2018年11月18日

Nao『Saturn』

UKオルタナティヴR&Bの歌姫、よりキャッチーになった2nd☆Nao『Saturn』
サターン
発表年:2018年
ez的ジャンル:UKオルタナティヴR&B
気分は... :成長の惑星、サターン・・・

今回は新作アルバムからUKオルタナティヴR&Bの女性シンガー・ソングライターNAOの2ndアルバム『Saturn』です。

ロンドン出身の女性シンガー/ソングライターNAO(本名:Neo Jessica Joshua)の紹介は、1stアルバム『For All We Know』(2016年)に続き、2回目となります。

Disclosureの大ヒット・アルバム『Caracal』収録の「Superego」、UKの新鋭ビートメイカーMura MasaのEP『Someday Somewhere』でのフィーチャリングで注目され、1stアルバム『For All We Know』(2016年)が各方面で絶賛されたNAO

エレクトロニカとファンク、ソウルを融合させたサウンドをバックに、個性的なキュート・ヴォーカルを聴かせる独自のオルタナティヴR&Bワールドは圧巻でした。

2ndアルバムとなる本作『Saturn』は、UKベースミュージックのエッセンスを取り入れたサウンドが印象的であった『For All We Know』と比較して、よりキャッチーなオルタナティヴR&Bに仕上がっています。

NAO自身、前作も手掛けていたGradesの2人がメイン・プロデューサー。それ以外に、前作も手掛けていたStintRoyce Wood Junior、旧知のMura Masa、NZ出身の女性シンガーLordeの大ヒット「Royals」のソングライティングで第56回グラミー賞Song of the Yearを受賞したJoel LittleDiploとの共同作業でも知られるL.A.を拠点とするプロデューサーKing Henry、さらにはLoxeDan Coxといったプロデューサーが起用されています。

当ブログでも紹介したUS西海岸を拠点とする男性R&BアーティストSiR、UK男性シンガーKwabsがフィーチャリングされています。

『For All We Know』と同じく自身が立ち上げたレーベルLittle Tokyo Recordingsからのリリースです。

「Another Lifetime」「Make It Out Alive」「If You Ever」というシングルにもなった冒頭3曲や、Kwabsとデュエットしたタイトル曲「Saturn」を聴けば、本作の方向性が分かると思います。

彼女のフェイヴァリット・アーティストKendrick Lamarを意識した「Orbit」、新しい音楽スタイル"アフロ・バッシュメント"を取り入れた「Drive And Disconnect」あたりにも注目です。

オルタナティヴR&B好きな人を十分に満足させる内容だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Another Lifetime」
透明感のあるNAOのヴォーカルが映えるオープニング。先行シングルにもなりました。薄っすらとしたエレクトロニカ・サウンドをバックに、彼女の歌声がジワジワと染み渡ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=FRCQ24V8eO8

「Make It Out Alive」
SiRをフィーチャー。シングルにもなりました。US R&B好きの人も気に入るであろう素敵なメロウ・ミディアムに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3tM103RrHJE

「If You Ever」
これもシングル曲。Mura Masaもプロデューサーとして参加。シングル・ヴァージョンではUSラッパー6lackをフィーチャーしていましたが、アルバム・ヴァージョンでは6lackをフィーチャーしていません。NAOの個性的なキュート・ヴォーカルが引き立つダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=7bRQmZXH6PE 
※シングル・ヴァージョン

「When Saturn Returns (Interlude)」
タイトル曲へ向かうインタールード。

「Saturn」
Kwabsをフィーチャー。今までのNAOでは聴けなかったオーセンティックなR&BバラードをKwabsとのデュエットで聴かせてくれます。実にビューティフル!

「Gabriel」
ギター・カッティングのリズミックな響きが心地好い1曲。程良くドリーミーな感じもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=4stoADq1Sug

「Orbit」
彼女のフェイヴァリット・アーティストKendrick Lamarを意識して書かれた楽曲。ラップも披露しつつ、自己の内面と対話し、Kendrick Lamarしています。

「Love Supreme」
ベースの効いたミディアム・グルーヴ。崇高な愛を軽やかに歌い上げます。

「Curiosity」
King Henryがプロデュースに参加。ゆったりと流れるようなエレクトロニカ・サウンドが印象的です。

「Drive And Disconnect」
ダンス・ホール・レゲエとアフロビートを融合させた新しい音楽スタイル"アフロ・バッシュメント"を取り入れた楽曲。NAOのキュートなヴォーカルのせいか、実にキャッチーな1曲に仕上がっています。

「Don't Change」
エレクトロニカの効いたオルタナティヴR&Bらしいバラード。

「Yellow Of The Sun」
Joel Littleがプロデュースに参加。ポップ&ダンサブルなミディアム・グルーヴに仕上がっています。

「A Life Like This」
ラストはJames Blake調の壮大なエレクトロニカ・サウンドで締め括ってくれます。

国内盤CDには「Bad Blood」「Adore You」(Abhi//Dijonをフィーチャー)、「Girlfriend」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

『For All We Know』(2016年)
FOR ALL WE KNOW
posted by ez at 03:17| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする