2018年06月23日

Youssou N'Dour『Eyes Open』

世界進出第3弾は映画監督Spike Leeのレーベルから☆Youssou N'Dour『Eyes Open』
Eyes Open
発表年:1992年
サッカー杯は、いよいよ明日に運命の「日本対セネガル」が行われます。

そこで今回はセネガルを代表する世界的ミュージシャンYoussou N'Dourのアルバム『Eyes Open』(1992年)です。

80年代後半のワールド・ミュージック・ブームの中で世界進出を果たし、今日までアフリカで最も成功したミュージシャンとして活躍するYoussou N'Dourに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Immigres』(1984年)
 『The Lion』(1989年)
 『Set』(1990年)

セネガルという国名を聞いて真っ先に連想するのは、サッカー以上にYoussou N'Dourかもしれません。

僕の場合、Youssou N'Dourというミュージシャンの存在を知ったのはアルバム『Nelson Mandela』(1986年)あたりだったと思います。

実際にリアルタイムでアルバムを購入したのは、Virginからリリースされた本格的な世界進出アルバム第1弾『The Lion』(1989年)が最初です。
ez的ジャンル:セネガル発ワールド・ミュージック
気分は... :明日は対セネガル戦!


本作『Eyes Open』(1992年)は、『The Lion』『Set』(1990年)に続く世界進出第3弾アルバムとなります。

黒人映画監督Spike Leeが主宰するレーベル40 Acres And A Mule MusicWorksからのリリースです。

それまでの世界進出アルバムと大きく異なる点は、Youssou本人がセルフ・プロデュースしている点です。ワールド・ミュージック・ブームが過ぎ、前2作のようなインパクトには欠けますが、Youssou自身のイニシアティブで制作された作品として興味深く聴くことができます。

共同プロデューサーとして、Youssouのバック・バンドLe Super Etoile De Dakarの中心メンバーHabib Fayeと、Youssouや Salif Keitaなどアフリカ人ミュージシャンとの共演も多いフランス人キーボード奏者Jean-Philippe Rykiel(ファッション・デザイナーSonia Rykielの息子)の2人がクレジットされています。

Youssou N'Dour入門編として聴くと、とても入りやすい1枚だと思います。現代セネガルのサウンドをコンテンポラリー感覚で聴かせてくれるので、アフリカ音楽をあまり聴かない人も馴染みやすいと思います。

また、セネガルのみならずアフリカを代表するミュージシャンとして、アフリカの現在、過去、未来に言及した曲もあり、そのメッセージにも注目です。

多分、20年ぶり位に聴きましたが、改めてYoussou N'Dourというミュージシャンの存在感の大きさを実感できました。

全曲紹介しときやす。

「New Africa」
軽やかなリズムに乗って新しいアフリカの到来を告げるオープニング。当時は南アフリカのアパルトヘイト政策が撤廃され、新たな時代の到来への期待が膨らんでいた時期です(Nelson Mandelaが南アフリカ大統領に就任するのは1994年)。アフリカを代表するミュージシャンとしてのYoussouの意識の高さを窺えると同時に、人種差別問題に立ち向かうSpike Leeのレーベルに移籍した理由が分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=kscoTL8Qk20

「Live Television」
世界進出後のYoussouらしくセネガルのダンス・ミュージック"ンバラ"をコンテンポラリーな感覚で聴かせてくれます。

「No More」
Le Super Etoile De DakarのメンバーLamine Fayeの美しいアコースティック・ギターをバックに、Youssouの強い意志を力強く歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=e6ze9oNXH8o

「Country Boy」
ポリリズムを用いたダイナミックなサウンドをバックに、Youssouらしい節回しのヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BWyqCu8lgMU

「Hope」
感動的なビューティフル・ソング。こういった曲もYoussou作品の魅力の1つですね。Billly Congoma And The Sandial Assiko Bandのアフリカン・ドラムAshikoも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=8sLRGRM3yTs

「Africa Remembers」
9分半近くの大作。オープニングのアフリカの新たな未来に思いを馳せると同時に、過去のアフリカの歴史も決して忘れないという点で「New Africa」と対のような曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zd0wUkVUXZM

「Couple's Choice」
開放的な雰囲気の中でYoussou節を聴かせてくれます。過度にコンテンポラリーになりすぎずセネガル国内仕様に近いサウンドなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NzZub3ACMms

「Yo Le Le (Fulani Groove)」
トーキング・ドラムが印象的なダンサブル・チューン。フランス産のアフリカ音楽の雰囲気がありますね。このあたりはJean-Philippe Rykielの影響かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=nqBWNwF9D8g

「Survie」
Youssou流フォーキーといった趣でスタートしますが、気づけばYoussouらしいピースフルな音世界に浸ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=R5qxd8zpfoo

「Am Am」
リズミックな仕上がりが僕好み。アフロ・ジャズなホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xdkptfEsALo

「Marie-Madeleine La Saint-Louisienne」
Youssouらしい少し憂いを帯びた節回しと共にパーカッシヴに疾走します。少しレゲエっぽいパートもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fQg-vuL_08M

「Useless Weapons」
湾岸戦争をテーマに平和への願いを込めたメッセージ・ソング。Youssouの平和への切なる思いが聴く者の胸を打ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=Auy9EFMMI70

「The Same」
ロック、レゲエ、ジャズ、ンバラも同じ音楽!あらゆる音楽は国境を越え、人々を1つにすると音楽の持つパワーを説く素敵な1曲。ラップ調のパートも登場します。

「Things Unspoken」
ラストは軽快に締め括ってくれます。リズミックな中にも美しい透明感のあるスケールの大きなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=11IR2VPCVhU

Youssou N'Dourの過去記事もご参照下さい。

『Immigres』(1984年)
Immigres

『The Lion』(1989年)
Lion

『Set』(1990年)
Set
posted by ez at 03:10| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月22日

Quincy Jones『You've Got It Bad Girl』

70年代のQuincyの充実ぶりを実感できる1枚☆Quincy Jones『You've Got It Bad Girl』
You've Got It Bad Girl (Dig)
発表年:1973年
ez的ジャンル:名プロデューサー&アレンジャー系ジャズ/ファンク
気分は... :クロアチア本物の強さ!

サッカーW杯は昨晩の「アルゼンチン対クロアチア」は衝撃的でしたね。
躍動するクロアチアと悲壮なアルゼンチンのコントラストが何とも印象的でした。

初戦を観たときからクロアチアはかなり強いと思いましたが、決勝トーナメントでもダークホースとなりそうな雰囲気ですね。モドリッチ、ラキティッチのレアル&バルサ・ユニットには魅了されます。

一方、追い詰められたアルゼンチン、グループリーグ最終戦で意地を見せるのか、このまま沈んでいくのか注目ですね。

さて、US音楽界の大御所Quincy Jonesが1973年にリリースした『You've Got It Bad Girl』です。

これまで当ブログで紹介したQuincy Jones作品は以下の3枚。

 『Smackwater Jack』(1971年)
 『Body Heat』(1974年)
 『Mellow Madness』(1975年)

本作『You've Got It Bad Girl』は、70年代のQuincy Jonesの充実ぶりを実感できる1枚です。アルバム前半はメロウな雰囲気、後半はダイナミックなファンキー・ワールドを楽しめます。

プロデュースはQuincy Jones本人とRay BrownPhil Ramoneがエンジニアを務めています。

レコーディングにはValerie Simpson(vo)、Three Beautiful BrothersStevie Wonder/Bill Withers/Billy Preston)(vo)、George Duke(el-p)、Bob James(el-p)、Dave Grusin(el-p)、Eddie Louis(org)、Toots Thielemans(harmonica、whistle)、Tom Morgan(harmonica)、Hubert Laws(fl)、Cat Anderson(tp)、Phil Woods(as)、Jerome Richardson(ss)、Ernie Watts(ss)、Dennis Budimir(g)、Chuck Rainey(b)、Carole Kaye(b)、Ray Brown(b)、Grady Tate(ds)、Bobbye Porter(per)、Mike Holland(per)等のミュージシャンが参加しています。

アルバム前半のメロウ・サイドであれば、定番サンプリング・ソースとしても大人気の「Summer in the City」「Tribute To A.F.-ROというタイトルが付けられた「Daydreaming」Aretha Franklin)と「The First Time Ever I Saw Your Face」Roberta Flack)という2大ヒット曲のカヴァーがハイライト。

後半のファンキー・サイドは、総勢50名以上のミュージシャンが参加したQuincyワールドの真骨頂「Manteca」Stevie Wonder本人、Bill Withers、Billy Prestonがヴォーカルで参加したStevieの大ヒット曲カヴァー「Superstition」、同じくの名曲カヴァー「You've Got It Bad Girl」、レア・グルーヴ人気曲「Sanford & Son Theme (The Streetbeater)」と聴き所満載です。

名プロデューサー&アレンジャーQuincyの素晴らしい仕事ぶりを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Summer in the City」
The Lovin' Spoonfulの大ヒット曲をカヴァー(John Sebastian/Mark Sebastian/Steve Boone作)。オリジナルはアルバム『Hums of the Lovin' Spoonful』(1966年)に収録されています。ここではEddie Louisのオルガン、Dave Grusinのエレピ、 Ashford & SimpsonのValerie Simpsonのヴォーカルを中心に、Quincyらしいアレンジ・センスによるメロウ・ジャズに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=0tlPh61PVLo

本曲は定番サンプリング・ソースとしても大人気!The Pharcyde「Passin' Me By」Fu-Schnickens「Check It Out」MC Solaar「Western Modern」、Circle of Power「Daddy」、LL Cool J「Diggy Down」、Masta Ace Incorporated feat. Paula Perry「Who U Jackin'?」 、Main Sourceの feat. Jadakiss, Sheek Louch & Shaqueen「Set It Off」、Black Moon「Reality... (Killing Every Nigga)」、Da Youngsta's「Illy Filly Funk」、The Roots「Clones」、MC Rene「Spure Diesen Groove...」、Erykah Badu「On & on (Summer in Sydney Remix)」、DJ Shadow & Cut Chemist「Funky」、DJ Cam Quartet「Quincy」、Big Sean feat. Eminem「No Favors」 等のサンプリング・ソースとなっています

The Pharcyde「Passin' Me By」
 https://www.youtube.com/watch?v=a-mAK3uB2_0
MC Solaar「Western Modern」
 https://www.youtube.com/watch?v=JSG2qHBm7WM
Circle of Power「Daddy」
 https://www.youtube.com/watch?v=XqMY0FOfx9Q
LL Cool J「Diggy Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=MoPRkaiJg6U
Main Source feat. Jadakiss, Sheek Louch & Shaqueen「Set It Off」
 https://www.youtube.com/watch?v=G2zFicYH0K0
Black Moon「Reality... (Killing Every Nigga)」
 https://www.youtube.com/watch?v=_mowm2cfE1w
Da Youngsta's「Illy Filly Funk」
 https://www.youtube.com/watch?v=WlfA2JbYgQM
The Roots「Clones」
 https://www.youtube.com/watch?v=_I1IX2cqjQ4
MC Rene「Spure Diesen Groove...」
 https://www.youtube.com/watch?v=z6mx1xRbf-M
Erykah Badu「On & on (Summer in Sydney Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=CJTz_t2Oiz4
DJ Shadow & Cut Chemist「Funky」
 https://www.youtube.com/watch?v=S5HUNk9wXDM
DJ Cam Quartet「Quincy」
 https://www.youtube.com/watch?v=gCQLKrJ3a2c

「Eyes of Love」
Quincy Jones/Bob Russell作。本アルバムの中では一番地味かもしれませんが、Toots Thielemansがロマンティックなハーモニカ・ソロを聴かせてくれるムーディーな1曲に仕上がっています。

「Tribute To A.F.-RO :Daydreaming/First Time Ever I Saw Your Face」
Aretha Franklinのヒット曲「Daydreaming」(Aretha Franklin作)とRoberta Flackの大ヒット曲「The First Time Ever I Saw Your Face」(Ewan MacColl作)のカヴァー・メドレー。前者のオリジナルは『Young, Gifted And Black』(1972年)、後者のオリジナルは『First Take』(1969年)に収録されています。Valerie SimpsonとQuincy本人がヴォーカルをとり、「Daydreaming」ではHubert Lawsのフルート、「The First Time Ever I Saw Your Face」ではPhil Woodsのアルト・サックスをフィーチャーしています。深淵な雰囲気のメロウネスがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=KxUaelnjYLA

「Love Theme from The Getaway」
Quincyが音楽を手掛けた監督Walter Hill、主演Steve McQueen/Ali MacGrawのアクション映画『The Getaway』(1972年)の愛のテーマ。この映画自体大好きなので嬉しいです。音自体はToots Thielemansが味わい深いハーモニカで魅せる愛のテーマらしい仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=i4xyfA338uM

「You've Got It Bad Girl」
Stevie Wonderの名盤『Talking Book』(1972年)収録の名曲をカヴァー(Stevie Wonder/Yvonne Wright作)。Quincy自身がヴォーカルをとり、George Dukeのエレピ、Dennis Budimirのギターをフィーチャーしています。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、ストリングスも含めてQuincyらしいアレンジ・センスを満喫できます。軽くラテン・フレイヴァーなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iN0Msgw3Lng

「Superstition」
前曲に続き、『Talking Book』収録のStevieの大ヒット曲「迷信」をカヴァー(Stevie Wonder作)。Quincy本人に加え、Three Beautiful Brothers名義で作者Stevie WonderBill Withers、Billy Prestonという豪華メンバー3名がヴォーカルをとります。正にQuincyワールドとStevieワールドの融合といった雰囲気のファンキー・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CQTwjejsdIM

「Manteca」
Dizzy Gillespieのアフロ・キューバン・ジャズ名曲をカヴァー(Dizzy Gillespie/Chano Pozo/Gil Fuller作)。総勢50名以上のミュージシャンが参加したQuincyワールドの真骨頂。Quincyならではの大所帯によるダイナミックなアフロ・キューバン・ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZirCOOL2v1s

「Sanford & Son Theme (The Streetbeater)」
Quincy Jones/Bob Russell作。タイトルにあるようにNBCのテレビ・コメディのテーマ曲。コメディのテーマ曲らしいコミカルな雰囲気ながらも格好良いファンキー・グルーヴに仕上がっています。ここでのハーモニカ・ソロはTom Morgan。Phil Woods、Ernie Wattsもサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=O20Sljxmy9M

レア・グルーヴで人気のBobby Forresterヴァージョンをはじめ、 Sam Paglia、Hustlers Brass Bandのカヴァー・ヴァージョンがあります。また、MC Shy D「Shy D Is Back」、DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Rock the House」、Nice & Smooth「Step by Step」、Master P feat. Sonya C & Big O「Saxophone」、Da Fatcat Clique「Watchitsucka」、Masta Killa feat. Ol' Dirty Bastard & RZA「Old Man」、M.I.A.「U.R.A.Q.T.」、Quincy Jones and T.I. feat. B.o.B, Prince Charlez & Mohombi「Sanford and Son」等のサンプリング・ソースとなっています。

Bobby Forrester「Sanford & Son Theme」
 https://www.youtube.com/watch?v=gqhYomgFkUo
Nice & Smooth「Step by Step」
 https://www.youtube.com/watch?v=MTZBNLy4GKw
Master P feat. Sonya C & Big O「Saxophone」
 https://www.youtube.com/watch?v=tf7dGrlavuw
Da Fatcat Clique「Watchitsucka」
 https://www.youtube.com/watch?v=8l0zHOGzGmo
Masta Killa feat. Ol' Dirty Bastard & RZA「Old Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=vouArzKGeNc
M.I.A.「U.R.A.Q.T.」
 https://www.youtube.com/watch?v=KYNWrw7xIA4
Quincy Jones and T.I. feat. B.o.B, Prince Charlez & Mohombi「Sanford and Son」
 https://www.youtube.com/watch?v=02Okzewir08

「Chump Change」
Bill Cosby/Quincy Jones作。ラストは躍動するリズムと鮮やかなホーン・アンサンブルによるスケールの大きなサウンドで楽しませてくれます。Toots Thielemansの口笛がいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=R6OHSfBfCe4

Quincy Jonesの過去記事もご参照下さい。

『Smackwater Jack』(1971年)
Smackwater Jack

『Body Heat』(1974年)
ボディ・ヒート

『Mellow Madness』(1975年)
メロー・マッドネス
posted by ez at 13:03| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月21日

Lathun『Fortunate』

Motownからリリースされた良質の男性ソウル作品☆Lathun『Fortunate』
フォーチュネイト
発表年:2002年
ez的ジャンル:Motown系男性ソウル
気分は... :ミラクル起きた!

1日遅れになりましたが、サッカー日本代表はミラクルが起きましたね。殆どの時間を11人対10人で試合できたのは本当に幸運でしたね。そのせいか同点に追いつかれても、逆転される気はせず、落ち着いて試合を観ることができました。

西野さんの采配が当たりましたね。個人的には昌子、柴崎の先発起用が嬉しかった。個人的な希望をいえば、GKに中村を抜擢してくれれば100点満点の先発メンバーでしたが。

とにかくよく勝ち越し、その後もよく逃げ切った!
コロンビアは日本を少し甘く見ていたかもしれませんね。

今回は2000年代R&B作品からLathun『Fortunate』(2002年)です。

Lathun(Lathun Grady)はデトロイト出身の男性R&Bシンガー。

90年代にFreddie JacksonImmatureWillie Maxといったアーティストのプロデュース/ソングライティングを手掛けたことでキャリアを積んでいきます。

また、Jermaine DupriのレーベルSo So Defのコンピ『 So So Def Bass All Stars Vol. II』(1995年)にLathun名義の「Freak It」が収録され、後にシングル・リリースもされています。

Lathun「Freak It」
https://www.youtube.com/watch?v=UKRbHC3vI2g

そして2000年代に入り、Motownとの契約に成功し、リリースされた初アルバムが本作『Fortunate』(2002年)です。

ジャケの風貌からは当時の流行のR&Bアルバムといったイメージを抱くかもしれませんが、実際の中身はバラード中心の良質のソウル・アルバムに仕上がっています。ネオ・フィリー的な雰囲気の曲なども含まれます。

Lathun本人が多くの曲でプロデュース&ソングライティングを手掛けており、自身による演奏も多く含まれています。

Lathun本人以外に、Mark BatsonBernard BelleRegina Belleの弟)といった有名プロデューサー、さらにRaymond WatkinsPitch Black等がプロデュースを手掛けています。

また、人気アーティストIndia.Arieがフィーチャリングされている楽曲もあります。

シングルにもなった哀愁バラード「Fortunate」、素敵なミディアム・バラード「Forever One Flesh」、ネオ・フィリー調の「BBQ」、India.Arieをフィーチャーした「When Love Cam In」、美メロ・ソウル・グルーヴ「Official」あたりが僕のおススメです。

全曲紹介しときやす。

「Love Won't Let Me」
Lathun/Mark Batsonプロデュース。ジャケの風貌に似合わぬソウル・モードのミディアムでアルバムは幕を開けます。

「When Love Cam In」
India.Arieをフィーチャーした話題曲。Mark Batsonプロデュース。この時代らしいビート感覚とメロディアスなソウル・フィーリングによるオトナR&Bグルーヴといった雰囲気がいいですね。

「BBQ」
Exudos Entertainmentプロデュース。この曲もシングルになりました。ネオ・フィリー調の仕上がりは2002年のアルバムらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZikkzPZwg8U

「Sweetest Thing」
Lathunプロデュース。派手さはありませんがジワジワくるソウル・チューン。Carl RobinsonのギターとGloria Smithの女性コーラスも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ralZafj-ilw

「Miss Sally」
Bernard Belleプロデュース。この曲も派手さはありませんが、聴けば聴けば味わいが増すソウル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=bXqSoO7LzJs

「Find Somebody Else」
Lathunプロデュース。ソングライティングの良さが光る2000年代男性R&Bらしいミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=I3HAOU-fn1U

「Closer」
Pitch Blackプロデュース。セクシー・モードのミディアムに仕上がっています。

「Forever One Flesh」
Lathun/Mark Batsonプロデュース。Lathunらしい魅力に溢れた素敵なミディアム・バラード。切々と歌い上げるLathunのヴォーカルおよびヴォーカルワークがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=DQO6fbQo7Pc

「Fortunate」
Lathun/Raymond Watkinsプロデュース。アルバムに先駆けてシングル・リリースされています。イタリア出身のジャズ・ギタリストFabrizio Sottiの美しいギターの音色をバックに歌い上げる哀愁バラード。Lathunのシンガーおよびソングライターとしての実力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=d9WHd50uBGs

「Would I Lie」
Lathunプロデュース。哀愁モードのミディアム。切なさが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=C8JNDd0EVhc

「Didn't I」
Lathun/Mark Batsonプロデュース。ストリングスを配したスケールの大きなミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=5XC5QhzVYEU

「Official」
Exodus Entertainment/Lathunプロデュース。かなり僕好みの美メロ・ソウル・グルーヴ。Lathunというアーティストの根っ子を感じることができる1曲に仕上がっていると思います。

「Not Ready」
Pitch Blackプロデュース。ラストはパーカッシヴなソウル・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZRvphVMmVX0

それにしてもH組は日本、セネガルが初戦勝利したことで死の組になってしまいましたね。それにしてもセネガルは強かった。正直、ポーランド戦の試合ぶりには驚きました。一躍、H組の大本命に躍り出た感じですね。

日本にとってはコロンビア戦以上に不利な戦いになりそうですね。
持っている男、西野さんの策が楽しみです。
posted by ez at 01:26| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月19日

『今の気分は...2018年6月19日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

昨日のメキシコの感動的な勝利を見たら、気分はラテン・モードです。

チカーノ系や南米を中心にのラテン・グルーヴを10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Jorge Santana「We Were There」
https://www.youtube.com/watch?v=OYqeSNfnUlw
From 『Jorge Santana』(1978年)
ホルヘ・サンタナ

Coke Escovedo「I Wouldn't Change A Thing」
https://www.youtube.com/watch?v=wpkxhDD3t2g
From 『Comin' At Ya』(1976年)
Comin at Ya

Barrabas「Movi'on」
http://www.youtube.com/watch?v=U2k748mAMp4
From 『Barrabas(Watch-Out)』(1976年)
Watch Out

Azteca「Watcha Gonna Do」
https://www.youtube.com/watch?v=_0s2EgC7Guw
From 『Pyramid Of The Moon』(1973年)
月のピラミッド(紙ジャケット仕様)

Sapo「Can't Make It」
https://www.youtube.com/watch?v=N1JKTdEh9M8
From 『Sapo』(1974年)
サポ

Cesar「Gotta Get Away」
https://www.youtube.com/watch?v=uxUK89yvhEQ
From 『Cesar 830』(1975年)
Cesar 830

Aposento Alto「El Vendra (He's Coming)」
https://www.youtube.com/watch?v=m8Rnw7uffmo
From 『Goodby Old Friends』(1976年)
グッドバイ・オールド・フレンズ (GOODBY OLD FRIENDS) 紙ジャケット仕様

Black Sugar「Too Late」
http://www.youtube.com/watch?v=KBK4DLWfKuI
From 『Black Sugar』(1971年)
BLACK SUGAR

Santa Y Su Gente「Niebla 」
https://www.youtube.com/watch?v=NOompbHG4rc
From 『Urgente』(1974年)
ウルヘンテ

Santana「Toussaint L'Overture」
https://www.youtube.com/watch?v=Jli1gW37fqk
From 『Santana III』(1971年)
Santana III

さぁ、いよいよ「日本対コロンビア」が間近に迫ってきました。
明日の今頃は歓喜していたいなぁ・・・
posted by ez at 01:07| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

Janko Nilovic『Soul Impressions』

レア・グルーヴで再評価の高いフレンチ・ライブラリー☆Janko Nilovic『Soul Impressions』
ソウル・インプレッションズ 【紙ジャケット仕様】
発表年:1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系フレンチ・ライブラリー
気分は... :クロアチア強い!

サッカーW杯は大会が何日か進み、本大会の特徴が幾つか見えはじめていますね。

1つは会場の芝の長さ、それに伴うボール・コントロールの難しさ、1つはセットプレーからの得点の多さ、そして最後はVARの影響です。

日本代表もこういった点を考慮して対策を練っていると思うので、リスク対策を怠らないと同時に、これを活かしたプレーで試合を有利に進めて欲しいですね。

クロアチア、セルビアとサッカーW杯で旧ユーゴスラビアの国々が登場したので、旧ユーゴスラビア出身のコンポーザーの作品を紹介したいと思います。

モンテネグロ出身でフレンチ・ライブラリー界の巨匠Janko Nilovicの人気作『Soul Impressions』(1975年)です。

1941年モンテネグロ生まれのコンポーザーで、1960年代後半から1970年代にかけてフレンチ・ライブラリー(TV音源)界の巨匠として活躍したJanko Nilovicの紹介は、『Rythmes Contemporains』(1974年)、『Chorus』(1974年)に続き3回目です。

本作『Soul Impressions』(1975年)は、『Chorus』(1974年)と並び再評価の高いアルバムです。

収録内容は実にバラエティに富んでいますが、レア・グルーヴ好きが喜びそうな楽曲が多数収録されています。特にアクション・シーンが似合いそうな、ギターの効いたエキサイティングなトラック多めなのがいいですね。

レア・グルーヴ・クラシックのタイトル曲「Soul Impressions」をはじめ、ファズ・ギターの効いたハードボイルド「Hippocampus」、妖しげなグルーヴィー・サウンドの「Crazy Enterprise」、ブラック・フィーリングの効いた「Drug Song」、ハード・ロックな「Black Swan Lake」、小粋なワルツ「To And Fro」あたりがおススメです。

全曲Janko Nilovicのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Hippocampus」
ファズ・ギターの効いたハードボイルドな格好良さに満ちたオープニング。鮮やかなホーン・サウンドやパーカッシヴ・リズムも含めて僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=KDXR68iiHGA

「Open Country」
嵐の前の静けさといった趣のフォーキー・チューン。何処となく寂しげな感じがいいですね。ハープシコードの音色が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=CKMM2dCfvT8

「Crazy Enterprise」
妖しげなフルートの音色が先導するグルーヴィー・トラック。うねるベースライン、攻撃的的なギター、マッドなフルート全てがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=QIskvCnSBE4

「Soul Impressions」
タイトル曲はレア・グルーヴ・クラシック。アクション映画のオープニングにピッタリですね。中盤以降のパーカッシヴな展開がたまりません。エキサイティングなホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=DgD5AZKMxYk

「Lettre De Mer」
映画サントラでいえば、愛のテーマ系の仕上がり。素敵なホーン・アンサンブルで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=VRyS5GDXwzA

「Drug Song」
レア・グルーヴ好きはグッとくるであろうブラック・フィーリングに満ちたグルーヴィー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ScNgrQ1EXr0

Da Poet & Hayki「Hiphop」、Mickrey Mouse feat. DJ Mrki「Oridzinal Romale」等のサンプリング・ソースとなっています。
Mickrey Mouse feat. DJ Mrki「Oridzinal Romale」
 https://www.youtube.com/watch?v=QuP6wOufT30

「Man Of Genius」
ロッキン・モードのハードな仕上がり。緩急つけながらハードに盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eRJbdSQ87rc

「Push Push」
B級ガール・ポップにありそうな確信犯的ポップ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=S_hL9RklDeA

「Black Swan Lake」
フレンチ・ライブラリー流ハード・ロックといった雰囲気です。ハード・ロック・サウンドがライブラリー・サウンドに急変したりするあたりが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Buktz6r8Oqg

Linguistics「Linguistics」のサンプリング・ソースとなっています。
Linguistics「Linguistics」
 https://www.youtube.com/watch?v=iPkASX1nKTs

「Lady Day」
初めて聴いたとき、ワーグナー「結婚行進曲」かと思いました(笑)。伸びやかなトランペットが印象的なバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=QGh3gVsuCrY

「To And Fro」
僕好みの小粋なワルツ・チューン。グルーヴィーなオルガンとダイナミックなホーン・サウンドの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=r2p1SdP5l48

「Family Tree」
ラストはタイトルの通り、和やかな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mIXq0L2BCiM

Janko Nilovicの他作品もチェックを!

『Psyc' Impressions』(1970年)
Psyc' Impressions

『Vocal Impressions』(1971年)
Vocal Impressions

『Chorus』(1974年)
コーラス

『Rythmes Contemporains』(1974年)
Rythmes Contemporains

『Funky Tramway』(1975年)
ファンキー・トラムウェイ (FUNKY TRAMWAY) 帯ライナー付直輸入盤
posted by ez at 00:36| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする