2018年10月07日

Ed Motta『Criterion Of The Senses』

再びAOR度を高めた待望の新作☆Ed Motta『Criterion Of The Senses』
クライテリオン・オブ・ザ・センシズ
発表年:2018年
ez的ジャンル:AOR系ブラジル男性シンガー
気分は... :コレを待っていました!

今回は新作ブラジルものからEd Motta『Criterion Of The Senses』です。

ブラジルNo.1ソウル・シンガーTim Maiaの甥であり、1971年リオ・デ・ジャネイロ生まれの巨漢男性シンガー・ソングライターEd Mottaの紹介は、前作『AOR』(2013年)、『Perpetual Gateways』(2016年)に続き3回目になります。

前々作『AOR』で、タイトル通り、AORフリークぶりを発揮し、AOR人気の高い日本で大絶賛されたEd Motta

前作『Perpetual Gateways』では、ジャズ的アプローチも交えたため、AOR度が少し後退した印象を受けましたが、本作『Criterion Of The Senses』では再びAOR度を高めた作品に仕上がっています。

プロデュース、アレンジ、ソングライティングはすべてEd Motta自身。

レコーディングにはEd Motta(vo、el-p、clavinet、syn、g、b、per、bongos)以下、Alma Thomas(vo)、Cidalia Castro(vo)、Paulo Cesar Barros(b)、Sergio Melo(ds)、Thiago Arruda(g)、Alexandre Carvalho(g)、Joao Castilho(g)、Vinicius Rosa(g)、Renato Fonseca(clavinet)、Glauton Campello(el-p、p)、Michel Limma(syn)、Ademir Junior(bcla)、Frank Colon(congas、per)等のミュージシャンが参加しています。

Alma Thomasは、当ブログでも以前にアルバム『Sub Entendido』(2006年)を取り上げたUS出身、ブラジルを拠点に活動する女性シンガーです。また、Thiago Arrudaは、日本でも人気のブラジル人プロデューサー/コンポーザー/マルチインストゥルメント奏者Lucas Arrudaの兄弟です。さらにPaulo Cesar Barrosは、Renato E Seus Blue Caps.の創設メンバーだったミュージシャンです。

ファンにとっては、Steely Dan/Donald Fagen調の「Lost Connection to Prague」「X1 in Test」に思わずニンマリするはずです。

また、AORフリークEd Mottaらしい「The Required Dress Code」を本作のハイライトに挙げる人も多いのでは?アルバムからのリード・トラックとなったディスコ・ブギー「Your Satisfaction Is Mine」も実にキャッチーです。

また、「Sweetest Berry」「Novice Never Noticed」といったアーバンなソウル/ファンクも僕好み。

『Perpetual Gateways』で少し消化不良気味であったファンも、スッキリした気分になる本編8曲だと思います。

アルバムの中身とは関係ありませんが、カマキリ/バッタ/コオロギ風のキャラが描かれているジャケをSteely Dan『Katy Lied』(1975年)やDonald Fagen『Kamakiriad』(1993年)に結び付けようとする某ライターや販売元の強引さには閉口してしまいました(笑)

AORフリークEd MottaらしいAOR作品をニンマリしながら楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Lost Connection to Prague」
Steely Dan調のメロディといい、Donald Fagen調のヴォーカルといい、思わずニンマリしてしまうオープニング。Thiago Arrudaのギター・ソロもJay Graydon調です。

「Sweetest Berry」
アーバン・メロウなソウル・チューン。リラックスした雰囲気のメロウ・サウンドが実に心地好いです。

「Novice Never Noticed」
クラヴィネットの効いたアーバンなメロウ・ファンク。Steely Danがアーバン・ファンクにアプローチしたら、こんな仕上がりになるのでは?

「The Required Dress Code」
AOR好きが求める都会的な爽快サウンドを見事に音にしてくれている1曲。Ed MottaのAOR/シティ・ポップ・フリークぶりを如何なく発揮した仕上がりです。

「X1 in Test」
Steely Danのアルバムに収録されていそうな仕上がり。一筋縄ではいかぬミステリアスな雰囲気がたまりません。

「The Tiki's Broken There」
Cidalia Castroとのデュエット。Ademir Juniorのバス・クラリネットがいいアクセントになっています。

「Your Satisfaction Is Mine」
アルバムのリード・トラック。Ed Motta流のディスコ・ブギー。ディスコ・ブギー×AORな雰囲気がEd Mottaらしくていいですね。Alma ThomasがEd Mottaと共にリード・ヴォーカルを務め、華やかな印象を与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M2YH2NQg7Y0

「Shoulder Pads」
本編ラストはポップ・ロック調で締め括ってくれます。80年代のUSチャートに入っていそうな(良い意味での)商業ロック的キャッチーさがあります。

国内盤には「Sweetest Berry (Alt Version Organ)」「Sweetest Berry (Alt Version Piano Solo)」「Novice Never Noticed (Alt Solo) 」「X1 in Test (Alt Take 2) 」「The Tiki’s Broken There (Alt Take)」「Your Satisfaction Is Mine (Instrumental Version)」の6曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。正直、あまり必然性を感じないボートラですが。

ご興味がある方はEd Mottaの他作品もチェックを!

『Manual Prático Para Festas, Bailes e Afins Vol.1』(1997年)
パーティ・マニュアル(1)

『As Segundas Intenções do Manual Prático....』(2000年)
As Segundas Intencoes Do Manue

『Dwitza』(2002年)
Dwitza

『Poptical 』(2003年)
ポップティカル

『Aystelum』(2005年)
Aystelum

『Chapter 9』(2008年)
Chapter 9

『Piquenique』(2009年)
Piquenique

『AOR』(2013年)
AOR

『Perpetual Gateways』(2016年)
Perpetual Gateways
posted by ez at 02:30| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする