2018年06月30日

Gato Barbieri『Fenix』

Flying Dutchmからの第2弾アルバム☆Gato Barbieri『Fenix』
フェニックス (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)
発表年:1971年
ez的ジャンル:Flying Dutchm系アルゼンチン・ジャズ
気分は... :アルゼンチンは不死鳥か?

サッカーW杯はいよいよ決勝トーナメント。

いきなり「フランス対アルゼンチン」、「ウルグアイ対ポルトガル」という好カードが2試合。特に「フランス対アルゼンチン」は決勝でもおかしくない顔合わせですね。

それに因んでフランスもしくはアルゼンチンのアーティストを紹介しようと思いましたが、僕の予想はフランス勝利なので、メッシのW杯最後の試合になる可能性もあるアルゼンチンのアーティストを取り上げます。

ということで、アルゼンチンを代表するジャズ・ミュージシャンGato Barbieri『Fenix』(1971年)です。

アルゼンチン、サンタフェ州ロサリオ出身のテナー・サックス奏者/コンポーザーGato Barbieri(1932-2016年)の紹介は、『Chapter One: Latin America』(1973年)に続き2回目となります。

前回『Chapter One: Latin America』を紹介したのは2014年でしたが、その後2016年に惜しくも逝去(享年83歳)。

本作『Fenix』(1971年)は、前作『The Third World 』(1969年)に続くFlying Dutchmanからの第2弾アルバムとなります。

プロデュースは他のFlying Dutchman作品と同じくBob Thiele

レコーディング・メンバーはGato Barbieri(ts)以下、Lonnie Liston Smith(p、el-p)、Joe Beck(g)、Ron Carter(b)、Lenny White(ds)、Gene Golden(congas、bongos)、Nana Vasconcelos(berimbau、bongos)。

Flying DutchmanのレーベルメイトでBarbieri作品にはお馴染みのLonnie Liston Smithやブラジル音楽ファンにはお馴染みのブラジル人ミュージシャンNana Vasconcelosの参加が目を引きます。

汎ラテン・アメリカ的なスピリチュアル感とパーカッシヴなグルーヴ感の絶妙のバランスでの調和が魅力の1枚です。主役Gatoの男の色気を感じるサックスも絶好調です。

神秘的なオープニング「Tupac Amaru」、クラブジャズ方面でも人気の「Carnavalito」、メロウ・ボッサ「Falsa Bahiana」、スピリチュアルな「El Dia Que Me Quieras」、偉大なフォルクローレ・ギタリストAtahualpa Yupanquiの名曲カヴァー「El Arriero」、Nanaのビリンバウと共に始まる「Bahia」という、かなり僕好みの6曲です。

レア・グルーヴ好きの人も気に入る1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Tupac Amaru」
Gato Barbieri作。最後のインカ皇帝の名を冠したオリジナル。神秘的なムードが漂う中、パーカッシヴなリズムにのってGatoがエモーショナルなプレイを披露してくれます。この曲のみ参加のJoe Beckのギターも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=wxph34HJLfc

「Carnavalito」
トラディショナル。ビリンバウ、コンガ等が織り成すアフロ・ブラジリアンなアッパー・グルーヴをバックに、Gatoが格好良いブロウでキメてくれます。Lonnie Liston Smithのピアノが演奏全体を引き締めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NMJUv5yYrmU

「Falsa Bahiana」
Geraldo Pereira作。Lonnie Liston Smithのエレピが映えるメロウ・ボッサ・サウンドが、Gatoの豪快なブロウを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=GYFYP8kyoFQ

「El Dia Que Me Quieras」
Carlos Gardel/Alfredo Le Pera作。Lonnie Liston SmithのFlying Dutchmanでの諸作にも通じるスピリチュアルな演奏です。不死鳥(フェニックス)のようなGatoのプレイがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ONySvCTGZkM

「El Arriero」
Atahualpa Yupanqui/Pablo Del Cerro作。母国の偉大なフォルクローレ・ギタリストAtahualpa Yupanquiの名曲をカヴァー。Gatoらしい汎ラテン・アメリカ的なスピリッツが伝わってくる大作です。
https://www.youtube.com/watch?v=C7opLhbYPnI

The Pharcyde「She Said (Jay Dee Remix)」のサンプリング・ソースにもなっています。
The Pharcyde「She Said (Jay Dee Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=3mf0xIrCXGY

「Bahia」
トラディショナル。Nanaのビリンバウと共にスタート。ブラジリアン・モードの疾走感とGatoのエモーショナルな演奏がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=mO8aq8uMcbc

Gato Barbieriの他作品もチェックを!

『In Search of the Mystery』(1967年)
In Search of the Mystery (Dig)

『The Third World』(1969年)
第三世界 (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『El Pampero』(1971年)
エル・パンペロ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Last Tango in Paris』(1972年)
Last Tango In Paris: Original MGM Motion Picture Soundtrack

『Chapter One: Latin America』(1973年)
Chapter One: Latin America (Dig)

『Bolivia』(1973年)
ボリビア (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Under Fire』(1973年)
アンダー・ファイアー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Two: Hasta Siempre』(1973年)
Chapter Two: Hasta Siempre (Dig)

『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)
Chapter Three: Viva Emiliano Zapata - Originals

『Yesterdays』(1974年)
イエスタデイズ (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

『Chapter Four: Alive in New York』(1975年)
Chapter 4.Live in New York

『El Gato』(1975年)
エル・ガトー (日本初CD化、日本独自企画盤、解説付き)

Gato Barbieri & Dollar Brand『Confluence』(1975年)
コンフルエンス

『Caliente!』(1976年)
Caliente

『Ruby Ruby』(1977年)
Ruby Ruby (Reis) (Rstr) (Dig)

『Tropico』(1978年)
Tropico: Originals (Dig)

『Bahia』(1982年)
Gato Barbieri: Bahia

『Apasionado』(1983年)
Apasionado

『Para Los Amigos』(1984年)
Gato...Para Los Amigos

『Passion And Fire』(1988年)
Passion and Fire
posted by ez at 07:01| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする