2018年10月13日

The Afro Blues Quintet Plus One『The Afro Blues Quintet Plus One』

グルーヴィーなラテン・ソウル・ジャズ☆The Afro Blues Quintet Plus One『The Afro Blues Quintet Plus One』
Introducing the Afro Blues Quintet Plus One
発表年:1965年
ez的ジャンル:グルーヴィー系ラテン・ソウル・ジャズ
気分は... :プラス・ワン!

今回は60年代に活躍したグルーヴィーなラテン・ソウル・ジャズ・バンドThe Afro Blues Quintet Plus Oneのデビュー・アルバム『The Afro Blues Quintet Plus One』(1965年)です。

The Afro Blues Quintet Plus Oneは、ヴァイヴ奏者のJoe De Agueroが1963年に結成したラテン・ソウル・ジャズ・バンド。オリジナル・メンバーの中には、後の売れっ子ドラマーJim Keltnerもいました。

デビュー・アルバムとなる本作『The Afro Blues Quintet Plus One』(1965年)を皮切りに、『New Directions of the Afro Blues Quintet Plus One』(1966年)、『Guantanamera』(1966年)、『Discovery 3』(1967年)、『Afro Blues Today』(1970年)という合計5枚のアルバムをリリースしています。

本作『The Afro Blues Quintet Plus One』におけるメンバーは、Joe De Aguero(vibe)、Jack Fulks(as、fl)、Bill Henderson(p)、Norm Johnson(b)、Michael Davis(ds、timbales)、Moses Obligacion(congas)、

なお、アルバム・タイトルについて、『The Afro Blues Quintet Plus One』が1965年リリース時のオリジナル・タイトルですが、1966年リリース時のタイトルは『Introducing』となっています。

ソウル・ジャズとラテン・ジャズが絶妙にバランスしたグルーヴィー・サウンドが魅力です。特に、グルーヴィー・サウンドにヴァイヴやフルートが加わり、アクセントをつけているのが、このバンドの特徴といえるでしょう。

モッズ的な格好良さのある「Moses」、シングルにもなった「Liberation」Curtis Mayfield作品のカヴァー「Monkey Time」、Bacharachの名曲カヴァー「Walk On By」あたりが僕のおススメです。

ラテン・ジャズ好きのみならず、モッド・ジャズ/ノーザン・ソウル好きの人あたりも気に入る1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Moses」
Joe DeAguero作。モッズ的な格好良さのあるグルーヴィー・ジャズがオープニング。グルーヴィー・サウンドの中にヴァイヴのエレガントな音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=drj0kxMYZ-o

「Liberation」
Jack Fulks作。軽やかなフルートの音色と共にスタートするソウル・ジャズはシングルにもなりました。ハンド・クラップ入りのヒップな仕上がりはスウィンギン・ロンドン好きの人は気に入るはず!。
https://www.youtube.com/watch?v=kT5xYr0jRLM

「Monkey Time」
Curtis Mayfield作品のカヴァー(オリジナルはMajor Lance)。軽やかなヴァイヴの音色と共に躍動するダンサブル感にはノーザン・ソウル的な格好良さがあります。

「Summertime」
George Gershwin/Ira Gershwinの名曲をカヴァー。バラードのイメージが強いこのスタンダードをダンサブルなグルーヴィー・チューンへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=OKJN_VfXtd8

名曲「Summertime」に関して、当ブログではJohn ColtraneBig Brother & The Holding CompanyGabor SzaboDinah WashingtonEssra MohawkLambert, Hendricks & RossSheila Landis/Rick MatleFred JohnsonRosinha De ValencaStefania Ravaのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照下さい。

「Jerico」
黒人霊歌のカヴァー。R&Bフィーリングのグルーヴィー・ジャズ。ヴァイヴが加わると、R&Bフィーリングにラテン・ジャズな風味が加わり、味変するのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IjHeWSXoLwM ※音質悪いです

「Walk On By」
Dionne Warwickのヒットでお馴染みのBurt Bacharach/Hal David作品をカヴァー。ここでもモッドなグルーヴィー感とラテン・ジャズ・フィーリングのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=tYntWIx4eFM

名曲「Walk On By」に関して、当ブログではDionne Warwickヴァージョン以外に、Cal TjaderAverage White BandGloria GaynorThe Four King CousinsThe CarnivalPucho & The Latin Soul BrothersGimmicksChristopher ScottRobin McKelle & The FlytonesEnoch LightGabor Szaboのカヴァーを紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。

「Together」
Hubert Laws作。多分、Mongo Santamaria『El Pussy Cat』(1965年)ヴァージョンがオリジナルだと思います。ラテン・サウンド全開の演奏を楽しめます。ラテン・ヴァイヴ・ジャズがお好きな人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=ksegUpU_ezc

「In Crowd」
Billy Page作。Ramsey Lewis Trioヴァージョンでお馴染みの楽曲をカヴァー。当ブログではGregory Porterのカヴァーも紹介済みです。Ramsey Lewis Trioヴァージョンをラテン・ジャズ仕様にしたような仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=koDMrl0l_nA

The Afro Blues Quintet Plus Oneの他作品もチェックを!

『New Directions of the Afro Blues Quintet Plus One』(1966年)
New Directions of the Afro Blues Quintet Plus One

『Guantanamera』(1966年)
Guantanamera

『Discovery 3』(1967年)
Discovery 3

『Afro Blues Today』(1970年)
Afro Blues Today
posted by ez at 02:46| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月12日

Thelma Houston『Any Way You Like It』

キャリア最大のヒット曲「Don't Leave Me This Way」収録☆Thelma Houston『Any Way You Like It』
エニイ・ウェイ・ユー・ライク・イット
発表年:1976年
ez的ジャンル:モータウン系アーバン・ディスコ
気分は... :ティンカリング!

今回は70〜80年代に活躍した女性ソウル・シンガーThelma Houston『Any Way You Like It』(1976年)です。

1946年ミシシッピ生まれの女性ソウル・シンガー/女優であるThelma Houstonの紹介は、『Ride To The Rainbow』(1979年)、『The Devil In Me』(1977年)に続き3回目となります。

本作『Any Way You Like It』(1976年)といえば、Thelmaの人気を決定付けたは全米チャート/同R&BチャートNo.1シングル「Don't Leave Me This Way」が収録されたアルバムです。Tamla(Motown)からのリリースです。

大ヒットしたダンス・クラシック「Don't Leave Me This Way」をはじめ、オリジナルLPのA面はディスコ路線のダンス・チューンがズラリと並び、B面はバラードが占めるという構成です。

Michael L. SmithHal DavisMichael B. SuttonHarold JohnsonJoe PorterClayton Ivey/Terry Woodfordがプロデューサーに起用されています。

アルバムのハイライトは「Any Way You Like It」「Don't Leave Me This Way」「Don't Know Why I Love You」という冒頭からのダンス・チューン3連発になります。

それ以外のバラード系も悪くありません。特に「Come To Me」「Don't Make Me Pay (For Another Girl's Mistake)」「Sharing Something Perfect Between Ourselves」がおススメです。

まずは永遠のダンス・クラシック「Don't Leave Me This Way」を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Any Way You Like It」
Michael L. Smith/Thelma Houston/Anthony D. Jones作。Michael L. Smithプロデュース。USダンス・チャート第1位となったダンス・ヒットがオープニング。ファンキー・ホーンと共にThelmaのヴォーカルが弾けます。後半はスペイシーなシンセの音色も目立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=rsD3f3F-hW0

「Don't Leave Me This Way」
Harold Melvin & the Blue Notesのカヴァー(Carry Gilbert/Kenny Gamble/Leon Huff作)。Hal Davisプロデュース。前述のように全米チャート、同R&Bチャート共にNo.1となった彼女のキャリア最大のヒット曲。ダンス・クラシックの風格たっぷりの仕上がりです。十分にためてから一気にスパークして躍動する感じがいいですね。
Harold Melvin & the Blue Notesのオリジナルはアルバム『Wake Up Everybody』(1975年)に収録されています。本ヴァージョンのヒットを受けて、オリジナルも1977年にシングル化されています。
https://www.youtube.com/watch?v=yioNn7XS-bw

UKシングル・チャートNo.1となったThe Communardsのカヴァーが有名ですね。それ以外にDami Im、B Darlings等がカヴァーしています。また、GZA「Labels」、Killah Priest feat. Hell Razah and 60 Second Assassin「Tai Chi」、KDD「Resurrection」、Friendsheap「Shady Lady」、Tone Spliff feat. Braille「Heartfelt」、FkJ「Lying Together」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Communards「Don't Leave Me This Way」
 https://www.youtube.com/watch?v=1RHBAd5YUR8
GZA「Labels」
 https://www.youtube.com/watch?v=GP7MBdw-14E
Killah Priest feat. Hell Razah and 60 Second Assassin「Tai Chi」
 https://www.youtube.com/watch?v=lQrsvXb49_k
KDD「Resurrection」
 https://www.youtube.com/watch?v=Dz8lF4z_fLc
Friendsheap「Shady Lady」
 https://www.youtube.com/watch?v=f4M-X83quwA
Tone Spliff feat. Braille「Heartfelt」
 https://www.youtube.com/watch?v=_eE2sQRw4jk
FkJ「Lying Together」
 https://www.youtube.com/watch?v=BqaKBslbvZI

「Don't Know Why I Love You」
Stevie Wonder、1969年のシングル曲をカヴァー(Don Hunter/Lula Hardaway/Paul Riser/Stevie Wonder作)。Michael L. Smithプロデュース。ドラマティックなストリングスを配した哀愁のディスコ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=PYcKrW_9hMw

The Game feat. Chris Brown & Lil Wayne「F.I.V.E.」、The Last Emperor「Some Love, Some Hate」、O.C.「Challenge Y'all」、Maino「Til I Die」、Joe Budden「Now I Lay」、Slaughterhouse「Not Tonight」、Familia HP feat. Masta Ace「Born in New York」、Soulkast feat. Onyx & Brahi「Ready for War」、Revolution of the Mind「Ain't Seen Me Since」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Game feat. Chris Brown & Lil Wayne「F.I.V.E.」
 https://www.youtube.com/watch?v=WmyXusMvNF4
O.C.「Challenge Y'all」
 https://www.youtube.com/watch?v=Pio-i5j6lKw
Joe Budden「Now I Lay」
 https://www.youtube.com/watch?v=-2qHTesNvpU
Slaughterhouse「Not Tonight」
 https://www.youtube.com/watch?v=3R8QgbqNJxQ
Familia HP feat. Masta Ace「Born in New York」
 https://www.youtube.com/watch?v=2OcvXrwDSVo
Revolution of the Mind「Ain't Seen Me Since」
 https://www.youtube.com/watch?v=SS5iJgGhgEU

「Come To Me」
Don Daniels/Jermaine Jackson/Kathy Wakefield作。
Hal Davis/Michael B. Suttonプロデュース。メロウ・バラードを透明感のあるヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=CeIyx7lirfQ

The Diplomats「Juelz Santana the Great」、Rapper Big Pooh feat. Spectac & O-Dash「Live Life」のサンプリング・ソースとなっています。
The Diplomats「Juelz Santana the Great」
 https://www.youtube.com/watch?v=eWxIXqE8UkY

「Don't Make Me Pay (For Another Girl's Mistake)」
Michael L. Smith作&プロデュース。伸びやかな声で切々と歌い上げるバラード。彼女の素直なヴォーカルが実にハマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-p0x7ch2PEo

Daniel Swain「Pay the Price」のサンプリング・ソースとなっています。
Daniel Swain「Pay the Price」
 https://www.youtube.com/watch?v=hgj8adcKSns

「Sharing Something Perfect Between Ourselves」
Andrew Porter/Harold Johnson作。Harold Johnsonプロデュース。アレンジも含めてHarold Johnsonの手腕の光るビューティフル・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ifw2_GDq9yM

Main Flow「Where I'm From」のサンプリング・ソースとなっています。
Main Flow「Where I'm From」
 https://www.youtube.com/watch?v=f7RonfjMdm0

「If It's The Last Thing I Do」
Sammy Cahn/Saul Chaplin作。Joe Porterプロデュース。シングルとして全米R&Bチャート第12位となっています。ポップ・ソウル風味の小粋なメロウ・バラード。アレンジャーはPaul Riser。
https://www.youtube.com/watch?v=3OYVX-1wy1M

「Differently」
Ralph Graham作。Clayton Ivey/Terry Woodfordプロデュース。ラストも感動的なヴォーカルで歌い上げるバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bLye78834AE

Thelma Houstonの他作品もチェックを!

『Sunshower』(1969年)
Sunshower

Thelma Houston & Pressure Cooker『I've Got The Music In Me』(1975年)
I've Got the Music in Me

『The Devil In Me』(1977年)
ザ・デヴィル・イン・ミー

Thelma Houston & Jerry Butler『Thelma & Jerry/Two to One』(1977/1978年) ※2in1CD
Thelma & Jerry/Two to One

『Ride To The Rainbow』(1979年)
ライド・トゥ・ザ・レインボウ

『Breakwater Cat/Never Gonna Be Another One』(1980/1981年) ※2in1CD
BREAKWATER CAT + NEVER GONNA BE ANOTHER ONE
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2018年10月11日

idea6『Stepp in' Out』

イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"プロジェクトの第2弾☆idea6『Stepp in' Out』
Steppin Out
発表年:2007年
ez的ジャンル:イタリアン・ジャズ・ルネッサンス
気分は... :いぶし銀!

今回は"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"プロジェクトidea6の第2弾アルバム『Steppin' Out』(2007年)です。

イタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiが"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"を目指し、結集したプロジェクトidea6の紹介は、第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)です。

第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)は、Gianni BassoDino Pianaというイタリアン・ジャズの至宝とも呼べるの大ベテラン2人が参加して話題となりました。

第2弾となる本作『Steppin' Out』(2007年)にもイタリアン・ジャズの至宝2人が参加しています。本作におけるメンバーはGianni Basso(ts)、Dino Piana(tb)、Guido Pistocchi(tp)、Andrea Pozza(p)、Riccardo Fioravanti(b)、Stefano Bagnoli(ds)という6名。

前作『Metropoli』からベースがLuciano MilaneseからRiccardo Fioravantiへ変更となっています。

さらに6名に加え、Francesca Sortino(vo)、Annibale Modoni(vibe)が参加しています。

ヴォーカル曲が加わったことで、全体として聴きやすくなったのでは?
アフロ・キューバン調の演奏が多いのも僕好みです。

帝王Miles作品のヴォーカル入りカヴァー「Tune Up」、"ちょいワルおやじ"的格好良さがある「Mr. G. B.」
Basso、Piana、Pistocchiの3管によるアンサンブル、ソロを楽しめる「Steppin' Out」、アフロ・キューバン調の3曲「O. M. Blues」「Tempura 4/4」「Dance Of The Crickets」、疾走感が格好良い「Junior Is Back!」が僕のおススメです。

"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"の小粋な演奏を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Tune Up」
Miles Davis/Terry Crosara作。オープニングは帝王Milesの作品をカヴァー。Miles本人のヴァージョンは『Cookin'』(1956年)等に収録されています。ここではFrancesca Sortinoのヴォーカルをフィーチャーし、品格の中に小粋なセンスを織り交ぜた"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"に相応しい演奏を聴かせてくれます。Basso、Piana、Pistocchiの3管のコンパクトなソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=t3zQ2DLFn_I

「Mr. G. B.」
Fulvio Albano/Gianni Basso作。Riccardo Fioravantiのベースが牽引する、伊達男の国のジャズらしい"ちょいワルおやじ"的格好良さがある演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=IHIty3HxyTc

「Steppin' Out」
Renato Pistocchi作。タイトル曲はBasso、Piana、Pistocchiの3管による素晴らしいアンサンブル、ソロを楽しめます。ヨーロピアン・ジャズならではの優雅さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=uuBD9Ag56C0

「Bell's (I'll Be Waiting)」
Angela Josephine Corti/Renato Pistocchi作。Francesca SortinoのヴォーカルとAnnibale Modoniのヴァイヴをフィーチャー。ここでのメンバーはバッキングに徹し、SortinoのヴォーカルとModoniのヴァイヴを引き立てます。Andrea Pozzaの小粋なピアノもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=YIe3vnj8T1I

「O. M. Blues」
Franco Piana作。クラブジャズ好きも気に入りそうなアフロ・キューバン調の演奏です。メンバー達が演奏を楽しんでいる感じが伝わってきていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DRI2II3Q75k

「Tempura 4/4」
Franco Piana作。この曲もアフロ・キューバン調。古き良きイタリアン・ジャズを2007年仕様にアップデートさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Usnpo9t3Dd4

「Dance Of The Crickets」
Andrea Pozza作。作者Pozzaのピアノを中心にエレガントな演奏で魅せてくれます。Stefano Bagnoliのドラム・ソロも聴きものです。
https://www.youtube.com/watch?v=htm0-4W8P7Q

「Junior Is Back!」
Franco Ambrosetti作。クラブジャズも喜びそうな疾走感にグッとくる演奏です。3管がそれぞれ味のあるソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MfmMdYgdZ58

「Taboo」
キューバ人女性シンガー/ソングライターMargarita Lecuonaの名曲「Tabu」をカヴァー。Annibale Modoniのヴァイヴも加わっています。アフロ・キューバン調ですが、エキゾチックな魅力のある演奏を聴かせています。特にGuido Pistocchiのミュートが印象的です。

「It Ain't Necessarily So」
George Gershwin/Ira Gershwin作。オペラ『Porgy and Bess』の中の1曲をカヴァー。当ブログではThe Quartette Tres BienBrother Jack McDuffのカヴァーも紹介済みです。ラストはFrancesca Sortinoのヴォーカルをフィーチャーした哀愁バラードで締め括ってくれます。艶めかしいSortinoのヴォーカルをPozzaらのピアノ・トリオが好バッキングで引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=u4eDq_bs_ik

CDには上記CDに加え、DVDが付いています。
収録内容は下記の通りです。
「Intro & Interviews By Franco Fayenz To: Gianni Basso, Dino Piana, Guido Pistocchi」
「Tune Up (Video Clip)」
「Mr. G. B. (Video Clip)」
「Bell's (Video Clip)」

このプロジェクトで改めて存在感を示してくれたGianni Bassoは惜しくも2009年に他界しています。

未聴の方は第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)もチェックを!

『Metropoli』(2005年)
Metropoli

ご興味がある方はGianni BassoDino Pianaの両名が参加している下記アルバムの過去記事もチェックを!

Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
Plus Dino Piana

Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソヴァルダンブリーニセクステット
posted by ez at 03:05| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月10日

Somethin' For The People『Somethin' For The People』

プロデュース・チームとしても活躍した男性R&Bグループのデビュー作☆Somethin' For The People『Somethin' For The People』
Somethin for the People
発表年:1993年
ez的ジャンル:ヒップ・ホップ・ソウル系男性R&Bグループ
気分は... :Lean on Me!

今回はプロデュース・チームとしても活躍した男性R&BグループSomethin' For The Peopleのデビュー・アルバム『Somethin' For The People』(1993年)です。

Somethin' For The Peopleは、Curtis "Sauce" WilsonJeff "Fuzzy" YoungRochad "Cat Daddy" Holidayの3名がL.A.で結成したR&Bグループ。

『Somethin' For The People』(1993年)、『This Time It's Personal』(1997年)、『Issues』(2000年)という3枚のアルバムをリリースし、2ndアルバム『This Time It's Personal』(1997年)からは全米チャート第4位、同R&Bチャート第2位のヒット・シングル「My Love Is the Shhh!」が生まれています。

また、プロデュース・チームとしても活躍し、Brandy等の大物アーティストの作品も手掛けています。当ブログで紹介した作品でいえば、以下の5枚に彼らのプロデュース曲が収録されています。

 Four Sure『We Can Swing It』(1993年)
 II D Extreme『II D Extreme』(1993年)
 Vybe『Vybe』(1995年)
 Phajja『Seize The Moment』(1997年)
 Eric Benet『A Day In The Life』(1999年)

さて、デビュー・アルバムとなる本作『Somethin' For The People』ですが、1993年にCapitolからリリースされた後、1995年に Warner Bros.から再リリースされています。再リリース後にシングル・リリースもされているので、実質的には1995年リリースと言った方がいいのかもしれませんが。

1曲を除き、プロデュースはSomethin' For The People自身(共同プロデュース含む)。

この時代らしいヒップ・ホップ・ソウルと声質の良いヴォーカルを活かした雰囲気のあるバラードが印象的な作品です。

個人的なおススメは、故Roger Troutmanのトークボックスをフィーチャーした「You Don't Have To Be Alone」、女性R&BシンガーAdina Howardをフィーチャー。映画『A Thin Line Between Love And Love』(1996年)のサントラにも収録された「Damned If I Do」Tom Tom Club「Genius of Love」をサンプリングした「Take It Easy」、アーバンでクールなダンサブル・チューン「Don't Wanna Break Your Heart」The Time「Gigolos Get Lonely Too」をサンプリングした「Can You Feel Me」あたり。

プロダクション&ヴォーカルの両面で彼らの魅力を実感できる佳作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You Want This Party Started」
再リリース後にシングル・カットされ、R&Bチャート第27位となったオープニング。この時代らしい軽快なヒップ・ホップ・ソウルに仕上がっています。スクラッチやラガ調ヴォーカルがいいアクセントになっています。Bob James「Look-Alike」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=wi7QLM-8bUE

「With You」
この曲も再リリース後にシングル・カットされ、R&Bチャート第34位となっています。Fuzzyがリード・ヴォーカルをとるミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=noNGQLW16bU

「Don't Wanna Break Your Heart」
僕好みのアーバンでクールなダンサブル・チューン。プロデュース・チームとしての彼らの才を実感できます。Mad Lion「Take It Easyby」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=LEL2xAPG5RQ

「Can You Feel Me」
爽快なヴォーカル・ワークも楽しめるキャッチーなミディアム・グルーヴ。この曲も再リリース後にシングル・カットされています。The Time「Gigolos Get Lonely Too」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=fm_WbHxLIN8

「Damned If I Do」
彼らがプロデュースした女性R&BシンガーAdina Howardをフィーチャー。映画『A Thin Line Between Love And Love』(1996年)のサントラにも収録された楽曲です。Adina HowardとFuzzyの妖しげなヴォーカルが映えるセクシー・モードのミディアム・グルーヴに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=RU-sQTaZ9K4

「Make It Happen」
セクシー・モードのミディアム・バラード。Fuzzyの声質の良いヴォーカルおよびヴォーカル・ワークがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aEQNphDotjY

「Take It Easy」
この曲のみBrian Alexander Morganプロデュース。Tom Tom Club「Genius of Love」をサンプリングした僕好みのメロディアスなミディアム・グルーヴに仕上がっています。Joyce Wrice「Take It Easy」のサンプリング・ソースにもなっています
https://www.youtube.com/watch?v=ooIDa3idoBs

「You Don't Have To Be Alone」
大物Roger Troutmanのトークボックス&ギターをフィーチャー。Roger印100%のトークボックスと自分たちの音世界をスムーズに融合させたスロウ・チューン。Zapp「Computer Love」好きの人であれば気に入ると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=PPY8IVnZfTA

「Waiting」
アコギをバックに歌い上げるビューティフル・バラード。他の曲にはないオーガニックな味わいがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JYfUaSnO97s

「There I Go」
George Benson「Moody's Mood」のフレーズと共に始まるミディアム・バラード。センスだけで1曲聴かせてしまう感じがいいですね。途中と終盤にJermaine Jackson「Do What You Do」のフレーズも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=qrDFFqubLVs

「She's The Kinda Girl」
Al Green「I'm Glad You're Mine」をサンプリングしたレトロ・ソウルな雰囲気の中で、ヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QR2hIevgSIA

「Still The Man」
The Wes Montgomery Trio‎作「'Round Midnight」 をサンプリングしたジャジー・ムードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=b3qdm3dvSus

「Hood Thang」
何気ないヒップ・ホップ・ソウルですが、ヒップ・ホップ・ソウルというフォーマットを自分たちのものにしていることがよく分かる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=sYYBsWvwrvk

「And I Don't Stop」
歌唱力というより、(歌が下手なわけではないが)雰囲気で聴かせてしまう彼らのセンスが反映されているバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=J033imVgiJ0

「On My Mind」
アコギを配したオーセンティックなビューティフル・バラード。素晴らしいですが、正攻法すぎて少し面白みに欠けるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=gGeWKlTokIg

「You Know What Would Be A Trip」
ラストは意表を突いたカントリー・ソウル調で締め括ってくれます。Iron Butterfly「Get Out of My Life, Woman」ネタのドラム・ループが印象的です。

Somethin' For The Peopleの他作品もチェックを!

『This Time It's Personal』(1997年)
This Time It's Personal

『Issues』(2000年)
Issues
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2018年10月09日

Jesse Ed Davis『Ululu』

スワンプ・ロック名盤の誉れが高い1枚☆Jesse Ed Davis『Ululu』
ウルル
発表年:1972年
ez的ジャンル:ネイティヴ・アメリカン系スワンプ・ロック
気分は... :ウルル!

スワンプ・ロックを代表するギタリストJesse Ed Davisの2ndアルバム『Ululu』(1972年)です。

コマンチ族の父とキオワ族の母を持つネイティヴ・アメリカンのギタリストJesse Ed Davis(1944-1988年)の紹介は、1stアルバム『Jesse Davis』(1970年)に続き2回目となります。

『Ululu』(1972年)は既にエントリー済みだと思い込んでいたのですが、少し前に紹介したLeon Russell『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)の記事を書いている時に、未紹介であることに気づき、今回取り上げることにしました。

本作『Ululu』(1972年)は、Jesse Davisの代表作であり、スワンプ・ロック名盤の誉れが高い1枚です。

プロデュースはJesse DavisAlbhy Galuten

レコーディングにはJesse Davis(g、vo)以下、Donald "Duck" Dunn(b)、Jim Keltner(ds)、Dr. John(Mac Rebennack)(p、org)、Leon Russell(p)、 Arnold Rosenthal(b)、Stan Szeleste(p)、Albhy Galuten(p)、Billy Rich(b)、Larry Knechtel(org)、The Charles Chalmers Singers*(back vo)、Merry Clayton(back vo)、Clydie King(back vo)、Vanetta Fields(back vo)、Chuck Kirkpatrick(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

決して派手さのあるアルバムではありませんが、聴き重ねるほどに味のあるスワンプ・サウンドに魅了されるはずです。

アルバムはオリジナルとカヴァーが半々。カヴァーではTaj Mahalとの共作曲のセルフ・カヴァー「Farther On Down The Road (You Will Accompany Me)」、George Harrisonの「Sue Me, Sue You Blues」The Band「Strawberry Wine」Leon Russell「Alcatraz」に注目です。

オリジナルでは土臭い重厚なグルーヴを楽しめる「Red Dirt Boogie, Brother」Leon Russellのピアノが先導するバラード「My Captain」、演奏する喜びが伝わってくるスワンピー「Make A Joyful Noise」あたりがおススメです。

秋の夜長に似合うスワンプ作品なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Red Dirt Boogie, Brother」
Jesse Davis作。ダークなアーシー・サウンドのオープニング。本作らしい土臭く重厚なグルーヴを楽しめます。格好良いギター・ソロが良いのは勿論のこと、ぶっきらぼうなJesseのヴォーカルにも惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gjODwM-lj2M

「White Line Fever」
Merle Haggard作。オリジナルはMerle Haggard & The Strangers『Okie From Muskogee』(1969年)に収録されています。ソウルフルな女性コーラス隊も加わり、全体的に軽快なノリのスワンプ・サウンドを楽しめます。Jesseのギター・ソロも実に雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=jRjBtxSqzKU

「Farther On Down The Road (You Will Accompany Me)」
Jesse Davis/Taj Mahal作。Jesseも参加したTaj Mahal『Giant Step/De Ole Folks At Home』(1969年)収録曲のセルフ・カヴァー。Taj Mahal『Music Keeps Me Together』(1975年)でも再演しています。ここではホーン隊も加わったビターなアーシー・サウンドがいい味出しています。

「Sue Me, Sue You Blues」
George Harrison作品を取り上げています。George本人のヴァージョンは『Living In The Material World』(1973年)に収録されています。味のあるギター・ソロも堪能できる激シブなスワンピー・ブルースに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7_iJKjJj6wo

「My Captain」
Jesse Davis作。Leon Russellのピアノが先導するアーシーなバラード。Leon Russell好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=yc48-Df_i-E

「Ululu」
Jesse Davis作。タイトル曲はJesse流ラブソング。アーシーな中にもメロウな味わいがあります。Jesseのヘタウマ・ヴォーカルがリアルな感じでいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=UIOy0sq9is4

「Oh! Susannah」
日本人もお馴染みの歌曲「おおスザンナ」(Stephen Foster作)をカヴァー。「おおスザンナ」をスワンプ・ロックに変貌させる手腕はお見事!
https://www.youtube.com/watch?v=jRjBtxSqzKU

「Strawberry Wine」
The Band作品(Levon Helm/Robbie Robertson作)をカヴァー。The Bandのオリジナルは『Stage Fright』(1970年)に収録されています。さり気ないですが、テンポを落としたユルい雰囲気のアーシー・サウンドがモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=-PaXBlPb0qg

「Make A Joyful Noise」
Jesse Davis作。タイトルの通り、演奏することの喜びが伝わってくるスワンプ・チューン。緩急のアクセントも心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=R1sZhP1_pQo

「Alcatraz」
ラストはLeon Russellのカヴァー。オリジナルは少し前に紹介した『Leon Russell And The Shelter People』(1971年)に収録されています。Eric Claptonのギターが炸裂するDerek & The Dominos的な演奏が印象的であったLeonのオリジナルと比較すると地味ですが、抑えたトーンの「Alcatraz」を楽しめます。

Jesse Ed Davisの他作品もチェックを!

『Jesse Davis』(1970年)
ジェシ・デイヴィスの世界

『Keep Me Comin'』(1973年)
キープ・ミー・カミン(期間生産限定盤)
posted by ez at 03:07| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする