2018年07月26日

Cyrus Faryar『Cyrus』

独特のエキゾチシズムが魅力のアイランド・フォーキー☆Cyrus Faryar『Cyrus』
サイラス
発表年:1971年
ez的ジャンル:アイランド系フォーキー
気分は... :音楽が暗闇から優しくやってくる・・・

今回は夏に聴きたいエキゾチシズム/アイランド・フォーキー作品、Cyrus Faryar『Cyrus』(1971年)です。

ハワイでミュージシャンを志し、伝説のフォーク・グループThe Modern Folk Quartet(MFQ)を結成した男性シンガー・ソングライターCyrus Faryarの紹介は、2ndソロ・アルバム『Islands』(1973年)に続き2回目となります。

フォーク・リヴァイバルの中で注目を浴びたMFQですが、『The Modern Folk Quartet』(1963年)、『Changes』(1964年)という2枚のアルバムをリリースして解散してしまいます。

その後も勢力的に活動を続け、60年代後半にはFred NeilThe Stone PoneysCass Elliot等のレコーディングに参加しています。

そして、70年代に入り、初のソロ・アルバムとなる本作『Cyrus』(1971年)をリリースします。

プロデュースはCyrus Faryar自身。

レコーディングにはRalph Towner(g、mellophone)、Bob Gibson(g、back vo)、Rodney Dillard(g)、Dick Rosmini(g、back vo)、Glen Moore(b)、Brian Garofalo(b、g、per、back vo)、John Horton(b)、Russ Kunkel(ds)、Mike Botts(ds)、Craig Doerge(p、back vo)、Paul Harris(p)、Collin Walcott(per)、Danny Durako(per)、Paul McCandless(bass clarinet、oboe、horn)、Mary Newkirk(harp)等のミュージシャンが参加しています。

また、Alex Hassilev(back vo)、Bruce Johnston(back vo)、Cass Elliott(back vo)、David Crosby(back vo)、Don Johnson (back vo)、Henry Diltz(back vo)、Renais Faryar(back vo)等のバック・コーラス陣もなかなか豪華です。

アルバム全体としては、優しく深淵な大地のアイランド・フォーキーといった印象です。Cyrusのジェントルな低音ヴォーカルを含む独特のエキゾチシズムが魅力です。

聴いていると自然と調和していく気分になるアイランド・フォーキーで心をクールダウンしてみては?

全曲紹介しときやす。

「Softly Through The Darkness」
Cyrus Faryar作。アメリカン・ジャズ・バンドOregonのメンバーRalph Towner、Paul McCandless、Glen Moore、Collin Walcottがバックを務め、Bruce Johnston、Cass Elliott、David Crosby、Craig Doerge等がバック・コーラスで参加しています。音楽が暗闇から優しくやってくる・・・本作を象徴する優しく深淵な音世界を満喫できます。エキゾチシズムな雰囲気の中でゆっくりと時間が流れていく感じがいいですね。

「I Think He's Hiding」
Randy Newman作品のカヴァー。オリジナルは『Randy Newman』(1968年)に収録されています。少しクセのあるandy Newman作品を見事にCyrus Faryarらしいエキゾチシズム・フォーキーに仕上げているのがいいですね。

「Sweet Believer」
Cyrus Faryar作。風の音と共に始まるアイランド・フォーキー。さり気ないのに奥深さがあるのがCyrusのヴォーカルの魅力ですね。

「Evergreen (Earth Anthem)」
Bill Martin作。波音と共に始まるエコロジカル・フォーキー。グラス・ハーモニカの響きもグッド!

「Ratte's Dream」
Cyrus Faryar作。この曲も波音と共に始まります。寛いだハワイ・モードに浸ることができます。

「New Beginnings」
Cyrus Faryar作。Russ Kunkel、Craig Doerge、Brian Garofaloのバッキングが素晴らしい1曲。70年代SSW作品がお好きな人であれば、グッとくるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZXh9lOCWUCU

「Companion」
Cyrus Faryar作。音のない間が巧みな引き算フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=WzK3CNJ01I4

「Brother, Friend」
Cyrus Faryar作。The Modern Folk Quartet時代の仲間Chip Douglasに捧げれた楽曲。Cyrusのジェントルな低音ヴォーカルが映える素敵なフォーキー・チューン。聴く者の心が洗われる1曲です。

「Springtime Bouquet」
Cyrus Faryar/Alex Hassilev作。The LimelitersのAlex Hassilevとの共作。転生輪廻を感じる歌詞と相まってCyrusのヴォーカルの味わいが増します。

「Kingdom」
Renais Faryar作。ラストはCyrusのかつての奥方の作品。自然と調和して生きていくCyrusらしいバラードなのでは?ここでもグラス・ハーモニカの響きが効果的に使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=oCx4pzebZiI

未聴の方は2nd『Islands』(1973年)もセットでどうぞ!

『Islands』(1973年)
アイランズ
posted by ez at 00:09| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする