発表年:1965年
ez的ジャンル:グルーヴィー系ラテン・ソウル・ジャズ
気分は... :プラス・ワン!
今回は60年代に活躍したグルーヴィーなラテン・ソウル・ジャズ・バンドThe Afro Blues Quintet Plus Oneのデビュー・アルバム『The Afro Blues Quintet Plus One』(1965年)です。
The Afro Blues Quintet Plus Oneは、ヴァイヴ奏者のJoe De Agueroが1963年に結成したラテン・ソウル・ジャズ・バンド。オリジナル・メンバーの中には、後の売れっ子ドラマーJim Keltnerもいました。
デビュー・アルバムとなる本作『The Afro Blues Quintet Plus One』(1965年)を皮切りに、『New Directions of the Afro Blues Quintet Plus One』(1966年)、『Guantanamera』(1966年)、『Discovery 3』(1967年)、『Afro Blues Today』(1970年)という合計5枚のアルバムをリリースしています。
本作『The Afro Blues Quintet Plus One』におけるメンバーは、Joe De Aguero(vibe)、Jack Fulks(as、fl)、Bill Henderson(p)、Norm Johnson(b)、Michael Davis(ds、timbales)、Moses Obligacion(congas)、
なお、アルバム・タイトルについて、『The Afro Blues Quintet Plus One』が1965年リリース時のオリジナル・タイトルですが、1966年リリース時のタイトルは『Introducing』となっています。
ソウル・ジャズとラテン・ジャズが絶妙にバランスしたグルーヴィー・サウンドが魅力です。特に、グルーヴィー・サウンドにヴァイヴやフルートが加わり、アクセントをつけているのが、このバンドの特徴といえるでしょう。
モッズ的な格好良さのある「Moses」、シングルにもなった「Liberation」、Curtis Mayfield作品のカヴァー「Monkey Time」、Bacharachの名曲カヴァー「Walk On By」あたりが僕のおススメです。
ラテン・ジャズ好きのみならず、モッド・ジャズ/ノーザン・ソウル好きの人あたりも気に入る1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Moses」
Joe DeAguero作。モッズ的な格好良さのあるグルーヴィー・ジャズがオープニング。グルーヴィー・サウンドの中にヴァイヴのエレガントな音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=drj0kxMYZ-o
「Liberation」
Jack Fulks作。軽やかなフルートの音色と共にスタートするソウル・ジャズはシングルにもなりました。ハンド・クラップ入りのヒップな仕上がりはスウィンギン・ロンドン好きの人は気に入るはず!。
https://www.youtube.com/watch?v=kT5xYr0jRLM
「Monkey Time」
Curtis Mayfield作品のカヴァー(オリジナルはMajor Lance)。軽やかなヴァイヴの音色と共に躍動するダンサブル感にはノーザン・ソウル的な格好良さがあります。
「Summertime」
George Gershwin/Ira Gershwinの名曲をカヴァー。バラードのイメージが強いこのスタンダードをダンサブルなグルーヴィー・チューンへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=OKJN_VfXtd8
名曲「Summertime」に関して、当ブログではJohn Coltrane、Big Brother & The Holding Company、Gabor Szabo、Dinah Washington、Essra Mohawk、Lambert, Hendricks & Ross、Sheila Landis/Rick Matle、Fred Johnson、Rosinha De Valenca、Stefania Ravaのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。
「Jerico」
黒人霊歌のカヴァー。R&Bフィーリングのグルーヴィー・ジャズ。ヴァイヴが加わると、R&Bフィーリングにラテン・ジャズな風味が加わり、味変するのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IjHeWSXoLwM ※音質悪いです
「Walk On By」
Dionne Warwickのヒットでお馴染みのBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー。ここでもモッドなグルーヴィー感とラテン・ジャズ・フィーリングのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=tYntWIx4eFM
名曲「Walk On By」に関して、当ブログではDionne Warwickヴァージョン以外に、Cal Tjader、Average White Band、Gloria Gaynor、The Four King Cousins、The Carnival、Pucho & The Latin Soul Brothers、Gimmicks、Christopher Scott、Robin McKelle & The Flytones、Enoch Light、Gabor Szaboのカヴァーを紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。
「Together」
Hubert Laws作。多分、Mongo Santamaria『El Pussy Cat』(1965年)ヴァージョンがオリジナルだと思います。ラテン・サウンド全開の演奏を楽しめます。ラテン・ヴァイヴ・ジャズがお好きな人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=ksegUpU_ezc
「In Crowd」
Billy Page作。Ramsey Lewis Trioヴァージョンでお馴染みの楽曲をカヴァー。当ブログではGregory Porterのカヴァーも紹介済みです。Ramsey Lewis Trioヴァージョンをラテン・ジャズ仕様にしたような仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=koDMrl0l_nA
The Afro Blues Quintet Plus Oneの他作品もチェックを!
『New Directions of the Afro Blues Quintet Plus One』(1966年)
『Guantanamera』(1966年)
『Discovery 3』(1967年)
『Afro Blues Today』(1970年)