発表年:1976年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系男性ソウル
気分は... :スパークル!
今回はレア・グルーヴとして再評価の高い1枚、Bobby Glenn『Shout It Out!』(1976年)です。
男性ソウル・シンガーBobby Glennの詳しいプロフィールは不明です。アルバムは今回紹介する『Shout It Out!』(1976年)のみ、それ以外にシングル「Bad Connection」(1989年)、12"シングルRocq-e Harrell & Bobby Glenn「It's Just A Matter Of Time」(1991年)をリリースしています。
L.A.のマイナー・レーベルKoalaからリリースされた本作が注目されるきっかけとなったのが、Hip-Hop界のキングJay-Zの大ヒット・アルバム『The Blueprint』(2001年)の収録曲「Song Cry」のサンプリング・ソースとして、本作収録の「Sounds Like A Love Song」が使われたことです。
Jay-Z「Song Cry」
https://www.youtube.com/watch?v=w5srnNrICJo
それ以外の文脈としては、絶頂期のEarth, Wind & Fireのメンバーが大挙して参加している作品としてもレア・グルーヴ的価値の高い1枚です。
プロデュースはDouglas Gibbs、Glen Scott、さらにはEW&FのRalph Johnson。
レコーディングにはRalph Johnson(ds、per)、Al McKay(g)、Larry Dunn(el-p)、Phillip Bailey(per)といったEW&F勢をはじめ、L.T.D.のHenry Davis(b)、John Raines(ds、per)、Rick Severson(g)、Douglas Gibbs(p、el-p、clavinet)、Bob Farrell(p、el-p)、Kenny Moore(p)、Dorothy Ashby(harp)等ミュージシャンが参加しています。
さらにJulia Tillman、Maxine Willard Waters、Oren WatersというThe Watersの面々等がバック・コーラスを務めています。
前述のJay-Z「Song Cry」サンプリング・ソースとなった「Sounds Like A Love Song」に代表されるように、Donny Hathawayを思わせるBobbyのヴォーカルが映えるスロウ〜ミディアム系が本作の魅力です。
それ以外にも、ニュー・ソウル風のモダン・ソウル「Hey Love!」をはじめ、「Morning Song」、「Morning Song」、「Put Yourself In My Place, Friendといった曲でDonny Hathaway調の感動的なヴォーカルを満喫できます。
また、EW&F的な音を期待する人には、オープニングのブギー・ファンク「Must Be Funk」がおススメです。
レア・グルーヴ/モダン・ソウル好きの人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Must Be Funk」
Douglas Gibbs/Ralph Johnson作。EW&F勢の参加作品らしいパワフルなブギー・ファンクがオープニング。主役のBobby以上に女性コーラス隊の方が目立っていますが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=pzS6mBzz_qI
「Hey Love!」
Douglas Gibbs/Phillip Bailey/Ralph Johnson作。僕の一番のお気に入り。Donny Hathawayを思わせるBobbyのヴォーカルにグッとくるニュー・ソウル風のモダン・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=hA5SBmkleHc
「Lady, Lady, Lady」
Douglas Gibbs/Ronnie Crowder作。ミュージカルの挿入歌のような雰囲気のポップ調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=Yq2CuPu8N-o
「Sounds Like A Love Song」
Douglas Gibbs/Ralph Johnson作。前述のようにJay-Z「Song Cry」のサンプリング・ソースとなった楽曲。Dorothy Ashbyの美しいハープが印象的なビューティフル・ラブ・ソング。Donny Hathaway調のBobbyのヴォーカルが感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AgXlVnK0dEY
The Whispers、Walter Jackson、Phyllis Hymanがカヴァーしています。また、Jay-Z「Song Cry」以外にも、2Pac & Outlawz「As the World Turns」、Childish Gambino「Almost There」、Stat Quo「I Am Hip Hop」、Gold Roger「Yunus (Neidische Nazis)」、Tory Lanez「Benevolent」のサンプリング・ソースとなっています。
The Whispers「Sounds Like A Love Song」
https://www.youtube.com/watch?v=UXxcHo0UcW0
Jay-Z「Song Cry」
https://www.youtube.com/watch?v=w5srnNrICJo
Childish Gambino「Almost There」
https://www.youtube.com/watch?v=q2XsmWghwfM
Stat Quo「I Am Hip Hop」
https://www.youtube.com/watch?v=vztksAE4Zrs
「Shout It Out!」
Charles Mays作。タイトル曲はゴスペル調のノリでファンキーに弾けるグルーヴィー・ソウル。
「Morning Song」
Douglas Gibbs作。女性コーラス隊と息の合ったヴォーカル・ワークを聴かせてくれるスケールの大きなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=tXhcoOOtToU
「Shake A Hand」
Carol Carmichael作。ゴスペル調のミディアム・グルーヴ。
「Ask」
Douglas Gibbs/Ralph Johnson作。Bobbyの伸びやかなヴォーカルが映えるニュー・ソウル調のメロウ・ミディアム。
「Put Yourself In My Place, Friend/Return Of Funk (Reprise)」
Douglas Gibbs/Ralph Johnson作。Donny Hathaway調のビューティフル・バラード。そして、「Return Of Funk」のリプライズでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=mUN9bRAdSSw
今日は祝日だったんですね。すっかり忘れた・・・