発表年:1970年
ez的ジャンル:キュート系ブラジル人女性シンガー
気分は... :いつもと変わらず・・・
今回はキュートなブラジル人女性シンガーClaudette Soaresの『Claudette No. 3』(1970年)です。
1937年リオ・デ・ジャネイロ生まれ、10代の頃からショー・ビジネスの世界で活躍している女性シンガーClaudette Soaresの紹介は、『Claudette』(1969年)に続き2回目となります。
キュートなボサノヴァ・シンガーのイメージが強い人かもしれませんが、本作『Claudette No. 3』は1970年という時代を反映して、トロピカリズモを経たグルーヴィーな楽曲が印象的な1枚です。
発売元の資料などでは、当時のClaudetteはElis Reginaに匹敵する人気であったとされていますが、どうだったんでしょうね。かなり盛っているような気もしますが・・・
Elis Reginaのように圧倒的な歌力があるシンガーではありませんが、様々なタイプの楽曲を自分らしく歌い上げる器用さは持っているシンガーのように思えます。
本作でも多様なアーティスト/コンポーザーのバラエティに富んだ作品を器用に歌い分けています。
ボッサ×ファンクな「Sem Bronquear」、フレンチ・ポップ調のキュートな「Gloria, Glorinha」、小悪魔ヴォーカル&リズミックな「Canoeiro」、キュートなルーヴィー・ポップ「Baiao」、Marcos Valleの名曲カヴァー「Os Grilos」、モロに「Tighten Up」している「Por Quem Morreu De Amor」あたりが僕のおススメです。
プロデュースManoel Barenbein
全曲紹介しときやす。
「Sem Bronquear」
Jorge Ben作。ボッサ×ファンクなリズミック・サウンドの軽快なオープニング。Claudetteのキュート・ヴォーカルが華やかに弾けます。ホーン隊も盛り上げてくれます。
「As Flores Do Jardim De Nossa Casa」
Erasmo Carlos/Roberto Carlos。オリジナルはRoberto Carlos『Roberto Carlos』(1969年)に収録されています。しみじみと歌い上げるバラード。美しくも儚い感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=qAQFMSAeJ-Y
「Gloria, Glorinha」
Antonio Adolfo & A Brazuca、1970年のシングル曲をカヴァー(Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作)。ジャケのClaudetteのイメージそのままの1曲。Claudetteのキュートな魅力全開のフレンチ・ポップ調の仕上がりです。
「Canoeiro」
Dorival Caymmi作。当ブログではGal Costaヴァージョンも紹介済みです。Claudetteの小悪魔ヴォーカルと妖しげなリズミック・サウンドがよくマッチしています。妖しげなフルートの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9HqX2_NgZdc
「Clara」
Arthur Verocai/Paulinho Tapajos作。美しいアレンジのサウンドをバックに、Claudetteがピースフルに歌い上げます。
「Super Bacana」
Caetano Veloso作。『Gil-Chico-Veloso Por Claudette Soares』(1968年)収録曲の再レコーディング。当時ロンドンへ亡命していたCaetanoへのエールかもしれませんね。
「Hoje」
Taiguara作。美しいオーケストレーションとピアノ&オルガンをバックに、Claudetteが高らかに歌い上げるスケールの大きなバラード。
「Baiao」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作。当ブログではAstrud Gilbertoヴァージョンも紹介済みです。本作らしいグルーヴィー・ポップ。キュートなポップ感と英米ロックのエッセンスを巧みに調和させているのがいいですね。
「Vermelho」
Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作。穏やかなメロウ・フィーリングがいいですね。
「Os Grilos」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcos自身のヴァージョンは
『Marcos Valle(1970)』に収録されています。また、当ブログではWalter Wanderley、The Dee Felice Trio、Bossa Nostraのヴァージョンも紹介済みです。このMarcos名曲とClaudetteのキュート・ヴォーカルの相性は抜群です。2分にも満たずに終わってしまうのが少し残念ですが。
https://www.youtube.com/watch?v=PpiysJbiXs8
「Nao Quero Nem Saber」
Tim Maia作。メリハリをつけながら哀愁のメロディを情感たっぷりに歌い上げます。
「Por Quem Morreu De Amor」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。イントロがArchie Bell & the Drells「Tighten Up」してます(笑)。エレガントに疾走する感じがいいですね。
「Ao Redor」
Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作。ラストは艶めかしいバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BWFaY2LMGFk
Claudette Soaresの他作品もチェックを!
『E Dona Da Bossa』(1964年)
Claudette Soares com Taiguara e Jongo Trio『Primeiro Tempo 5x0』(1966年)
『Claudette Soares』(1967年)
『Gil-Chico-Veloso Por Claudette Soares』(1968年)
『Claudette』(1969年)
『Feitinha Pro Sucesso Ou Quem Nao E A Maior Tem Que Ser A Melhor』(1969年)
『De Tanto Amor』(1971年)