発表年:1989年
ez的ジャンル:オーセンティック&NJS系女性R&B
気分は... :ハーフ&ハーフ・・・
今回は女性R&BシンガーStephanie Millsの12thアルバム『Home』(1989年)です。
N.Y.クイーンズ出身でブロードウェイ・ミュージカルでも活躍した女性R&BシンガーStephanie Millsについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『What Cha Gonna Do With My Lovin'』(1979年)
『Sweet Sensation』(1980年)
『Tantalizingly Hot』(1982年)
『Home』(1989年)はMCA移籍第3弾アルバムとなります。
アルバム前半はオーセンティックなバラード中心、後半は当時流行のNJS路線のダンス・チューンといった構成です。
アルバムからはAngela Winbushプロデュースの「Something In The Way (You Make Me Feel)」、かつてStephanie自身が主役を務めたミュージカル『The Wiz』の挿入歌の再演「Home」の2曲は全米R&Bチャート第1位となり、「Comfort Of A Man」もR&Bチャート第8位のヒットとなっています。
Angela Winbush、Gene Griffin、Nick Martinelli、LeMel Humes、Kevin Phillips、Sami McKinney、Gerald Levert、Marc Gordon、Alton "Wokie" Stewart、Timmy Gatling、Wayne Brathwaite、Barry Eastmond、そしてStephanie Mills本人がプロデュースを手掛けています。
また、人気R&Bヴォーカル・グループTake 6がゲスト参加し、Teddy Riley がソングライティングを手掛けた楽曲もあります。
それ以外にNathan East(b)、Jerry Hey(horns)、Will Downing(back vo)等もレコーディングに参加しています。
女性R&Bシンガーとしての成熟を感じる前半と流行のNJSを取り入れた後半という水と油のような構成にギャップを感じる人もいるかもしれません。特に後半のダンス・パートの好き/嫌いでアルバムへの評価が分かれるかもしれませんね。リアルタイムでNJSを聴いた世代の僕はこういう構成に慣れているので全く気になりませんが・・・
前述のシングル・ヒット3曲以外であれば、Teddy Rileyがソングライティングを手掛けた「Real Love」、Angela Winbushプロデュースの「So Good, So Right」、NJSな「Good Girl Gone Bad」、「Ain't No Cookin'」あたりがお気に入りです。
ボーナス・トラックの「Love Hasn't Been Easy On Me」、「I'm More Than A Woman」もなかなかグッド!
成熟のバラードと流行だったNJSのハーフ&ハーフを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Something In The Way (You Make Me Feel)」
Angela Winbushプロデュース。前述のように全米R&Bチャート第1位となったダンサブルなミディアム・グルーヴ。当時The Isley Brothersを手掛けていたAngela WinbushがStephanieの魅力を上手く引き出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=rGVkojCuWi8
Black Eyed Peas「The Way U Make Me Feel」、Klashnekoff「Black Rose」、Fred the Godson「The City」のサンプリング・ソースとなっています。
Klashnekoff「Black Rose」
https://www.youtube.com/watch?v=Jv-lx1xd5G4
Fred the Godson「The City」
https://www.youtube.com/watch?v=3qRzPBZBdwo
「Real Love」
Gene Griffinプロデュース。当時飛ぶ鳥を落とす勢いであったTeddy Rileyがソングライティングで参加しています。NJSなダンス・チューンと思いきやオーセンティックなバラードです。Stephanieのキュートな歌声を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=CqF0XsNWFYQ
「Home」
Nick Martinelliプロデュース。タイトル曲はStephanieが主役を務めたブロードウェイ・ミュージカル『The Wiz』のエンディング曲(Charlie Smalls作)の再演。Take 6がバック・ヴォーカルで参加し、全米R&Bチャート第1位のヒットとなりました。『The Wiz』の感動をもう一度!といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=kWnL11nfQuo
「So Good, So Right」
Angela Winbushプロデュース。Stephanieのソウルフルな側面を楽しめる素敵なバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dG3qIRcEbzg
「Comfort Of A Man」
LeMel Humesプロデュース。シングル・カットされて全米R&Bチャート第8位のヒットとなりました。オーセンティックですが味わい深いソウル・バラードに仕上がっています。Jerry Heyによるホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=v8_11VTplb0
「I Come To You」
Stephanie Mills/Kevin Phillips/Sami McKinneyプロデュース。この時代らしいNJSに仕上がっています。今聴くと、好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。
「Good Girl Gone Bad」
Gerald Levert/Marc Gordonプロデュース。NJS好きの人であれば気に入るであろう躍動感のある仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=dW0eWktgs-I
「Ain't No Cookin'」
Alton "Wokie" Stewart/Timmy Gatlingプロデュース。この時代らしいアッパーなダンス・チューン。リアルタイムで聴いていたら、こういう曲が一番好きだったかも?
「Fast Talk」
Gene Griffinプロデュース。80年代後半らしいケバケバしいダンサブル・サウンドが良くも悪くも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=2DQvHkhRnOQ
本編はここまで。ここからの3曲はCDボーナス・トラック。
「Love Hasn't Been Easy On Me」
Wayne Brathwaiteプロデュース。楽曲の良さが光るビューティフル・バラード。Stephanieの素直なヴォーカルが映えます。Will Downingがバック・ヴォーカルを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=0TisZajj0jM
「I'm More Than A Woman」
Barry Eastmondプロデュース。Stephanieの艶やかなヴォーカルが輝くバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=MhlnHokl2FY
「Something In The Way (You Make Me Feel) (Extended Version)」
ラストは「Something In The Way (You Make Me Feel)」のエクステンデッド・ヴァージョン。Louil Silas Jr.がリミックスを手掛けています。Sci-Fi Select「Tell the World」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QKl8qQEsHhU
Stephanie Millsの他作品もチェックを!
『For the First Time』(1975年)
『What Cha Gonna Do With My Lovin'』(1979年)
『Sweet Sensation』(1980年)
『Stephanie』(1981年)
『Tantalizingly Hot』(1982年)
『Merciless』(1983年)
『I've Got the Cure』(1984年)
『Stephanie Mills』(1985年)
『If I Were Your Woman』(1987年)
『Something Real』(1992年)
『Personal Inspirations』(1994年)