2018年10月19日

Melissa Manchester『Hey Ricky』

ヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」収録☆Melissa Manchester『Hey Ricky』
ヘイ・リッキー(期間生産限定盤)
発表年:1982年
ez的ジャンル:ポップ・ディスコ系女性ポップ・シンガー
気分は... :気になるふたり・・・

今回は女性シンガー・ソングライターMelissa Manchesterのヒット・アルバム『Hey Ricky』(1982年)です。

70〜80年代ポップス・ファンにはお馴染みの女性シンガー・ソングライターMelissa Manchesterの紹介は、『Don't Cry Out Loud』(1978年)、『Singin'』(1977年)に続き3回目となります。

本作はArif Mardinをプロデューサーに迎え、全米チャート第5位となった彼女のキャリア最大のヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」を生んだヒット・アルバムです。

Melissa Manchester(vo、key、p)以下、元BreadDavid Gates(vo)、Arif Mardin(key、syn)、Robbie Buchanan(key、syn)、Bob Christianson(key、syn)、Stuart Elster(key、syn)、Larry Williams(syn、as)、David Gates(vo、g)、Jim Henken(g)、Michael Landau(g)、Steve Lukather(g)、Hugh McCracken(g)、Dean Parks(g)、David Spinozza(g)、Dennis Belfield(b)、Nathan East(b)、Cliff Hugo(b)、Abe Laboriel, Sr.(b)、Will Lee(b)、Ed Greene(ds)、Sinclair Lott(ds)、Jeff Porcaro(ds)、Sammy Figueroa(per)、Don Brooks(harmonica)、David Manchester(bassoon)、Hamish StuartAverage White Band)(back vo)、Millie Whiteside(back vo)、Tom Snow(back vo)、Ula Hedwig(back vo)、Lani Groves(back vo)、Robin Beck(back vo)等がレコーディングに参加しています。

やはり、目立つのはポップ・ディスコな大ヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」や、Elton Johnとのコンビでお馴染みのBernie Taupinと組んだタイトル曲「Hey Ricky (You're a Low Down Heel)」といった80年代らしいポップ路線の楽曲です。

一方で、その2曲を除けば、オーセンティックな楽曲が多い正統派のポップ・ヴォーカル作品に仕上がっています。

ウエスト・コーストらしい開放的なメロウ・ミディアム「Looking for the Perfect Ahh」、ブルーアイド・ソウル的な魅力を持つ「Your Place or Mine」、オーセンティックなメロウ・バラード「Slowly」「I'll Always Love You」、元BreadのDavid Gatesとのデュエット「Wish We Were Heroes」あたりが僕のおススメです。

大ヒット曲「You Should Hear How She Talks About You」は勿論、それ以外の楽曲も楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「You Should Hear How She Talks About You」
Dean Pitchford/Tom Snow作。全米チャート第5位となった彼女のキャリア最大のヒット曲。Olivia Newton-John「Physical」あたりと同タイプのポップ・ディスコ・チューン。僕も高校時代にリアルタイムでよく聴きました。ニューウェイヴ/エレポップなエッセンスも効いているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GWbDykX47uU

「Slowly」
Ken Bell/Terry Skinner/Gerry L. Wallace作。Melissaの魅力が伝わってくるオーセンティックなメロウ・バラード。聴いていると、昔の竹内まりあのバラードが聴きたくなってきた・・・
https://www.youtube.com/watch?v=0BKc8TaIdA0

「Hey Ricky (You're a Low Down Heel)」
Melissa Manchester/Bernie Taupin作。タイトル曲はElton Johnとのコンビでお馴染みのBernie Taupinの作詞です。ポップ・ロック調のアップ・チューンは実にこの時代らしい雰囲気です。

「I'll Always Love You」
Tom Snow/Eric Kaz作品のカヴァー。オリジナルはMichael Johnson。Melissaの素敵な歌声に包まれるラブ・バラード。彼女にはこういったオーセンティックなメロウ・バラードが似合います。

「Race To The End」
Vangelis/Jon Anderson作。Vangelisの大ヒット曲「Chariots of Fire」をカヴァー。シンセとオーケストラを配したスケールの大きなバラードですが、僕には少し仰々しいかな・・・

「Wish We Were Heroes」
元BreadのDavid Gatesとのデュエット。Austin Gravelding作。ハーモニカの音色の似合うメロウなアコースティック・バラード。ジワジワと胸に染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=nKwwx5-NjzA

「Come in From The Rain」
Melissa Manchester/Carole Bayer-Sager作。『Better Days & Happy Endings』(1976年)収録曲の再レコーディング。Captain & Tennilleもカヴァーした曲です。オリジナル・ヴァージョンからそれ程変わった印象は受けませんが、胸に迫ってくる感動バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=t12lJMO1yzg

「Looking for the Perfect Ahh」
Melissa Manchester/Carole Bayer-Sager/Robbie Buchanan作。僕の一番のお気に入り。ウエスト・コーストらしい開放的なメロウ・ミディアムです。
https://www.youtube.com/watch?v=-yx095JruZU

「Your Place or Mine」
Melissa Manchester/Allee Willis/David Paul Bryant作。ブルーアイド・ソウル的な魅力を持つミディアム。Average White BandのHamish Stuartがバック・コーラスで参加しています。

「Someone to Watch Over Me」
ラストはGeorge & Ira Gershwin作のスタンダードをカヴァー。オリジナルはミュージカル『Oh, Kay!』(1926年)のために書かれたものです。当ブログではChet BakerAnn Burtonのカヴァーを紹介済みです。スタンダード然としたバラードを堂々と歌い上げます。

Melissa Manchesterの他作品もチェックを!

『Home to Myself』(1973年)
ホーム・トゥ・マイセルフ

『Bright Eyes』(1974年)
ブライト・アイズ

『Melissa』(1975年)
想い出にさようなら(紙ジャケット仕様)

『Better Days & Happy Endings』(1976年)
Better Days & Happy Endings

『Help Is On The Way』(1976年)
Help Is  On The Way

『Singin'』(1977年)
雨と唄えば(期間生産限定盤)

『Don't Cry Out Loud』(1978年)
あなたしか見えない(期間生産限定盤)

『For the Working Girl』(1980年)
フォー・ザ・ワーキング・ガール(紙ジャケット仕様)

『Emergency』(1983年)
Emergency

『Mathematics』(1985年)
MATHEMATICS
posted by ez at 01:31| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月18日

Domu Presents Pete Simpson『Look A Little Further』

ウエスト・ロンドンらしいUKソウル作品☆Domu Presents Pete Simpson『Look A Little Further』
Look A Little Further
発表年:2007年
ez的ジャンル:ウエスト・ロンドン系UKソウル
気分は... :山頂でしか見えないもの・・・

今回はUKソウル作品からDomu Presents Pete Simpson『Look A Little Further』(2007年)です。

本作はウエスト・ロンドンを代表する人気DJ/プロデューサーDomu(Dominic Stanton)がプロデュースした、UKの実力派男性ソウル・シンガーPete Simpsonのアルバムです。

当ブログで紹介した作品でいえば、下記の作品にPete Simpsonが参加しています。

 Part Time Heroes『Meanwhile...』(2008年)
 JD73『Make Your Move』(2015年)
 Opolopo『Superconductor』(2015年)

ウエスト・ロンドンの人気ユニットReel PeoplePapa Recordsからのリリースです。

Reel Peopleといえば、最新作『Retroflection』がリリースされました。

『Retroflection』は、Tony MomrelleMica ParisAngie Stone等をフィーチャーしたソウル/ディスコ名曲カヴァー・アルバムです。僕も昨日CDショップで試聴したばかりです。

Reel People『Retroflection』(2018年)
Retroflection

話を『Look A Little Further』に戻すと、2007年のウエスト・ロンドンらしいUKソウル作品に仕上がっています。

Domu以外に、Reel PeopleMike Pattoと、ネオソウル作品も手掛けるPete Kuzmaが共同プロデューサーを務めています。

Incognito作品等に参加している女性シンガーImaani(back vo)、Da Lata作品等に参加している女性シンガーCourtney Denni(back vo)、Faze ActionRobin Lee(b)等が参加しています。

ブロークンビーツ的な「Coming Back Around」、サマー・モードのソウルフル・ハウス「Second Chance」、80年代N.Y.ディスコ調の「It Won't Mean A Thing」、コズミックなエレクトリック・ソウル「Ain't No Fool」、モダンなアーバン・ダンサー「Don't Hide」あたりがおススメです。

ウエスト・ロンドンらしいUKソウル作品は、今聴いても僕の嗜好にフィットします。

全曲紹介しときやす。

「Play This Song」
オープニングは昨今のブギー・ブームとも符合する爽快エレクトリック・ソウル。ソウルフルな女性コーラス隊とPeteのハイトーン・ヴォーカルのコンビネーションも抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=3ckGufEClbQ

「Coming Back Around」
ブロークンビーツ的な疾走感にグッとくる僕好みのダンサブル・チューン!Peteのソウルフル・ヴォーカルとコーラス隊の掛け合いもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=7uuva9Xd348

「Won't Give Up」
ジャジーなギターが印象的なボッサ調の哀愁メロウ・チューン。今の時期よりも夏の終わり頃がフィットしそうな音ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_bf0_tD6d2k

「Second Chance」
サマー・モードのソウルフル・ハウス調アッパー・チューン。こういったダンス・チューンでもPeteのセクシー・ヴォーカルは存在感を示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=L3BUFX7Xu2E

「It Won't Mean A Thing」
80年代N.Y.ディスコを2007年ウエスト・ロンドン仕様にアップデートしたようなエレクトリック・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=1tES2KXCPkA

「Ain't No Fool」
ウエスト・ロンドンらしいコズミックな雰囲気が漂うエレクトリック・ソウル。Mike Pattoのキーボードや♪パッパラパ〜♪というImaaniとCourtney Denniの女性コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=YOIxpDlOsjU

「Look A Little Further」
ウエスト・ロンドン流のコズミックなディスコ・ファンクといった仕上がり。宇宙へ連なるダイナミックな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=B6kl0oTluok

「The Way I See」
ファンキー・メロウなミディアム・グルーヴ。さり気ないですが、サウンド・センスを感じると同時に、Peteのソウル・シンガーとしての魅力を満喫できる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=I4NcMfy56lM

「Don't Hide」
2007年仕様のモダンなアーバン・ダンサー。モダン・ソウル好きの人は気に入るはず!華やかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0NsgCHr_hGo

「I'm Left Dreaming」
ラストはPeteのセクシー・モードのヴォーカルを堪能できるメロウ・ソウルで締め括ってくれます。後半にはPete自身がプレイするハーモニカを聴くこともできます。
https://www.youtube.com/watch?v=4xRnBJj3fCs

国内盤ボーナス・トラックとして、「Won't Give Up (The Realm Album Edit)」が収録されています。The RealmはOli Lazarus、Pete Kuzma、Toni Economidesによるユニットです。ダンサブルなラテン・ハウス調リミックスは本編以上に僕好みの音。
posted by ez at 02:40| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月16日

Pierre Daubresse『Little Bossa』

再評価の高いライブラリー・ジャズ☆Pierre Daubresse『Little Bossa』
Little Bossa
発表年:1972年
ez的ジャンル:ライブラリー系ユーロ・ジャズ
気分は... :自分らしさを貫く・・・

今回はイギリスの大手ライブラリー・レーベルDe Wolfeからリリースされた1枚、Pierre Daubresse『Little Bossa』(1972年)です。

テレビ、ラジオ、CF、その他映像作品のBGM用に作られるライブラリー・ミュージック。そんなライブラリー・ミュージックの中からクラブ方面で再評価される作品が出てきました。本作『Little Bossa』(1972年)もそんな1枚です。

フランス人ピアニスト/コンポーザーPierre Daubresse名義の作品ですが、それ以外にコンポーザーとして、Ludovic DecosneOlivier Natalの名がクレジットされています。

本作にはSmall Band Jazz Featuring Flutes and Brassというサブ・タイトルが冠されており、フルートやホーンをフィーチャーしたスモール・コンボによる演奏が収録されています。

タイトルからボッサ・ジャズ調の演奏のオンパレードをイメージしてしまいますが、スモール・コンボによる小粋なスリリングなジャズ・サウンドも多数収録されています。

ボッサ・ジャズならば、「Low Tide」「Little Bossa」「Beach Comber」「Sweet Bossa」、スリリングなジャズならば、「Lapping」「Flood Tide」あたりがおススメです。

それ以外に、ジャズ・ロック調の「Gloaming」、小粋なフルート・ジャズ「Boat Race」も僕好みの演奏です。

サウンド・イメージを強調しやすいライブラリー・ジャズならではの魅力を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Low Tide」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。ホーン・サウンドをフューチャーしたボッサ・ジャズ。エレピのメロウな響きも心地好いです。ラウンジ・ジャズがお好きな人は気に入るはず。

「Little Bossa」
Pierre Daubresse/Olivier Natal作。タイトル曲はAntonio Carlos Jobim「Wave」風のボッサ・ジャズ。ライブラリー・ジャズらしいロマンティックな雰囲気があります。

「Lapping」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。スリリングな4ビート・ジャズ。鮮やかなホーン・アンサンブルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Jqc82925HvQ

「Adrift」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。小粋なスウィンギン・ジャズ。疾走する格好良さがあります。

「Ballade A Merlette」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。トランペットとオルガンが印象的な哀愁バラード。ヨーロピアンな魅力があります。

「Flood Tide」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。スパイ・ジャズ的な魅力を持つ高速スウィンギン。スリリングなサウンドで一気に駆け抜けます。

「Rough Sea」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。絶妙なホーン・アンサンブルで楽しませてくれる4ビート・ジャズ。

「Open Sea」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。リラックスした雰囲気の演奏は、ユーモラスな映像にフィットしそうです。

「Beach Comber」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。フルートをフィーチャーした穏やかなメロウ・ボッサ。爽快な気分にさせてくれる映像が目に浮かびます。

「Sweet Bossa」
Pierre Daubresse/Olivier Natal作。コレもフルートをフィーチャーしたボッサ・ジャズ。タイトル通り、スウィートなボッサ・サウンドです。

「Boat Race」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。小粋なスウィンギン・ジャズですが、フルートをフィーチャーしている分、演奏全体が実にマイルドです。

「Gloaming」
Ludovic Decosne/Pierre Daubresse作。ラストはグルーヴィー・オルガンを含むジャズ・ロック調の演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=PnRnE9NEmBM

ここ数日、価値観の相違を考えさせられる出来事にいくつか直面しました。
「わからない人」をわかろうと努力することが重要であると頭では理解していますが、それでも「わからない人」とは、わかり合えないのかな・・・というのが本音でしょうか。

自分らしさを貫き、自由に生きるためには、偏見や孤独を耐え抜くタフネスが不可欠かな。
posted by ez at 02:08| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月15日

『今の気分は...2018年10月15日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

昨日は大学の同期会に参加し、旧交を温めてきました。
そんな流れで今回は高校〜大学の頃に聴いていたUKモノ10曲をセレクトし、年代順に並べてみました。

The Jam「Town Called Malice」
https://www.youtube.com/watch?v=YfpRm-p7qlY
From 『The Gift』(1982年)
ザ・ギフト(紙ジャケット仕様)

Elvis Costello & The Attractions「Little Savage」
https://www.youtube.com/watch?v=p_gAn6Vghe4
From 『Imperial Bedroom』(1982年)
Imperial Bedroom (Dig) (Spkg)

Tracey Thorn「Femme Fatale」
https://www.youtube.com/watch?v=5t_ZX3ygRMA
From 『A Distant Shore』(1982年)
遠い渚~ディスタント・ショア

XTC「Wonderland」
https://www.youtube.com/watch?v=DH1M0RZD_Cw
From 『Mummer』(1983年)
Mummer

The Style Council「Whole Point of No Return」
https://www.youtube.com/watch?v=TQJSscOXKuo
From 『Cafe Bleu』(1984年)
Cafe Bleu

Scritti Politti「Absolute」
https://www.youtube.com/watch?v=AMtDPEURT7Y
From 『Cupid & Psyche 85』(1985年)
Cupid & Psyche 85

Everything But The Girl「When All's Well」
https://www.youtube.com/watch?v=nAtFal50nZ4
From 『Love Not Money』(1985年)
ラヴ・ノット・マネー

Squeeze「Last Time Forever」
https://www.youtube.com/watch?v=6HsxcVSO8qE
From 『Cosi Fan Tutti Frutti』(1985年)
コシ・ファン・トゥティ・フルッティ(紙ジャケット仕様)

The Blow Monkeys「It Doesn't Have to Be This Way」
http://www.youtube.com/watch?v=7gqYd9gP_9g
From 『She Was Only A Grocer's Daughter』(1987年)
She Was Only a Grocer's Daughter

Eurythmics「Put The Blame On Me」
https://www.youtube.com/watch?v=ay79OSUpojE
From 『Savage』(1987年)
Savage
posted by ez at 00:13| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月14日

Fatima『And Yet It's All Love』

次世代UK女性ソウル・シンガー、待望の2nd☆Fatima『And Yet It's All Love』
アンド・イェット・イッツ・オール・ラヴ
発表年:2018年
ez的ジャンル:UK次世代レディ・ソウル
気分は... :ネクスト・レベルへ・・・

新作からUK期待の次世代女性ソウル・シンガーFatimaの2ndアルバム『And Yet It's All Love』です。

Fatima(本名:Fatima Bramme Sey)は、スウェーデン生まれ(両親がスウェーデン人とナイジェリア人)、現在ロンドンを拠点に活動する女性ソウル・シンガー。

UKエレクトロニック・シーンの人気プロデューサーFloating Points(Sam Shepherd)が主宰するEglo Recordsと契約し、「Mindtravelin EP」(2010年)を皮切りにコンスタントに作品をリリース。その傍らで、Sa-Ra Creative PartnersShafiq Husaynのソロ・アルバム『Shafiq En' A-Free-Ka』(2009年)をはじめ、UKのプロデューサーFunkinEven、中国系イギリス人プロデューサーEric Lau等の作品に参加しています。

2014年に満を持して1stアルバム『Yellow Memories』をドロップし、Gilles PetersonWorldwide AwardsにおけるAlbum Of The Year 2015をはじめ、各方面で高い評価を得ました。

そんなEglo Recordsのディーヴァ待望の2ndアルバムが本作『And Yet It's All Love』です。

『Yellow Memories』では、Floating Points(Sam Shepherd)をはじめ、Anderson .Paakとの強力ユニットNxWorriesでもお馴染みの人気Hip-HopプロデューサーKnxwledgeMadlibの実弟Oh NoComputer JayScoop DevillefLako(Natureboy Flako)といった気鋭のプロデューサーが起用されていました。

本作では、前作にも参加していたチリとドイツにルーツを持つNatureboy Flakoをメイン・プロデューサーに据え、それ以外にStones Throw期待のプロデューサー/ビートメイカーMndsgnSa-Ra Creative PartnersTaz Arnold、、UKのプロデューサーJD Reid、同じくUKのプロデューサーThe Purist、L.A.を拠点に活動するマルチ奏者/ビートメイカーSwarvy、オーストラリア、メルボルン出身のアーティストKirkis等がプロデューサーとして起用されています。

本作ではアルバム全体が恋の始まりから終わりまでの1サイクルを描いたコンセプト・アルバムになっています。

そんなコンセプトと合致したアーティスティックなジャケも印象的です。

メイン・プロデューサーNatureboy Flakoが手掛けた楽曲は、エレクトリック・サウンドが印象的な次世代UKソウルといった雰囲気です。さらに多様なプロデューサーの楽曲がアルバムにアクセントを加え、全体として魅力なアルバムに仕上がっています。

Mndsgnプロデュースの「Dang」
軽やかな「Westside」、摩訶不思議なダンサブル・チューン「I See Faces In Everything」、JD Reidプロデュースの哀愁チューン「Somebody Else」、シングルにもなった「Caught In A Lie」あたりが僕のおススメです。

次世代UKソウルの歌姫による恋の物語に耳を傾けましょう。

全曲紹介しときやす。

「Dang」
Mndsgnがプロデュース。ローズ音色が心地好い幻想的ネオソウルといった趣のオープニング。Fatimaの少しレイジーかつコケティッシュなヴォーカルが揺らめきます。

「Westside」
Natureboy Flakoプロデュース。軽やかなエレクトリック・サウンドをバックに、Fatimaのヴォーカルが軽やかに舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=xRbR7qKcZrM

「Attention Span Of A Cookie」
Natureboy Flakoプロデュース。摩訶不思議な雰囲気のエレクトリック・サウンドに乗って、Fatimaがリズミックなヴォーカルを聴かせてくれます。

「I See Faces In Everything」
Natureboy Flakoプロデュース。前曲「Attention Span Of A Cookie」の 摩訶不思議なエレクトリック・サウンドをさらにダンサブルにした雰囲気です。ビートの効いたサウンドに乗り、Fatimaが妖艶なヴォーカルで迫ってきます。

「Take It All」
The Puristプロデュース。N.Y.出身のラッパーRoc Marcianoをフィーチャー。ビートレスのサウンドをバックに、FatimaのヴォーカルとRoc Marcianoのラップが交錯します。

「Somebody Else」
JD Reidプロデュース。JD Reidによる哀愁トラックをバックに、Fatimaが切ない女心を歌い上げるR&Bチューン。JD Reidによるトラックはなかなか刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AMfIG0_anQE

「Caught In A Lie」
Natureboy Flakoプロデュース。シングル・カットもされました。タイトルのように嘘による破局を歌う哀愁R&Bグルーヴ。少しダークなサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=zYq_ZNA_nkw

「Waltz」
Natureboy Flakoプロデュース。前曲での破局の後、戻ってきて欲しいと懇願する哀愁のエレクトリック・ワルツ。
https://www.youtube.com/watch?v=vWh2AvJwUEM

「So Rite」
Swarvyプロデュース。さり気ない雰囲気ながらもセンスを感じるネオソウル調のメロウな仕上がり。

「Movie」
Freckles Pecanプロデュース。ピアノをバックにFatimaが切々と歌い上げるバラード。

「Note To Self」
Sa-Ra Creative PartnersのTaz Arnoldプロデュース。Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)のプロデュースでも名を上げたTaz Arnoldが幻想的なトラックを聴かせてくれます。1分強しかないのが残念です。

「And Yet It's All Love」
Kirkisプロデュース。ラストは無限の愛の力を歌うビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

未聴の方は1stアルバム『Yellow Memories』(2014年)もチェックを!

『Yellow Memories』(2014年)
Yellow Memories
posted by ez at 01:21| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする