発表年:1973年
ez的ジャンル:スピリチュアル・ジャズ
気分は... :コア・リフレクションへ・・・
今回はスピリチュアル・ジャズ作品Pharoah Sanders『Village Of The Pharoahs』(1973年)です。
スピリチュアル・ジャズの大物サックス奏者Pharoah Sandersについて、当ブログで紹介したのは以下の10枚。
『Izipho Zam』(1969年)
『Karma』(1969年)
『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
『Thembi』(1970年)
『Black Unity』(1971年)
『Elevation』(1973年)
『Love In Us All』(1975年)
『Journey To The One』(1980年)
『Rejoice』(1981年)
Pharoah Sanders & Norman Connors『Beyond A Dream』(1981年)
Impulse!からリリースされた本作『Village Of The Pharoahs』は以下の3つのセッションから構成されています。
「Mansion Worlds」のレコーディング・メンバー(1971年12月録音)
Pharoah Sanders(ss、bells)、Joe Bonner(p)、Stanley Clarke(b)、Cecil McBee(b)、Norman Connors(ds)、Lawrence Killian(conga、per)、 Marvin Peterson(per)。
「Memories of Lee Morgan」のレコーディング・メンバー(1972年11月録音)
Pharoah Sanders(ss、bells)、 Arthur Webb(fl)、Joe Bonner(p)、Stanley Clarke(b)、Cecil McBee(b)、Norman Connors(ds)。
上記以外の楽曲のレコーディング・メンバー(1973年9月録音)
Pharoah Sanders(ts、ss、per、vo、bells)、Sedatrius Brown(vo)、Joe Bonner(p、shakuhachi、fl、per)、 Calvin Hill(b)、Jimmy Hopps(ds)、Lawrence Killian(conga)、Kenneth Nash(sakara ceramic ds、per)、Kylo Kylo(tambura、per)。
一番の注目は、3部構成で16分超となる壮大なスケールのエキゾチックなスピリチュアル・ジャズ「Village of the Pharoahs Part 1〜3」だと思いますが、Pharoahファンであれば、『Elevation』(1973年)に通じる疾走感が格好良い「Mansion Worlds」をイチオシする人が多いのでは?
前年に射殺された天才トランぺッターLee Morganに捧げれた「Memories of Lee Morgan」も感動的で気に入っています。
また、ラストのソウルを媒介にスピリチュアル・ジャズとストレート・アヘッドなジャズが融合したユニークな演奏を楽しめる「Went Like It Came」もいい雰囲気です。
楽曲はすべてPharoah Sandersのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Village of the Pharoahs Part 1」
「Village of the Pharoahs Part 2」
「Village of the Pharoahs Part 3」
3部構成のタイトル曲。壮大なスケールのエキゾチックでカオスなスピリチュアル・ジャズが展開されます。パーカッション・アンサンブルとPharoahのフリーキーなサックスが生み出すエキゾチックな雰囲気がいいですね。そして、Sedatrius Brownらのコーラスが加わると、知らぬ間に宗教儀式の真っ只中にいるような気分になってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=aWCAOzXvk3M
「Myth」
宗教儀式のようなヴォーカルを中心とした2分に満たない短い演奏です。
「Mansion Worlds」
僕の一番のお気に入り。Joe Bonnerの美しいピアノと共にパーカッシヴに疾走するPharoah印100%のスピリチュアル・ジャズ。Pharoahのソプラノ・サックスが崇高なスピリチュアル・ワールドへ誘ってくれます。
僕の大好きな『Elevation』(1973年)のサウンドを予感させる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=XpCe2ilgSdc
「Memories of Lee Morgan」
本曲のレコーディングと同じ1972年に射殺された天才トランぺッターLee Morganに捧げれた1曲。PharoahとLee Morganというのは、全く異なるタイプのジャズ・ミュージシャンという印象だけに、実に興味深いですね。美しく感動的なスピリチュアル・ジャズで悲運の天才Lee Morganを追悼しています。
https://www.youtube.com/watch?v=OvpMnH0AS8A
「Went Like It Came」
ラストは、カオスなスピリチュアル・ジャズとストレート・アヘッドなジャズが融合し、ソウルフルな味わいが加味されたユニークな演奏で締め括ってくれます。
Pharoah Sandersの過去記事もチェックを!
Pharoah Sanders『Izipho Zam』(1969年)
Pharoah Sanders『Karma』(1969年)
Pharoah Sanders『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
Pharoah Sanders『Thembi』(1970年)
Pharoah Sanders『Black Unity』(1971年)
Pharoah Sanders『Elevation』(1973年)
Pharoah Sanders『Love In Us All』(1975年)
Pharoah Sanders『Journey To The One』(1980年)
Pharoah Sanders『Rejoice』(1981年)
Pharoah Sanders & Norman Connors『Beyond A Dream』(1981年)