発表年:2003年
ez的ジャンル:バイーア系女性サンバ・シンガー
気分は... :正義が勝つ!
日大アメフト部の悪質タックル問題、前監督・コーチの会見には腹が立ってきましたね。多くの方が感じたように、一昨日の学生の真摯な会見とは真逆の印象を受けました。真相を徹底究明し、巨悪を罰して欲しいですね。
今回はブラジル、サンバ作品からSimone Moreno『Desde Que O Samba E Samba』(2003年)です。
Simone Morenoはバイーア州サルヴァドール出身の女性シンガー。
『Simone Moreno』(1994年)、『Morena』(1995年)、『Manda Me Chamar』(1997年)といった作品でその美貌と共に人気を博します。
全編サンバの本作『Desde Que O Samba E Samba』(2003年)をリリース後は、北欧に拠点を移し、『Samba Makossa』(2005年)をリリースしています。
本作『Desde Que O Samba E Samba』(2003年)は、前述のように全編サンバ作品で絞められたアルバムです。
プロデュースはRoberto Menescal。
サンバ作品といっても全編サンバ・リズムで溢れかえっている作品ではありません。緩急織り交ぜながら、素晴らしい表現力でサンバの魅力を伝えてくれます。このあたりはプロデューサーRoberto Menescalの貢献が大きいかもしれませんね。
Ary Barroso作品のメドレー「E Luxo So/Faceira」、Carlos LyraとDjavanのメドレー「Ciume/Fato Consumado」、Ara Ketuの感動的なカヴァー「Sempre Sera」、名曲メドレー「Desde Que O Samba E Samba/Tristeza」、メロウ・サンバ・メドレー「O Samba Da Minha Terra/A Voz Do Morro」が僕のおススメです。
国内盤リリースにも関わらず、殆ど話題にならなかった1枚ですが、ブラジル音楽好きの人であれば楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Segredo」
Jorge Aragao/Jorge Portugal作。Menescalのギターをバックにしっとり歌い上げるイントロが印象的です。本編は、コンテンポラリーなメロウ・チューンに仕上がっています。
「E Luxo So/Faceira」
Ary Barroso作品2曲のメドレー(「E Luxo So」はLuiz Peixoto作詞)。2曲共にGal Costaのカヴァーを紹介済みです。これらの名曲を軽快なメロウ・サンバで聴かせてくれます。Simoneの艶やかなヴォーカルとサンバのリズムがよくマッチしています。聴いているだけでポジティヴな気分になれるのがいいですね。
「Provas De Amor」
Sereno作。ロマンティックなビューティフル・ボッサ。サンセット・モードにフィットする素敵な1曲に仕上がっています。
「Filho Da Bahia/Coisa Divina」
Walter Queiroz作「Filho Da Bahia」とToninho Nascimento/Flavio Oliveira/Noca da Portela作「Coisa Divina」のメドレー。バイーアの風を感じるメドレーでSimoneの伸びやかなヴォーカルが躍動します。
「Ciume/Fato Consumado」
Carlos Lyra作「Ciume」とDjavan作「Fato Consumado」のメドレー。「Fato Consumado」大好きの僕としては嬉しいカヴァーです。しかも「Ciume」とのメドレー(というかマッシュアップ)がこんなにフィットするとは意外です。
「Samba E Amor」
Chico Buarque作品をカヴァー。少し憂いを帯びたヴォーカルで聴く者を悩殺します。
「Sempre Sera」
Chico Roque/Paulo Sergio Valle/Miguel Plopschi作。サンバ/レゲエ・バンドAra Ketuのヒット曲をカヴァー。楽曲自体が良いのかもしれませんが、情感込めて歌い上げるSimoneの声を聴いていると胸に込み上げてくるものがあります。素晴らしい!
「Opiniao/O Morro Nao Tem Vez」
Ze Keti作「Opiniao」とAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作「O Morro Nao Tem Vez」をカヴァー。Nara Leaoに捧げられたメドレーです(共にNaraのレパートリー)。
哀愁ボッサ「Opiniao」、クールに疾走する「O Morro Nao Tem Vez」を力強く歌い上げます。
「Ultimo Desejo」
Noel Rosa作。シンプルなバッキングで心の機微が伝わってくる豊かな表現力を強調しています。
「Desde Que O Samba E Samba/Tristeza」
Caetano Veloso作「Desde Que O Samba E Samba」とHaroldo Lobo/Niltinho作「Tristeza」のメドレー。強力2曲のメドレーは僕好みのエレピの映えるメロウ・チューンに仕上がっています。
「O Samba Da Minha Terra/A Voz Do Morro」
Dorival Caymmi作「O Samba Da Minha Terra」とZe Keti作「A Voz Do Morro」のメドレー。ラストは素敵なメロウ・サンバ・メドレーで締め括ってくれます。♪サンバが好きではない人は好い奴じゃない♪
Simone Morenoの他作品もチェックを!
『Simone Moreno』(1994年)
『Morena』(1995年)
『Manda Me Chamar』(1997年)
『Samba Makossa』(2005年)