発表年:1978年
ez的ジャンル:T.K. Records系マイアミ・ソウル
気分は... :ビター・スウィート!
今回はマイアミ・ソウルを代表する男性シンガーLatimoreの5thアルバム『Dig A Little Deeper』(1978年)です。
1939年テネシー州チャールストン生まれのR&Bシンガー/ピアニストLatimore(Benjamin Latimore)の紹介は、4thアルバム『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』(1976年)に続き2回目となります。
本作『Dig A Little Deeper』の特徴は、本拠地マイアミ以外に、アラバマ、ナッシュビル、デトロイトでレコーディングが行われている点です。
プロデュースはデビュー・アルバム『Latimore』(1973年)からコンビを組み続けるSteve Alaimo。
レコーディングにはRoger Hawkins(ds)、David Hood(b)、Jimmy Johnson(g)、Barry Beckett(key)というMuscle Shoals Rhythm Sectionの面々をはじめ、George "Chocolate" Perry(b)、Larry Byrom(g)、Terry MacMillan(harmonica、per)、Brandye(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
David Van De Pitteがホーン&ストリングス・アレンジを手掛けています。
ブルージーな味わいのバラード「Dig A Little Deeper」、グルーヴィーな「Out To Get 'Cha」や「Too Hot To Handle」、哀愁ダンサブルな「We Got To Hit It Off」、アコースティックな「Ain't Nothing Like A Sweet Woman's Love」、イナたいバラード「Long Distance Love」など充実の全7曲です。
他の70年代Latimore作品と同じくT.K. Records傘下のGladesからのリリースです。
全曲紹介しときやす。
「Long Distance Love」
Latimore作。Latimoreらしいシブさにグッとくるイナたいバラードでアルバムは幕を開けます。哀愁のギター・ソロも味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=wa16eNlo7FY
「Out To Get 'Cha」
Latimore作。個人的にはアルバムのハイライトと感じるグルーヴィー・ソウル。ここではマイアミの仲間George "Chocolate" Perryがベースを弾いています。Brandyeによる華やかな女性コーラスとLatimoreのビター・ヴォーカルの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tDf5t6DsTcA
「We Got To Hit It Off」
Latimore作。哀愁モードのダンサブル・チューン。最初はバラードかと思いきや、次第にダンサブル・モードへ変貌していきます。David Van De Pitteのホーン&ストリングス・アレンジが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ek7RDYfy28w
Millie Jacksonがアルバム『A Moment's Pleasure』(1979年)でカヴァーしています。また、C.T.C.「Nu Stii」等のサンプリング・ソースとなっています。
Millie Jackson「We Got To Hit It Off」
https://www.youtube.com/watch?v=ighXVcCv_vc
C.T.C.「Nu Stii」
https://www.youtube.com/watch?v=ortFWEVo9kQ
「Ain't Nothing Like A Sweet Woman's Love」
George Jackson作。アコースティック・ギター/スティール・ギターの音色が印象的なアーシー・バラード。胸に染みる味わい深さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GZfO8a8OVF0
「Too Hot To Handle」
Mickey Buckins作。「Out To Get 'Cha」と並ぶ僕のお気に入り。ビター・トーンのメロウ・グルーヴといった感じがLatimoreらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=j578rFWuyjM
「Dig A Little Deeper」
Latimore作。タイトル曲はブルージーな味わいのバラード。ビター・スウィートなLatimoreの魅力を満喫できる絶品バラードです。ジワジワくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=r4vRVCqCNqI
Pushim「果実の月」、Atmosphere「Good Times (Sick Pimpin') 」等のサンプリング・ソースとなっています。
Atmosphere「Good Times (Sick Pimpin') 」
https://www.youtube.com/watch?v=JV9hglnkhNA
「Tonight's The Night」
ラストはRod Stewart、1976年の大ヒット曲をカヴァー(Rod Stewart作)。ただし、ブルージーすぎて予備知識なしに聴くと、しばらくは「Tonight's The Night」だとは気づかないかもしれません。Terry MacMillanのハーモニカがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Y_pppjGxv1I
前回も書きましたが、「Jolie」収録の『Latimore』(1973年)のCD再発を希望します。
『Let's Straighten Out - More, More, More, Latimore』(1974年)
『It Ain't Where You Been...It's Where You're Goin'』(1976年)
『Getting Down To Brass Tacks』(1980年)
『The Only Way Is Up』(1991年)
『Catchin' Up』(1993年)