free Your Feelings」
Dee C. Lee/Marco Nelson作。タイトル曲はYoung Disciplesが共同プロデュース。Hip-Hop/アシッド・ジャズ調の仕上がりはアルバムの中では異色です。本曲を聴くにつれ、このタイプの曲をもっとやれば良かったのに!と思う人は多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=6QPWQ6C1g5I

アルバム未収録ですが、本曲といえばGang Starrによるリミックスもお馴染みですね。この共演が後にGuru『Jazzmatazz』(1993年)収録の名曲「No Time To Play」につながることになります。
Slam Slam feat. Gang Starr「Free Your Feelings (Xtra Feeling Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=pp1sgxIZRvg
Guru feat. Ronny Jordan & Dee C. Lee「No Time To Play」
 https://www.youtube.com/watch?v=X2DtCC4NQJ0

「What Dreams Are Made Of」
Paul Weller/Mick Talbot作。スタカン・コンビによる作品もハウス調の仕上がり。ただし、Dee C. Leeのソウルフル・ヴォーカルとフルートやヴァイヴにとるジャジー・フィーリングがあるので、意外にスンナリ聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=PFoR5M1uJ8w

「Giving It Up」
Paul Weller作。Dee C. Leeのソウルフル・ヴォーカルを活かしたミディアム・バラードですが、バックのサウンドが今イチなのが勿体ない!

「You'll Find Love」
Paul Weller作。Dee C. Leeのソウルフル・ヴォーカルとUKハウスの組み合わせという点ではまずまず成功していると思います。ハモンド・オルガンによるアクセントがスタカンっぽくていいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_8Mfpc1ti7g

「Depth Charge」
Robert Howard作。UKクラブミュージックらしいダンサブル・チューン。悪くはないんだけど、今聴くと少しチープな気も・・・

「Round & Round」
Paul Weller作。ドリーミーなミディアム・グルーヴ。もう少し突き抜けたキャッチーさがあると更に良いのですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=JX9ahGFN9QQ

「Tender Love」
Paul Weller作。哀愁バラードを情感豊かに歌い上げます。

「Nothing Like It」
Dee C. Lee/Paul Weller作。個人的には一番のお気に入り。モロにハウスじゃなくて、アシッド・ジャズ・フィーリングのダンサブル・チューンになっているのがいいですね。うねるベースとホーン・サウンドがグッド!

改めて聴き直すと、せっかくRobert HowardDr.Robert)がいたのだから、もっとソウル・マニアなアルバムにして欲しかったなぁ、なんて思ってしまいます。しかもPaul Wellerの楽曲でしたしね。少し勿体ないなぁ・・・なんて文句言いながらも、ついつい聴いてしまう1枚です。
posted by ez at 02:50| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月28日

Edu Lobo『Sergio Mendes Presents Lobo』

Sergio Mendesプロデュースの米国進出作☆Edu Lobo『Sergio Mendes Presents Lobo』
セルジオ・メンデス・プレゼンツ・ロボ
発表年:1970年
ez的ジャンル:ノルデスチ系MPB
気分は... :モヤモヤのCL決勝!

昨晩のサッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝「レアル・マドリー対リヴァプール」はモヤモヤが残る結果でしたね。

サラーの負傷に絡んだラモスのプレー、涙を流してピッチを去ったサラーとカルバハル、2度の致命的ミスで傷心のGKカリウス・・・試合後もスッキリしない感じでした。

そんな中でリヴァプールのセネガル代表マネのプレーは鮮烈でしたね。日本代表もロシアW杯でかなり苦労しそうですね。

さて、ブラジルを代表する名シンガー・ソングライターEdu Lobo『Sergio Mendes Presents Lobo』(1970年)です。

リオ出身ながらブラジル北東部(ノルデスチ)の影響を感じる名シンガー・ソングライターEdu Loboに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)
 『Edu E Bethania』(1967年)
 『Cantiga de Longe』(1970年)

本作はSergio Mendesをプロデューサーに迎え、米国進出を図ったアルバムです。同時期にレコーディングした本国ブラジル向けのアルバム『Cantiga de Longe』(1970年)と一部収録曲が重なっており、聴き比べるのも楽しいかもしれません。

レコーディングにはEdu Lobo(vo、g)、Hermeto Pascoal(fl、p、el-p)、Oscar Castro-Neves(g)、Sebastiao Neto(b)、Claudio Slon (ds)、Airto Moreira(per)、Gracinha Leporace(vo)といったミュージシャンが参加しています。

アレンジはSergio MendesEdu LoboHermeto Pascoal

「Zanzibar」「Ponteio」「Even Now(Cantiga de Longe)」「Crystal Illusions(Memorias de Marta Sare)」「Corrida De Jangada」「Casa Forte」「To Say Goodbye(Pra Dizer Adeus)」といった独特の雰囲気を持つEdu Loboの名曲をSergio MendesHermeto Pascoalらが、どのように調理しているのかを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Zanzibar」
Edu Lobo作。『Cantiga de Longe』収録曲の再録。Loboの再評価につながった人気曲です。『Cantiga de Longe』ヴァージョンと比較すると薄っすらとセルメン的エッセンスが加味された感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hN7estRhmBk

「Ponteio」
Edu Lobo/Capinan作。Edu Loboの代表曲の1つ。当ブログではThe G/9 GroupBatidaSergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。Edu Loboらしいノルデスチな疾走感がいい感じです。Hermetoのフルートも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2JjcATTc55I

「Even Now」
Edu Lobo/Lani Hall/Paula Stone作。『Cantiga de Longe』タイトル曲の英語ヴァージョン。これはLoboの個性とセルメンのサウンド・センスが見事に融合した本作ならではの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=n6FNNEqlS-o

「Crystal Illusions」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri/Lani Hall作。「Memorias de Marta Sare」の英語ヴァージョン。当ブログではSergio Mendes & Brasil '66Elis Reginaのカヴァーも紹介済みです。Sergio Mendes & Brasil '66ヴァージョンに寄り過ぎず、Loboらしさを引き出しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iljhbHGMvrk

「Casa Forte」
Edu Lobo作。『Cantiga de Longe』収録曲の再録。クラブ・シーンで人気の高い1曲ですね。中盤で一気にテンポアップするスリリングな魅力があります。モノトーンな雰囲気の『Cantiga de Longe』ヴァージョンと比較して、本ヴァージョンはカラフルな雰囲気が漂います。

「Corrida De Jangada」
Edu Lobo/Capinan作。当ブログでは『Elis Especial』『Aquarela Do Brasil』『Elis Regina in London』という3種のElis ReginaヴァージョンやTatiana Parra & Andres Beeuwsaertのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはHermetoのフルートが先導する爽快チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CDLg0h_6bfI

「Sharp Tongue」
Hermeto Pascoal作。Edu LoboとGracinha Leporaceのタパタパ・スキャットが印象的なメロウ・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=WE52GkoI6_M

「To Say Goodbye」
Edu Lobo/Lani Hall/Torquato Neto作。『Edu E Bethania』収録の人気曲「Pra Dizer Adeus」の英語ヴァージョン。美しいチェロの響きが印象的な哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=sVHU83z3eRI

本曲に関して、当ブログではLuciana SouzaMaria BethaniaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo HenriquesAgustin Pereyra LucenaElis ReginaStacey Kentのカヴァーを紹介済みです。

「Hey Jude」
The Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。これが単純なカヴァーではないノルデスチ風味のミステリアス・サウンドで魅了します。
https://www.youtube.com/watch?v=_2XA4f0ab3Q

Edu Loboの過去記事もご参照下さい。

『A Musica De Edu Lobo Por Edu Lobo』(1965年)
エドゥ・ロボによるエドゥ・ロボ、タンバ・トリオと共に

『Edu E Bethania』(1967年)
エドゥ・ロボ&マリア・ベターニア

『Cantiga de Longe』(1970年)
Cantiga De Longe: Serie Elenco
posted by ez at 00:16| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月27日

Phonte『No News Is Good News』

The Foreign Exchangeのフロントマン、原点回帰の2ndソロ☆Phonte『No News Is Good News』
NO NEWS IS GOOD NEWS (ノー・ニューズ・イズ・グッド・ニューズ) (直輸入盤帯付国内仕様)
発表年:2018年
ez的ジャンル:FE系Hip-Hop
気分は... :原点回帰!

新作アルバムからThe Foreign Exchange(FE)のフロントマンとして活躍するR&Bシンガー/ラッパーPhonte Colemanの2ndソロ・アルバム『No News Is Good News』です。

9th Wonder、Big Poohと組んだ強力Hip-HopユニットLittle Brotherのメンバーとして活動し、現在はNicolayらとThe Foreign Exchangeを組むPhonte Colemanのソロ作品の紹介は、1stソロ『Charity Starts At Home』(2011年)、『ezが選ぶ2016年の10枚』でもセレクトしたEric Robersonとの共演アルバム『Tigallerro』(2016年)に続き3回目となります。

最近はラッパーというよりR&Bシンガー寄りの活動が目立っていたPhontenですが、約7年ぶりのソロとなる『No News Is Good News』は、原点回帰のHip-Hop作品に仕上がっています。

リッチモンドのライヴ・ジャズ・バンドButcher BrownのメンバーDJ HarrisonDevonne Harris)、トロント出身、現在はブルックリンを拠点とするビートメイカー/プロデューサーである"ブームバップ伝道師"Marco Polo、ミネアポリスを拠点とするプロデューサーKing Karnov、Busta Rhymes、Snoop Dogg、Kanye West、The Game等も手掛ける天才トラック職人 Nottz、デトロイト出身のプロデューサー/MCであるIllingsworthRadio Galaxyのメンバーとしても活動するDJ Cozmos、サンディエゴ出身のビートメイカー/プロデューサー/DJであり、L.A.の新世代コレクティブ/レーベルSoulection所属のAbjo、2ndアルバム『Let's Take A Trip』『ezが選ぶ2017年の10枚』でセレクトしたデトロイト出身の次世代ビートメイカーTall Black Guyといった多彩な顔ぶれがプロデューサーに起用されています。

また、『Tigallerro』で共演したEric Roberson、ギャングスタ・ラッパーFreddie Gibbsがフィーチャリングされています。

それ以外にThe Foreign Exchange Musicのミュージック・ディレクターZo!Carmen RodgersTamisha WadenというThe Foreign Exchangeの女性ヴォーカリスト2人、Terrace Martinとのプロデュース・ユニットLoveDragonでも知られるジャズ・ミュージシャン兼Hip-HopプロデューサーJosef Leimberg等がレコーディングに参加しています。

派手なアルバムではありませんが、多彩なプロデューサー陣がそれぞれの個性を活かしながらPhonteの魅力を引き出しています。

初期The Foreign Exchange(FE)作品など、ラッパーPhonteがお好きな人であれば満足できる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「To The Rescue」
DJ Harrisonプロデュース。オープニングは今ジャズ感覚のHip-Hop。FEの同僚Carmen Rodgersが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ah-1gWtzxSs

「So Help Me God」
Marco Poloプロデュース。哀愁モードのトラックをバックにPhonte節を堪能できます。気の利いたアウトロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qadHMibHzlA

「Pastor Tigallo」
King Karnovプロデュース。タイトルからしてPhonteらしいですね。前半は浮遊するトラックが印象的ですが、中盤以降はFEの同僚Tamisha Wadenが加わり、ソウルフルなアクセントで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=w84TYqdKHNo

「Expensive Genes」
Nottzプロデュース。トラック職人NottzがPhonteにピッタリのコズミック・トラックを提供してくれました。
https://www.youtube.com/watch?v=s_nvRMuOaUs

「Cry No More」
Illingsworthプロデュース。ジャジー・フィーリングと次世代感覚のビートが融合した僕好みのトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Mtw2o1akZdc

「Such is Life」
DJ Cozmosプロデュース。メロウネスという点ではジャジー・メロウHip-Hopなこの曲が一番かも?Cecile Jordanの女性ヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=R0w-PacvUTo

「Change Of Mind」
Freddie Gibbsをフィーチャー。Abjoプロデュース。Abjoが次世代ビートメイカーらしいビートで盛り上げてくれます。ここでのPhonteはラップはGibbsに任せ、ヴォーカルに徹しています。Zo!のピアノも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=D76GzlosiqA

「Sweet You」
Tall Black Guyプロデュース。The Foreign Exchange「Sweeter Than You」のヴォーカル部分をサンプリングしたトラックが印象的です。PhonteらしいメロウHip-Hopに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=liwv4M82U3U

「Find That Love Again」
Eric Robersonをフィーチャー。DJ Cozmosプロデュース。『Tigallerro』コンビの再会ですが、ここでのRobersonはPhonteの引き立て役に徹しています。Josef Leimberg「Between Us 2」をサンプリングした浮遊感のあるトラックがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=_pO4flE5sWk

「Euphorium (Back To The Light)」
Abjoプロデュース。ラストはThe Foreign Exchangeをイメージさせるフューチャリスティックなクロスオーヴァー・サウンドに乗って、Phonteがリズミックなフロウを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wy-vU4nfexQ

Phonte ColemanThe Foreign Exchangeの過去記事もチェックを!

Phonte『Charity Starts At Home』(2011年)
Charity Starts at Home

Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)
TIGALLERRO (ティガレロ) (直輸入盤帯付国内仕様)

The Foreign Exchange『Connected』(2004年)
Connected

The Foreign Exchange『Leave It All Behind』(2008年)
Leave It All Behind

The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)
Authenticity

The Foreign Exchange『Love In Flying Colors』(2013年)
Love in Flying Colos

The Foreign Exchange『Tales From The Land Of Milk And Honey』(2015年)
Tales From the Land of Milk & Honey
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2018年05月26日

Wayne Shorter『Super Nova』

ジャズ転換期を象徴する問題作☆Wayne Shorter『Super Nova』
スーパー・ノヴァ
録音年:1969年
ez的ジャンル:フュージョン黎明期フリー・ジャズ
気分は... :Miles Davis ×John Coltrane

今回は人気ジャズ・サックス奏者Wayne Shorterの問題作『Super Nova』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したWayne Shorter作品は以下の4枚です。

 『Night Dreamer』(1964年)
 『Speak No Evil(1964年)
 『Adam's Apple』(1966年)
 『Schizophrenia』(1967年)

本作『Super Nova』は、帝王Miles Davis『In A Silent Way』(1969年)、『Bitches Blew』(1969年)、The Tony Williams Lifetime『Emergency!』(1969年)と同様に、ジャズの大きな転換期を象徴する作品です。

レコーディング・メンバーはWayne Shorter(ss)以下、John McLaughlin(g)、Sonny Sharrock(g)、Chick Corea(ds、vibes)、Miroslav Vitous(b)、Jack DeJohnette(ds、kalimba)、Airto Moreira(per)、Walter Booker(g)、Maria Booker(vo)、Niels Jakobsen(claves)。

Chick Coreaが参加しているものの鍵盤を弾いていないのが興味深いですね。

プロデュースはDuke Pearson

Antonio Carlos Jobim作の「Dindi」以外はShorterのオリジナルです。

収録曲のうち、「Swee-Pea」「Water Babies」「Capricorn」は1967年に行われたMiles Davis『Water Babies』(1976年リリース)のセッションで演奏した楽曲の再演です。

John Coltraneを感じるフリー・ジャズ的な色合いの強い演奏が目立つアルバムであり、必ずしも聴きやすい作品ではありません。その一方でスピリチュアルな雰囲気やブラジリアン・エッセンスを取り入れた演奏もあり、僕が惹かれるのもその部分かもしれません。

帝王Miles Davisの革新性と神様John Coltraneの精神性を感じるShorterの問題作を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Supernova」
いきなり張り詰めた緊張感と共にスタート!Shorterのサックス、McLaughlinのギターを中心にフリー・ジャズ的なスリリングでアヴァンギャルドな演奏が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=oyHFMCPlJbA

「Swee-Pea」
『Water Babies』の再演1曲目。静寂の中のミステリアスといった佇まいのスピリチュアルな演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=laWgsKtXvl4

「Dindi」
Antonio Carlos Jobim作の名曲カヴァー。ブラジリアン・スピリチュアルな序盤、Maria Bookerのヴォーカルが入り、お馴染みの旋律を聴ける中盤、サンバ×フリー・ジャズな終盤という壮大なスケールのカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=MGHqlGT9E7E

本曲について、当ブログではFlora PurimPaprika SoulClaudine LongetLenita BrunoCharlie Byrdのカヴァーを紹介済みです。

「Water Babies」
『Water Babies』の再演2曲目。モーダルな演奏ですが、Shorterのサックスに暴発寸前の静かなる狂気のようなものを感じます。

「Capricorn」
『Water Babies』の再演3曲目。フリー・ジャズ的な仕上がり。Shorterのサックスの向こうにJohn Coltraneが見えてくる?

「More Than Human」
ラストはアフロ・ブラジリアンなフリー・ジャズ。ブラジリアンなアヴァンギャルド感が印象的です。

Wayne Shorterの過去記事もご参照下さい。

『Night Dreamer』(1964年)
Night Dreamer

『Speak No Evil(1964年)
スピーク・ノー・イーヴル

『Adam's Apple』(1966年)
Adam's Apple

『Schizophrenia』(1967年)
スキッツォフリーニア
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