発表年:2006年
ez的ジャンル:ミラノ伊達男系ブラジリアン・クラブジャズ
気分は... :サウダージ・・・
イタリア人シンガー/DJのEmanuele Cucchiによるブラジリアン・プロジェクトNu Brazの1stアルバム『Sonho Bossa』(2006年)です。
ジャズ・トロンボーン奏者のFranco CucchiとシンガーであるAnna D’Amicoを両親に持ち、幼少時代から歌手、俳優として活動し、ミラノやサン・パウロなどでミュージシャン/DJとして活動していたEmanuele CucchiのNu Brazの紹介は、2ndアルバム『Baticumbum』(2010年)に続き2回目となります。
以前に紹介した『Baticumbum』(2010年)は、クラブ・ジャズとブラジル音楽が絶妙のバランスで融合した僕好みの1枚であり、年末恒例『ezが選ぶ2010年の10枚』でもセレクトした1枚でした。
1stアルバムである本作『Sonho Bossa』(2006年)も、クラブ・ジャズ/Nu Jzzとブラジル音楽が絶妙に融合したNu Brazワールドを楽しめます。初期Nicola Conteら他のミラノのクラブジャズと比較して、少しブラジル寄りになっている感じが魅力だと思います。
Emmanuele Cucchi以外に、父Franco Cucchi、SoulstanceのLo Greco兄弟(Gianni Lo Greco/Enzo Lo Greco)、Jose Mascolo、Marco Brioschi(Milano Jazz Dance Combo)、Dilene Ferraz(Brazilian Love Affair)、Adriana Oliveira等がレコーディングに参加しています。
各種コンピにも収録された「Saudade」、「Borboleta Da Cidade」、「Roda」、「Serrado」、「Donna」、「Aeromoca」といった楽曲がおススメです。
『Baticumbum』と同じくIrma傘下のLa Douceからのリリースです。
夏らしいクラブジャズ作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Saudade」
Jose Mascolo/Giancarlo Testoni作。この時代らしいボッサなNu Jazzがオープニング。タイトルの通り、メロディアスなサウダージ感覚とNu Jazzサウンドの融合が見事です。
https://www.youtube.com/watch?v=wkpMwPeBhCA
「Borboleta Da Cidade」
Emmanuele Cucchi/Jose Mascolo/Enzo Lo Greco作。SoulstanceのLo Greco Brosをフィーチャー。Bossacucanovaあたりの新世代ボサノヴァに通じるエレクトロニカなダンサブル・サウンドが心地好い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=aPxyt4lQY5A
「Roda」
Emmanuele Cucchi/Jose Mascolo/Enzo Lo Greco作。小気味よいボッサ・グルーヴが心地好い1曲。サンセット・モードのNu Jazzといった趣がいいですね。
「Scherzi Di Primavera」
Matteo Leo Chiosso/Roberto Livraghi作。レトロ・モードのキャッチーさに確信犯的なものを感じるラテン・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=mwpzs1iQOns
「Sonho Bossa」
Emmanuele Cucchi/Jose Mascolo/Enzo Lo Greco/Dilene Ferraz作。タイトル曲はDilene Ferraz(Brazilian Love Affair)とのデュエットによるメロウ・ボッサ。コケティッシュなDilene Ferrazのヴォーカルにメロメロです。
「Serrado」
Djavan作。オリジナルは当ブログでも紹介した『Djavan』(1978年)に収録されています。また、当ブログではSirius Bのカヴァーも紹介済みです。この名曲を軽快でダンサブルな新世代ボサノヴァで聴かせてくれます。
「Moca (Donna)」
Gorni Kramer/Sandro Giovannini/Pietro Garinei作。母Anna D’Amicoのレパートリーをカヴァー。ムーディーなメロウ・ボッサで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FjsmKT-6JnM
「Escravo Da Alegria」
Toquinho作品をカヴァー。哀愁メロディを軽快なテンポながらもエモーショナルに聴かせてくれます。アレンジ・センスの良さが冴えている1曲です。
「Aeromoca」
Emmanuele Cucchi/Jose Mascolo/Enzo Lo Greco作。アコギの響きを強調したボッサ・グルーヴ。新世代ボサノヴァですがメロディを大切にしているのがいいですね。
「Menininha」
Emmanuele Cucchi/Jose Mascolo/Enzo Lo Greco/Varnava作。ノスタルジック・モードの渋めの仕上がり。Emmanuele Cucchiのブラジル音楽愛を感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=qiDXVx8KbC4
「Donna」
Gorni Kramer/Sandro Giovannini/Pietro Garinei作。先の「Moca (Donna)」の別ヴァージョン。コチラはJose Mascoloがフィーチャーされています。
https://www.youtube.com/watch?v=jVbB9oKSIyY
「Voce Nao Me Ensinou A Te Esquecer」
ブラジル人SSW、Fernando Mendesの作品をカヴァー。ラストは哀愁モードのバラードで締め括ってくれます。
未聴の方は2ndアルバム『Baticumbum』(2010年)もチェックを!
『Baticumbum』(2010年)