2018年06月16日

Joyce『Ilha Brasil』

巧みなアレンジでJoyceの魅力を増幅!☆Joyce『Ilha Brasil』
イーリャ・ブラジル
発表年:1996年
ez的ジャンル:ブラジル人女性SSW
気分は... :ロナウド凄かった・・・

いよいよ昨晩から本格的にW杯モードの日々になりました。
昨日はいずれもW杯らしい見応えのある3試合でしたね。

特に「スペイン対ポルトガル」は、期待通りの強豪国同士の激闘で大満足です。眠れない夜が続く・・・

人気ブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyce(Joyce Moreno)が1996年にリリースした『Ilha Brasil』です。

これまで当ブログで紹介したJoyce作品は以下の9枚。

 『Feminina』(1980年)
 『Agua e Luz』(1981年)
 『Tardes Cariocas』(1983年)
 『Music Inside』(1990年)
 『Hard Bossa』(1999年)
 『Gafieira Moderna』(2001年)
 Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
 『Bossa Duets』(2003年)
 『Tudo』(2012年)

リオでレコーディングされた本作『Ilha Brasil』は、久々のほぼ新曲で占められている点が魅力の1枚です。

レコーディングには夫Tutty Moreno(ds、per)をはじめ、Hermeto Pascoal(fl、p)、Jaques Morelenbaum(cello)、Marcos Suzano(pandeiro)、Sizao Machado(b)、Mozar Terra (p)、Teco Cardoso(fl、as、ss、bs)、Ze Carlos(ts)、Chico Oliveira(tp)、Chico Oliveira(tb)、Yuka Kido(城戸夕果)(fl)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースは『Delirios de Orfeu』(1994年)も手掛けた日本人の吉田和雄さん。

Joyceらしい爽快なアコースティック・グルーヴを中心としつつも、ホーンやストリングス等も交えた巧みなアレンジで、アルバムにバリエーションを与えています。

爽快アコースティック・グルーヴの「Samba da Zona」「O Chines e a Bicicleta」、ブラジル北東部モードの「Rodando a Baiana」「Deus e o Diabo (Na Danca do Baiao)」、Jaques Morelenbaumのチェロが映える「Paraiso」「Oasis」、Hermeto Pascoalがピアノを弾く「Viola de Prata」あたりが僕のおススメです。

W杯が始まると、何となくブラジル音楽を欲するようになります。

全曲紹介しときやす。

「Samba da Zona」
Joyce作。開放的なホーン・サウンドと共に始まる爽快サンバがオープニング。Joyceらしい透明感のあるアコースティック・グルーヴと本作ならではの華やかなアレンジが見事に調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=Xwu1MpEA0es

「Havana-Me」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。しっとりと落ち着いたメロウ・チューン。サンセット気分に浸れます。
https://www.youtube.com/watch?v=ojgXeRJIM5Q

「O Chines e a Bicicleta」
Joyce作。『Delirios de Orfeu』収録曲の再録。Joyceらしい爽快アコースティック・グルーヴを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=loKSpzFOJdw

「Rodando a Baiana」
Joyce/Mauricio Maestro作。タイトルの通り、バイーア・モードのサウンドです。途中、ラップ調のヴォーカルを披露してくれるのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZlJksOW8zFY

「Ate Jazz」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。当時のブラジル政権のことを歌った社会メッセージ性の高い1曲。サウンドは小粋なジャズ・フィーリングが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=s0VsCSuyed0

「Sexy Silvia」
Edu Lobo/Joyce作。Edu Loboと共作曲は意外にもスウィンギーなジャズ仕立て。

「Receita de Samba」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。「サンバのレシピ」という邦題がJoyceらしい感じでいいですね。爽やかなアコースティック・サンバです。
https://www.youtube.com/watch?v=Mhhoc13retE

「Deus e o Diabo (Na Danca do Baiao)」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。Hermeto Pascoal、Jaques Morelenbaum、Marcos Suzanoらが参加した土着モードのバイアォン。ミステリアスな疾走感が僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=xzAViufXRus

「Paraiso」
Joyce/Mauricio Maestro作。美しいストリングスが印象的な追憶のラブソング。Jaques Morelenbaumが素晴らしいチェロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iwYvjIEUeAs

「Delicadeza」
Joyce作。のどかな雰囲気の仕上がりですが、繊細すぎる生き方を皮肉った、なかなか面白い内容の1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=hWJ82qHp_H0

「Feijao Com Arroz」
Joyce作。Joyceらしいスキャットを満喫できるアコースティック・グルーヴ。

「Oasis」
Joyce/Lea Freire作。ギター、ピアノ、チェロが織り成す美しい音世界がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v2L7MgF44m4

「Viola de Prata」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。Hermeto Pascoalが気の利いたピアノを披露してくれます。シンプルながらも味わい深い仕上がり。

「Antonio/Ilha Brasil」
Joyce作の「Antonio」とJoyce/Paulo Cesar Pinheiro作の「Ilha Brasil」のメドレー。偉大なAntonio Carlos Jobimに捧げられた「Antonio」とブラジルの政治状況を批判する「Ilha Brasil」という2曲を並べることで、ブラジルの素晴らしさと闇のコントラストを鮮明にしたかったのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=DZN1AVjTpkA

Joyceの過去記事もご参照下さい。

『Feminina』(1980年)
フェミニーナ、そして水と光

『Agua e Luz』(1981年)
水と光

『Tardes Cariocas』(1983年)
Tardes Cariocas

『Music Inside』(1990年)
ミュージック・インサイド

『Hard Bossa』(1999年)
Hard Bossa

『Gafieira Moderna』(2001年)
Gafieira Moderna

Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
ジャスト・ア・リトル・ビット・クレイジー(2003年作)

『Bossa Duets』(2003年)
ボッサ・デュエッツ

『Tudo』(2012年)
トゥード
posted by ez at 15:20| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする