2018年10月02日

Scherrie & Susaye『Partners』

最後のThe Supremesメンバー2人による女性ソウル・デュオ☆Scherrie & Susaye『Partners』
パートナーズ
発表年:1979年
ez的ジャンル:女性ソウル・デュオ
気分は... :台風一過の後で・・・

昨日は台風の影響および月末処理の影響でバタバタと仕事に追われ、帰宅したらグッタリ状態・・・飯も食わずに寝ていました。いくつかの懸念材料をすべてプラスで潰すことができた安堵感も手伝い、一気に気が抜けたのかもしれません。

昼間、仕事で新宿に居ましたが、台風一過の眩しい日差しを浴びていたら、仕事を放り出して遊びに行きたい衝動を抑えるのに必死でした。最近はあまり出来ていませんが、個人事業主の特権で、平日の昼間に新宿や渋谷をプラプラしていることが無性に好きなので(笑)

今回は女性ソウル・デュオ作品からScherrie & Susaye『Partners』(1979年)です。

Scherrie & Susayeは、Scherrie PayneSusaye GreeneというThe Supremes最後のメンバーの2人が結成した女性ソウル・ユニット。

Scherrie Payneは、女性ソウル・シンガーFreda Payneの妹であり、Invictus所属の男女ソウル・グループGlass Houseのメンバーとしても活動していました。もう一人のSusaye Greeneは、Ray Charlesのバック・ヴォーカル・グループとしても知られるThe Raelettesのメンバーとしての活動経歴を持つ女性ソウル・シンガーであり、Michael Jacksonの名曲「I Can't Help It」の作者の1人(Stevie Wonderとの共作)として名を連ねるなどソングライターとしても活躍しています。

1977年、約16年の活動の歴史に幕を下ろした史上最強の女性ソウル・グループThe Supremes。そのラスト・スタジオ・アルバム『Mary, Scherrie & Susaye』(1976年)に参加していたScherrie PayneSusaye Greeneが、The Supremes解散後に組んだユニットがScherrie & Susaye

その唯一のアルバムがMotownからリリースされた本作『Partners』(1979年)です。

プロデュースはEugene Mcdaniels
※国内再発CDの帯にEugene RecordThe Chi-Lites)プロデュースと記載がありますが誤記です。

レコーディングにはAlan Silvestri(g)、Marlo Henderson(g)、Jeff Mironov(g)、Leon Pendarvis(el-p、p)、Randy Waldman(el-p、p)、Odell Brown(p、syn、clavinet、key)、Craig Hundley(syn)、Abraham Laboriel(b)、Ed Brown(b)、Steve Schaeffer(ds)、Paulinho Da Costa(per)、William Reichenbach(tb、as)、Gary Grant(tp、flh)、Jerry Hey(tp、flh)、Gary Herbig (ts)、Larry Williams(ts、as、fl)、Kim Hutchcroft (bs、ts)等のミュージシャンが参加しています。それ以外に大御所Ray Charlesも参加しています。

また、Eugene McdanielsBill ChamplinAllen L. Greene III Carmen TwillieJim GilstrapJoyce Vincent-WilsonKathy CollierRoy GallowayVenette Gloudがバック・コーラスで参加しています。

アルバム全体の印象としては、伸びやかなScherrie PayneのヴォーカルとSusaye Greeneのキュート・ヴォーカルが映えるディスコ・ソウル作品という印象です。

あまり話題になることが多くはない作品ですが、なかなかの佳作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Storybook Romance」
Scherrie Payne作。軽快なディスコ・ソウルがオープニング。Scherrieの伸びやかなヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=g5drUnnnJMA

「Your Sweet Love」
Susaye Greene作。Minnie Riperton/Linda Lewis系のSusayeのキュート・ヴォーカルが映えるメロウ・ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=7WywaxvOp0M

「Luvbug」
Susaye Greene作。Ray Charles参加曲。Susayeのコケティッシュ・ヴォーカルにRay Charlesのヴォイスが絡むミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=u7eR30YjK0o

「Leaving Me Was The Best Thing You've Ever Done」
Scherrie Payne作。シングルにもなったディスコ・ソウル。女性ソウル・デュオらしい華やかさがあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Wo-kLlwhKsY

「When The Day Comes Every Night」
Susaye Greene作。しっとりとしたオーセンティックなピアノ・バラード。正攻法すぎて少し面白みに欠けるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=hkswaOOcUt0

「In The Night」
Ed Brown/Susaye Greene作。AOR/フュージョン調のミディアム・ソウル。抑えたトーンながらも雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=htp6bY-9dRE

「I Found Another Love」
Scherrie Payne/Susaye Greene作。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。2人のヴォーカルが躍動するダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=6LEs0G8JOSE

「You've Been Good To Me」
Scherrie Payne作。バラード系ではコレが一番好き。透明感のあるヴォーカルが映える素敵なメロウ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=cXFrN0zcQ5o

「Another Life From Now」
Scherrie Payne作。ラストはオーセンティックなバラードで締め括ってくれます。

ご興味がある方はThe Supremes『Mary, Scherrie & Susaye』(1976年)

The Supremes『Mary, Scherrie & Susaye』(1976年)
Mary, Scherrie & Susaye
posted by ez at 03:30| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月01日

Djavan『Alumbramento』

Aldir Blanc、Chico Buarqueらと共作した意欲作☆Djavan『Alumbramento』
閃き~アルンブラメント
発表年:1980年
ez的ジャンル:MPB第二世代男性シンガー・ソングライター
気分は... :台風に振り回されて・・・

台風で雨風が騒がしい中、記事を書いています。
仕事にも影響が出ており、今日一日はバタバタになりそうです。

今回はブラジルの世界的シンガー・ソングライターDjavanの3rdアルバム『Alumbramento』(1980年)です。

1947年ブラジル北東部アラゴアス州マセイオ生まれの男性シンガー・ソングライターDjavanの紹介は、2ndアルバム『Djavan』(1978年)、デビュー・アルバム『A Voz, O Violao, A Musica De Djavan』(1976年)に続き3回目となります。

3rdアルバムとなる本作は、2nd『Djavan』(1978年)、4th『Seduzir』(1981年)と並び、Djavanというアーティストの個性を確立した作品だと思います。

プロデュースはMariozinho RochaEduardo Souto Neto

楽曲について、『A Voz, O Violao, A Musica De Djavan』(1976年)、『Djavan』(1978年)という過去2作は、すべて単独作であったのに対して、本作ではAldir BlancChico Buarqueらとの共作に取り組んでいるのが特徴です。

特にChico Buarqueとの共演・共作は、Djavanが主演、Chico Buarqueが音楽総監督を務めた映画『Para Viver Um Grande Amor』(1983年)の製作へとつながります。

詩人Aldir Blancと組んだ「Tem Boi Na Linha」「Aquele Um」Chico Buarqueと共演した「A Rosa」、同じくChico Buarqueとの共作によるタイトル曲「Alumbramento」、TVドラマ主題歌にもなった「Meu Bem Querer」、ミナスの詩人Cacasoとの共作「Lambada de Serpente」、憂いを帯びた歌声がよく似合うメロウ・バラード「Sim ou Nao」あたりがおススメです。

Aldir BlancChico Buarqueらとの共作で刺激を受けたDjavanが着実にステップアップしていることを実感できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Tem Boi Na Linha」
Djavan/Aldir Blanc/Paulo Emilio作。詩人Aldir Blancと組み、ラップで韻を踏むように言葉の語感が立っているのがいいですね。リズミックでコンテンポラリーなメロウ・サウンドとも調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=uF-cCB1zg_8

「Sim ou Nao」
Djavan作。Djavanらしいメロディのメロウ・バラード。Djavanの少し憂いを帯びた歌声がよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=3LOn0tNmX64

「Lambada de Serpente」
Djavan/Cacaso作。ミナスの詩人Cacasoとの共作。しみじみと語りかけるDjavanの歌声が胸に染み入る味わい深い仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=HWMYb2QyGng

「A Rosa」
Chico Buarque作。Chico Buarqueとの共演。二人の軽快な掛け合いが小気味いいリズミックなメロウ・グルーヴ。晴れやかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=esmXTklzgtA

「Dor e Prata」
Djavan作。オーケストレーションが醸し出す穏やかな雰囲気がいい感じの牧歌的な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=XOSod3j0uxI

「Meu Bem Querer」
Djavan作。当時のTVドラマ主題歌にもなった楽曲。感動的なビューティフル・バラードをしみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=CAD4vV2yEbw

Nujabes feat. Five Deez「Fly by Nightby」のサンプリング・ソースとなっています。
Nujabes feat. Five Deez「Fly by Nightby」
 https://www.youtube.com/watch?v=xT48S8y0_L0

「Aquele Um」
Djavan/Aldir Blanc作。再び詩人Aldir Blancとの共作。シンセ・サウンドも織り交ぜた軽快ポップ。適度にファンキーな感じもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ElxHVimSU2g

「Alumbramento」
Djavan/Chico Buarque作。Chico Buarqueとの共作2曲目。エレガントな中にも小粋なポップ・フィーリングが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=yQea7f1lE90

「Trite Baia de Guanabara」
Novelli/Cacaso作。エレガントなメロウネスが心地好い仕上がり。Djavanがソングライティングに関与していないのに、Djavanらしさを感じるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8VvoliZxk-8

「Sururu do Capote」
Djavan作。ラストはシンセの効いたライト・メロウなコンテンポラリー・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I_M1ZAmRRQY

Djavanの他作品をチェックを!

『A Voz, O Violao, A Musica De Djavan』(1976年)
ジャヴァン (BOM1103)

『Djavan』(1978年)
ジャヴァン&アルンブラメント(閃き)

『Seduzir』(1981年)
誘惑~セデュジール

『Luz』(1982年)
ルース

『Lilas』(1984年)
Lilas

『Meu Lado』(1986年)
Meu Lado

『Bird of Paradise』(1987年)
Bird of Paradise

『Djavan』(1989年)
Oceano

『Puzzle of Hearts』(1990年)
Puzzle of Hearts

『Coisa de Acender』(1992年)
Coisa De Acender

『Novena』(1994年)
Novena

『Ao Vivo』(1999年)
Djavan Ao Vivo
posted by ez at 00:51| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする