2018年05月02日

Fertile Ground『Black Is...』

アフロ・フィーリングを強調したブラック・ジャズ☆Fertile Ground『Black Is...』
Black Is...
発表年:2004年
ez的ジャンル:ボルチモア産ブラック・ジャズ
気分は... :我々は立ち上がる・・

今回はボルチモアのジャズ・バンドFertile Groundの4thアルバム『Black Is...』(2004年)です。

リーダーJames Collins、彼の公私のパートナーである女性ヴォーカリストNavasha Daya、ドラマーのMarcus Asanteを中心にボルチモアで結成されたジャズ・ファンク・バンドFertile Groundの紹介は、3rdアルバム『Seasons Change』(2002年)に続き2回目となります。

本作『Black Is...』はタイトルが示すように、アフリカ系アメリカ人としてのアイデンティティを示すアフロ・フィーリングを強調した1枚に仕上がっています。

メンバーはJames Collins(b、syn、key、tp、prog)、Navasha Daya(vo)、Marcus Asante(ds)、Joel Mills(g)、Fred Dunn(tp)、Ekendra Das(per)、Craig Alston(ts、bs)の7名。ギタリストのJoel Millsが新たにグループに加入しています。

メンバー7名ですが、James Collinsがサウンドの殆どを手掛けたトラックも半数あり、James CollinsとNavasha Dayaによるプロジェクトという側面も感じられます。

ダンサブルな演奏を期待するのであれば、アフロビート調の「Spirit World」、アフロ・ボッサな「Live In The Light」、アフロ・ラテン・ジャズ「Another Day」、モーダルな「Yellow Daisies」がおススメです。

それ以外にもアフロ・スピリチュアルな「An Artist Prayer」「Black Is」、感動的な終盤の「You」「On This Day」あたりも聴き所だと思います。

なかなか引き出しの多いブラック・ジャズ・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Spirit World」
本作を象徴するアフロビート調のオープニング。モロにアフロビートというより、そのエッセンスを巧みに取り入れているといったサウンドです。Navashaがヨルバ語で歌い、Craig Alstonのサックス、新加入Joel Millsのギターがアフロビートな雰囲気を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OM_VgM1ibn8

「Light Shed'n」
Delandria Millsのフルートをフィーチャー。アフロ・リズムを取り入れたクールなインスト。

「Live In The Light」
アルバムからの先行シングル。UKクラブジャズ好きの人も気に入るであろうNavashaのヴォーカルが映えるアフロ・ボッサなダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Ep0H1teFD08

「Another Day」
僕好みのパーカッシヴなアフロ・ラテン・ジャズ。Navashaの生命感に満ちたヴォーカル、アフロ・ラテン・リズム、鮮やかなホーンが一体化しています。
https://www.youtube.com/watch?v=v_5bkop-JOU

「An Artist Prayer」
前作『Seasons Change』にも参加していた女流詩人Olu Butterflyをフィーチャー。本作らしいアフロ・スピリチュアルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=UYYtv37-k_4

「Shout」
ジャジー・フィーリングのインスト。ジャズ・バンドとしてのFertile Groundを楽しめます。

「Changing Woman」
前曲からシームレスに続きます。Navashaのジャズ・ヴォーカリストとしての魅力を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=KENtARfWST4

「A Blues For Me」
タイトル通りのブルージーな仕上がり。軽快な三連ビートの寛いだ雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1mdgbO4Zg0A

「Yellow Daisies」
モーダルな疾走感とクールなNavashaのヴォーカルが格好良い1曲。すべての楽器、プログラミングをJames Collins一人で手掛けています。
https://www.youtube.com/watch?v=8ODmJAgBLSY

「Black Is」
タイトル曲はワルツ調リズムに乗ってNavashaが黒人としてのアイデンティティを高らかに歌い上げるビューティフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=7McxAi_obtU

「Naked」
シンプルな演奏で内省的なNavashaのヴォーカルを引き立てます。軽くレゲエ・フィーリングなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XjFAly-_ykU

「You」
抑えたトーンのミディアム・バラード。Navashaのヴォーカルがジワジワと胸の中へ染み渡ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=-wj8r2dpQqo

「On This Day」
抑えたトーンながらも感動的なミディアム・バラード。心の平穏を見つけたようなNavashaのヴォーカルに癒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=bw15JFDH9Xo

「Reprise」
前曲「On This Day」のリプライズ。Delandria Millsのフルートの音色が印象的です。

「Live in the Light (DJ Spinna remix)」
「Live in the Light」のDJ Spinnaによるリミックス。フロア仕様のトライバル・ハウス調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=igPTyIVCc50

Fertile Groundの他作品もチェックを!

『Field Songs』(1998年)
Field Songs

『Spiritual War』(1999年)
Spiritual War

『Seasons Change』(2002年)
Seasons Change
posted by ez at 01:34| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする