2018年09月24日

Calloway『Let's Get Smooth』

元Midnight StarのCalloway兄弟のユニット☆Calloway『Let's Get Smooth』
Let's Get Smooth
発表年:1992年
ez的ジャンル:兄弟R&Bユニット
気分は... :スムーズに・・・

今回は90年代R&BからCalloway『Let's Get Smooth』(1992年)です。

Callowayは、Midnight StarのメンバーであったReggie CallowayVincent Calloway(Cino Calloway)Calloway兄弟によるR&Bユニット。

『Headlines』(1986年)を最後にMidnight Starを脱退した2人は、Calloway名義で『All The Way』(1989年)、『Let's Get Smooth』(1992年)という2枚のアルバムをSolarからリリースしています。

特に『All The Way』(1989年)からのシングル「I Wanna Be Rich」は、全米シングル・チャート第2位、同R&Bシングル・チャート第5位のヒットとなりました。

また、2人はKlymaxxThe WhispersTeddy PendergrassGladys Knight & the PipsNatalie ColeLevert等を手掛けた人気プロデュース&ソングライティング・チームとしても知られています。

本来ならば、ヒット曲「I Wanna Be Rich」収録の1st『All The Way』(1989年)を取り上げるべきなのかもしれませんが、今の僕の気分にフィットしたのは2ndとなる本作『Let's Get Smooth』(1992年)の方ですが、コチラの方がアーバンな魅力があるからかもしれません。

プロデュースはReggie CallowayCino Calloway

レコーディングにはReggie Calloway(key、prog、fl、back vo)、Cino Calloway(key、prog、tp、flh、back vo)以下、Graham Central Stationでお馴染みのLarry Graham(b)、"Ready" Freddie Washington(b)、Brothers JohnsonGeorge Johnson(g)、Fifth AvenueやTeaseのメンバーであったDerreck O.(ds)、同じく元TeaseのTommy O.(g)、Keith Robertson(key、prog、per、back vo)、Sir Dean Gant(key)、Steve Beckham(key、prog、back vo)、Chuckii Booker(key、prog)、Derek Nakamoto(key、prog)、O'Deen Mays(p、prog)、Angelo Ray(drum prog)、Darrell Smith(p)、David Barry(g)、Gerald Albright(sax)等のミュージシャンが参加しています。

また、バック・コーラスにはGerald Levert、元Sly & The Family StoneRose Stone、女性R&BグループBodyのメンバーLetitia Body、レア・グルーヴ・ファンにはお馴染み、Eighties Ladiesの元メンバーMarva HicksThe Brand New Heaviesの初代ヴォーカリストN'Dea DavenportKeith John等のヴォーカリストが参加しています。

アルバムはこの時代らしいNJSなダンサブル・チューンとクワイエット・ストームなラブ・バラードが半々といった構成です。

ダンサブル・チューンであれば、
Sly & The Family Stoneの大ヒット曲カヴァー「Family Affair」Delfonicsの大ヒット曲カヴァー「La La La Means I Love You」、爽快ミディアム・グルーヴ「One Day At A Time」、アッパーな「Major Love」がおススメ。

バラード系であれば、シングルにもなったタイトル曲「Let's Get Smooth」、Gerald Albrightの素敵なサックス・ソロと共に始まる「I Desire You」、アーバンな魅力がある「Feel Like A Woman」「Set The Table」がおススメ。

Midnight Starのイメージで聴くとギャップがありますが、90年代前半ならではの魅力があるオトナのR&Bアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Work Hard」
オープニングはNJS。勢いだけではない人気プロデュース・チームらしい手腕のNJSを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=j7-_-l9ezKo

「Family Affair」
Sly & The Family Stoneの大ヒット曲をカヴァー(Sly Stone作)。お馴染みの名曲を軽快なキャッチーなNJSで聴かせてくれます。ギター・ソロはBrothers JohnsonのGeorge Johnson。
https://www.youtube.com/watch?v=NqPkZPJPo9o

「Gimme Somma That」
コレもダンサブルなNJS。ラップパートも含めてHip-Hop的なエッセンスやReggieのフルートなどでアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=YX2WyTZSM9g

「One Day At A Time」
アーバンかつ爽快なミディアム・グルーヴ。メロディアスな魅力が僕好みの仕上がりです。今回聴き直して一番グッときたかも?
https://www.youtube.com/watch?v=x3wZ32maUnw

「La La La Means I Love You」
Delfonicsの大ヒット曲をカヴァー(Thom Bell/William Hart作)。ダンサブルなミディアム・グルーヴは好みが分かれるかもしれませんが、90年代らしいカヴァーに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=wwSiaIYjm5s

「Major Love」
この時代らしいアッパー・チューンですが、アーバン・テイストなのがこのユニットらしいかもしれませんね。Cinのホーン・ソロも聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=_83HyJ1Wk-c

「The Night The Fire Started」
ラップ調ヴォーカルによるアッパー・チューン。このあたりは時代を感じてしまいますね。

「African Drums (Instrumental)」
タイトルの通り、アフリカン・ドラムによる短いインスト。

「The Way (Is In The House)」
再びラップ調ヴォーカルによるアッパー・チューン。このタイプの曲ではコレが一番完成度高いかも?

「Let's Get Smooth」
シングルにもなったタイトル曲。このアーバンなミディアム・グルーヴを本作のハイライトに推す人も多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=VdOnjAO7SDw

「I Desire You」
Gerald Albrightの素敵なサックス・ソロと共に始まるミディアム・スロウ。ジワジワと感動が込み上げてくるラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=E3_d7-zW6eA

「Feel Like A Woman」
アーバンなサウンドをバックに、オトナのラブ・バラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=4AzdOSQ696o

「The Sound Of One Hand Clapping」
ピアノとCinoのフリューゲルホーンによるジャジーなインスト。

「Set The Table」
アーバン・サウンドがいい雰囲気を醸し出すラブ・バラード。

「Forever Yours」
オーセンティックなラブ・バラードをロマンティックに歌い上げます。

「Interlude (Instrumental)」
ピアノ、ベースによるジャズなインタールード。

「Last Of The Good Guys」
ラストはメロディアスでポジティブな雰囲気のミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。

『All The Way』(1989年)
All the Way
posted by ez at 01:06| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月23日

Brandon Coleman『Resistanc』

注目のキーボード奏者の最新作はL.A.アーバン・ファンク☆Brandon Coleman『Resistanc』
Resistance [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC573)
発表年:2018年
ez的ジャンル:L.A.アーバン・ファンク
気分は... :ポジティブ・デビアンス・・

今回は注目のキーボード奏者Brandon Colemanの最新アルバム『Resistanc』です。

West Coast Get Down (WCGD) のメンバーとして、Kamasi WashingtonThundercatMiles MosleyTony AustinCameron GravesRyan PorterRonald Bruner Jr,らと共にL.A.ジャズ・シーンで活躍すると共に、R&Bアーティストの作品にも数多く参加しているキーボード奏者Brandon Coleman

当ブログで紹介した作品で彼が関与した作品をピックアップすると以下のとおり。
 Thundercat『The Golden Age of Apocalypse』(2011年)
 Flying Lotus『You're Dead!』(2014年)
 Kamasi Washington『The Epic』(2015年)
 Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
 Kamasi Washington『Harmony Of Difference』(2017年)
 Ruth Koleva『Confidence. Truth』(2017年)
 Kamasi Washington『Heaven And Earth』(2018年)

また、日本独自でリリースされたアルバム『Self Taught』(2015年)は、JTNCの流れもあり話題となりました。

そして待望の新作はFlying LotusBrainfeederからリリースです。

プロデュースはBrandon Coleman自身。

レコーディングにはBrandon Coleman(vo、key、p、syn、vocoder、g、programming)、Kamasi Washington(sax)、Ryan Porter(tb)、Christopher Gray(tp)、Oscar Seaton(ds)、Robert Miller(ds)、Cory Mason(ds)、Richie Pena(ds)、Miles Mosley(b)、Darrell Freeman(b)、Semmi Moulay Elmehdaoui(g)、Billy Odum(g)、Michael Ripoll(g)、Jeremy Jeffers(key)、James Allen(per)、Allakoi "Mic Holden" Peete(per)、Yvette Holzwarth(violin)、Miguel Atwood-Ferguson(viola、violin)、Arrietta Woods(harp)、N'dambi(vo)、Patrice Quinn(vo)、Sheera(vo)、Tricia Battani(back vo)、Dominic Thiroux(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

L.A.ジャズ的なエッセンスもありますが、全体としてはHerbie HancockZapp/RogerPrince等の80年代ファンクの影響を受けたヴォコーダー・ファンク作品といった印象です。適度にメロウネスが効いているのもいいですね。

その意味ではRobert Glasper ExperimentTerrace Martinの諸作がお好きな方は気に入る1枚だと思います。

かなり僕好みのヴォコーダー・ファンクです。
コンテンポラリーなアーバン・ファンクをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Live For Today」
ヴォコーダーを用いたモダン・ブギーがオープニング。実に軽やかなのがいいですね。華やかな雰囲気を醸し出すストリングスもグッド!

「All Around The World」
僕好みのヴォコーダー入り爽快メロウ・ファンク。80年代ブラコン好きの人は気に入るはず!華やかさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1tkjTK0QyZE

「A Letter To My Buggers」
ポップ・ファンクな仕上がり。Kamasi Washington、Ryan Porter、Christopher Grayというホーン隊やストリングスが盛り上げてくれます。

「Addiction」
Sheeraの女性ヴォーカルをフィーチャー。Princeへの憧れを感じるミディアム・ファンク。甘く妖しいムードがたまりません。

「Sexy」
コレはモロにZapp/Rogerしているヴォコーダー・ファンク。Zapp/Roger好きは思わずニンマリするはず!G-Funk好きの人もぜひチャックを!

「There's No Turning Back」
ドリーミーなミディアム・バラード。ヴォコーダーの響きが夢の中へ誘ってくれます。

「Resistance」
タイトル曲はArrietta Woodsのハープが印象的なビューティフル・チューン。Kamasi Washington、Ryan Porter、Miles MosleyというWCGDメンバーの参加も含めて、アルバムで最もジャズを感じる演奏かもしれません。N'dambi、Patrice Quin、Tricia Battaniのコーラスも含めてスピリチュアルな雰囲気が漂います。

「Sunday」
当ブログでもお馴染みの女性ネオソウル・シンガーN'dambiをフィーチャー。80年代Herbie Hancock風のヴォコーダー入りフュージョン・メロウ・ソウルに仕上がっています。

「Just Reach For The Stars」
「Sunday」の雰囲気を受け継ぐHerbie Hancock風のヴォコーダー入りフュージョン・メロウ・ソウル。ここではPatrice Quinnの女性コーラスが華やかな雰囲気を醸し出します。

「Love」
ピースフルなメロウ・ファンク。爽快サウンドとヴォコーダーがよくマッチした僕好みの仕上がり。タイトルそのまま愛に満ちています。この明快さが魅力です。

「Giant Feelings」
Patrice Quinn & Techdizzle(Robert Miller)をフィーチャー。先行シングルにもなりました。Kamasi Washington『Heaven And Earth』でも素晴らしい歌声を聴かせてくれたPatrice Quinnが素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれる感動的なコズミック・ファンク。Kamasi Washington『Heaven And Earth』に通じる壮大な世界観があります。Kamasi Washington、Ryan Porter、Christopher Grayというホーン隊もいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=tgMHcBx_eKQ

「Walk Free」
本編のラストはヴォコーダー入りメロウ・バラードで締め括ってくれます。

「Dance With Me」
国内盤ボーナス・トラック。爽快なディスコ・ファンクは本編以上にキャッチーかもしれません。ど派手なシンセ・サウンドもグッド!

『Self Taught』(2015年)
SELF TAUGHT [帯解説・ボーナストラック1曲収録/ 日本独自企画 / 国内盤] (BRC492)
posted by ez at 02:09| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月21日

Leon Russell『Leon Russell And The Shelter People』

スワンプ魂全開の1枚☆Leon Russell『Leon Russell And The Shelter People』
レオン・ラッセル&ザ・シェルター・ピープル
発表年:1971年
ez的ジャンル:スワンプ・ロック
気分は... :パラノとスキゾ・・・

今回はスワンプ大将Leon Russellの2ndアルバム『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)です。

Leon Russell(1942-2016年)について、これまで当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 The Asylum Choir『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)
 『Leon Russell』(1970年)
 『Will O' The Wisp』(1975年)
 Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
 Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)

本作『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)は、『Leon Russell』(1970年)に続く2ndアルバム。勿論、自身が立ち上げたShelter Recordsからのリリースです。

プロデュースはLeon RussellDenny CordellというShelter Recordsの設立者2人。

アルバムは4つのパフォーマンス(セッション)から成ります。

メインとなるのがアルバム・タイトルにもなっているThe Shelter Peopleとしてのセッション。メンバーはLeon Russell(vo、g、p、org)以下、Don Preston(g、vo)、John Gallie(org)、Joey Cooper(g、vo)、Carl Radle(b)、Chuck Blackwell(ds)、Claudia Lennear(vo)、Kathi McDonald(vo)。

2つ目のセッションはロンドンで録音したFriends In England名義のもの。メンバーはLeon Russell(vo、g、p)以下、Chris Stainton(g)、Jim Price(org)、Carl Radle(b)、Jim Gordon(ds)。クレジットされていませんが、Eric Clapton(g)も参加しており、Derek & The Dominosメンバーらとのセッションと呼べるでしょう。

3つ目のセッションは、Tulsa Tops名義のもの。メンバーはLeon Russell(vo、p)以下、Don Preston(g)、Jesse Ed Davis(g)、Carl Radle(b)、Jim Keltner(ds)。

4つ目のセッションは、Leon Russell(vo、g、p)とRoger Hawkins(ds)、David Hood(b)、Jimmy Johnson(g)、Barry Beckett(org)という後のMuscle Shoals Rhythm Section最強メンバー4名によるMuscle Shoals Swampers名義のもの。

参加メンバーからも想像がつくように、スワンプ大将のスワンプ魂全開の内容に仕上がっています。

The Shelter Peopleセッションでは「Stranger in a Strange Land」「Sweet Emily」、Tulsa Topsセッションでは「A Hard Rain's a-Gonna Fall」、Friends In Englandセッションでは「Alcatraz」「Beware of Darkness」が僕のお気に入り。

1st『Leon Russell』と並び、まず聴くべきLeon Russell作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Stranger in a Strange Land」
Leon Russell/Don Preston作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。昔も今もアルバムで一番のお気に入り。Leonの味わい深いヴォーカルにグッとくるミディアム・バラードです。ゴスペル調の女性コーラス隊もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XQbk2C4ZmsE

Larry Normanがカヴァーしています。また、Qwel & Maker「Ruby Ragdollenneby」のサンプリング・ソースとなっています。
Qwel & Maker「Ruby Ragdollenneby」
 https://www.youtube.com/watch?v=mL6G24tvGlU

「Of Thee I Sing」
Leon Russell/Don Preston作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。Leonのピアノを中心にスワンプ・モード全開の軽快な演奏で盛り上げてくれます。ここでも女性コーラス隊が活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=kSHqvadBmuw

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」
Bob Dylan作品をカヴァー。オリジナルは『The Freewheelin' Bob Dylan』(1963年)に収録されています。Tulsa Topsによるパフォーマンス。シングルにもなりました。Dylan名曲を見事な手腕でスワンプ・チューンに変貌させています。Dylanのオリジナルを聴いたことがある人でも、Leon節炸裂のこの演奏がDylanカヴァーだと気づかないというパターンも多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Loe_sMVt3eo

「Crystal Closet Queen」
Leon Russell作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。南部らしい軽快なロックン・ロール。出だしのメロディが「Delta Lady」調なのがニンマリです。
https://www.youtube.com/watch?v=6ouV67zxUEY

「Home Sweet Oklahoma」
Leon Russell作。Friends In Englandによるパフォーマンス。ゴスペル調オルガンと共に始まるミディアム・バラードですが、次第にスワンプ度が増していきます。
https://www.youtube.com/watch?v=McHi5YzzhO8

「Alcatraz」
Leon Russell作。Friends In Englandによるパフォーマンス。Leonがリード・ヴォーカルのDerek & The Dominosといった趣です。LeonらしさよりもClaptonのギターが目立つ演奏ですが、Eric Clapton好き、Derek & The Dominos好きにはたまらないと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Kca4daM5sLk

本作に参加しているJesse Ed DavisやNazarethがカヴァーしています。
Nazareth「Alcatraz」
 https://www.youtube.com/watch?v=OPK9OsKLnNA

「The Ballad of Mad Dogs and Englishmen」
Leon Russell作。Nick DeCaroアレンジによるストリングスを従えたLeonのピアノ弾き語り。「A Song for You」好きの人は気に入りそうなバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=g6dFeBZ7Nlg

「It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」
Bob Dylan作品をカヴァー。オリジナルは『Highway 61 Revisited』(1965年)に収録されています。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。スライド・ギターが印象的なカントリー・ブルース調カヴァーで楽しませてくれます。

「She Smiles Like a River」
Leon Russell作。Muscle Shoals Swampersによるパフォーマンス。Muscle Shoals Rhythm Sectionメンバーとカントリー・ロック調の演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。

「Sweet Emily」
Leon Russell作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。僕好みのブルージーなバラード。しゃくり上げるようなLeon節を聴くことができます。

「Beware of Darkness」
George Harrisonの名作『All Things Must Pass』(1970年)の収録曲をカヴァー。Friends In Englandによるパフォーマンス。ハープシコードを用いたサイケで幻想的な演奏は、他の演奏と明らかに異なる雰囲気ですが、個人的にはこういう音も好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=rdhg0Xkp1_c

僕が保有するCDには、「It's All Over Now, Baby Blue」「Love Minus Zero/No Limit」「She Belongs to Me」という、いずれもBob Dylan『Bringing It All Back Home』(1964年)収録曲のカヴァー3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています(いずれもTulsa Topsによるパフォーマンス)。
※最近の再発CDには、これらボーナス・トラックは未収録のようなのでご注意を!

Leon Russellの他作品もチェックを!

The Asylum Choir『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)
Look Inside the Asylum Choir

『Leon Russell』(1970年)
レオン・ラッセル

The Asylum Choir『Asylum Choir II』(1971年)
Asylum Choir II

『Carney』(1972年)
Carney

『Leon Live』(1973年)
Leon Live

『Hank Wilson's Back』(1973年)
Hank Wilsons Back

『Stop All That Jazz』(1974年)
Stop All That Jazz

『Will O' The Wisp』(1975年)
Will O' the Wisp

Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
ウェデイング・アルバム(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)
奏でる愛の調べ(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

『Americana』(1978年)
アメリカーナ(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Willie Nelson And Leon Russell『One for the Road』(1979年)
One for the Road
posted by ez at 02:24| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月19日

The Dave Pike Quartet『Pike's Peak』

名ピアニストBill Evansとの共演作☆The Dave Pike Quartet『Pike's Peak』
PIKE'S PEAK
録音年:1961年
ez的ジャンル:クール・ヴァイヴ・ジャズ
気分は... :陰翳礼讃・・・

ジャズ・ヴァイヴ奏者Dave Pikeが名ピアニストBill Evansと共演したThe Dave Pike Quartet『Pike's Peak』(1961年)です。

当ブログでこれまで紹介したDave Pike作品は以下の4枚。

 Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
 Dave Pike And His Orchestra『Manhattan Latin』(1964年)
 The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
 The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)

本作『Pike's Peak』は、Dave Pikeが名ピアニストBill Evansを迎えたThe Dave Pike Quartet名義の作品です。1961年に録音され、1962年にリリースされました。

レコーディング・メンバーはDave Pike(vibe)、Bill Evans(p)、Herbie Lewis(b)、Walter Perkins(ds)、

プロデュースはMike Berniker

最近、日本の近代文学を代表する作家 谷崎 潤一郎が日本人独特の美意識を考察したエッセイ集『陰翳礼讃』にハマっています。そんな『陰翳礼讃』モードの僕にフィットするジャズが本作『Pike's Peak』です。

アルバム・ジャケ自体が『陰翳礼讃』ですよね!

やりすぎない美しさがいいんです。名ピアニストBill Evansも本作ではサイドマンに徹しています。

目立つのは「Besame Mucho」「Why Not」あたりですが、今の僕の気分には「Wild Is the Wind」「In a Sentimental Mood」がフィットします。

The Dave Pike Setのイメージで聴くとギャップがあるかもしれませんが、こういうDave Pikeもいいですよ。

全曲紹介しときやす。

「Why Not」
Dave Pike作。クールなモード・ジャズがオープニング。Pikeのヴァイヴの響きにダンディズムを感じてしまいます。PikeとEvansの相性の良さも実感できるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=YdzzcVjlbt0

「In a Sentimental Mood」
Duke Ellington作。スタンダードを抑えたトーンの演奏で聴かせる引き算ジャズがいいですね。さり気ない美しさがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=Yv6teFj6NwQ

「Vierd Blues」
Miles Davis作。Herbie Lewisのウォーキング・ベースが牽引する小粋な演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=aft6rgxZFZo

「Besame Mucho」
Consuelo Velazquez作。メキシコ産のラテン名曲「ベサメムーチョ」をカヴァー。当ブログではJoao GilbertoGrant Greenのカヴァーも紹介済みです。ラテン・リズムに乗って、Pikeのヴァイヴが軽やかに響きます。ラテンなEvansのピアノにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=WV10KpAV5XQ

Lone Catalysts feat. J-Live「Dynomite」のサンプリング・ソースとなっています。
Lone Catalysts feat. J-Live「Dynomite」
 https://www.youtube.com/watch?v=gmARhIZ0t6o

「Wild Is the Wind」
Dimitri Tiomkin/Ned Washington作。ラストはPikeとEvansの共演作らしいリリカルな哀愁バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2NHC_CNpBLk

Dave Pike関連の他作品もチェックを!

Dave Pike『It's Time for Dave Pike』(1961年)
It's Time for Dave Pike

Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
ボサ・ノヴァ・カーニヴァル+リンボ・カーニバル

Dave Pike And His Orchestra‎『Manhattan Latin』(1964年)
Manhattan Latin (Dig)

The Dave Pike Set『Got the Feeling』(1968年)
Got the Feeling

The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
ノイジー・サイレンス-ジェントル・ノイズ(紙ジャケット仕様)

The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)
Four Reasons

Dave Pike『The Doors of Perception』(1970年)
Doors of Perception

The Dave Pike Set『Live at the Philharmonie』(1970年)
Live at the Philharmonie (Mlps)

The Dave Pike Set『Infra-Red』(1970年)
Infra-Red

The Dave Pike Set『Album』(1971年)
アルバム

The Dave Pike Set『Salomao』(1973年)
Salomao
posted by ez at 03:15| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月18日

Marisa Monte『Memorias, Cronicas e Declaracoes De Amor』

MPBの歌姫のヒット作!☆Marisa Monte『Memorias, Cronicas & Declaracoes De Amor』
アモール、アイ・ラヴ・ユー
発表年:2000年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :変化を恐れず!

今回はMPBの歌姫Marisa Monte『Memorias, Cronicas e Declaracoes De Amor』(2000年)です。

これまで当ブログで紹介したMarisa Monte作品は以下の7枚。

 『Marisa Monte(MM)』(1989年)
 『Mais』(1991年)
 『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao』(1994年)
 『Barulhinho Bom(A Great Noise)』(1996年)
 『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
 『Infinito Particular』(2006年)
 『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)

また、Carlinhos BrownArnaldo Antunesによるスーパー・トリオTribalistasのアルバム『Tribalistas』(2002年)も紹介済みです。

本作『Memorias, Cronicas e Declaracoes De Amor』(2000年)は、歌姫Marisa Monteの充実ぶりが感じられる大ヒット・アルバムであり、本国ブラジルでは100万枚以上の売上を記録しました。

プロデュースはArto LindsayMarisa Monte

レコーディングにはMarisa Monte(vo、g)以下、Arto Lindsay(g)、Domenico Lancellotti(ds)、Kassin(b、key)、Dadi(b)、Peter Scherer(key)、Andres Lewin(el-p)、Marc Ribot(g)、Melvin Gibbs(b)、Davi Moraes(g、sitar、ds)、Carlinhos Brown(per)等のミュージシャンが参加しています。

また、後にスーパー・トリオTribalistasを組むこととなるArnaldo Antunes(vo)、ブラジル音楽の偉大なコンポーザー/キーボード奏者Joao Donato(p)、売れっ子チェロ奏者Jaques Morelenbaum(cello)の3名がスペシャル・ゲストとしてクレジットされています。

本作は長年タッグを組んできたArto Lindsayとのコンビの最終アルバムですが、その総決算的な完成度の高さを感じる1枚です。

新世代のブラジル音楽のエッセンスを取り入れつつ、聴きやすさも両立させている完成度の高さに、改めて感心してしまいます。聴き込むほどに、さり気ない斬新さや緻密さにグッとくるのが魅力です。

商業的にも、音楽性の面でもMPBの歌姫の貫禄を示してくれた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Amor I Love You」
Marisa Monte/Carlinhos Brown作。スーパー・トリオTribalistasの同僚となるArnaldo Antunesをゲストに迎えたオープニング。ソングライティングにはCarlinhos Brownも関わっており、プレTribalistasとでも呼びたくなる素敵なラブソング。ラテン・グラミー賞も受賞した名曲です。基本はアコースティックなラブソングですが、エレクトロ&ストリングスによる味付け本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qF5hXBZW47w

「Nao Va Embora」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。新世代MPBといった雰囲気がいいですね。Davi Moraesによるシタール・ギター、Carlinhos Brownによるパーカッション・アレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=XDhx7oBqZWs

「O Que Me Importa」
Tim Maia等が歌っていたJose de Ribamar Cury Heluy作品をカヴァー。Marisaの優しい歌声にグッとくる素敵なメロウ・バラードに仕上がっています。Marc Ribotのギターがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=YsiKwM7snAM

「Nao E Facil」
Marisa Monte/Carlinhos Brown/Arnaldo AntunesというTribalistasメンバーによる共作。ブラジルらしさとArto Lindsay的コスモポリタン・サウンドが見事に調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=JKrpdUxb4X8

「Perdao Voce」
Carlinhos Brown/Alaim Tavares作。Marisaの歌声がアコギとストリングスによる美しい響きに溶け込んで一体化している感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uEaq18nUGmw

「Tema de Amor」
Marisa Monte/Carlinhos Brown作。美しくメロディアスな中にもモダンなエッセンスが散りばめられている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Wd87Hf0TLng

「Abololo」
Marisa Monte/Lucas Santtana作。後にブラジル音楽シーンに大きなインパクトを与えた『Sem Nostalgia』(2009年)を生み出したLucas Santtanaとの共作です。スペシャル・ゲストのJoao Donatoのピアノをバックに、Marisaがしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=wZkUjNMgeDU

「Para Ver as Meninas」
Paulinho da Viola作品をカヴァー。オリジナルは『Paulinho Da Viola』(1971年)に収録されています。哀愁のメロディを歌うMarisaを切ない語り口がたまりません。スペシャル・ゲストのJaques Morelenbaumのチェロが演奏全体の品格を高めているのがいいですね。そんな中でArto Lindsayのギターがアヴァンギャルドな雰囲気を醸し出しているのが面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=wSW3FtvOTn0

「Cinco Minutos」
Jorge Benのカヴァー。オリジナルは『A Tabua De Esmeralda』(1974年)に収録されています。Lucas SanttanaDomenico Lancellottiも参加し、Jorge Benソングをアヴァンギャルドな新世代ブラジル・サウンドへ変貌させているのがサイコーです。

「Gentileza」
Marisa Monte作。SSWらしい雰囲気ですが、よく聴くと結構手の込んだサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=dcx-UbylYLk

「Agua Tambem E Mar」
Marisa Monte/Carlinhos Brown/Arnaldo Antunes作。浮遊するキーボードとスペシャル・ゲストのJaques Morelenbaumのチェロがストレンジな雰囲気を演出します。夢の中のMarisaといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=B0kPEf67WMI

「Gotas de Luar」
Nelson Cavaquinho/Guilherme de Brito作品のカヴァー。Guilherme de Britoのオリジナルは『Quatro Grandes Do Samba』(1977年)に収録されています。ギターのみのシンプルな演奏をバックに、Marisaの歌が優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=r71zDtKXOJw

「Sou Seu Sabia」
ラストはCaetano Veloso作品で締め括ってくれます。Caetano自身のヴァージョンはアルバム『Noites Do Norte』(2000年)に収録されています。スペシャル・ゲストのJoao Donatoのピアノやストリングスを従え、美しいバラードをMarisaらしい語り口で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=vWbkT1lylJ4

Marisa Monte関連の他作品もチェックを!

『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

『Mais』(1991年)
Mais

『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』(1994年)
ローズ・アンド・チャコール

『Barulhinho Bom(A Great Noise)』(1996年)
Great Noise

Tribalistas『Tribalistas』(2002年)
Tribalistas

『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor

『Infinito Particular』(2006年)
Infinito Particular

『O Que Voce Quer Saber De Verdade』(2011年)
あなたが本当に知りたいこと

『Verdade Uma Ilusao』(2014年) ※ライブ・アルバム
Verdade Uma Ilusao

『Colecao』(2016年) ※コラボ・ワークス集
COLECAO

Tribalistas『Tribalistas』(2017年)
Tribalistas
posted by ez at 02:53| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする