発表年:2018年
ez的ジャンル:FE系Hip-Hop
気分は... :原点回帰!
新作アルバムからThe Foreign Exchange(FE)のフロントマンとして活躍するR&Bシンガー/ラッパーPhonte Colemanの2ndソロ・アルバム『No News Is Good News』です。
9th Wonder、Big Poohと組んだ強力Hip-HopユニットLittle Brotherのメンバーとして活動し、現在はNicolayらとThe Foreign Exchangeを組むPhonte Colemanのソロ作品の紹介は、1stソロ『Charity Starts At Home』(2011年)、『ezが選ぶ2016年の10枚』でもセレクトしたEric Robersonとの共演アルバム『Tigallerro』(2016年)に続き3回目となります。
最近はラッパーというよりR&Bシンガー寄りの活動が目立っていたPhontenですが、約7年ぶりのソロとなる『No News Is Good News』は、原点回帰のHip-Hop作品に仕上がっています。
リッチモンドのライヴ・ジャズ・バンドButcher BrownのメンバーDJ Harrison(Devonne Harris)、トロント出身、現在はブルックリンを拠点とするビートメイカー/プロデューサーである"ブームバップ伝道師"Marco Polo、ミネアポリスを拠点とするプロデューサーKing Karnov、Busta Rhymes、Snoop Dogg、Kanye West、The Game等も手掛ける天才トラック職人 Nottz、デトロイト出身のプロデューサー/MCであるIllingsworth、Radio Galaxyのメンバーとしても活動するDJ Cozmos、サンディエゴ出身のビートメイカー/プロデューサー/DJであり、L.A.の新世代コレクティブ/レーベルSoulection所属のAbjo、2ndアルバム『Let's Take A Trip』を『ezが選ぶ2017年の10枚』でセレクトしたデトロイト出身の次世代ビートメイカーTall Black Guyといった多彩な顔ぶれがプロデューサーに起用されています。
また、『Tigallerro』で共演したEric Roberson、ギャングスタ・ラッパーFreddie Gibbsがフィーチャリングされています。
それ以外にThe Foreign Exchange Musicのミュージック・ディレクターZo!、Carmen RodgersとTamisha WadenというThe Foreign Exchangeの女性ヴォーカリスト2人、Terrace Martinとのプロデュース・ユニットLoveDragonでも知られるジャズ・ミュージシャン兼Hip-HopプロデューサーJosef Leimberg等がレコーディングに参加しています。
派手なアルバムではありませんが、多彩なプロデューサー陣がそれぞれの個性を活かしながらPhonteの魅力を引き出しています。
初期The Foreign Exchange(FE)作品など、ラッパーPhonteがお好きな人であれば満足できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「To The Rescue」
DJ Harrisonプロデュース。オープニングは今ジャズ感覚のHip-Hop。FEの同僚Carmen Rodgersが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ah-1gWtzxSs
「So Help Me God」
Marco Poloプロデュース。哀愁モードのトラックをバックにPhonte節を堪能できます。気の利いたアウトロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qadHMibHzlA
「Pastor Tigallo」
King Karnovプロデュース。タイトルからしてPhonteらしいですね。前半は浮遊するトラックが印象的ですが、中盤以降はFEの同僚Tamisha Wadenが加わり、ソウルフルなアクセントで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=w84TYqdKHNo
「Expensive Genes」
Nottzプロデュース。トラック職人NottzがPhonteにピッタリのコズミック・トラックを提供してくれました。
https://www.youtube.com/watch?v=s_nvRMuOaUs
「Cry No More」
Illingsworthプロデュース。ジャジー・フィーリングと次世代感覚のビートが融合した僕好みのトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Mtw2o1akZdc
「Such is Life」
DJ Cozmosプロデュース。メロウネスという点ではジャジー・メロウHip-Hopなこの曲が一番かも?Cecile Jordanの女性ヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=R0w-PacvUTo
「Change Of Mind」
Freddie Gibbsをフィーチャー。Abjoプロデュース。Abjoが次世代ビートメイカーらしいビートで盛り上げてくれます。ここでのPhonteはラップはGibbsに任せ、ヴォーカルに徹しています。Zo!のピアノも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=D76GzlosiqA
「Sweet You」
Tall Black Guyプロデュース。The Foreign Exchange「Sweeter Than You」のヴォーカル部分をサンプリングしたトラックが印象的です。PhonteらしいメロウHip-Hopに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=liwv4M82U3U
「Find That Love Again」
Eric Robersonをフィーチャー。DJ Cozmosプロデュース。『Tigallerro』コンビの再会ですが、ここでのRobersonはPhonteの引き立て役に徹しています。Josef Leimberg「Between Us 2」をサンプリングした浮遊感のあるトラックがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=_pO4flE5sWk
「Euphorium (Back To The Light)」
Abjoプロデュース。ラストはThe Foreign Exchangeをイメージさせるフューチャリスティックなクロスオーヴァー・サウンドに乗って、Phonteがリズミックなフロウを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wy-vU4nfexQ
Phonte ColemanやThe Foreign Exchangeの過去記事もチェックを!
Phonte『Charity Starts At Home』(2011年)
Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』(2016年)
The Foreign Exchange『Connected』(2004年)
The Foreign Exchange『Leave It All Behind』(2008年)
The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)
The Foreign Exchange『Love In Flying Colors』(2013年)
The Foreign Exchange『Tales From The Land Of Milk And Honey』(2015年)