2018年05月11日

Ben Sidran『Puttin In Time On Planet Earth』

Tony Williams、Steve Millerが参加☆Ben Sidran『Puttin In Time On Planet Earth』
プッティング・イン・タイム・オン・プラネット・アース
発表年:1973年
ez的ジャンル:Dr.Jazzジャズ/ファンク/ロック
気分は... :引き出しの多さ・・・

今回は"Dr.Jazz"Ben Sidran『Puttin In Time On Planet Earth』(1973年)です。

これまで当ブログで紹介したBen Sidran作品は以下の5枚。

 『Feel Your Groove』(1971年)
 『I Lead A Life』(1972年)
 『Don't Let Go』(1974年)
 『A Little Kiss In The Night』(1978年)
 『The Cat And The Hat』(1980年)

本作『Puttin In Time On Planet Earth』Blue Thumb第2弾アルバムであり、

プロデュースはBen SidranBruce Botnick

レコーディングにはBen Sidran(p、el-p、per、vo)以下、名セッション・ミュージシャンPhil Upchurch(b、g、ds)、人気ドラマーTony Williams(ds)、The J.B.'sの活動で知られるClyde Stubblefield(ds、congas、per、b)、かつての盟友Steve Miller(g)、Benと同じくかつてSteve Miller Bandに在籍いていたCurley Cooke(g)、Jose Soares(per)、Laudir De Oliveira(per)、Sam Linde(cymbal)、Jim Peterman(org)、Frank Rosolino(tb)、Bill Perkins(ts)、Tim Davis(back vo)等が参加しています。

Phil Upchurch、Tony Williams、Clyde Stubblefieldの参加に見られるように、本作におけるBenの当初の狙いは、ファンク・フィーリングの導入ではなかったか推察されます。実際に"Ohio Players的な要素を取り入れたレコードを作りたかった"とBen自身が後日語っています。

しかしながら、最終的に出来上がった作品は、ジャズをベースにファンク、R&B、ジャズ・ロック、ロック、ポップス、ボサノヴァなどのエッセンスを取り入れたバラエティに富んだサウンドを楽しめます。

個人的にはボッサ・フィーリングのメロウ・ポップ「Walking With The Blues」、ミステリアスでサイケな「Now I Live (And Now My Life Is Done)」、ファンク・ロックな「Puttin' In Time On Planet Earth」Steve Millerのギター・ソロをフィーチャーした「Face Your Fears」がおススメです。

「Full Compass」以外はBen Sidranのオリジナルです。

"Dr.Jazz"の音楽性の広さを楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Full Compass」
Phil Upchurch作の小曲がオープニング。張り詰めた緊張感が漲るジャズ・ロック的な演奏でスタートするのは意外かも。

「Play The Piano」
タイトルの通り、Benのジャジー・ピアノを存分に楽しめます。Benのジャジー・ピアノとファンクなリズム隊とのコントラストが面白いですね。John Coltrane、(Miles Davisの)『Sketches of Spain』、James Brownといった固有名詞が登場するのみニンマリです。
「Full Compass/Play The Piano」
https://www.youtube.com/watch?v=-nBbMsOF6tM

「Have You Heard The News」
"Dr.Jazz"らしいリラックスした雰囲気のヴォーカル・ジャズで楽しませてくれます。

「Face Your Fears」
かつての盟友Steve Millerのギター・ソロをフィーチャー。"Dr.Jazz"らしいジャズ・センスとSteve Millerのロック・フィーリングが引き起こすケミストリーを満喫しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=xnjGZVGCTXc

「Think Twice」
Dr.Jazz流のR&Bフィーリングを楽しめます。小粋な酔いどれモードがいい感じです。

「Walking With The Blues」
本作のハイライトに挙げる人も多いのでは?Dr.Jazzのポップ・センス発揮のメロウ・ポップ。ボッサ・フィーリングの取り入れ方が絶妙ですね。僕も一番のお気に入りです。

Atmosphere「It Goes」のサンプリングソースとなっています。
Atmosphere「It Goes」
 https://www.youtube.com/watch?v=hjrJX82ZDiM

「Now I Live (And Now My Life Is Done)」
本作では異色のミステリアスな演奏。サイケな雰囲気も感じます。Phil Upchurchがドラムを叩き、Clyde Stubblefieldがベースを弾くという余興的なセッションをそのまま生かしてしまったものらしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=JrToK-T67P4

「Puttin' In Time On Planet Earth」
タイトル曲はジャズ・フィーリングとファンク・ロックを融合させたダイナミックな演奏です。Benが本作で目指していたのはこういう音だったのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCpqdI6jw20

Ben Sidranの他作品もチェックを!

『Feel Your Groove』(1971年)
夢の世界(紙ジャケット仕様)

『I Lead A Life』(1972年)
アイ・リード・ア・ライフ

『Don't Let Go』(1974年)
ドント・レット・ゴー

『Free in America』(1976年)
フリー・イン・アメリカ(紙ジャケット仕様)

『The Doctor Is In』(1977年)
ドクター・イズ・イン(紙ジャケット仕様)

『A Little Kiss In The Night』(1978年)
ア・リトル・キッス・イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

『The Cat And The Hat』(1980年)
ザ・キャット・アンド・ザ・ハット(紙ジャケット仕様)

『On The Cool Side』(1987年)
Ben Sidran - On The Cool Side

『Cool Paradise』(1990年)
Cool Paradise

Ben Sidran & Clementine『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)
スプレッド・ユア・ウィングス
posted by ez at 00:47| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする