2018年09月21日

Leon Russell『Leon Russell And The Shelter People』

スワンプ魂全開の1枚☆Leon Russell『Leon Russell And The Shelter People』
レオン・ラッセル&ザ・シェルター・ピープル
発表年:1971年
ez的ジャンル:スワンプ・ロック
気分は... :パラノとスキゾ・・・

今回はスワンプ大将Leon Russellの2ndアルバム『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)です。

Leon Russell(1942-2016年)について、これまで当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 The Asylum Choir『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)
 『Leon Russell』(1970年)
 『Will O' The Wisp』(1975年)
 Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
 Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)

本作『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)は、『Leon Russell』(1970年)に続く2ndアルバム。勿論、自身が立ち上げたShelter Recordsからのリリースです。

プロデュースはLeon RussellDenny CordellというShelter Recordsの設立者2人。

アルバムは4つのパフォーマンス(セッション)から成ります。

メインとなるのがアルバム・タイトルにもなっているThe Shelter Peopleとしてのセッション。メンバーはLeon Russell(vo、g、p、org)以下、Don Preston(g、vo)、John Gallie(org)、Joey Cooper(g、vo)、Carl Radle(b)、Chuck Blackwell(ds)、Claudia Lennear(vo)、Kathi McDonald(vo)。

2つ目のセッションはロンドンで録音したFriends In England名義のもの。メンバーはLeon Russell(vo、g、p)以下、Chris Stainton(g)、Jim Price(org)、Carl Radle(b)、Jim Gordon(ds)。クレジットされていませんが、Eric Clapton(g)も参加しており、Derek & The Dominosメンバーらとのセッションと呼べるでしょう。

3つ目のセッションは、Tulsa Tops名義のもの。メンバーはLeon Russell(vo、p)以下、Don Preston(g)、Jesse Ed Davis(g)、Carl Radle(b)、Jim Keltner(ds)。

4つ目のセッションは、Leon Russell(vo、g、p)とRoger Hawkins(ds)、David Hood(b)、Jimmy Johnson(g)、Barry Beckett(org)という後のMuscle Shoals Rhythm Section最強メンバー4名によるMuscle Shoals Swampers名義のもの。

参加メンバーからも想像がつくように、スワンプ大将のスワンプ魂全開の内容に仕上がっています。

The Shelter Peopleセッションでは「Stranger in a Strange Land」「Sweet Emily」、Tulsa Topsセッションでは「A Hard Rain's a-Gonna Fall」、Friends In Englandセッションでは「Alcatraz」「Beware of Darkness」が僕のお気に入り。

1st『Leon Russell』と並び、まず聴くべきLeon Russell作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Stranger in a Strange Land」
Leon Russell/Don Preston作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。昔も今もアルバムで一番のお気に入り。Leonの味わい深いヴォーカルにグッとくるミディアム・バラードです。ゴスペル調の女性コーラス隊もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=XQbk2C4ZmsE

Larry Normanがカヴァーしています。また、Qwel & Maker「Ruby Ragdollenneby」のサンプリング・ソースとなっています。
Qwel & Maker「Ruby Ragdollenneby」
 https://www.youtube.com/watch?v=mL6G24tvGlU

「Of Thee I Sing」
Leon Russell/Don Preston作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。Leonのピアノを中心にスワンプ・モード全開の軽快な演奏で盛り上げてくれます。ここでも女性コーラス隊が活躍します。
https://www.youtube.com/watch?v=kSHqvadBmuw

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」
Bob Dylan作品をカヴァー。オリジナルは『The Freewheelin' Bob Dylan』(1963年)に収録されています。Tulsa Topsによるパフォーマンス。シングルにもなりました。Dylan名曲を見事な手腕でスワンプ・チューンに変貌させています。Dylanのオリジナルを聴いたことがある人でも、Leon節炸裂のこの演奏がDylanカヴァーだと気づかないというパターンも多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Loe_sMVt3eo

「Crystal Closet Queen」
Leon Russell作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。南部らしい軽快なロックン・ロール。出だしのメロディが「Delta Lady」調なのがニンマリです。
https://www.youtube.com/watch?v=6ouV67zxUEY

「Home Sweet Oklahoma」
Leon Russell作。Friends In Englandによるパフォーマンス。ゴスペル調オルガンと共に始まるミディアム・バラードですが、次第にスワンプ度が増していきます。
https://www.youtube.com/watch?v=McHi5YzzhO8

「Alcatraz」
Leon Russell作。Friends In Englandによるパフォーマンス。Leonがリード・ヴォーカルのDerek & The Dominosといった趣です。LeonらしさよりもClaptonのギターが目立つ演奏ですが、Eric Clapton好き、Derek & The Dominos好きにはたまらないと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Kca4daM5sLk

本作に参加しているJesse Ed DavisやNazarethがカヴァーしています。
Nazareth「Alcatraz」
 https://www.youtube.com/watch?v=OPK9OsKLnNA

「The Ballad of Mad Dogs and Englishmen」
Leon Russell作。Nick DeCaroアレンジによるストリングスを従えたLeonのピアノ弾き語り。「A Song for You」好きの人は気に入りそうなバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=g6dFeBZ7Nlg

「It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」
Bob Dylan作品をカヴァー。オリジナルは『Highway 61 Revisited』(1965年)に収録されています。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。スライド・ギターが印象的なカントリー・ブルース調カヴァーで楽しませてくれます。

「She Smiles Like a River」
Leon Russell作。Muscle Shoals Swampersによるパフォーマンス。Muscle Shoals Rhythm Sectionメンバーとカントリー・ロック調の演奏を楽しんでいる様子が伝わってきます。

「Sweet Emily」
Leon Russell作。The Shelter Peopleによるパフォーマンス。僕好みのブルージーなバラード。しゃくり上げるようなLeon節を聴くことができます。

「Beware of Darkness」
George Harrisonの名作『All Things Must Pass』(1970年)の収録曲をカヴァー。Friends In Englandによるパフォーマンス。ハープシコードを用いたサイケで幻想的な演奏は、他の演奏と明らかに異なる雰囲気ですが、個人的にはこういう音も好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=rdhg0Xkp1_c

僕が保有するCDには、「It's All Over Now, Baby Blue」「Love Minus Zero/No Limit」「She Belongs to Me」という、いずれもBob Dylan『Bringing It All Back Home』(1964年)収録曲のカヴァー3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています(いずれもTulsa Topsによるパフォーマンス)。
※最近の再発CDには、これらボーナス・トラックは未収録のようなのでご注意を!

Leon Russellの他作品もチェックを!

The Asylum Choir『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)
Look Inside the Asylum Choir

『Leon Russell』(1970年)
レオン・ラッセル

The Asylum Choir『Asylum Choir II』(1971年)
Asylum Choir II

『Carney』(1972年)
Carney

『Leon Live』(1973年)
Leon Live

『Hank Wilson's Back』(1973年)
Hank Wilsons Back

『Stop All That Jazz』(1974年)
Stop All That Jazz

『Will O' The Wisp』(1975年)
Will O' the Wisp

Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
ウェデイング・アルバム(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)
奏でる愛の調べ(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

『Americana』(1978年)
アメリカーナ(SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Willie Nelson And Leon Russell『One for the Road』(1979年)
One for the Road
posted by ez at 02:24| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする