2018年09月08日

Horace Silver『Serenade To A Soul Sister』

「Psychedelic Sally」のオリジナル収録☆Horace Silver『Serenade To A Soul Sister』
セレナーデ・トゥ・ア・ソウル・シスター
録音年:1968年
ez的ジャンル:ファンキー・ジャズ伝道師
気分は... :セレンディピティ・・・

今回はジャズ・ジャイアントの一人Horace Silverが1968年にリリースした『Serenade To A Soul Sister』です。

ファンキー・ジャズの伝道師として名高いジャズ・ピアニストHorace Silverについて、当ブログでこれまで紹介した作品は以下の4枚。

 『Song For My Father』(1964年)
 『The Cape Verdean Blues』(1965年)
 『The Jody Grind』(1966年)
 『Total Response (The United States Of Mind/Phase 2)』(1971年)
 『In Pursuit Of The 27th Man』(1973年)

Blue Noteからリリースされた本作『Serenade To A Soul Sister』(1968年)は、Horace Silverを代表する作品でもなく、評価が分かれる1枚かもしれません。

ファンキー路線を突き進んできたHorace Silverですが、時代の波の中で方向性に迷いが生じていたのではないかと推察します。しかし、時代背景など気にせず、純粋に1曲1曲の演奏を聴けば、楽しめるはずです。

アルバムはオリジナルLPのA面(前半3曲)とB面(後半3曲)の2つのセッションで構成されています。ざっくり言えば、前半はHorace Silverらしいファンキー路線、後半はモーダルな演奏という構成です。

前半3曲のメンバーは、Horace Silver(p)、Charles Tolliver(tp)、Stanley Turrentine(ts)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)という5名。

後半3曲のメンバーは、Horace Silver(p)、Charles Tolliver(tp)、Bennie Maupin(ts)、John Williams(b)、Billy Cobham(ds)という5名(ホーン隊の2名はラストの「Next Time I Fall in Love」不参加)。

前半のファンキー路線のハイライトはEddie Jeffersonヴァージョンでも知られる「Psychedelic Sally」、後半のモーダル路線はどの演奏も甲乙つけがたいですが、「Jungle Juice」「Kindred Spirits」が僕のおススメです。

楽曲はすべてHorace Silverのオリジナルです。

レア・グルーヴ好きの人は、とりあえず「Psychedelic Sally」目当てで聴いてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Psychedelic Sally」
レア・グルーヴ方面で人気のEddie Jeffersonヴァージョンでもお馴染みの楽曲のオリジナル。Stanley Turrentineが絶好調のテナーを聴かせてくれるダンサブルでヒップなソウル・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=jZEkxWzUSDs

Eddie Jefferson以外にBilly Paul、Lionel Hampton、J. Teixi Bandがカヴァーしています。
Eddie Jefferson「Psychedelic Sally」
 https://www.youtube.com/watch?v=9C9Bs2mP1uo
Billy Paul「Psychedelic Sally」
 https://www.youtube.com/watch?v=bZrDBSSgW_A
J. Teixi Band「Psychedelic Sally」
 https://www.youtube.com/watch?v=C28mrWvlmgI

Eddie Jeffersonヴァージョンはアルバム『Body And Soul』(1968年)に収録されています。
Eddie Jefferson『Body And Soul』(1968年)
Body & Soul

「Serenade to a Soul Sister」
抑えたトーンながらもリラックスした雰囲気で軽やかなファンキー・ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pgYPonXo1s

「Rain Dance」
雨音のようなイントロに続き、本編はSilverらしいピアノを楽しめます。ここまでが前半のセッション。
https://www.youtube.com/watch?v=9uNzmGsaZQ8

「Jungle Juice」
ここから後半のセッション。モーダルとファンキーが両立している感じがいいですね。演奏全体を牽引するJohn Williamsのベースが格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=uSJcZbyTjjs

「Kindred Spirits」
何処となくミステリアスな雰囲気に惹き込まれる演奏です。派手さはありませんがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UNsbaHUW7AM

「Next Time I Fall in Love」
ラストはピアノ・トリオによる小粋なバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0fZQfoXgif0

Horace Silverの過去記事もご参照ください。

『Song For My Father』(1964年)
ソング・フォー・マイ・ファーザー

『The Cape Verdean Blues』(1965年)
The Cape Verdean Blues

『The Jody Grind』(1966年)
The Jody Grind

『Total Response (The United States Of Mind/Phase 2)』(1971年)
トータル・レスポンス

『In Pursuit Of The 27th Man』(1973年)
イン・パースート・オブ・ザ・27th・マン
posted by ez at 10:02| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする