発表年:2013年
ez的ジャンル:ゴスペルデリア系UK黒人女性SSW
気分は... :遂に光明が・・・
ようやくサッカーの西野ジャパンがパラグアイ戦で初勝利を収めました。
スイス戦から先発メンバー10名変更という采配に試合前から疑問の声が挙がっていましたが、結果的にはこれが大成功!今日の戦いぶりでコロンビアも誰が先発するのか予想しづらくなったかもしれませんね。
特に前線からの守備がユニットとして機能していましたね。コロンビア戦も守備重視ということであれば、前線は今日の岡崎、乾、香川、武藤という4名でいい気がします。柴崎も効いていたので本番も先発で起用して欲しいですね。
今回はUKの才能ある黒人女性シンガー・ソングライターLaura Mvulaの1stアルバム『Sing To The Moon』(2013年)です。
Laura Mvulaは1987年バーミンガム生まれ。父親の影響でジャズに触れ、教会でゴスペルに親しみ、10歳の頃からバイオリンとピアノを学ぶと同時に、Nina Simone、Jill Scott、Erykah Badu、Lauryn Hill等からも影響を受けていたようです。
バーミンガム音楽院で作曲を学んだ後、教職などの仕事に就きながら楽曲制作に取り組み、2012年にシングル「She」でデビュー。2013年に1stアルバムとなる本作『Sing To The Moon』をリリースし、UKアルバム・チャートの第9位となりました。同作は2013 BRIT AwardsのCritics' Choiceへのノミネート、BBC's Sound of 2013で第4位といった高評価を受けます。
多重ヴォーカルワークがの印象的な独自の音楽スタイルは"Gospeldelia"あるいは"Nina Simon Sings Beach Boys"とも称されました。
Metropole Orkestと共演したライブ・アルバム『At Abbey Road Studios』(2014年)を挟み、2016年に2ndスタジオ・アルバム『The Dreaming Room』をリリースしています。
当ブログで紹介した作品でいえば、Miles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』(2016年)、Becca Stevens『Regina』(2017年)でフィーチャリングされています。
何となく紹介する機会を逃していたアーティストです。しかしながら、少し前に紹介したUKの新世代ビートメイキング・デュオBlue Lab BeatsのメンバーNK OK(Namali Kwaten)の父Kwame Kwaten(元D-Influenceのメンバー)が現在はLaura Mvulaのマネジャーであることを知り、それをきっかけに『Sing To The Moon』と『The Dreaming Room』を最近何度が聴き直し、今回取り上げることにしました。
Nile Rodgers参加という点で『The Dreaming Room』も気になりますが、やはりインパクトという点で1st『Sing To The Moon』をセレクト。
プロデュースはUKの人気女性SSW、Rumerを手掛けたことで知られるSteve Brown。ソングライティング面でも9曲をLauraと共作しており、大きく貢献しています(残りの3曲はLauraの単独作)。
「She」、「Green Garden」、「That's Alright」の3曲がシングルになっています。
見た目の雰囲気でR&B/ソウルでイメージされそうですが、クラシックのエッセンスと緻密な多重コーラスを強調したドリーミー・ポップというのがアルバム全体の印象です。ゴスペル、R&B/ソウル、ジャズ、アフリカ音楽などのエッセンスも取り入れていますが、ブラック・ミュージックを期待して聴くと肩透かしを食うかもしれません。
Lauraが創り出す、唯一無二の音世界はジャンルの好みの枠を超えて、聴く者に特別な何かを届けてくれます。
改めて凄い作品だと再認識しました。
全曲紹介しときやす。
「Like The Morning Dew」
ドリーミーかつ深淵なコーラスワークで聴く者を虜にするオープニング。クラシックからの影響もサウンドに反映されています。
https://www.youtube.com/watch?v=Wn_AHzit2JE
「Make Me Lovely」
クラシックやジャズのエッセンスを巧みに取り入れた素敵なドリーミー・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=92GQNJjlHgc
「Green Garden」
「She」に続く2ndシングル。リズミカルなハンド・クラップ&チェレスタと共に始まるダンサブルなポップ・ソウル。R&Bファンも楽しめる1曲に仕上がっています。ヴォーカルにエフェクトを効かせてフューチャリスティックな雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=5akYnlwubDo
「Can't Live With The World」
美しいハープの音色と共に無垢なヴォーカルを聴かせてくれるビューティフル・ポップ。ピュアな音世界に惹き込まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TbGK-dwFWqo
「Is There Anybody Out There?」
ゆったりと音の表情が移り変わっていく感じが印象なドリーミー・ポップ。他の曲もそうですが、音のない間の使い方が実に巧みですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GDjNP4TyiUE
「Father, Father」
ピアノをバックに歌い上げる感動的なバラード。ジワジワと胸の奥まで感動がこみ上げてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=M70KHFJnf4c
「That's Alright」
3rdシングル。アフリカン・リズム×ゴスペル・コーラス×ドリーミー・ポップというクロスオーヴァーで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hYjHixQ9Ns4
「She」
デビュー・シングル。Nina Simon Sings Beach Boysという形容がピッタリな無垢で深淵なヴォーカルワークでインパクト大です。誰にも真似だけないLaura Mvulaの音世界で聴く者を圧倒します。
https://www.youtube.com/watch?v=MAasfgE_Y-c
「I Don't Know What The Weather Will Be」
クラシックのエッセンスを強調したビューティフル・ポップ。大自然の未知のパワーを見事に音で表現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=e0IjNCd21po
「Sing To The Moon」
タイトル曲は月まで届きそうな素晴らしいヴォーカル・ワークと美しいストリングスで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=g6B-bGGMaF0
「Flying Without You」
マーチング調サウンドが印象的なポップ・チューン。
「Diamonds」
ラストはチェレスタとピアノの美しい響きを際立たせたビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=20C7lqhdEaY
Laura Mvulaの他作品のチェックを!
Laura Mvula with Metropole Orkest conducted by Jules Buckley『At Abbey Road Studios』(2014年)
『The Dreaming Room』(2016年)