2018年10月31日

D.J. Rogers『Love, Music And Life』

実に洗練された男性ソウル作品☆D.J. Rogers『Love, Music And Life』
Love, Music & Life
発表年:1977年
ez的ジャンル:ゴスペル出身男性ソウル・シンガー
気分は... :メタノイア・・・

D.J. RogersことDeWayne Julius Rogersは1948年L.A.生まれの男性シンガー・ソングライター/マルチ・インストゥルメンタリスト。

Los Angeles Community Choirの一員としてゴスペル界で活動した後、ソウル・シンガーとしてソロ活動を開始。1973年にLeon RussellShelter Recordsから1stアルバム『D.J. Rogers』をリリース。

その後、RCAに移籍し、『It's Good to Be Alive』(1975年)、『On the Road Again』(1976年)、『Love, Music and Life』(1977年)という3枚のアルバムをリリースしています。

さらにColumbiaから『Love Brought Me Back』(1978年)、ARCから『Trust Me』(1979年)、『The Message Is Still The Same』(1980年)といったアルバムをリリースしています。

僕が保有する彼の作品は、2001年にリリースされたRCA時代3作品をまとめた2枚組CD『It's Good to Be Alive/On the Road Again/Love, Music and Life』です。このうち、単体CDがリリースされているのが『Love, Music and Life』(1977年)のみのため、本作を取り上げることにしました。

風貌から勝手にイメージすると、パワフルなバリトン・ヴォイスの実力派ソウル・シンガーといった印象ですが、実際に作品を聴くと、意外にヴォーカルはハイトーン。歌が上手いのは勿論ですが、シンガーに止まらないプロデュース&アレンジ&ソングライティングも含めた総合力で勝負するアーティストといった印象ですね。

プロデュースはD.J. Rogers自身。

レコーディングにはD.J. Rogers(vo、key)、Jerry Peters(p、key)、Charles Bynum(g)、Michael McGloiry(g)、Wah Wah Watson(g)、Keni Burke(b)、Jeff Porcaro(ds)、Cheryl Lynn(back vo)、Deniece Williams(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

楽曲はすべて自身によるオリジナルです。

ファンキーなオープニング「Love Will Make It Better」Deniece Williamsのチャーミングなバック・ヴォーカルが印象的な「Hold Out For Love」、トータル・ミュージシャンとしてのセンスを実感できる「She Has Eyes For Me」、甘く危険な香りが漂う「Beauty And The Beast」、抑えたトーンで歌うメロウ・ファンク「No Need To Say Goodbye」、ファンキー&メロウな「Love Is All I Need」あたりが僕のおススメです。

ジャケからはイメージできない洗練されたソウル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Will Make It Better」
クラヴィネットの音色が印象的なファンキー・チューンがオープニング。男臭いStevie Wonderといった雰囲気がいいですね。

「Hold Out For Love」
僕好みのメロウ・ミディアム。伸びやかなRogersのヴォーカルが映えます。Deniece Williamsのバック・コーラスも実にチャーミングです。
https://www.youtube.com/watch?v=xsjr242j4lU

「Love Is On The Way」
ゴスペル出身らしい厳かなバラード。感動的なヴォーカルで聴く者の心を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QVzeFccLI9M

「She Has Eyes For Me」
ダンサブルなミディアム・ファンク。曲良し、歌良し、サウンド良し・・三拍子揃ったトータル・ミュージシャンとしての彼のセンスの良さを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7QWOd8oJi6g

「Saved By Love」
ゴスペル出身らしい感動バラード。オーセンティックですが、コーラス隊も含めたヴォーカルの力で聴く者の魂を揺さぶります。
https://www.youtube.com/watch?v=H7DBrjTS23c

「Beauty And The Beast」
ミステリアスなイントロが印象的なアーバン・ソウル。甘く危険な香りが漂う感じがたまりません。

「No Need To Say Goodbye」
オトナのメロウ・ファンクといった趣がいいですね。抑えたトーンのヴォーカルがいい雰囲気を醸し出します。Stevie Wonder風のサウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=C_sw5VoDZVk

「No Price」
ゴスペル調の正統派バラードを堂々と歌い上げます。コーラス隊も含めて壮大なスケール感があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wpFXxT6VFlk

「Love Is All I Need」
Deniece Williamsら女性コーラス隊も印象的なファンキー&メロウなミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=Z-zxz-wq8og

「You Against You」
ラストはオーケストレーションを配した壮大なバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gA0yS2jioj8

D.J. Rogersの他作品もチェックを!

『D.J. Rogers』(1973年)
D J Rogers

『It's Good to Be Alive/On the Road Again/Love, Music and Life』(1975/1976/1977年)
※前述のRCA時代の3作品をまとめた2枚組CD
On the Road Again & It's Good to Be Alive

『Love Brought Me Back』(1978年)
ラヴ・ブロート・ミー・バック(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:22| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月30日

Deodato『Night Cruiser』

絶頂期のフュージョン・ディスコ作品☆Deodato『Night Cruiser』
ナイト・クルーザー<FUSION 1000>
発表年:1980年
ez的ジャンル:天才アレンジャー系フュージョン・ディスコ
気分は... :ジャケは胡散臭いですが(笑)

今回はブラジルが誇る天才アレンジャー/プロデューサー/コンポーザー/キーボード奏者Eumir Deodatoが1980年にリリースした『Night Cruiser』です。

1943年ブラジル、リオデジャネイロ生まれのキーボード奏者Eumir Deodatoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Os Catedraticos 73』(1973年)
 『Whirlwinds』(1974年)
 『Love Island』(1978年)

本作『Night Cruiser』(1980年)は、Kool & The Gangのプロデュースを手掛け、大ヒットを連発していた時期にレコーディングされた作品であり、前作『Knights of Fantasy』(1979年)の流れを汲むフュージョン・ディスコ作品に仕上がっています。

プロデュース&アレンジはEumir Deodato自身。

Eumir Deodato(key、syn、g)以下、元Os MutantesSergio Dias(g)、Gary Granger(b)、Skipp Ingram(b)、Stephen Daniels(ds)、David Bravo(el-p)、George Parrish Jr.(g)、Victor Jones(g)、Ray Gomez(g)、Jimmy Maelen(per)、>、Kool & The GangRonald Bell(ts)、USファンク・バンドPlatinum Hook等のミュージシャンがレコーディングに参加しています。

ダンス・クラシックとして人気のタイトル曲「Night Cruiser」がハイライトかもしれませんが、個人的にはAngie Stone feat. Snoop Dogg「I Wanna Thank Ya」のサンプリング・ソースにもなった「Skatin'」Banda Black Rio「Mr. Funky Samba」を引用した「Uncle Funk」の2曲がおススメです。残りの「East Side Strut」「Love Magic」「Groovitation」も含めて、充実の全6曲となっています。

ジャケには胡散臭さが漂いますが(笑)、Kool & The Gangの大成功の勢いに乗った、絶好調のDeodatoサウンドを楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Night Cruiser」
David Bravo/Eumir Deodato作。タイトル曲はダンス・クラシックとしての再評価も高いディスコ・ファンク。ジャケの色彩感をそのままサウンドにしたようなDeodatoのキーボードの音色や鮮やかなホーン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-BE2SNP_TeY

「East Side Strut」
Eumir Deodato/Sergio Dias/Van Gibbs作。キャッチーなアレンジが冴える爽快フュージョンを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=UFWglLqvUas

Phife Dawg feat. Hi-Tek「D.R.U.G.S.」のサンプリング・ソースになっています。
Phife Dawg feat. Hi-Tek「D.R.U.G.S.」
 https://www.youtube.com/watch?v=i0SataeNaBM

「Skatin'」
David Bravo/Renaud White作。僕の一番のお気に入り。Deodatoのサウンド・センスが光るメロウなフュージョン・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=gASaGpVUxh0

当ブログで紹介したAngie Stone feat. Snoop Dogg「I Wanna Thank Ya」をはじめ、The Notorious B.I.G. and Diddy feat. Nelly, Jagged Edge & Avery Storm「Nasty Girl」、Dubee「Catch a Case」のサンプリング・ソースになっています。
Angie Stone feat. Snoop Dogg「I Wanna Thank Ya」
 https://www.youtube.com/watch?v=VX8iaOzF9Jk
The Notorious B.I.G. and Diddy feat. Nelly, Jagged Edge & Avery Storm「Nasty Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=ufKxCclo7-c

「Uncle Funk」
Eumir Deodato/Jamil Joanes作。「Skatin'」と並ぶ僕のお気に入り。作者の一人にBanda Black RioのメンバーJamil Joanesがクレジットされているように、当ブログでも紹介したBanda Black Rio「Mr. Funky Samba」のエレメントが用いられた軽快なメロウ・ファンク。Kool & The GangのRonald Bellがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hKLJW28B7jQ

Upfront Rudies「Rudie Smoothness」のサンプリング・ソースにもなっています。
Banda Black Rio「Mr. Funky Samba」
 https://www.youtube.com/watch?v=-EP6nIuEYA0
Upfront Rudies「Rudie Smoothness」
 https://www.youtube.com/watch?v=kMuuU6aaflM

「Love Magic」
David Bravo作。オーケストレーションを配した爽快フュージョン・ディスコ。70年代前半のDeodatoの面影も感じるサウンドにファンもニンマリするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=WaTO8XJL5U8

「Groovitation」
Eumir Deodato作。ラストは80年代らしいスペイシー感覚のフュージョン・ディスコで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YX89BER1OS4

Eumir Deodatoの70年代、80年代の他作品もチェックを!

『Percepcao』(1972年)
Percepcao

『Prelude』(1973年)
ツァラトゥストラはかく語りき

『Os Catedraticos 73』(1973年)
オス・カテドラーチコス 73(紙ジャケット仕様)

『Deodato 2』(1973年)
ラプソディー・イン・ブルー

Deodato/Airto『In Concert』(1973年)
In Concert

『Whirlwinds』(1974年)
旋風

『Artistry』(1974年)
アーティストゥリー

『First Cuckoo』(1975年)
ファースト・クックー(紙ジャケット仕様)

『Very Together』(1976年)
ヴェリー・トゥゲザー

『Love Island』(1978年)
Love Island

『Knights of Fantasy』(1979年)
ナイツ・オブ・ファンタジー<FUSION 1000>

『Happy Hour』(1982年)
ハッピー・アワー<FUSION 1000>

『Motion』(1984年)
モーション<FUSION 1000>
posted by ez at 04:08| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月28日

Bacao Rhythm & Steel Band『The Serpent's Mout』

ドイツ産カリビアン・ファンクの第2弾☆Bacao Rhythm & Steel Band『The Serpent's Mout』
ザ・サーペンツ・マウス
発表年:2018年
ez的ジャンル:ドイツ産カリビアン・ファンク
気分は... :スティール・ドラムでHip-Hop!

新作アルバムからドイツのカリビアン・ファンク・バンドBacao Rhythm & Steel Bandの2ndアルバム『The Serpent's Mout』です。

ドイツの現行ファンク・バンドThe Mighty Mocambosのメンバーらが結成したカリビアン・ファンク・バンドBacao Rhythm & Steel Bandの紹介は、1stアルバム『55』(2016年)に続き2回目となります。

スティール・ドラムを使ったカリビアン・ファンクを特長としつつ、The Mighty Mocambosの流れを汲むファンクネスや、この世代らしいHip-Hopのエッセンスを取り込んでいるのが、このバンドの魅力ですね。

本作では、Bjorn Wagner(Hank Dettweiler)(steel drums、g、syn、clavinet、theremin、glockenspiel)、Ben Greenslade-Stanton(tb)、Sebastian Drescher(tp)、Sascha Weise(ds)、Victor Kohn(b)というThe Mighty Mocambosのメンバーに加え、Lucas Kochbeck(ds、per)、Paul Elliott(per)、Josh Kaiser(b)、Tim Grunwald(b)、Bernhard Hummer(bs、as)、Philipp Puschel(tp)がメンバーとしてクレジットされています。

それ以外にShawn Lee(ds、b、per)、Guillaume La Cahain(ds)、Simon Gussek(ds)、Guillaume Meteiner(mini moog)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはBjorn WagnerSteffen Wagnerが共同プロデュースを務めています。

前作『55』(2016年)では、50 Cent「P.I.M.P.」Jay Dee(J Dilla)「Rico Suave Bossa Nova」というHip-Hopカヴァー2曲の印象が鮮烈でした。

本作でもDr. Dre「XXPlosive」Mobb Deep「The Learning (Burn)」Gang Starr「All For The Cash」Amerie「1Thing」Mary J. Blige「I Love You」といったHip-Hop/R&Bカヴァーが充実しています。

それ以外にJackson 5「It's Great To Be Here」、人気TVドラマ『Miami Vice』挿入歌であったJan Hammer「Crockett Theme」のカヴァーも収録されています。

「Bushfire」「Hoola Hoop」「Bocas Del Dragon」あたりのオリジナルもおススメです。

クールで先進的なカリビアン・ファンクは、今の僕の嗜好にピッタリな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「XXPlosive」
Dr. Dreのカヴァー。オリジナルはアルバム『2001』(1999年)に収録されています。オリジナルの雰囲気をスティール・ドラムを中心としたカリビアン・サウンドで見事に再現しています。このバンドらしいHip-Hop経由のカリビアン・ファンクを満喫できるオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=knFi5LcJpqs

「Touchdown」
The Mighty Mocambosに連なるファンクネスの効いたカリビアン・ファンク。それでもカリビアンならではの開放感は保たれているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g6-QuQ0vuMU

「Burn」
Mobb Deep「The Learning (Burn)」のカヴァー。オリジナルはアルバム『Infamy』(2001年)に収録されています。オリジナルの持つ少しダークでハードコアな雰囲気を失わずにカリビアン・ファンクと成立させているのがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=v8LYxcLvbOQ

「Real Hot」
前作にもあったレゲエ調のアプローチです。ダビーでクールなカリビアン・レゲエはレゲエ/ダブ好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=i0ARfCUQID8

「Hoola Hoop」
格好良さでいえば、アルバム随一のカリビアン・ファンク。躍動するファンクネスはThe Mighty Mocambos好きの人であれば気に入るはずです!
https://www.youtube.com/watch?v=fEPLU9AFMPQ

「Crockett Theme」
Jan Hammerが音楽を手掛けた人気TVドラマ『Miami Vice』挿入歌をカヴァー。このバンドらしいクールなカリビアン・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=3eexerBbFms

「1Thing」
Amerie、2005年のヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Infamy』(2001年)に収録されています。この曲自体、このバンドのカリビアン・ファンクにハマりそうだと思いましたが、そのイメージ通り、見事にハマっています。Amerieのオリジナルが好きであった人は、きっと気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=oAvIJuEqjHE

「Great To Be Here」
Jackson 5「It's Great To Be Here」をカヴァー。オリジナルは『Maybe Tomorrow』(1971年)に収録されています。この曲もこのバンドやThe Mighty Mocambos向きですね。その期待を裏切らないキレのあるカリビアン・ファンクを披露してくれます。

「Bocas Del Dragon」
Hip-Hop世代ならではの先鋭的ビートとスティール・ドラムを中心とした伝統的カリビアン・サウンドが見事に調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4U1e-0VbtpU

「All For The Cash」
Gang Starrのカヴァー。カリビアン・テイストの中にもDJ Premierのセンスを吸収している感じがいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=LDULQ7jXcC8

「Maracas Bay Boogie」
カリビアン・サウンドの中にアブストラクトなビートを違和感なく織り交ぜているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=T1YkJIz_ofw

「Bushfire」
Bacao Rhythm & Steel BandとThe Mighty Mocambosが合体したかのような推進力のあるカリビアン・ファンクを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ThBp3O-Tq2M

「I Love You」
Mary J. Bligeのカヴァー。オリジナルは『My Life』(1994年)に収録されています。哀愁モードの名曲をヒップ・ホップ・ソウル調のカリビアン・サウンドで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=N20LIAXk3oc

「The Serpent's Mouth」
タイトル曲は確信犯的なノスタルジック・ムードの演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=N8fISF-iCYA

未聴の方は1stアルバム『55』(2016年)もチェックを!

『55』(2016年)
55

The Mighty Mocambosの作品もチェックを!

Gizelle Smith & The Mighty Mocambos『This Is Gizelle Smith & The Mighty Mocambos』(2009年)
This Is Gizelle Smith & the Mighty Mocambos

The Mighty Mocambos『The Future Is Here』(2011年)
THE FUTURE IS HERE

The Mighty Mocambos『Showdown』(2015年)
ショウダウン
posted by ez at 00:48| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月27日

L.T.D.『Togetherness』

グループ絶頂期の充実作☆L.T.D.『Togetherness』
トゥゲザネス
発表年:1978年
ez的ジャンル:大所帯ファンク/ソウル・グループ
気分は... :この一体感!

Jeffrey Osborne擁するL.T.D.の5thアルバム『Togetherness』(1978年)です。

大所帯ファンク/ソウル・グループL.T.D.(Love Togetherness Devotion)について、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Something To Love』(1977年)
 『Devotion』(1979年)
 『Shine On』(1980年)

本作『Togetherness』(1978年)は、グループ最大のヒット・シングル「(Every Time I Turn Around) Back in Love Again」を含み、全米R&Bアルバム・チャートNo.1となった『Something To Love』(1977年)の成功をうけて制作された作品です。

前作『Something To Love』(1977年)、次作『Devotion』(1979年)と共に、グループ名にもなった
"Love"、"Togetherness"、"Devotion"というテーマを扱った三部作として位置づけられています。

結果として、本作も全米R&Bアルバム・チャート第3位のヒットとなり、グループの絶頂期を感じさせる1枚となっています。

本作におけるメンバーはJeffrey Osborne(vo、per、ds)、Lorenzo Carnegie(ts、as、fl)、Henry Davis(b、syn、back vo)、Jimmy "J.D." Davis(p、el-p、clavinet、celeste、back vo)、John McGhee(g)、Abraham "Onion" Miller(ts、bs)、Billy Osborne(org、p、el-p、clavinet、per、ds、back vo)、Jake Riley(tb)、Carle Vickers(tp、flh、fl、ss、b)。

さらにゲストとして、Benorce Blackmon(g)、Melvin D. Webb(per、ds)、Paul Shure(string concertmaster)が参加しています。

プロデュースはL.T.D.作品ではお馴染み、フィリー・ソウルの重鎮Bobby Martin

シングルとして全米R&BチャートNo.1となったダンス・クラシック「Holding On (When Love Is Gone)」、同じくシングルになったラブ・バラード「We Both Deserve Each Other's Love」、定番サンプリング・ソースとして大人気の「Don't Stop Loving Me Now」あたりが目立つかもしれません。

個人的には、人気ソングライティング・チームGrey & Hanksが楽曲提供した「You Fooled Me」「You Must Have Known I Needed Love」、ブラジリアン・フレイヴァーのグルーヴィー・ファンク「Jam」、ラテン・フレイヴァーのファンク「It's Time to Be Real」、陽気なディスコ・ファンク「Together Forever」あたりもおススメです。

絶頂期のL.T.D.を感じられる充実作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Holding On (When Love Is Gone)」
Jeffrey Osborne/John T. McGhee作。アルバムからのリード・シングルであり、全米R&BチャートNo.1となっています。シングルに相応しいキャッチー&スムースなダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=QXwHxa9yeGQ

「We Both Deserve Each Other's Love」
Jeffrey Osborne/James Davis作。アルバムからの2ndシングル。Jeffrey Osborneの伸びやかなヴォーカルが映える素敵なラブ・バラード。ホーン&ストリングスがロマンティック・ムードを演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Xy3FBYE9KDQ

「Jam」
Jake Riley/John T. McGhee作。ご機嫌なグルーヴィー・ファンク。軽くブラジリアン・フレイヴァーを効かせているのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=GQkSAQMqUg8

「You Must Have Known I Needed Love」
人気ソングライティング・チームGrey & Hanks(Zane Grey/Len Ron Hanks)作。Millie Jacksonもカヴァーしています。Grey & Hanksらしいキャッチー&メロディアスなダンサブル・チューンで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Vz_6B0_tPM

「Don't Stop Loving Me Now」
LeRoy Bell/Casey James作。Jeffrey Osborneのヴォーカルを堪能できる僕好みのメロウ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8Rb2K_sRqY8

今日では定番サンプリング・ソースとして大人気ですね。Too $hort「Top Down」、Poor Righteous Teachers「Word Iz Life」、Tyrese feat. Before Dark「Tell Me, Tell Me」、imx feat. Smooth「Old School Love」、Royal Flush「Can't Live Without You」、Young Gunz「Grown Man」、Proof feat. B-Real & Method Man「High Rollers」、Divine Profitz feat. Chadrach「Can't Live Without Cha」、Devin the Dude feat. Snoop Dogg「I Don't Chase 'Em」、Dio feat. Sef「Aye」、PeeRZet「Fatamorgana」、Awon & Linkrust「Cloudy」等のサンプリング・ソースとなっています。

Too $hort「Top Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=9lWF9RkCgi0
Poor Righteous Teachers「Word Iz Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=P4YBM4Stk3s
Tyrese feat. Before Dark「Tell Me, Tell Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=GcFV8SD8R-s
imx feat. Smooth「Old School Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=j7xPhp0A9Ow
Royal Flush「Can't Live Without You」
 https://www.youtube.com/watch?v=W6so-QrdDrY
Proof feat. B-Real & Method Man「High Rollers」
 https://www.youtube.com/watch?v=vpyqd3Ey4QU
Divine Profitz feat. Chadrach「Can't Live Without Cha」
 https://www.youtube.com/watch?v=5SgLxncpq5U
Devin the Dude feat. Snoop Dogg「I Don't Chase 'Em」
 https://www.youtube.com/watch?v=3OIF_XrarCI
Dio feat. Sef「Aye」
 https://www.youtube.com/watch?v=Z6iPVDBpxXQ
PeeRZet「Fatamorgana」
 https://www.youtube.com/watch?v=ACPtcAK-X1M
Awon & Linkrust「Cloudy」
 https://www.youtube.com/watch?v=jcKOGslOBlY

「It's Time to Be Real」
Jeffrey Osborne/Henry Davis作。ラテン・フレイヴァーを効かせた開放的なファンク・チューン。ラテン風味のファンキーな高揚感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=-vivDSkN0yo

「Concentrate on You」
Harold Johnson作。軽くボッサ風味を効かせたメロウ・ミディアム。Jeffrey Osborneのヴォーカルの魅力を存分に堪能できます。Stanley Turrentineがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=0fjpWGBMxVA

「You Fooled Me」
Grey & Hanks(Zane Grey/Len Ron Hanks)作の2曲目。個人的にはスウェイ・ビート感が格好良い作者Grey & Hanksのヴァージョンが大好きなので、当然本ヴァージョンもお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=AONSAcd-aoQ

当ブログでも紹介したGrey & Hanksヴァージョン(アルバム『You Fooled Me』収録)(1978年)もチェックを!
Grey & Hanks「You Fooled Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=i9yaNAho41c

「Together Forever」
Billy Osborne//Carle Vickers作。パーティー・モードの陽気なディスコ・ファンク。大音量でみんなで盛り上がりたいダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=PI1fh-G2eOI

「Let's All Live and Give Together」
Billy Osborne/Jeffrey Osborne作。ラストはスケール感の大きなバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=En-nGhgqfdc

L.T.D.の他作品もチェックを!

『Love To The World』(1976年)
Love to the World

『Something To Love』(1977年)
サムシング・トゥ・ラヴ

『Devotion』(1979年)
Devotion

『Shine On』(1980年)
Shine on by L.T.D.

『Love Magic』(1981年)
ラヴ・マジック

『For You』(1983年)
For You
posted by ez at 02:15| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月26日

Savath & Savalas『Golden Pollen』

エクスペリメンタルな音響系フォーキー☆Savath & Savalas『Golden Pollen』
Golden Pollen [帯解説・ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC180)
発表年:2007年
ez的ジャンル:音響系フォーキー
気分は... :カタルーニャのDNA・・・

Prefuse 73ことGuillermo Scott HerrenのプロジェクトSavath & Savalasの3rdアルバム『Golden Pollen』(2007年)です。

マイアミ生まれ、アトランタ育ちのアメリカ人プロデューサー/クリエイターGuillermo Scott Herrenによるアコースティック志向プロジェクトSavath & Savalasの紹介は、2ndアルバム『Apropa't』(2004年)に続き2回目となります。

前作『Apropa't』(2004年)では、父のルーツであるスペイン、バルセロナで制作し、カタルーニャ人のEva Puyuelo Munsをパートナーに迎えていましたが、本作ではScott Herrenのソロ・ユニットとなっており、彼自身のヴォーカルも大きくフィーチャーされています。

アルバムには前作にも参加していたJohn McEntire(ds、vibe)(Gastr Del SolThe Sea And Cake、Tortoise等)、On!Air!Library!やScott HerrenとのユニットA Cloud Mireyaでも知られるClaudia Deheza(vo)、アルゼンチンにルーツを持つスエディッシュ男性SSWJose Gonzalez(vo)、US女性SSWのMia Doi Todd(vo)、USジャズ・フルート奏者Nicole Mitchell(fl、vo)、USエクスペリメンタル・ロック・グループBattlesのメンバーでもあったTyondai Braxton(vo)ソロ活動に加え、シカゴ音響派のインストゥルメンタル・カルテットTown & Countryの活動でも知られるJoshua Abrams(double bass)、オーストラリアのポストジャズ・ユニットTrioskLaurence Pike(per、p)、US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、Greg Ward(clarinet、tp)、Renee Baker(viola)が参加しています。

アルバム全体としては、カタルーニャ人のDNAを感じるエクスペリメンタルな音響系フォーキー作品に仕上がっています。

派手さはありませんが、今の時期にフィットとする音世界だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro - An Ode To Luiz Bonfa (Introspection Era)」
US女性SSWのMia Doi Toddをフィーチャー。幻想的な雰囲気でアルバムは幕を開けます。

「Apnea Obstructiva」
オーストラリアのポストジャズ・ユニットTrioskのLaurence Pike(per)、John McEntire(vibe)、USジャズ・フルート奏者Nicole Mitchell(fl、vo)参加。このユニットらしい音響フォーキーを楽しめます。幻想的な終盤も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=gNX0mngKPY0

「Paisaje」
トリップ感のある仕上がり。パーカッション、カリンバの神秘的な響きが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=aId3RffmxlY

「Concreto」
エクスペリメンタルな中にもフォーキーな味わいが漂います。新しい試みと伝統的な音を巧みに融合させているのがいいですね。

「Mi Hijo (Alejandra Elias Deheza-Herren)」
チェロを交えたフォーキー・サウンドが印象的です。

「Te Amo...¿Por Que Me Odias?」
US女性ジャズ・サックス奏者Matana Roberts(sax、woodwind)、John McEntire(ds)が参加。本作らしいエクスペリメンタルな音響フォーキーを聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=q49vePA7fp0

「Estrella De Dos Caras」
アルゼンチンにルーツを持つスエディッシュ男性SSW、Jose Gonzalezをフィーチャー。Laurence Pike(p)、Greg Ward(clarinet)も参加しています。本作のハイライトかもしれませんね。スパニッシュの語感が似合う味わい深いフォーキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JLGDhRRrqIo

「Olhos」
自らヒューマン・ビートボックスに挑戦しているフォーキーな小曲。

「El Solitario」
Town & CountryのJoshua Abrams(double bass)、Renee Baker(viola)、Greg Ward(clarinet)が参加。哀愁モードのスパニッシュ・フォーキーが秋らしくていいですね。

「Faltamos Palabras」
Laurence Pike(ds、per)、Greg Ward(tp)、Joshua Abrams(b)が参加。シカゴ音響派がお好きな人は気に入るのでは?

「Era Tu」
Scott HerrenとユニットA Cloud Mireyaを組み、公私のパートナーでもあったClaudia Dehezaのヴォーカルをフィーチャー。Joshua Abrams(double bass)も参加しています。ミステリアスなフォーキー・チューンです。

「Vidas Animadas」
ヴォーカル、演奏のすべてをScott Herren自身で手掛けています。ヒューマン・ビートボックスも駆使しながら、彼の目指すフォーキー・ワールドを楽しめます。

「Tormenta De La Flor」
前曲同様、ヴォーカル、演奏のすべてをScott Herren自身で手掛けています。ヘタウマな味わいがいいのでは?

「Ya Verdad」
USエクスペリメンタル・ロック・グループBattlesのメンバーでもあったTyondai Braxton(vo)が参加。淡々としたオルタナなフォーキー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1DkbzPf-bvc

「Tiempo」
幻想的な小曲。

「Outro」
アルバムの余韻を楽しむアウトロ。

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Jodido」「Versos Sencillos」「Mejores Dias」の3曲が追加収録されています。特に、「Versos Sencillos」「Mejores Dias」の2曲は本編に負けない僕好みのフォーキー・チューンです。

Savath & Savalasの他作品もチェックを!

『Folk Songs for Trains, Trees and Honey』(2000年)
フォーク・ソングス・フォー・トレインズ、トゥリーズ&ハニー

『Apropa't』(2004年)
Apropa’t

『La Llama』(2009年)
La Llama
posted by ez at 03:17| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする