発表年:1976年
ez的ジャンル:Channel One系レゲエ・ヴォーカル・グループ
気分は... :マジカルなレゲエ・ワールド!
今回はレゲエ名作からThe Mighty Diamonds『Right Time』(1976年)です。
The Mighty Diamondsは1969年にジャマイカ、キングストンで結成された男性ヴォーカル・トリオ。
メンバーはDonald "Tabby" Shaw、Fitzroy Simpson、Lloyd Fergusonの3名。
デビュー・アルバムとなる本作『Right Time』(1976年)以降、ジャマイカを代表するレゲエ・ヴォーカル・グループとして長きに渡り活動しています。
個人的には80年代からThe Mighty Diamondsの名はよく聞き、ラジオ等で音を聴くこともありましたが、正直オリジナル・アルバムに触れる機会はあまりありませんでした。彼らに限らずレゲエ・アーティストの場合、作品が多くてどこから手を付けるべきかが分からないというのが悩みのタネなのですが・・・
本作『Right Time』は、The Mighty Diamondsの美しいヴォーカル・ワークと、最強リズム・セクションSly & Robbie(Sly Dunbar/Robbie Shakespeare)をはじめとするChannel Oneのハウス・バンドThe Revolutionariesの面々が奏でるサウンドが結びついた新感覚レゲエとして、当時も今も高い評価を得ている名作です。UK盤等はVirginからリリースされました。
Channel One/Well Chargeからリリースされた本国ジャマイカ盤は収録曲は同じですが、ジャケ、タイトルが異なる『When The Right Time Come (I Need A Roof) 』としてリリースされています。
『When The Right Time Come (I Need A Roof) 』(1976年)
プロデューサーはJoseph Hoo Kim
楽曲はすべてメンバーおよびJoseph Hoo Kimによるオリジナルです。
レコーディングにはSly Dunbar(ds)、Robbie Shakespeare(b)、Bertram "Ranchie" McLean(b)、Radcliffe "Rad" Bryan(g)、Ansel Collins(key)、Uziah "Sticky" Thompson(per)といったThe Revolutionariesの面々等が参加しています。
曲タイトルからも分かるようのに、メッセージ性の強いルーツ・レゲエであり、The Revolutionariesによるバッキングも当時の先鋭サウンドであるにも関わらず、Tabbyのリード・ヴォーカルをはじめとする彼らのヴォーカルが加わると、ラヴァーズと錯覚するようなスウィートなレゲエ・ワールドが展開されるのが不思議ですね。
「Right Time」、「Shame and Pride」、「I Need a Roof」、「Have Mercy」、「Africa」等の名曲がズラリと並びます。
マジカルなレゲエ・ワールドを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Right Time」
Tabbyの甘く伸びやかなリード・ヴォーカルが映えるタイトル曲はレゲエ・クラシック。メッセージは強烈なのにヴォーカルはスウィート!というのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qxMDdCj1514
「Why Me Black Brother Why」
このグループらしい素敵なヴォーカル・ワークとアグレッシヴなサウンドの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=9xQpxfNnJRs
「Shame and Pride」
開放的なホーン・サウンドとスウィートなヴォーカル・ワークが印象的です。ラヴァーズ作品と勘違いしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=8WUafMX-L2o
「Gnashing of Teeth」
彼らのヴォーカルとThe Revolutionariesのバッキングが織り成す、独特の開放感のあるルーツ・レゲエ・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=4j3c5Jq0y08
「Them Never Love Poor Marcus」
サウンドだけ聴いていると、アグレッシヴなルーツ・レゲエなのに、彼らのヴォーカルが入るとマイルドな味わいになるのが不思議ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DKW6lwYcvPI
「I Need a Roof」
ジャマイカ本国盤を踏まえると本曲がタイトル曲になるのかもしれませんね。メロウ・ヴォーカルと格好良いバッキングが織り成す至極のレゲエ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=l7sn9Fd_EAc
「Go Seek Your Rights」
ファルセット・ヴォーカルで哀愁のメロディを歌い上げます。静かなる闘志を感じるサウンドもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uAMDZFARFEI
「Have Mercy」
コレも名曲ですね。Tabbyのリード・ヴォーカルやコーラス・ワークが映える1曲。独特のタイム感覚で時間が流れていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3N1GAGPB1t8
「Natural Natty」
軽やかなバッキングに乗って、レゲエ・ヴォーカル・グループならではのコーラス・ワークを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=9DgJ-W9oy6k
「Africa」
ラストもラヴァーズと勘違いしそうなスウィートなヴォーカル・ワークで聴く者を魅了します。
https://www.youtube.com/watch?v=fNYHcziApMc
The Mighty Diamondsの他の初期〜中期作品もチェックを!
『Ice on Fire』(1977年)
『Planet Earth』(1978年)
『Stand Up to Your Judgment』(1978年)
『Deeper Roots (Back to the Channel)』(1979年)
『Reggae Street』(1981年)
『Pass the Kouchie』(1982年)
『The Roots Is There』(1982年)
『Leaders of Black Country』(1983年)
『Struggling』(1985年)
『The Real Enemy』(1987年)
『Get Ready』(1988年)