発表年:1993年
ez的ジャンル:ヒップ・ホップ・ソウル系男性R&Bグループ
気分は... :Lean on Me!
今回はプロデュース・チームとしても活躍した男性R&BグループSomethin' For The Peopleのデビュー・アルバム『Somethin' For The People』(1993年)です。
Somethin' For The Peopleは、Curtis "Sauce" Wilson、Jeff "Fuzzy" Young、Rochad "Cat Daddy" Holidayの3名がL.A.で結成したR&Bグループ。
『Somethin' For The People』(1993年)、『This Time It's Personal』(1997年)、『Issues』(2000年)という3枚のアルバムをリリースし、2ndアルバム『This Time It's Personal』(1997年)からは全米チャート第4位、同R&Bチャート第2位のヒット・シングル「My Love Is the Shhh!」が生まれています。
また、プロデュース・チームとしても活躍し、Brandy等の大物アーティストの作品も手掛けています。当ブログで紹介した作品でいえば、以下の5枚に彼らのプロデュース曲が収録されています。
Four Sure『We Can Swing It』(1993年)
II D Extreme『II D Extreme』(1993年)
Vybe『Vybe』(1995年)
Phajja『Seize The Moment』(1997年)
Eric Benet『A Day In The Life』(1999年)
さて、デビュー・アルバムとなる本作『Somethin' For The People』ですが、1993年にCapitolからリリースされた後、1995年に Warner Bros.から再リリースされています。再リリース後にシングル・リリースもされているので、実質的には1995年リリースと言った方がいいのかもしれませんが。
1曲を除き、プロデュースはSomethin' For The People自身(共同プロデュース含む)。
この時代らしいヒップ・ホップ・ソウルと声質の良いヴォーカルを活かした雰囲気のあるバラードが印象的な作品です。
個人的なおススメは、故Roger Troutmanのトークボックスをフィーチャーした「You Don't Have To Be Alone」、女性R&BシンガーAdina Howardをフィーチャー。映画『A Thin Line Between Love And Love』(1996年)のサントラにも収録された「Damned If I Do」、Tom Tom Club「Genius of Love」をサンプリングした「Take It Easy」、アーバンでクールなダンサブル・チューン「Don't Wanna Break Your Heart」、The Time「Gigolos Get Lonely Too」をサンプリングした「Can You Feel Me」あたり。
プロダクション&ヴォーカルの両面で彼らの魅力を実感できる佳作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「You Want This Party Started」
再リリース後にシングル・カットされ、R&Bチャート第27位となったオープニング。この時代らしい軽快なヒップ・ホップ・ソウルに仕上がっています。スクラッチやラガ調ヴォーカルがいいアクセントになっています。Bob James「Look-Alike」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=wi7QLM-8bUE
「With You」
この曲も再リリース後にシングル・カットされ、R&Bチャート第34位となっています。Fuzzyがリード・ヴォーカルをとるミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=noNGQLW16bU
「Don't Wanna Break Your Heart」
僕好みのアーバンでクールなダンサブル・チューン。プロデュース・チームとしての彼らの才を実感できます。Mad Lion「Take It Easyby」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=LEL2xAPG5RQ
「Can You Feel Me」
爽快なヴォーカル・ワークも楽しめるキャッチーなミディアム・グルーヴ。この曲も再リリース後にシングル・カットされています。The Time「Gigolos Get Lonely Too」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=fm_WbHxLIN8
「Damned If I Do」
彼らがプロデュースした女性R&BシンガーAdina Howardをフィーチャー。映画『A Thin Line Between Love And Love』(1996年)のサントラにも収録された楽曲です。Adina HowardとFuzzyの妖しげなヴォーカルが映えるセクシー・モードのミディアム・グルーヴに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=RU-sQTaZ9K4
「Make It Happen」
セクシー・モードのミディアム・バラード。Fuzzyの声質の良いヴォーカルおよびヴォーカル・ワークがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aEQNphDotjY
「Take It Easy」
この曲のみBrian Alexander Morganプロデュース。Tom Tom Club「Genius of Love」をサンプリングした僕好みのメロディアスなミディアム・グルーヴに仕上がっています。Joyce Wrice「Take It Easy」のサンプリング・ソースにもなっています
https://www.youtube.com/watch?v=ooIDa3idoBs
「You Don't Have To Be Alone」
大物Roger Troutmanのトークボックス&ギターをフィーチャー。Roger印100%のトークボックスと自分たちの音世界をスムーズに融合させたスロウ・チューン。Zapp「Computer Love」好きの人であれば気に入ると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=PPY8IVnZfTA
「Waiting」
アコギをバックに歌い上げるビューティフル・バラード。他の曲にはないオーガニックな味わいがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JYfUaSnO97s
「There I Go」
George Benson「Moody's Mood」のフレーズと共に始まるミディアム・バラード。センスだけで1曲聴かせてしまう感じがいいですね。途中と終盤にJermaine Jackson「Do What You Do」のフレーズも挿入されています。
https://www.youtube.com/watch?v=qrDFFqubLVs
「She's The Kinda Girl」
Al Green「I'm Glad You're Mine」をサンプリングしたレトロ・ソウルな雰囲気の中で、ヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QR2hIevgSIA
「Still The Man」
The Wes Montgomery Trio作「'Round Midnight」 をサンプリングしたジャジー・ムードのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=b3qdm3dvSus
「Hood Thang」
何気ないヒップ・ホップ・ソウルですが、ヒップ・ホップ・ソウルというフォーマットを自分たちのものにしていることがよく分かる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=sYYBsWvwrvk
「And I Don't Stop」
歌唱力というより、(歌が下手なわけではないが)雰囲気で聴かせてしまう彼らのセンスが反映されているバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=J033imVgiJ0
「On My Mind」
アコギを配したオーセンティックなビューティフル・バラード。素晴らしいですが、正攻法すぎて少し面白みに欠けるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=gGeWKlTokIg
「You Know What Would Be A Trip」
ラストは意表を突いたカントリー・ソウル調で締め括ってくれます。Iron Butterfly「Get Out of My Life, Woman」ネタのドラム・ループが印象的です。
Somethin' For The Peopleの他作品もチェックを!
『This Time It's Personal』(1997年)
『Issues』(2000年)