2018年07月07日

Ruff Endz『Love Crimes』

大ヒット曲「No More」収録!男性R&Bデュオのデビュー作☆Ruff Endz『Love Crimes』
Love Crimes
発表年:2000年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bデュオ
気分は... :フランス強し!

今回は2000年代男性R&Bユニット作品、Ruff Endz『Love Crimes』(2000年)です。

Ruff Endzはメリーランド州ボルティモア出身のDante "Chi" JordanDavid "Davinch" Chanceによる男性R&Bデュオ。

同郷の男性R&BグループDru Hillのメンバーとは地元が同じで昔から交流があったようです。

1999年にEpicのコンピ『Blue Streak』に収録された「Please Don't Forget About Me」でデビュー。その後Cam'Ronのシングル「Freak」にフィーチャリングされています。

さらに2000年にリリースされたシングル「No More」は全米シングル・チャート第5位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなります。

アルバムとしては『Love Crimes』(2000年)、『Someone to Love You』(2002年)という2枚をリリースしますが、David "Davinch" Chanceがソロに転向したため、ユニットは解散しています。その後、2010年に(おそらく未発表曲を集めた)アルバム『Final Chapter』(2010年)をリリースしています。

デビュー・アルバムとなる本作『Love Crimes』(2000年)には、前述の大ヒット・シングル「No More」が収録されています。

DJ Eddie FDarren LightyManuel SealMike ClemonsNate LoveNokioPhil WeatherspoonNight & DayKip CollinsLorenzo StraightOji PierceCharles HarrisonLeland RobinsonBryan-Michael CoxCory RooneyDan SheaGuy RocheKhris KellowStretch Armstrongといった多彩なプロデューサーが起用されています。

目立つのは大ヒット曲「No More」ですが、アルバム全体としては実力派ユニットらしいミディアム〜スロウ系が魅力の1枚に仕上がっています。

特に中盤の「I Apologize」から「If I Was The One」までの6曲のバラード・オン・パレードの流れがサイコーです。それ以外に本格派バラード「Where Does Love Go From Here」、セクシー×メロディアスな「Shout Out」もおススメです。

実に聴き応えのある良質な男性R&Bデュオ作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「No More」
DJ Eddie F/Darren Lightyプロデュース。前述のように全米シングル・チャート第5位、同R&Bチャート第1位の大ヒットとなった代表曲。哀愁モードの中にも男の色気が漂うR&Bグルーヴ。巧みなプロダクションの勝利ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6TLxUAa3lb0

「Where Does Love Go From Here」
Manuel Seal/Mike Clemons/Nate Loveプロデュース。シングルにもなりました。本格派R&Bユニットであると感じさせる自信が漲るバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=xVW6Q0h-cLs

「Phone Sex」
Manuel Seal/Mike Clemons/Nate Loveプロデュース。セクシーなダンサブル・チューン。George Clinton「Atomic Dog」の声ネタをサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=wt7KWN3--Jc

「Please Don't Forget About Me」
Nokio/Phil Weatherspoonプロデュース。Dru HillのNokioが関与しています。前述のようにEpicのコンピ『Blue Streak』に収録されたデビュー曲。ドラマチックなダンサブル・サウンドがこの時代らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7MMt93mqQOk

「Shout Out」
当ブログでも紹介した男性R&BデュオNight & Dayのプロデュース。セクシー×メロディアスが魅力のバラード。こういうの大好きです!
https://www.youtube.com/watch?v=xVS1YDwjuoc

「Are U Fuckin' Around」
Kip Collinsプロデュース。Kevin "She'kspere" Briggsあたりに通じるこの時代らしいバロック調サウンド・プロダクションです。
https://www.youtube.com/watch?v=QUyr2UcszGI

「I'm Not Just Sayin' That, I'm Feeling That」
Manuel Seal/Mike Clemons/Nate Loveプロデュース。切々と歌い上げる哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=DNi8UVwMpWM

「I Apologize」
Manuel Seal/Lorenzo Straightプロデュース。さり気ないですがジェントルな雰囲気が僕好みのバラード。彼らの歌心が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=xNU2R2k5Ldw

「Love Crimes」
Oji Pierceプロデュース。タイトル曲は素敵なヴォーカルワークに魅了される感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=JXnHpOJwvsc

「Saying I Love You」
Charles Harrison/Leland Robinsonプロデュース。素敵なラブ・バラード。ジワジワと感動が込み上げてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=chGp7L6M39A

「Missing You」
Bryan-Michael Coxプロデュース。Bryan-Michael Coxが超売れっ子プロデューサーらしい仕事ぶりを見せてくれる哀愁R&Bグルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=HKuW5vE6fR8

「The World To Me」
Cory Rooney/Dan Sheaプロデュース。僕好みの美メロ・バラード。聴く者を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=qjudVufJZtY

「If I Was The One」
Guy Roche/Khris Kellowプロデュース。男性R&BシンガーRicky Jonesのカヴァー。シングルにもなりました。Ricky Jonesのオリジナルは『Ricky Jones』(1997年)に収録されています。カヴァーしたくなる気持ちが良く分かる名バラードですね。そんな名バラードを素敵に歌い上げます。Dru HillのNokioがキーボードで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=jKd5WBf3t3A

Ricky Jones『Ricky Jones』(1997年)も近々取り上げようと思っていた作品なので、そのうちエントリーしたく思います。

「Cuban Linx 2000」
Stretch Armstrongプロデュース。Ghostface KillahとRaekwonをフィーチャー。ラストは有名ラッパー2人を迎えて、ダンサブルに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IUleuflrh_4

Ruff Endzの他作品もチェックを!

『Someone to Love You』(2002年)
Someone to Love You

『Final Chapter』(2010年)
Final Chapter
posted by ez at 00:56| Comment(2) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月06日

Copa 7『O Som Do Copa7 Vol. 2』

ブラジリアン・ファンク・バンド☆Copa 7『O Som Do Copa7 Vol. 2』
オ・ソン・ド・コパ・セブンvol.2
発表年:1980年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ファンク・バンド
気分は... :ブラジル対ベルギー!

サッカーW杯はいよいよベスト8が激突!
その中でも最注目のカード「ブラジル対ベルギー」が明日深夜キックオフです。

ブラジルは決勝トーナメントに入ってギアが一段上がった感じだし、ベルギーは日本戦で奇跡のカムバックを果たしました。

個人的には準決勝で「フランス対ベルギー」を観たいので、ベルギーに頑張って欲しいです。日本戦を教訓にさらに強くなったベルギーを期待します。

今回はブラジリアン・ファンク・バンドCopa 7の2ndアルバム『O Som Do Copa7 Vol. 2』(1980年)です。

Copa 7はブラジル、リオデジャネイロで結成されたブラジリアン・ファンク・バンド。

『O Som Do Copa7 Vol. 1』(1979年)、『O Som Do Copa7 Vol. 2』(1980年)という2枚のアルバムをリリースしています。

本作『O Som Do Copa7 Vol. 2』(1980年)は、1st『O Som Do Copa7 Vol. 1』(1979年)と同様に男女コーラスを交えたリラックスした雰囲気のブラジリアン・ファンクを楽しめます。ワールド・ミュージック的な魅力にも溢れています。

フリーソウルな「Agora E Minha Vez」、開放的なファンキー・メロウ「Maria Joana」、軽快なホーン・アンサンブルによるメロウ・ファンク「To Maluco」、心が解き放たれる「Levanta Poeira」あたりが僕のお気に入りです。

リラックスしたブラジリアン・ファンクは夏モードにピッタリです。

全曲紹介しときやす。

「Contradicao」
ブラジルらしい旋律が印象的なミディアム・ファンクがオープニング。ブラジル音楽好きの人は気に入るであろう味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=7nFmiUT67_k

「Maria Joana」
開放的なスキャット&ヴォーカルがいい感じのファンキー・メロウ。レア・グルーヴというよりもワールド・ミュージック的な魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=WGlwNwdMR7E

「Agora E Minha Vez」
女性スキャットが華やかなブラジリアン・ファンキー・メロウ。フリーソウル好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=yqkOTbMIiGY

「To Maluco」
軽快なホーン・アンサンブルとシンセの音色が印象的なブラジリアン・メロウ・ファンク。寛いだ雰囲気の開放感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4Sut6_kBioY

「Pintar O 7」
このバンドならではのフュージョン・ファンク的な味わいが楽しめる1曲。最後が少しあっけないですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=-OZPMEzRb80

「O Circo」
ワールド・ミュージック的な魅力があるブラジリアン・ファンク。気取らないリラックス感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kXxqvt8aHkc

「Savana」
少しテンポを落としたインスト。どことなく寂しげな音の表情が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nHDpwL5iGlc

「Levanta Poeira」
ワールド・ミュージック的な魅力に溢れた開放的な仕上がり。聴いているだけで心が解き放たれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=t17aD6p_etw

「So-Lucios」
穏やかな表情の演奏がいい感じのインスト。ブラジリアン・ファンクというだけでは括れない魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=Vqhz7RAF2qQ

「Som Do Copa 7 No 2」
ラストはリラックスしたブラジリアン・ファンクで締め括ってくれます。鮮やかなホーン・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=D2wrvJusioc

1stアルバム『O Som Do Copa7 Vol. 1』(1979年)もセットでどうぞ!

『O Som Do Copa7 Vol. 1』(1979年)
オ・ソン・ド・コパ・セブンvol.1
posted by ez at 12:52| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

Angela Bofill『Angel Of The Night』

ラティーナの魅力全開のアーバン・ソウル☆Angela Bofill『Angel Of The Night』
Angel of the Night
発表年:1979年
ez的ジャンル:GRP系アーバン・ソウル
気分は... :魅惑のラティーナ!

サッカーW杯の試合がないので、久々に音楽に集中できます(笑)

今日はフュージョン/R&B好きに人気のラティーナ・シンガーAngela Bofillの2nd『Angel Of The Night』(1979年)です。

70年代〜80年代に活躍したラティーナ・シンガーAngela Bofillの紹介『Something About You』(1981年)、『Angie』(1978年)に続き3回目となります。

本作『Angel Of The Night』(1979年)は、デビュー・アルバム『Angie』(1978年)と同じくGRPからのリリースです。

プロデュースは前作と同じくDave GrusinLarry Rosen

レコーディングにはAngela Bofill(vo、p)以下、Dave Grusin(p、el-p、syn)、Eric Gale(g)Ray Chew(p、el-p)、Ed Walsh(oberheim、syn)、Buddy Williams(ds)、Paul Kimbarow(ds)、Francisco Centeno(b)、Eluriel Tinker Barfield(b)、Ralph MacDonald(per)、Sammy Figueroa(per、congas)、Carol Steele(per、congas)、Eddie Daniels(ts)、Gwen Guthrie(back vo)、Patti Austin(back vo)、Connie Harvey(back vo)、Ednah Holt(back vo)、John Madden(back vo)、Vivian Cherry(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

基本的には前作と同じくメロウ・フュージョン・テイストのアーバン・ソウルに仕上がっています。

フリーソウルなメロウ・グルーヴ「Angel of the Night」、AORなアーバン・ソウル「What I Wouldn't Do (For the Love of You)」、The Stylisticsのヒット曲をアーバン・ブギーに仕立てた「People Make The World Go 'Round」、素敵なメロウ・バラードの「The Feelin's Love」「Love to Last」が僕のお気に入り。

ラティーナAngelaの魅力をDave Grusin & Larry Rosenが見事に引き出した1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Try」
Angela Bofill作。ムーディーなアーバン・メロウでアルバムは幕を開けます。Angela Bofillというシンガーの魅力がダイレクトに伝わってくるのがいいですね。Will Downingがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=5UNlTDhkRCQ

「People Make The World Go 'Round」
The Stylisticsのヒット曲をカヴァー(Linda Creed/Thom Bell作)。オリジナルは『The Stylistics』(1971年)に収録されています。再評価の高い人気曲。DJ人気が高いのが頷けるダンサブルなアーバン・ブギーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KHU-Ji3rTmw

「Angel of the Night」
Bunny Hull/Jim Devlin作。タイトル曲はアルバムからの1stシングルにもなりました。フリーソウル好きの人が気に入りそうなメロウ・グルーヴ。ラテン・フレイヴァーがAngelaにフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zhY4jemcGyw

「Rainbow Child (Little Pas)」
Angela Bofill作。Angelaの優しさが伝わってくるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=O8tHUIzPkO0

「What I Wouldn't Do (For the Love of You)」
Jack Perricone/Denise Utt作。アルバムからの2ndシングル。AOR好きも気に入りそうなアーバンなメロウ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Iye72to_iNU

「The Feelin's Love」
Angela Bofill作。メロウなイントロを聴いた瞬間に好き!って思ってしまう素敵なメロウ・バラード。バック・コーラス陣のサポートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=5LIGRUdC50g

Atmosphere「The Pill」、Vakill「Til the World Blows Up」、MDM & Bentley B「Addiction」、Mndsgn feat. Shaolin Watts, Zeroh & Yvk.「Meridians」、Skuff「Love Beat」のサンプリング・ソースになっています。
Atmosphere「The Pill」
 https://www.youtube.com/watch?v=1yY2rhXxGpY
Vakill「Til the World Blows Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=PZHBziWdbFA
MDM & Bentley B「Addiction」
https://www.youtube.com/watch?v=dzuWZZ5E5B0

「Love to Last」
John Madden作。Angelaのキュートな魅力とメロウ・サウンドが調和した素敵なバラード。Eric Galeのギターがメロウ・ワールドを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4En3DOcv348

Tone Spliff feat. Saigon & Sadat X「Grown Rhyme」のサンプリング・ソースになっています。
Tone Spliff feat. Saigon & Sadat X「Grown Rhyme」
 https://www.youtube.com/watch?v=eJlf_RtqsQ0

「The Voyage」
Angela Bofill作。波の音と始まるビューティフル・バラードと思いきや、アフロ・ブラジリアンなエッセンスも散りばめたミステリアスなミディアム・グルーヴという意外な展開で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LlcW5lepiVo

Angela Bofillの他作品もチェックを!

『Angie』(1978年)
Angie

『Something About You』(1981年)
サムシング・アバウト・ユー(紙ジャケット仕様)

『Too Tough』(1983年)
トウー・タフ(紙ジャケット仕様)

『Too Tough/Teaser』(1983年) ※2in1CD
Too Tough & Teaser

『Let Me Be the One/Tell Me Tomorrow』(1984/1985年) ※2in1CD
Let Me Be the One/Tell Me Tomorrow

『Intuition』(1988年)
INTUITION ~ EXPANDED EDITION
posted by ez at 00:55| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月04日

Laila Amezian『Initial』

Louis Philippeプロデュースによるベルギー人女性シンガー作品☆Laila Amezian『Initial』
Initial
発表年:1997年
ez的ジャンル:ラウンジ・ボッサ/ラウンジ・ジャズ
気分は... :惜しかった!でも足りなかった!

よくやった、惜しい、悔しい、誇らしい、虚しい等々さまざまな感情が湧き起こる日本対ベルギーでしたね。昨日の日中は放心状態で殆ど開店休業状態でした(泣)

世界を驚かせた日本代表、強豪国の底力を見せつけてくれたベルギー代表、見事な笛でクリーンで見応えのある試合を実現させたセネガル人主審と全てが噛み合った名勝負でした。

日本サッカーの素晴らしさと課題の両方を凝縮した一戦でしたね。

いつもW杯になると「日本らしいサッカーは何か」が議論されますが、今大会の代表は格上の対戦国に対して、決して弱者の守備的戦術をとらず、俊敏性、運動量、チームワークを武器に日本らしいサッカーを提示してくれた気がします。

ただし、惜しかったですが、ベルギーと日本の間には選手層の厚さ、試合運び、メンタル等の面で確実に差があった気がします。

とりあえず、おっさんジャパンと揶揄されながらも、大会前の低評価を覆した西野監督や代表メンバーに感謝ですね。

これで南アフリカW杯から始まった長谷部、本田、長友、川島らを中心とした大きなサイクルに区切りがつきました。カタールW杯に向けては、2〜3大会の主力を担うような若手を抜擢して欲しいですね。

森保監督の五輪代表からA代表入りメンバーが数多く生まれるような状況を期待しています。その意味では西野監督、手倉森・森保の両コーチ体制を継続するのもアリかなと・・・

一方、勝ち上がったベルギーは次戦ブラジル戦です。
日本戦で得た教訓を生かし、ブラジルに挑むベルギー代表が楽しみですね。

さて、今回はベルギー代表に敬意を表してベルギー人アーティストの作品を紹介したいと思います。

ということで、ベルギー人女性シンガーによるラウンジ・ボッサ/ラウンジ・ジャズ作品、Laila Amezian『Initial』(1997年)です。

Laila Amezianは1968年ベルギー、アントワープ生まれのモロッコ系の女性シンガー。

ソロ名義では本作『Initial』(1997年)と『Triode』(2012年)という2枚のアルバムをリリースしています。また、

今回紹介する『Initial』(1997年)はスペインのレーベルSiestaからのリリースです。

本作の話題は、人気フランス人アーティストLouis Philippeが全面プロデュースしている点です。

Louis Philippeは日本でも大人気であったelレーベルの看板アーティストとしてネオアコ・ファンにはお馴染みですね。おそらく多くの方はLouis Philippプロデュースという理由で本作を購入したのでは?

また、High LlamasSean O'Hagan、ブリティッシュ・レゲエの重要人物Dennis Bovell等が参加している点も注目です。

アルバム全体としては、Louis PhilippeがLaila Amezianという素材を見事に生かしたヨーロピアン・テイストに溢れたラウンジ・ボッサ/ラウンジ・ジャズといった仕上がりです。

カフェ・ミュージック的でありながら一筋縄ではいかぬポップ職人的センスが散りばめられているのがいいですね。

Louis Philipp好き、ラウンジ・ボッサ/フレンチ・ボッサ、ネオアコ好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Ouverture」
メロディカを用いらアルバムのプロローグ。

「Singapore」
カフェ・ミュージック好きの人は気に入るであろうラウンジ・ボッサ。本作の魅力がこの1曲に凝縮されています。
https://www.youtube.com/watch?v=1dHvXrJsKzs

「Eva」
美しいストリングスを配したフレンチ・モードの哀愁バラード。

「Initial Tribe」
ビューティフル・ポップな小曲。

「Vera Cruz」
ラテン/サンバ調の軽快なメロウ・グルーヴ。ヨーロピアン×ラテンな雰囲気がいいですね。

「Ulysses And The Siren」
派手さはありませんがLouis Philippeのアレンジ・センスが冴えるラウンジ・ボッサ。

「Eva」
3曲目の続きのインタールード的な小曲。

「Right Or Wrong」
フレンチ・ボッサ調のポップな仕上がり。アコーディオンがいいアクセントになっています。

「Our Boat Can't Wait」
シンプルさが魅力の1曲。少ない音がLailaの飾らないヴォーカルの魅力を際立てています。

「All Seasons」
ストリングスによるインタールード。

「La Pointe Du Jour」
艶めかしいフレンチ・ボッサ。ルパン三世の峰不二子に似合いそうな雰囲気です。

「Au Petit Bonheur La Chance」
Sean O'Haganが参加曲。Lailaのコケティッシュな魅力が映えるラウンジ・ボッサ。ネオアコ好きの人が気に入る1曲なのでは?

「Leila」
タイトル曲はシャンソン調の小曲。

「All Seasons」
10曲目の続きのインタールード。

「You Pick 'Em Up」
遊び心を感じるお茶目なフレンチ・ボッサ調の仕上がり。

「Viens」
独特の雰囲気を持った哀愁ボッサ。この感じはLouis Philippe?それともDennis Bovell?

「Tout Arrive A Qui S'En Va」
ラストは小粋なラウンジ・ジャズで締め括ってくれます。

国内盤にはさらに1曲、曲名不明のボーナス・トラックが収録されています。

『Triode』(2012年)
Triode
posted by ez at 02:25| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

The Crazy World Of Arthur Brown『The Crazy World Of Arthur Brown』

奇才Arthur BrownThe Crazy World Of Arthur Brown『The Crazy World Of Arthur Brown』♪
THE CRAZY WORLD OF ARTHUR BROWN - 2CD DELUXE EDITION
発表年:1968年
ez的ジャンル:UKサイケデリック・ロック・グループ
気分は... :スペイン苦戦・・・

サッカーW杯は決勝トーナメントに入り、面白い試合の連続ですね。
朝まで眠れない日々は続く・・・

奇才Arthur Brown率いるUKサイケデリック・ロック・グループThe Crazy World Of Arthur Brownの1stアルバム『The Crazy World Of Arthur Brown』(1968年)です。

The Crazy World Of Arthur Brownは、 1966年にArthur Brownにより結成。

本作『The Crazy World Of Arthur Brown』(1968年)時点のメンバーは、Arthur Brown(vo)、Vincent Crane(org、p、strngs & brass arr)、Nicholas Greenwood(b)、Drachen Theaker(ds)の4名。

後にEmerson, Lake & Palmerを結成するドラマーCarl PalmerもThe Crazy World Of Arthur Brownに在籍していました。

1942年生まれのリーダーArthur Brownは、The Crazy World Of Arthur Brown解散後もプログレ・ロック・グループKingdom Comeを結成したり、ソロ・アーティストとして活躍しています。

The Crazy World Of Arthur Brownは、UKサイケデリック・ロックの代表格であると同時に、"The God Of Hellfire"と称されたArthur Brownの奇抜なメイクとパフォーマンスはAlice CooperGeorge ClintonKissなどのアーティストに大きな影響を与えました。

この1stアルバム『The Crazy World Of Arthur Brown』(1968年)は、The WhoのマネジャーKit Lambertがプロデュースし、Pete Townshendの名もアソシエイト・プロデューサーとしてクレジットされています。

アルバムからはシングル「Fire」がUKチャート第1位、USチャート第2位の大ヒットとなりました。

大きく括ればサイケデリック・ロックですが、Vincent Craneのグルーヴィーなオルガンがフィーチャーされており、スウィンギン・ロンドン好きの人も気に入ると思います。また、Arthur Brownの次のグループKingdom Comeにつながるジャズ・ロック/プログレ的なサウンドを楽しめる楽曲もあります。

ハイライトは当然大ヒットした「Fire」ですが、グルーヴィー・オルガン好きの僕としては、「Prelude/Nightmare」「I've Got Money」「Fanfare/Fire Poem」あたりもおススメです。

奇抜なビジュアルに惑わされずに聴いてみると楽しめますよ。

全曲紹介しときやす。

「Prelude/Nightmare」
Arthur Brown作。幻想的なイントロからグルーヴィーなサイケ・サウンドが展開されるオープニング。Vincent Craneのグルーヴィー・オルガンはスウィンギン・ロンドン好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=F7fQJiKcoDU

「Fanfare/Fire Poem」
Arthur Brown/Vincent Crane作。ホーン・サウンドによるイントロに続き、疾走するオルガン・グルーヴに乗って、Arthurが芝居がかったヴォーカルで絶叫します。
https://www.youtube.com/watch?v=oXK9PxUHqX0

「Fire」
Arthur Brown/Vincent Crane/Mike Finesilver/Peter Ker作。前述のようにグループの代表曲であり、UKチャート第1位、USチャート第2位の大ヒットとなりました。Arthur Brownのヴィジュアルも含めてインパクト大のサイケ名曲です。Arthur Brownの常軌を逸したように見えて演劇の要素も感じるヴォーカルと、オルガンを中心としたグルーヴィー・サウンドによる妖しげなハイ・テンションがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=Mizo55muY2I

内田裕也とザ・フラワーズ、Lizzy Mercier Descloux、Pete Townshend、Emerson, Lake & Palmer、Ozzy Osbourne等がカヴァーしています。また、The Prodigy「Fire」、Hazhe feat. Wise Intelligent & ToteKing「Fire」等のサンプリング・ソースとなっています。

The Prodigy「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=F1U0qvtQnE8
Hazhe feat. Wise Intelligent & ToteKing「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=g4lG0WGNa4E
内田裕也とザ・フラワーズ「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=aHSlQEevU10
Lizzy Mercier Descloux「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=cXZRSLtGcmo
Emerson, Lake & Palmer「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=tdZ-EWESNv8

「Come and Buy」
Arthur Brown/Vincent Crane作。1曲の中にドラマがある即興劇を音にしたような仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=kEFDwsUXiEA

「Time/Confusion」
Arthur Brown/Vincent Crane作。前半はワルツ調サイケ・バラード、後半は次第にハイテンションへボルテージを上げていく二部構成。
https://www.youtube.com/watch?v=Cf7xA51kMes

「I Put a Spell on You」
Screamin' Jay Hawkinsの名曲をカヴァー。Arthur BrownがScreamin' Jay Hawkinsをカヴァーするのって納得ですね。サイケなブルース・ロックといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=P2XpTJWhtgY

「Spontaneous Apple Creation」
Arthur Brown/Vincent Crane作。ストリングを交えたジャズ・ロック/プログレ的サウンドはKingdom Comeを予感させます。
https://www.youtube.com/watch?v=yUQBUaamWrs

「Rest Cure」
Arthur Brown/Vincent Crane作。ストリングスを配したメロディアス&ソフトリーな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=14OITkvhTH8

「I've Got Money」
James Brownのカヴァー。イントロのブレイクがキマっているモッドなファンキー・グルーヴ。彼らが決してキワモノ・バンドではないことを示してくれる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_B8kdwSsAGE

「Child of My Kingdom」
Arthur Brown/Vincent Crane作。ラストはジャズやクラシックのエッセンスを感じるプログレ的な大作で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1JSDJCypTeo

ご興味がある方はKingdom Comeのアルバムもチェックしてみては?

Kingdom Come『Galactic Zoo Dossier』(1971年)
銀河動物園白書(紙ジャケット仕様)

Kingdom Come『Kingdom Come』(1972年)
キングダム・カム

Kingdom Come『Journey』(1973年)
ジャーニー
posted by ez at 00:49| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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