録音年:1959年
ez的ジャンル:ウエスト・コースト系ビッグ・バンド・ジャズ
気分は... :歴史が動いた・・・
今回は久々に1950年代カテゴリー作品からMarty Paich Big Band『The Broadway Bit』(1959年)です。
前回の1950年代カテゴリーのエントリーLambert, Hendricks & Ross『The Hottest New Group In Jazz』(1959年)が2011年12月03日だったので、約7年ぶりの1950年代作品の紹介となります。
Marty Paich(1925-1995)はカリフォルニア州オークランド出身のジャズ・ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー/バンド・リーダー。名アレンジャーとしてお馴染みですね。TotoのDavid Paichの父親としても知られていますね。
そんなMarty Paichのリーダー作で人気なのが、今回紹介する『The Broadway Bit』(通称:『踊り子』)と『I Get a Boot Out of You』(通称:『お風呂』)の2枚です。
『I Get a Boot Out of You』(1959年)
今回どちらを取り上げるか迷いましたが、ジャケの気分で『踊り子』をセレクト。
レコーディング・メンバーはMarty Paich(p)、Frank Beach(tp)、Stu Williamson(tp)、Bob Enevoldsen(tb、ts)、George Roberts(tb)、Art Pepper(as)、Bill Perkins(ts)、Jimmy Giuffre(bs、clarinet)、Vincent DeRosa(french horn)、Victor Feldman(vibe)、Scott LaFaro(b)、Mel Lewis(ds)といったウエスト・コーストのジャズ・ミュージシャンの面々が名を連ねます。
Art PepperやBill Evans Trioでもお馴染みのScott LaFaroの参加が目を引きます。
楽曲はすべてスタンダードのカヴァー。素晴らしいアレンジによる洗練されたスウィンギーなウエスト・コースト・ジャズを楽しめます。
今聴いても十分楽しめる色褪せない1950年代作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「It's All Right With Me」
Cole Porter作。トロンボーンがリードする見事なホーン・アンサンブルと共に疾走します。Victor Feldmanのヴァイヴ・ソロやScott LaFaroのベース・ソロもグッド!今聴いても実に格好良い演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=jgD0sNigKM0
「I've Grown Accustomed To Her Face」
Al Lerner/Frederick Loewe作。ミュージカル『My Fair Lady』(1956年)挿入歌をカヴァー。当ブログではWes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。Jimmy GiuffreのムーディーなクラリネットとArt Pepperのアルト・サックスがリードするロマンティックなビューティフル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KGPs6fxtTN4
「I've Never Been In Love Before」
Frank Loesser作。Art Pepperの軽やかなソロと共にスタート。華やかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fY-kX4IIOqY
「I Love Paris」
Cole Porter作。当ブログではDexter Gordon、Dwight Trible With Matthew Halsallのカヴァーも紹介済みです。スパイ・コメディ映画のBGMにハマりそうな演奏が僕好み。抑えたトーンながらも表情豊かなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=OA5yMuvCs1Q
「Too Close For Comfort」
1956年のブロードウェイ・ミュージカル『Mr. Wonderful』の挿入歌のカヴァー(Jerry Bock/Larry Holofcener/George Weiss作)。当ブログではJohnny Lytleのカヴァーを紹介済みです。ビッグ・バンドらしいスウィンギーで小粋なアンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=JIkv4ak4JvY
「Younger Than Springtime/The Surrey With The Fringe On Top」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein IIの名コンビ作品のメドレー。前者はミュージカル『South Pacific(南太平洋)』(1949年)挿入歌、後者はミュージカル『Oklahoma!(オクラホマ)』(1943年)挿入歌です。落ち着いた雰囲気の品のあるアンサンブルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=3qnhsEQtRFI
「If I Were A Bell」
Frank Loesser作。当ブログではSvante Thuressonのカヴァーを紹介済みです。思わず一緒にフィンガースナップしてしまう、実にいい雰囲気のスウィンギーな演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=MTnT7_Q9SGQ
「Lazy Afternoon」
Jerome Moross/John Latouche作。当ブログではPete La Roca、Alive!のカヴァーも紹介済みです。正にレイジーなバラード演奏です。Vincent DeRosaのフレンチ・ホルンやPaichのピアノが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=CX9scFy1dg4
「Just In Time」
Adolph Green/Betty Comden/Jule Styne作。ラストは僕も大好きな名スタンダードで締め括ってくれます。ホーン隊のソロ・リレーと共にスウィンギーに疾走する演奏でこの曲の持つ魅力を余すことなく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=R6BppCuWj7g
本曲に関して、当ブログではMilano Jazz Dance Combo、The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band、Svante Thuressonのカヴァーも紹介済みです。
ご興味がある方は『I Get a Boot Out of You』(通称:『お風呂』)やMarty Paichの他作品もチェックを!
『I Get a Boot Out of You』(1959年)
『Jazz for Relaxation』(1956年)
『Tenors West』(1956年)
The Jazz City Workshop『The Jazz City Workshop』(1956年)
『A Jazz Band Ball』(1957年)
『Hot Piano』(1957年)
『The Picasso of Big Band Jazz』(1957年)
『Marty Paich Trio』(1957年)
『Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper』(1958年)
『Take Me Along』(1959年)
『Lush Latin & Cool』(1960年)
『The Rock-Jazz Incident』(1966年)