2018年06月30日

Gato Barbieri『Fenix』

Flying Dutchmからの第2弾アルバム☆Gato Barbieri『Fenix』
フェニックス (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)
発表年:1971年
ez的ジャンル:Flying Dutchm系アルゼンチン・ジャズ
気分は... :アルゼンチンは不死鳥か?

サッカーW杯はいよいよ決勝トーナメント。

いきなり「フランス対アルゼンチン」、「ウルグアイ対ポルトガル」という好カードが2試合。特に「フランス対アルゼンチン」は決勝でもおかしくない顔合わせですね。

それに因んでフランスもしくはアルゼンチンのアーティストを紹介しようと思いましたが、僕の予想はフランス勝利なので、メッシのW杯最後の試合になる可能性もあるアルゼンチンのアーティストを取り上げます。

ということで、アルゼンチンを代表するジャズ・ミュージシャンGato Barbieri『Fenix』(1971年)です。

アルゼンチン、サンタフェ州ロサリオ出身のテナー・サックス奏者/コンポーザーGato Barbieri(1932-2016年)の紹介は、『Chapter One: Latin America』(1973年)に続き2回目となります。

前回『Chapter One: Latin America』を紹介したのは2014年でしたが、その後2016年に惜しくも逝去(享年83歳)。

本作『Fenix』(1971年)は、前作『The Third World 』(1969年)に続くFlying Dutchmanからの第2弾アルバムとなります。

プロデュースは他のFlying Dutchman作品と同じくBob Thiele

レコーディング・メンバーはGato Barbieri(ts)以下、Lonnie Liston Smith(p、el-p)、Joe Beck(g)、Ron Carter(b)、Lenny White(ds)、Gene Golden(congas、bongos)、Nana Vasconcelos(berimbau、bongos)。

Flying DutchmanのレーベルメイトでBarbieri作品にはお馴染みのLonnie Liston Smithやブラジル音楽ファンにはお馴染みのブラジル人ミュージシャンNana Vasconcelosの参加が目を引きます。

汎ラテン・アメリカ的なスピリチュアル感とパーカッシヴなグルーヴ感の絶妙のバランスでの調和が魅力の1枚です。主役Gatoの男の色気を感じるサックスも絶好調です。

神秘的なオープニング「Tupac Amaru」、クラブジャズ方面でも人気の「Carnavalito」、メロウ・ボッサ「Falsa Bahiana」、スピリチュアルな「El Dia Que Me Quieras」、偉大なフォルクローレ・ギタリストAtahualpa Yupanquiの名曲カヴァー「El Arriero」、Nanaのビリンバウと共に始まる「Bahia」という、かなり僕好みの6曲です。

レア・グルーヴ好きの人も気に入る1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Tupac Amaru」
Gato Barbieri作。最後のインカ皇帝の名を冠したオリジナル。神秘的なムードが漂う中、パーカッシヴなリズムにのってGatoがエモーショナルなプレイを披露してくれます。この曲のみ参加のJoe Beckのギターも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=wxph34HJLfc

「Carnavalito」
トラディショナル。ビリンバウ、コンガ等が織り成すアフロ・ブラジリアンなアッパー・グルーヴをバックに、Gatoが格好良いブロウでキメてくれます。Lonnie Liston Smithのピアノが演奏全体を引き締めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NMJUv5yYrmU

「Falsa Bahiana」
Geraldo Pereira作。Lonnie Liston Smithのエレピが映えるメロウ・ボッサ・サウンドが、Gatoの豪快なブロウを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=GYFYP8kyoFQ

「El Dia Que Me Quieras」
Carlos Gardel/Alfredo Le Pera作。Lonnie Liston SmithのFlying Dutchmanでの諸作にも通じるスピリチュアルな演奏です。不死鳥(フェニックス)のようなGatoのプレイがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ONySvCTGZkM

「El Arriero」
Atahualpa Yupanqui/Pablo Del Cerro作。母国の偉大なフォルクローレ・ギタリストAtahualpa Yupanquiの名曲をカヴァー。Gatoらしい汎ラテン・アメリカ的なスピリッツが伝わってくる大作です。
https://www.youtube.com/watch?v=C7opLhbYPnI

The Pharcyde「She Said (Jay Dee Remix)」のサンプリング・ソースにもなっています。
The Pharcyde「She Said (Jay Dee Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=3mf0xIrCXGY

「Bahia」
トラディショナル。Nanaのビリンバウと共にスタート。ブラジリアン・モードの疾走感とGatoのエモーショナルな演奏がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=mO8aq8uMcbc

Gato Barbieriの他作品もチェックを!

『In Search of the Mystery』(1967年)
In Search of the Mystery (Dig)

『The Third World』(1969年)
第三世界 (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『El Pampero』(1971年)
エル・パンペロ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Last Tango in Paris』(1972年)
Last Tango In Paris: Original MGM Motion Picture Soundtrack

『Chapter One: Latin America』(1973年)
Chapter One: Latin America (Dig)

『Bolivia』(1973年)
ボリビア (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Under Fire』(1973年)
アンダー・ファイアー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Two: Hasta Siempre』(1973年)
Chapter Two: Hasta Siempre (Dig)

『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)
Chapter Three: Viva Emiliano Zapata - Originals

『Yesterdays』(1974年)
イエスタデイズ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Four: Alive in New York』(1975年)
Chapter 4.Live in New York

『El Gato』(1975年)
エル・ガトー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

Gato Barbieri & Dollar Brand『Confluence』(1975年)
コンフルエンス

『Caliente!』(1976年)
Caliente

『Ruby Ruby』(1977年)
Ruby Ruby (Reis) (Rstr) (Dig)

『Tropico』(1978年)
Tropico: Originals (Dig)

『Bahia』(1982年)
Gato Barbieri: Bahia

『Apasionado』(1983年)
Apasionado

『Para Los Amigos』(1984年)
Gato...Para Los Amigos

『Passion And Fire』(1988年)
Passion and Fire
posted by ez at 07:01| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

The Sweet Inspirations『Estelle, Myrna And Sylvia』

黒人女性ヴォーカル・グループによる南部テイストの1枚☆The Sweet Inspirations『Estelle, Myrna And Sylvia』
Estelle, Myrna and Sylvia by Sweet Inspirations (1991-05-03)
発表年:1973年
ez的ジャンル:黒人女性ヴォーカル・グループ。
気分は... :まさかのドイツ敗退・・・

W杯は前回王者ドイツがまさかのグループリーグ敗退。

グループリーグ3戦目はサウジアラビア、ペルー、韓国とそれまで2連敗していた国の執念の勝利が目立ちます。その意味では、日本もポーランド相手に受け身にならず、世界ランク上位国にチャレンジする姿勢で戦って欲しいですね。

最大6名の先発メンバー入れ替えという事前情報もありますが、どうなんですかね。個人的にはこれまで出番のない武藤あたりを起用してもいい気がします。その意味では西野ジャパンの転機となったパラグアイ戦の前線4名のカルテットも見てみたいです。

今回は60年代後半から70年代にかけて活躍した黒人女性ヴォーカル・グループThe Sweet Inspirations『Estelle, Myrna and Sylvia』(1973年)です。

The Sweet Inspirationsは1967年にN.Y.で結成された黒人女性ヴォーカル・グループ。

オリジナル・メンバーはCissy Houston(Whitney Houstonの母)、Sylvia ShemwellMyrna SmithEstelle Brownという4名。

Cissy Houstonは1969年に脱退し、代わりにAnn Williamsが加入しますが短期間で離脱してしまいます。その後はSylvia、Myrna、Estelleの3名で活動しています。

Aretha FranklinElvis Presley等のバック・コーラスで有名ですが、グループ名義の作品もAtlanticを中心に60年代後半から70年代にかけて8枚のアルバムをリリースしています。

Aretha、Elvis以外であれば、ジャズ・アーティストYusef Lateef作品にも数多く参加していますね。

The Sweet Inspirationsといえば、Cissy Houston在籍時の『The Sweet Inspirations』(1967年)、『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)、『What the World Needs Now is Love』(1968年)、『Sweets for My Sweet』(1969年)という4枚をまず紹介すべきなのかもしれませんが、『Estelle, Myrna and Sylvia』(1973年)をセレクトするあたりがひねくれもの僕らしいかも(笑)

本作『Estelle, Myrna and Sylvia』(1973年)は、前作『Sweet Sweet Soul』(1970年)を最後に長年在籍したAtlanticを離れ、Staxからリリースされた作品です。

本作におけるメンバーはアルバム・タイトルにあるように、Sylvia ShemwellMyrna SmithEstelle Brownという3名。Cissy Houstonの代わりに加入したAnn Williamsは、前作『Sweet Sweet Soul』(1970年)のみの参加となりました。

プロデュースはDavid PorterRonnie Williams

レコーディングにはThe Memphis Hornsも参加しています。

全体的に派手さはありませんが、実力派グループとしての力量を随所で見せてくれる南部モードの1枚に仕上がっています。

「Why Marry」「You Roam When You Don't Get It At Home」「All It Takes Is You And Me」「Wishes And Dishes」といった楽曲はサンプリング・ソースとしても人気です。

シングルにもなった「Slipped And Tripped」をはじめ、「Pity Yourself」「Emergency」といったファンキー&グルーヴィーな楽曲も楽しめます。

全曲紹介しときやす。

「Wishes And Dishes」
David Porter/Ronnie Williams作。哀愁バラードオープニング。抑えたトーンから徐々にエモーションが高まっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=H2Ge9MgTNiI

MC Solaar「Quand Le Soleil Devient Froid」、Sunz of Man「For the Lust of Money/The Grandz」のサンプリング・ソースとなっています。
MC Solaar「Quand Le Soleil Devient Froid」
 https://www.youtube.com/watch?v=toQjknBRboI
Sunz of Man「For the Lust of Money/The Grandz」
 https://www.youtube.com/watch?v=4I2bMKjQwfo

「You Roam When You Don't Get It At Home」
Bettye Crutcher/David Porter/Ronnie Williams作。ディープな雰囲気と美しいコーラスワーク印象的なミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=WLzo9anSXm8

Ghostface Killah「One」、Rob Swift「2 Minutes of Soul」、Ayatollah「Stomping Grounds」、Diddy - Dirty Money「Someone to Love Me」、Wu-Tang Clan feat. Nathaniel「Keep Watch」のサンプリング・ソースとなっています。
Ghostface Killah「One」
 https://www.youtube.com/watch?v=X_JhD0HUGYQ
Diddy - Dirty Money「Someone to Love Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=SUB4xRWPlbw
Wu-Tang Clan feat. Nathaniel「Keep Watch」
 https://www.youtube.com/watch?v=g-_MgHFSaik

「Slipped And Tripped」
David Porter/Ronnie Williams作。シングルにもなった南部らしいミディアム・グルーヴ。The Memphis Hornsらをバックにエモーションなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VRKZOh_5fcE

「All It Takes Is You And Me」
David Porter/Ronnie Williams作。実力派グループならではの余裕を感じるミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=5AOgPJREf78

Lloyd Banks「Die One Day」、LMNO feat. Self Lion, Chali 2na & Ariano「God Bless」、Thelonious Martin feat. Smoke DZA「All It Takes」のサンプリング・ソースとなっています。
Lloyd Banks「Die One Day」
 https://www.youtube.com/watch?v=smE5PEq307k
LMNO feat. Self Lion, Chali 2na & Ariano「God Bless」
 https://www.youtube.com/watch?v=DVLx6AJNTNU

「Pity Yourself」
Estelle Brown/Joseph Lane/Myrna Smith/Sylvia Shamwell作。リズミック&ファンキーな仕上がり。L.E.G.A.C.Y. and DJ Parydime「No Apology」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=L6nyHMmkx5c

「Emergency」
David Porter/Ronnie Williams作。正にエマージェンシー・モードのソウル・グルーヴ。南部モードのグルーヴィー感がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=fkIiIFfsQDM

「Call Me When All Else Fails」
Bettye Crutcher/David Porter/Ronnie Williams作。ゴスペル・フィーリングの感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=QejZkFbg7d8

「The Whole World Is Out」
David Porter/Ronnie Williams作。味わい深いビューティフル・バラードで実力派グループらしい貫禄を見せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=5o5pdVLp7is

「Why Marry」
Bettye Crutcher作。黒人女性コーラスグループらしい魅力に溢れた素敵なミディアム。気の利いたエンディングも含めてアルバムで一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=UuheUPnR_DE

Raekwon feat. Ghostface Killah「Criminology」、Da Germ feat. Finsta & Lin Que「It'z Uzelezz (Evil Dee Remix)」、London Elektricity「Bare Religion」、#BENGAZI, DonGURALesko, Gruby Mielzky & Rafi「W Duszy Gra Mi Blues」、Dirt Disciples feat. Torae「Panoramic」のサンプリング・ソースとなっています。
Raekwon feat. Ghostface Killah「Criminology」
 https://www.youtube.com/watch?v=jE656lxTNVs
Da Germ feat. Finsta & Lin Que「It'z Uzelezz (Evil Dee Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=MPhYqPdvods
London Elektricity「Bare Religion」
 https://www.youtube.com/watch?v=gR7W1KozJw0
Dirt Disciples feat. Torae「Panoramic」
 https://www.youtube.com/watch?v=PkoF-tL9jnk

僕の保有するCDにはボーナス・トラックとして、全米チャート第18位、同R&Bチャート第5位となったグループの代表曲「Sweet Inspiration」「Why (Am I Treated So Bad)」という2曲(共に元々はアルバム『The Sweet Inspirations』に収録)が追加収録されています。
「Sweet Inspiration」
 https://www.youtube.com/watch?v=HjvkJTLdR28
「Why (Am I Treated So Bad)」
 https://www.youtube.com/watch?v=K5jXqYa_E8M

The Sweet Inspirationsの他作品もチェックを!

『The Sweet Inspirations』(1967年)
スウィート・インスピレイションズ

『Songs of Faith & Inspiration』(1968年)
ソングス・オブ・フェイス&インスピレイション

『What the World Needs Now is Love』(1968年)
世界は愛を求めてる

『Sweets for My Sweet』(1969年)
Sweets for My Sweet

『Sweet Sweet Soul』(1970年)
スウィート、スウィート・ソウル
posted by ez at 11:08| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月27日

Bossacucanova『Uma Batida Diferente』

各種コンピ収録曲満載の進化形ブラジリアン・サウンド☆Bossacucanova『Uma Batida Diferente』
Uma Batida Diferente
発表年:2004年
ez的ジャンル:ブラジリアン・クラブミュージック/新世代ボサノヴァ
気分は... :ナイジェリアかアルゼンチンか・・・

サッカーW杯はもうすぐ「ナイジェリア対アルゼンチン」です。
おそらく勝った方が決勝トーナメント進出となるサバイバル・マッチ!
チーム崩壊危機のアルゼンチンが立て直せるのか楽しみです。

クラブミュージックとボサノヴァ/サンバを融合させた進化形サウンドで新世代ボサノヴァを牽引するユニットBossacucanovaの人気作『Nossa Onda e Essa』(2004年)です。

ボサノヴァの巨匠ギタリスト/コンポーザーRoberto Menescalを父に持つMarcio Menescal(b、vo、prog)、Marcelinho da Lua(turntables、prog)、Alexandre Moreira(key、vo、prog)による新世代ボサノヴァ・ユニットBossacucanovaの紹介は、Marcioの父Roberto Menescalとの共演作『Brasilidade』(2001年)、現時点での最新作『Nossa Onda e Essa』(2014年)に続き3回目となります。

収録曲の多くがブラジルものクラブミュージック/ラウンジ系のコンピに収録されていることが証明するように、クラブミュージックとボサノヴァ/サンバをキャッチーに融合させたBossacucanovaワールドを満喫できる1枚に仕上がっています。

Bossacucanovaによるセルフ・プロデュース。

Marcioの偉大な父Roberto Menescal、ブラジルを代表するメロディ・メイカーMarcos Valle、日本でも人気の名ギタリストCelso Fonseca、ベテランSSWのOrlandivo、現行MPBを代表する女性SSWAdriana Calcanhotto、かつてJorge Benのバック・バンドも務めたファンキー・サンバ・ユニットTrio MocotoRoberto Menescalに見出された女性シンガーCris Delanno、ブラジリアン・ソウルの名シンガーWilson Simonal‎の息子Wilson Simoninhaといったアーティストがフィーチャリングされています。

それ以外にJaques Morelenbaum(cello)、Marcos Suzano(pandeiro)といったブラジルを代表する名ミュージシャンも参加しています。

ブラジル音楽のアコースティック&メロウな魅力を損なわず、クラブミュージックやエレクトロニカなエッセンスで進化させているのがいいですね。

ブラジル音楽ファンは豪華ゲストとの共演やお馴染みの名曲をどのように調理するのかを楽しめばいいし、クラブミュージック/ラウンジ好きの人は純粋にキャッチーな収録曲を楽しめばいいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bom Dia Rio (Posto 6)」
Bossacucanova/Nelson Motta作。Roberto MenescalCris Delannoをフィーチャー。アコースティックな質感を損なわない爽快な次世代ボッサ・グルーヴに仕上がっています。Jaques Morelenbaumのチェロも効果抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=H2Dmw7j9FGc

「Samba Da Minha Terra」
Dorival Caymmi作品をカヴァー。ブラジル人とオランダ人の混成ユニットZuco 103をフィーチャー。ドラムンベース調のフューチャリスティックな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Zc-DRqPFRR8

「Essa Moca Ta Diferente」
Chico Buarque作。Wilson Simoninhaをフィーチャー。ブラジル音楽の素晴らしさを継承しつつ、新世代ならではのセンスで仕上げてしまう手腕が流石です。Marcos Suzanoのパンデイロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9BTjO_ERFLs

「Previsao」
Bossacucanova/Adriana Calcanhotto作。Adriana Calcanhottoをフィーチャー。キャッチーな次世代ボッサ・グルーヴに乗ってAdriana Calcanhottoが素敵な歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=y2QBbNyvWdY

「Vai Levando」
Caetano Veloso/Chico Buarque作。Trio Mocotoをフィーチャー。次世代サンバ・グルーヴをバックに、Trio Mocotoの面々が激シブのヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KSNSJgEVzF4

「Just A Samba」
Bossacucanova/Celso Fonseca作。Celso Fonsecaをフィーチャー。Celsoならではのいぶし銀メロウ・ワールドを損なわない薄っすらとしたエレクトロニカ感がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9JaMEga7ZwM

「Queria」
Bossacucanova/Marcos Valle作。作者Marcos Valleをフィーチャー。エレクトロニカなエッセンスでメロウなMarcosワールドを進化させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WF3w3yZkSR8

「Aguas De Marco」
Antonio Carlos Jobim作の名曲「三月の水」をカヴァー。Cris Delannoをフィーチャーし、彼女の透明感のあるヴォーカルが映えるシンプルながらもエレクトロニカな味付けの効いたメロウ・ボッサは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=KHZEBkQxFbs

本曲について、当ブログではTania MariaSergio Mendes & Brasil '77
Stacey KentRonald MesquitaElis ReginaAgustin Pereyra LucenaCassandra Wilsonのカヴァーも紹介済みです。

「Bonita」
Antonio Carlos Jobim/Gene Lees/Ray Gilbert作。Roberto Menescalをフィーチャー。Roberto Menescalの美しいギターという素材を見事に生かしたフロア仕様のダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=boWYsNeJv3E

「Feitinha Pro Poeta」
Baden Powell/Lula Freire作。Roberto Menescalをフィーチャー。次世代ラウンジ・ボッサといった趣のドラムンベース調のキャッチーな仕上がり。ヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=q32eviq4WIw

「Onde Anda Meu Amor」
Orlandivo/Durval Ferreira作品のカヴァー。当ブログではOrlandivo自身のヴァージョンに加え、Rosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。作者OrlandivoCris Delannoをフィーチャーし、フューチャリスティックなブラジリアン・クラブミュージックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kSomGa6YjYM

Bossacucanovaの他作品もチェックを!

『Revisited Classics』(1999年)
Bossa Cuca Nova: Revisited Classics

『Brasilidade』(2001年)
Brasilidade

『Ipanema Lounge』(2004年)
Ipanema Lounge V.1

『Ao Vivo』(2008年)
Ao Vivo: Celebrating 50 Years (W/Dvd) (Dig)

『Nossa Onda e Essa』(2014年)
Our Kind of Bossa
posted by ez at 00:40| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月26日

『特別企画:ロシアW杯出場国のアーティストたち』

サッカーW杯、昨晩の「日本対セネガル」は興奮しましたね。

また、「コロンビア対ポーランド」のH組サバイバル・ゲームもかなり面白かったです。ポーランドに完勝したコロンビアを見て、数的優位になったとはいえ、よくこんなチームに勝てたな!と改めて西野ジャパンの偉業に感慨深い気持ちになりました。

日々W杯に夢中のため、なかなか記事を書く気持ちになれません(笑)
そこで今日はサボり企画で、ロシアW杯出場チームの中から印象に残る10カ国の出身アーティストを過去記事からセレクトしてみました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入ったアーティストがあれば過去記事もご参照下さい。

メキシコ
Nortec Collective Presents: Bostich+Fussible「Camino Verde」
https://www.youtube.com/watch?v=fhW1C1it9Lk
From 『Motel Baja』(2014年)
Motel Baja

フランス
Les Nubians「Les Gens」
http://www.youtube.com/watch?v=eipKVla1cBY
From 『Nu Revolution』(2011年)
Nu Revolution

ベルギー
Selah Sue「Peace Of Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=9gnabY-75m8
From (2011年)
Selah Sue

デンマーク
Gangway「You And Yours」
http://www.youtube.com/watch?v=NpSqF31eA5o
From 『Happy Ever After』(1992年)
Happy Ever After

スペイン
Malena「No Llores Mas」
https://www.youtube.com/watch?v=GwE5gj1so9g
From 『Fried Samba』(2008年)
Fried Samba

ポルトガル
Guida De Palma & Jazzinho「Papao」
https://www.youtube.com/watch?v=R2uHqwV3-hg
From 『Veludo』(2013年)
ビロード

ナイジェリア
Tony Allen「Black Voices」
http://www.youtube.com/watch?v=4jrEI41mOFE
From 『Black Voices Revisited』(2010年)
BLACK VOICES : REVISITED (10TH ANNIVERSARY REISSUE)

セネガル
Youssou N'Dour「The Lion/Gaiende」
https://www.youtube.com/watch?v=2hYI_Hfqc7A
From 『The Lion』(1989年)
The Lion

コロンビア
Quantic & Nidia Gongora「Que Me Duele?」
https://www.youtube.com/watch?v=KFEC9XeAMW8
From 『Curao』(2017年)
Curao [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC547)

ウルグアイ
Diane Denoir「Mejor Me Voy」
https://www.youtube.com/watch?v=IvPZBKtLAbk
From 『Diane Denoir』(1973年)
diane denoir_diane denoir.jpg
posted by ez at 01:34| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

R+R=Now『Collagically Speaking』

今ジャズのスーパー・ユニット誕生!☆R+R=Now『Collagically Speaking』
コラージカリー・スピーキング
発表年:2018年
ez的ジャンル:今ジャズ系スーパー・ユニット
気分は... :ベルギー強し!

今晩のW杯はベルギーの圧倒的な強さが目立ちましたね。
ベルギーは順調に決勝トーナメントを勝ち進めば、準々決勝でブラジルと対決する可能性があり楽しみです(その前に日本が幸運にも決勝トーナメントに進出できればベルギーと対戦する可能性が大なのですが)。

新作アルバムから話題の今ジャズ・スーパー・ユニットR+R=Now『Collagically Speaking』です。Blue Note Recordsからのリリースとなります。

R+R=Nowは、Robert Glasper(key)、Terrace Martin(syn、sax)、Christian Scott aTunde Adjuah(tp)、Derrick Hodge(b)、Taylor McFerrin(syn、beats)、Justin Tyson(ds)という今ジャズを代表するミュージシャンが終結したスーパー・ユニット。Robert Glasperの人選で他メンバーに声がけし、実現したユニットのようです。

『Black Radio』(2012年)でジャズ界に革命をもたらした先鋭ジャズ・ピアニストRobert GlasperKendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)のプロデュースで一躍有名となったプロデューサー/サックス/キーボード奏者Terrace Martin、昨年ジャズ生誕100年を記念した三部作"The Centennial Trilogy"をリリースした現在ジャズを牽引する天才トランぺッターChristian Scott aTunde AdjuahRobert Glasper Experiment(RGE)で長年Glasperを支える実力派ベーシストDerrick Hodge、黒人ジャズ・シンガーBobby McFerrinの子息であり、Flying Lotusが主宰するレーベルBrainfeederに所属するシンガー/ビートボクサー/DJ/プロデューサー/キーボード奏者/マルチプレイヤーTaylor McFerrinEsperanza Spalding『Emily's D+Evolution』(2016年)等に参加し、新たにRobert Glasper Experiment(RGE)のドラマーとなった新進ジャズ・ドラマーJustin Tysonと個々人のプロフィールだけもワクワクするミュージシャンばかりです。

R+R=Nowというユニット名は、「Reflect+Respond=NOW」を意味しており、「時代を反映させることはアーティストの責務である(an artist's job is to reflect the times)」というNina Simoneの有名な言葉にインスパイアされたものです。

全体としては、Casey Benjaminの代わりにTerrace Martinが加わったRobert Glasper Experimentに、Christian Scott aTunde Adjuahが客演したような雰囲気です。Taylor McFerrinは脇役に徹している感じです。

特段インパクトのある作品ではありませんが、各ミュージシャンの個性を融合させた今ジャズ作品として十分に楽しめます。

ゲスト・ヴォーカルとして、今年50 Centをフィーチャーしたシングル「50+0=500」をリリースし、その50 Centが製作総指揮を執るドラマ『Power』で主役を演じる俳優Omari Hardwick、元NFL選手の俳優Terry Crews、ラッパーのStalley、Amanda Diva名義で音楽活動も行う女優Amanda Seales、注目のL.A.ネオソウル・バンドMoonchildの紅一点ヴォーカリストAmber Navranがフィーチャリングされています。正直、Amber Navran、Stalley以外はフィーチャリングの必要性をあまり感じませんが。

『Collagically Speaking』 (Album Trailer)
https://www.youtube.com/watch?v=_mLBpvTeVXU

とりあえず今ジャズに興味がある人は聴いておくべき1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Change Of Tone」
アルバムからの先行シングル。4パートから成る組曲風の構成です。このスーパー・ユニットのメンバー紹介的な1曲に仕上がっています。このオープニングから、Glasperと並びTerrace Martinが本ユニットの推進役であることが窺えます。
https://www.youtube.com/watch?v=GUDTso9yZ64

「Awake To You」
Terrace Martinのヴォコーダーを交えた演奏はRobert Glasper Experimentに近い雰囲気です。

「By Design」
おそらくTerrace Martinがリードした楽曲。ヴォイスのサウンド・コラージュを織り交ぜたサウンドはジャズ×エレクトロニカな仕上がりです。

「Resting Warrior」
このメンツならではの今ジャズ・アンサンブルを満喫できる演奏です。Derrick HodgeとJustin TysonのRGEの新リズム・セクションの生み出すグルーヴがいいですね。Glasperの鍵盤も存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=FvfK5E9kk0s

「Needed You Still」
Omari Hardwickをフィーチャー。Terrace Martinのヴォコーダーやラップ調のOmari Hardwickのヴォーカルを交えたHip-Hopのエッセンスは、Terrace Martinの諸作に近い雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=J6otZuP_G28

「Colors In The Dark」
Terrace Martinのヴォコーダーが目立つメロウ・チューン。Terrace Martinがゲスト参加したRGEといった趣です。終盤のJustin Tysonのエキサイティングなドラミングがいいですね。

「The Night In Question」
Terry Crewsをフィーチャー。Christian Scott aTunde Adjuahがリードした演奏であり、Christian Scott aTunde Adjuahの次のアルバムにも収録予定の楽曲のようです。Christianの静かに燃え上がるようなトランペットをメンバーが支えます。Christianの諸作がお好きな人であれば気に入る演奏だと思いますが、ゲスト・ヴォーカルのTerry Crewsは本当にオマケみたいで、正直ヴォーカルなしで良かった!

「Reflect Reprise」
Stalleyをフィーチャー。Hip-Hop調の演奏ですが、RGE的センスとHip-HopプロデューサーでもあるTerrace Martinのセンスが融合したような仕上がりです。

「Her=Now」
Amanda Sealesをフィーチャー。Derrick HodgeのベースとTerrace Martinのシンセのみの幻想的サウンドが印象的です。

「Respond」
Derrick Hodge、Justin Tyson、Taylor McFerrinChristian Scott aTunde Adjuahという4名のみの演奏です。Justin Tysonによる人力ビートメイカー的なドラミング、Christian Scott aTunde Adjuahらしい憂いを帯びたトランペット、Taylor McFerrinのシンセの絶妙な隠し味がいい感じです。

「Been On My Mind」
L.A.ネオソウル・バンドMoonchildの紅一点Amber Navranをフィーチャー。ジャズ・サックス奏者Oliver Lakeの息子でRGE作品の常連Jahi SundanceがDJとして参加している幻想的サウンドで締め括ってくれます。

僕が保有するのは輸入盤ですが国内盤にはボーナス・トラックとして「Reflect Reprise(MC Rob G Version)」が追加収録されています。個人的には輸入盤で十分だと思いますが。

参加メンバーの作品の過去記事もご参照ください。

Robert Glasper『In My Element』(2007年)
イン・マイ・エレメント

Robert Glasper『Double Booked』(2009年)
Double Booked

Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)
ブラック・レディオ

Robert Glasper Experiment『Black Radio Recovered: The Remix EP』(2012年)
Black Radio Recovered: the Remix Ep

Robert Glasper Experiment『Black Radio 2』(2013年)
ブラック・レディオ2

Robert Glasper『Covered』(2015年)
カヴァード

Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)
エヴリシングス・ビューティフル

Robert Glasper Experiment『ArtScience』(2016年)
アートサイエンス

Terrace Martin『Velvet Portraits』(2016年)
Velvet Portraits [日本語解説・帯付]

Terrace Martin Presents The Pollyseeds『Sounds Of Crenshaw Vol. 1』(2017年)
Sounds of Crenshaw, Vol.1 [日本語解説つき]

Christian Scott aTunde Adjuah『Stretch Music』(2015年)
Stretch Music [日本語解説付き]

Christian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』(2017年)
Ruler Rebel [日本語解説つき]

Christian Scott aTunde Adjuah『The Emancipation Procrastination』(2017年)
The Emancipation Procrastination

Derrick Hodge『Live Today』(2013年)
Live Today

Taylor McFerrin『Early Riser』(2014年)
Early Risr [帯解説・ボーナストラック収録 / デジパック仕様 / 国内盤] (BRC418)
posted by ez at 02:06| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする