発表年:2018年
ez的ジャンル:南アフリカ・ジャズ
気分は... :瞼(まぶた)?
今回は新作ジャズから南アフリのジャズ・ユニットMabutaのデビュー・アルバム『Welcome To This World』です。
Mabutaは2017年にヨハネスブルグで結成されたジャズ・ユニット。
メンバーはShane Coope(b)、Marlon Witbooi(ds)、Bokani Dyer(p、el-p、syn)、 Sisonke Xonti(ts)、Robin Fassie-Kock(tp)という5名。
中心人物のShane Coopeは、Card On Spokes名義でスウェディッシュ・エレクトロ・ユニットLittle Dragon、スコットランドはのHip-HopユニットYoung Fathers等のツアーにも同行しています。
南ロンドン・ジャズ・シーンの最重要ミュージシャンShabaka Hutchings(ts)、さらにBuddy Wells(ts)、Reza Khota(g)といった南アフリカのミュージシャンがフィーチャリングされています。
Shabaka Hutchingsと南アフリカ・ジャズとの相性はShabaka And The Ancestors『Wisdom Of Elders』(2016年)で証明済みですね。
それ以外にJanus Van Der Merwe(bs)、Tlale Makhene(per)といったミュージシャンも参加しています。
アフロ・ジャズと南ロンドンを中心とするUKジャズ、さらにはUSの今ジャズのエッセンスが調和した、非常にバランスの良い最新ジャズだと思います。その意味では、アフロ・ジャズという部分を意識しすぎない方が楽しめると思います。
先週紹介したNicola Conte & Spiritual Galaxy『Let Your Light Shine On』もそうですが、南アフリカ・ジャズの勢いは凄いですね。
南ロンドンから南アフリカへ・・・ジャズは進化し続ける!
全曲紹介しときやす。
「Welcome To This World」
メロウな鍵盤の音色と鮮やかなホーン・サウンドが彩るスケールの大きな電化ジャズで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zd8vWwi8Q1g ※スタジオ・セッション
「Bamako Love Song」
Shabaka Hutchingsをフィーチャー。アフロ・ジャズと今ジャズを違和感なく融合させた演奏がいいですね。
「Fences」
Shabaka Hutchingsをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。エレクトロニックなエッセンスを強調した刺激的な演奏は、少し前に紹介した南ロンドン・ジャズ作品Joe Armon-Jones『Starting Today』あたりに通ずるものがあります。フューチャリスティックなグルーヴはクロスオーヴァー・ジャズ好きの人も気に入るのでは?
「Beneath The Waves」
予備知識がなければUSの今ジャズ作品だと思ってしまうかもしれません。ジャズ・ユニットとしての基本がしっかりしていることを実感できます。
「Log Out Shut Down」
Buddy Wellsのテナー・サックスをフィーチャー。ここではアフロビート調の演奏を聴かせてくれます。覚醒的なエッセンスは抑え、スマートにアフロビートのグルーヴを生み出しているのが印象的です。
「As We Drift Away」
澄み切った美しさを感じる演奏です。ジャケに描かれた神秘的な母性のようなものを音で表現しているようです。
「Tafattala」
Reza Khotaのギターをフィーチャー。エチオピアン・ジャズ風の神秘的な演奏ですが、途中で現代ジャズなインプロヴァイゼーションでアクセントをつけています。
「The Tunnel」
ラストは今ジャズ仕様のスリリング&コズミックな演奏でスカッと締め括ってくれます。
昨日のサッカー日本代表、対スイス戦については酷評のオンパレードですね。僕は酷評するつもりはありませんが、この危機感が吉と出ることを願っています。個人的には乾、酒井宏がプレーできたのは光明だと思います。この2人はスタメンで起用して欲しいですね。