発表年:1966年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ最高峰
気分は... :これぞジャズ・サンバ・ドラム!
今回は傑作ジャズ・サンバMilton Banana Trio『Balancando Com Milton Banana Trio』(1966年)です。
Milton Banana(1935-1999年)はブラジル、リオデジャネイロ出身のドラマー。
50年代からミュージシャンとして活動し、ボサノヴァ/ジャズ・サンバの誕生・発展に大きく貢献したボサノヴァ/ジャズ・サンバ・ドラムの最高峰。
そんなMilton Bananaを代表する1枚が、Milton Banana Trio名義の『Balancando Com Milton Banana Trio』(1966年)です。Odeonからのリリース。
ジャズ・サンバの素晴らしさが凝縮された傑作アルバムだと思います。
レコーディング・メンバーMilton Banana(ds)、Cido Bianchi(p)、Mario Monteiro(b)。
これまで数多くのジャズ・サンバ作品を紹介していますが、リズムのキレという点で本作は別格の出来栄えだと思います。
「Cidade Vazia」、「Sao Salvador」、「Amanha」、「A Resposta」、「Sonho de um Carnaval」、「Feitinho Pro Poeta」、「Aruanda」あたりが僕のおススメ。
どこを聴いてもMilton Banana印100%のドラミングを楽しめるジャズ・サンバのお手本のようなアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Cidade Vazia」
Luiz Fernando Freire/Baden Powell作。このオープニング1曲で本作の素晴らしさが分かるはず!スリリングとエレガントさを併せ持つ極上ジャズ・サンバ。シャープなドラミングと小粋なピアノの組み合わせがサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=eWj6PCDK3i8
Jay Dee (J Dilla)「Rico Suave Bossa Nova」、Lunch Time Speax「その男」のサンプリング・ソースにもなっています。
Jay Dee (J Dilla)「Rico Suave Bossa Nova」
https://www.youtube.com/watch?v=ENfSZX2KP6g
Lunch Time Speax「その男」
https://www.youtube.com/watch?v=m63tD5tAIio
「Barquinho Diferente」
Sergio Augusto作。軽快なピアノとMilton Bananaのキレのあるカツカツ・リズムが生み出す爽快な疾走感が心地好いジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=Trb_TdZ6q4U
「Sao Salvador」
Aglae/Durval Ferreira作。当ブログではGal Costaのカヴァーも紹介済みです。格好良いイントロがいいですね。本編は口笛も交えた軽やかなジャズ・サンバに仕上がっています。リズミックなピアノも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=yaH0JAtl1KI
「Amanha」
Walter Santos/Tereza Souza作。当ブログではLuciana Souza、Manfredo Fest Trioヴァージョンも紹介済みです。Cidoのピアノが冴えわたる小粋なジャズ・サンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pXSCwng2TNs
「Improviso」
Cido Bianchi作。この曲も作者Cidoの変幻自在のピアノを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=35KFL08ppRo
「A Resposta」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作。Marcosはオリジナルは『O Compositor E O Cantor』(1965年)に収録されています。屈指のメロディ・メイカーMarcosの楽曲を小気味いいジャズ・サンバに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=PaulNxDLM2U
「Sonho de um Carnaval」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da Viola、Lenita Bruno、Manfredo Fest Trioのカヴァーを紹介済みです。キレのあるリズム隊とCidoの小気味いいピアノが織り成す、これぞジャズ・サンバ!と言いたくなる素敵な仕上がり。終盤の盛り上がりもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ivq9OK1D2_E
「Feitinho Pro Poeta」
Luiz Fernando Freire/Baden Powell作。当ブログではBossacucanovaのカヴァーを紹介済みです。音の輪郭がはっきりしたヴィヴィッドな演奏がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qQ80dVeb2Oo
「Aruanda」
Carlos Lyra/Geraldo Vandre作。当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)、Astrud Gilbertoのカヴァーを紹介済みです。軽やかに躍動するジャズ・サンバ。メリハリのあるMiltonのドラミングを楽しめるのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WNY2JgtjMoU
「Tristeza」
Haroldo Lobo/Niltinho作の名曲をカヴァー。ヴォーカル入りの演奏で聴き慣れているせいか、インストの「Tristeza」が新鮮です。短いドラム・ソロも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=YrCeG3sTR9Q
当ブログではBirgit Lystager、Sergio Mendes & Brasil'66、Elis Regina、Carlos Lyra、Sonido 5、Lill Lindfors、Greetje Kauffeldのヴァージョンを紹介済みです。
「Ora Bolas」
Zilmar de Araujo/Ian Guest作。ミステリアスな雰囲気のベースラインが印象的です。
「Encanto Triste」
Pedro Camargo/Durval Ferreira作。ラストはしっとりと落ち着いた演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RpJQvxQWDhE
Milton Bananaの他作品もチェックを!
Milton Banana com Conjunto Oscar Castro Neves『O Ritmo E O Som Da Bossa Nova』(1963年)
Milton Banana Trio『Milton Banana Trio』(1965年)
Milton Banana Trio『Ve』(1965年)
Milton Banana Trio『Samba e Isso 』(1977年)
Milton Banana Trio『Samba e Isso - Volume 2: Tipo Exportacao』(1978年)
Milton Banana Trio『Samba e Isso - Volume 4: Ao meu Amigo Tom』(1979年)