2018年09月30日

Jose James『Lean On Me』

最新作はBill Withersへのトリビュート☆Jose James『Lean On Me』
リーン・オン・ミー
発表年:2018年
ez的ジャンル:新世代男性ジャズ・シンガー
気分は... :俺を頼りなよ・・・

今回は新世代男性ジャズ・シンガーの筆頭格Jose Jamesの最新作『Lean On Me』です。

1978年ミネアポリス生まれの男性ジャズ・シンガーJose Jamesについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の6枚。

 『The Dreamer』(2007年)
 『Blackmagic』(2010年)
 『No Beginning No End』(2013年)
 『While You Were Sleeping』(2014年)
 『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
 『Love In A Time Of Madness』(2017年)

前作『Love In A Time Of Madness』(2017年)では、ジャズの枠を飛び越えたR&B寄りのアプローチで楽しませてくれましたが、新作では70〜80年代に活躍した伝説のソウル・シンガーBill Withersへのトリビュート・アルバム。

プロデュースはBlue Note社長のDon Was

レコーディングにはJose James(vo)、Pino Palladino(b)、Kris Bowers(key)、Brad Allen Williams(g)、Nate Smith(ds)、Marcus Strickland(sax)、Takuya Kuroda(黒田卓也)(tp)、Corey King(tb)、Dave McMurry(fl)、Lenny Castro(per)、Lalah Hathaway(vo)等のミュージシャンが参加しています。Jose James作品ではお馴染みのメンバーが多いですね。

Bill Withersのお馴染みの名曲を、新世代ジャズ・シンガーらしいアプローチでカヴァーしています。Joseのスモーキー・ヴォイスはBill Withers作品との相性抜群です。Joseが歌うことでダーク&スモーキーな魅力が増す感じがいいですね。

サウンド的にもフォーキー・ソウルなBill Withersワールドをリスペクトしつつ、新世代ジャズの面々らしいサウンドもさり気なく織り交ぜて聴かせてくれます。

「Lovely Day」「Lean On Me」「Use Me」「Just The Two Of Us」「Kissing My Love」「Ain't No Sunshine」といった有名曲カヴァーが目立つのは確かですが、個人的には「Who Is He」「Hello Like Before」「The Same Love That Made Me Laugh」「Better Off Dead」あたりにもグッときます。

『Lean On Me』Album Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=PFoFlrDvmYY

JoseがBill Withersを歌う必然性を感じるトリビュート・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Ain't No Sunshine」
Bill Withers作。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)収録。オリジナルの雰囲気を受け継ぐフォーキーな仕上がり。それにしてもJoseのスモーキー・ヴォイスはBillのヴォーカルと共通する部分が多いですね。Kris Bowersのエレピ・ソロがいい感じです。

本曲に関して、当ブログではBetty WrightHarlem Undergroundのカヴァーを紹介済みです。

「Grandma's Hands」
Bill Withers作。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)収録。ここではオリジナルよりもテンポを落とし、よりブルージーな味わいで聴かせてくれます。

本曲に関して、当ブログではThe BlossomsGil Scott-Heronのカヴァーを紹介済みです。

「Lovely Day」
Bill Withers/Skip Scarborough作。オリジナルは『Menagerie』(1977年)収録。Lalah Hathawayをフィーチャーし、Joseと素敵なデュエットを聴かせてくれます。お馴染みの名曲をオリジナル同様のラブリー・モードで聴かせてくれますが、黒田卓也アレンジのホーン・アンサンブルをはじめ、新世代ジャズならのセンスも感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=-_BFD--hE6c

本曲に関して、当ブログではJohn StoddartRobert Glasper ExperimentFabiana Passoniのカヴァーを紹介済みです。

「Lean On Me」
Bill Withers作。オリジナルは『Still Bill』(1972年)収録。この曲の持つ大きな愛をJoseが見事に歌いきっているのがいいですね。前作『Love In A Time Of Madness』で、狂った今の時代だからこそ愛が大切なんだ!と訴えたJoseの思いが、このカヴァーにもつながっている気がします。作者Billの思いとJoseの思いが見事にシンクロしているのでは?Kris Bowersの素敵なピアノも聴き逃せません。

本曲に関して、当ブログではClub Nouveauのカヴァーを紹介済みです。僕ら世代の人にとっては、「Lean On Me」といえば、Club Nouveauヴァージョンですからね。

「Kissing My Love」
Bill Withers作。オリジナルは『Still Bill』(1972年)収録。オリジナルは格好良いドラム・ブレイクとファンキー・ギターが印象的ですが、ここでもドラムのNate SmithとギターのBrad Allen Williamsが素晴らしいプレイで盛り上げてくれるファンキー・ソウルに仕上がっています。Dave McMurryのフルートがいいアクセントになっています。

本曲に関して、当ブログではCold BloodAfriqueのカヴァーを紹介済みです。

「Use Me」
Bill Withers作。オリジナルは『Still Bill』(1972年)収録。この名曲もJoseのスモーキー・ヴォイスはBillのヴォーカルと共通点を強く感じさせてくれます。黒田卓也アレンジのホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=vflHnEi2Uns

本曲に関して、当ブログではGrace JonesRaw StylusStarpointのカヴァーを紹介済みです。

「Who Is He」
Bill Withers/Stan McKenney作。オリジナルは『Still Bill』(1972年)収録。個人的には本作で一番格好良いと感じたのがコレ。オリジナルを超えるコクのあるグルーヴ、Joseならではの語り口がサイコーです。

本曲に関して、当ブログではCreative Sourceのカヴァーを紹介済みです。

「Hello Like Before」
Bill Withers/John Collins作。オリジナルは『Making Music』(1975年)収録。オリジナルはストリングス入りでしたが、本ヴァージョンはストリングスがない分、よりJoseの深淵なヴォーカルが映える仕上がりです。このダークな音世界はJoseとこのメンバーならではのものかもしれません。

「Just The Two Of Us」
Bill Withers/Ralph MacDonald/William Salter作。Bill WithersをフィーチャーしたGrover Washington Jr.のクリスタルな大ヒット曲。オリジナルはGrover Washington Jr.『Winelight』(1980年)収録。歌い始めのみ聴くと、Bill Withers本人が歌っていると錯覚しそうです。正直、この曲に関してはオリジナルに軍配が上がりそうですが、取り上げてくれただけでも嬉しいカヴァーです。

本曲に関して、当ブログでは作者Ralph MacDonaldEly Brunaのカヴァーを紹介済みです。

「Hope She'll Be Happier」
Bill Withers作。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)収録。オリジナルは味わい深いバラードですが、Joseが歌うとよりダークでスモーキーな味わいとなるのがいいですね。Joseのスモーキー・ヴォイスが映える絶品カヴァーだと思います。

本曲に関して、当ブログではSweetbackのカヴァーを紹介済みです。

「The Same Love That Made Me Laugh」
Bill Withers作。オリジナルは『+'Justments』(1974年)収録。派手さはありませんが、ジワジワくるファンキー・ソウルは聴き重ねるたびに魅力が増してきます。

「Better Off Dead」
Bill Withers作。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)収録。オリジナル同様のパーカッシヴな雰囲気にグッとくるジャジー&ファンキーなソウル・チューンで本編を締め括ってくれます。Kris Bowersのハモンドがいい味出しています。

国内盤には「Ain't No Sunshine(acoustic version)」「Grandma's Hands(acoustic version)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Jose Jamesの他作品もチェックを!

『The Dreamer』(2007年)
The Dreamer [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC369)

『Blackmagic』(2010年)
Blackmagic [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] 期間限定廉価盤 (BRC246Z)

Jose James & Jef Neve『For All We Know』(2010年)
For All We Know

『No Beginning No End』(2013年)
ノー・ビギニング・ノー・エンド

『While You Were Sleeping』(2014年)
While You Were Sleeping

『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース

『Love In A Time Of Madness』(2017年)
ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス
posted by ez at 01:06| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする