発表年:2004年
ez的ジャンル:ブラジリアン・クラブミュージック/新世代ボサノヴァ
気分は... :ナイジェリアかアルゼンチンか・・・
サッカーW杯はもうすぐ「ナイジェリア対アルゼンチン」です。
おそらく勝った方が決勝トーナメント進出となるサバイバル・マッチ!
チーム崩壊危機のアルゼンチンが立て直せるのか楽しみです。
クラブミュージックとボサノヴァ/サンバを融合させた進化形サウンドで新世代ボサノヴァを牽引するユニットBossacucanovaの人気作『Nossa Onda e Essa』(2004年)です。
ボサノヴァの巨匠ギタリスト/コンポーザーRoberto Menescalを父に持つMarcio Menescal(b、vo、prog)、Marcelinho da Lua(turntables、prog)、Alexandre Moreira(key、vo、prog)による新世代ボサノヴァ・ユニットBossacucanovaの紹介は、Marcioの父Roberto Menescalとの共演作『Brasilidade』(2001年)、現時点での最新作『Nossa Onda e Essa』(2014年)に続き3回目となります。
収録曲の多くがブラジルものクラブミュージック/ラウンジ系のコンピに収録されていることが証明するように、クラブミュージックとボサノヴァ/サンバをキャッチーに融合させたBossacucanovaワールドを満喫できる1枚に仕上がっています。
Bossacucanovaによるセルフ・プロデュース。
Marcioの偉大な父Roberto Menescal、ブラジルを代表するメロディ・メイカーMarcos Valle、日本でも人気の名ギタリストCelso Fonseca、ベテランSSWのOrlandivo、現行MPBを代表する女性SSWAdriana Calcanhotto、かつてJorge Benのバック・バンドも務めたファンキー・サンバ・ユニットTrio Mocoto、Roberto Menescalに見出された女性シンガーCris Delanno、ブラジリアン・ソウルの名シンガーWilson Simonalの息子Wilson Simoninhaといったアーティストがフィーチャリングされています。
それ以外にJaques Morelenbaum(cello)、Marcos Suzano(pandeiro)といったブラジルを代表する名ミュージシャンも参加しています。
ブラジル音楽のアコースティック&メロウな魅力を損なわず、クラブミュージックやエレクトロニカなエッセンスで進化させているのがいいですね。
ブラジル音楽ファンは豪華ゲストとの共演やお馴染みの名曲をどのように調理するのかを楽しめばいいし、クラブミュージック/ラウンジ好きの人は純粋にキャッチーな収録曲を楽しめばいいと思います。
全曲紹介しときやす。
「Bom Dia Rio (Posto 6)」
Bossacucanova/Nelson Motta作。Roberto MenescalとCris Delannoをフィーチャー。アコースティックな質感を損なわない爽快な次世代ボッサ・グルーヴに仕上がっています。Jaques Morelenbaumのチェロも効果抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=H2Dmw7j9FGc
「Samba Da Minha Terra」
Dorival Caymmi作品をカヴァー。ブラジル人とオランダ人の混成ユニットZuco 103をフィーチャー。ドラムンベース調のフューチャリスティックな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Zc-DRqPFRR8
「Essa Moca Ta Diferente」
Chico Buarque作。Wilson Simoninhaをフィーチャー。ブラジル音楽の素晴らしさを継承しつつ、新世代ならではのセンスで仕上げてしまう手腕が流石です。Marcos Suzanoのパンデイロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9BTjO_ERFLs
「Previsao」
Bossacucanova/Adriana Calcanhotto作。Adriana Calcanhottoをフィーチャー。キャッチーな次世代ボッサ・グルーヴに乗ってAdriana Calcanhottoが素敵な歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=y2QBbNyvWdY
「Vai Levando」
Caetano Veloso/Chico Buarque作。Trio Mocotoをフィーチャー。次世代サンバ・グルーヴをバックに、Trio Mocotoの面々が激シブのヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KSNSJgEVzF4
「Just A Samba」
Bossacucanova/Celso Fonseca作。Celso Fonsecaをフィーチャー。Celsoならではのいぶし銀メロウ・ワールドを損なわない薄っすらとしたエレクトロニカ感がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9JaMEga7ZwM
「Queria」
Bossacucanova/Marcos Valle作。作者Marcos Valleをフィーチャー。エレクトロニカなエッセンスでメロウなMarcosワールドを進化させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WF3w3yZkSR8
「Aguas De Marco」
Antonio Carlos Jobim作の名曲「三月の水」をカヴァー。Cris Delannoをフィーチャーし、彼女の透明感のあるヴォーカルが映えるシンプルながらもエレクトロニカな味付けの効いたメロウ・ボッサは僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=KHZEBkQxFbs
本曲について、当ブログではTania Maria、 Sergio Mendes & Brasil '77、
Stacey Kent、Ronald Mesquita、Elis Regina、Agustin Pereyra Lucena、Cassandra Wilsonのカヴァーも紹介済みです。
「Bonita」
Antonio Carlos Jobim/Gene Lees/Ray Gilbert作。Roberto Menescalをフィーチャー。Roberto Menescalの美しいギターという素材を見事に生かしたフロア仕様のダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=boWYsNeJv3E
「Feitinha Pro Poeta」
Baden Powell/Lula Freire作。Roberto Menescalをフィーチャー。次世代ラウンジ・ボッサといった趣のドラムンベース調のキャッチーな仕上がり。ヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=q32eviq4WIw
「Onde Anda Meu Amor」
Orlandivo/Durval Ferreira作品のカヴァー。当ブログではOrlandivo自身のヴァージョンに加え、Rosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。作者OrlandivoとCris Delannoをフィーチャーし、フューチャリスティックなブラジリアン・クラブミュージックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kSomGa6YjYM
Bossacucanovaの他作品もチェックを!
『Revisited Classics』(1999年)
『Brasilidade』(2001年)
『Ipanema Lounge』(2004年)
『Ao Vivo』(2008年)
『Nossa Onda e Essa』(2014年)