2018年12月31日

ezが選ぶ2018年の10枚

年末最後のエントリーは、毎年恒例の年末特別編『ezが選ぶ2018年の10枚』です。今年購入した新譜CDからお気に入りの10枚を紹介します(順不同)。
※全て当ブログで紹介した作品です。作品の詳細は各エントリーをご参照下さい。

Sons Of Kemet『Your Queen Is A Reptile』
Your Queen Is A Reptile
「My Queen is Harriet Tubman」
https://www.youtube.com/watch?v=twjaSC5Ym9s

Blue Lab Beats『Xover』
クロスオーヴァー
「Pineapple」
https://www.youtube.com/watch?v=2ScpnUpCsM4

Reginald Omas Mamode W『Children Of Nu』
Children of Nu [日本限定CD]
「Put Your Hearts Together」
https://www.youtube.com/watch?v=ovZKXBpZzUw

Khalab『Black Noise 2084』
Black Noise 2084
「Black Noise」
https://www.youtube.com/watch?v=1qyULNL2uTE

Submotion Orchestra『Kites』
カイツ
「Youth」
https://www.youtube.com/watch?v=br9P7LlVTbQ

Jazzanova『The Pool』
The Pool
「Everything I Wanted」
https://www.youtube.com/watch?v=fEA31LaNEBQ

The Internet『Hive Mind』
ハイヴ・マインド
「Roll (Burbank Funk)」
https://www.youtube.com/watch?v=SIqvRzEIqIo

Stimulator Jones『Exotic Worlds and Masterful Treasures』
Exotic Worlds & Masterful Trea
「Need Your Body」
https://www.youtube.com/watch?v=MZKupBsK1NY

J. Lamotta Suzume『Concious Tree』
コンシャス・トゥリー
「Expressing Myself」
https://www.youtube.com/watch?v=d5cVjh3IdYU

Antonio Loureiro『Livre』
Livre リーヴリ
「Resistencia」
https://www.youtube.com/watch?v=4Xbll6oyL2o

まず今年の特徴はサウス・ロンドンを中心とした次世代UKブラック・ジャズ/ブラック・ミュージックのインパクトの大きさですね。

次世代UKブラック・ジャズを牽引するジャズ・サックス奏者Shabaka Hutchingsが率いるSons Of Kemet、サウス・ロンドンの次世代UKジャズ・ミュージシャンとも人脈を持つ期待のUKビートメイキング・デュオBlue Lab BeatsD'AngeloJ Dillaを飲み込んだサウス・ロンドン発の新進ブラック・ミュージックを提示したReginald Omas Mamode IVがその代表格です。

2084年のブラック・ミュージックをコンセプトとした、超刺激的なトライバル・ベース/フューチャー・ベース作品を提示したイタリア出身のDJ/プロデューサーKhalab。ここでもMoses BoydShabaka Hutchingsといったサウス・ロンドン人脈が絡んできます。

独自の美しくも深淵な音世界に更に磨きが掛かったUKソウル・コレクティブSubmotion Orchestra。簡素ながらもその美学に圧倒されました。

ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引してきたプロデューサー/DJユニットJazzanova。待ちに待たされた10年ぶりのスタジオ新作でしたが、待った甲斐があった充実作でした。

US R&Bからはメンバーが再集結し、パワーアップした最新作を届けてくれた新世代R&BユニットThe Internetと、Stones Throwから80年代&90年代愛に満ちた作品をドロップした新進男性R&BアーティストStimulator Jonesをセレクト。

イスラエル、テルアビブ出身でベルリンを拠点に活動する新進女性アーティストJ. Lamotta Suzumeは、Moonchildに通じる次世代ネオソウルで楽しませてくれました。

最後の1枚に選んだのは、現代ブラジル音楽の若き旗手Antonio Loureiroの最新作。ヴォーカル曲が増えて、マルチ奏者というのみならずシンガー・ソングライターのイメージが鮮明となりました。

以上10枚ですが、それ以外に特別賞として以下の3枚を追加しておきます。

大作賞
Kamasi Washington『Heaven And Earth』
HEAVEN & EARTH
「Street Fighter Mas」
https://www.youtube.com/watch?v=LdyabrdFMC8

本当は前述の10枚に入れても良かったのですが、今やメディアがこぞって絶賛しており、当ブログでわざわざ挙げるまでもないだろうと意図的に外しました。前作『The Epic』に続くCD3枚組(隠しディスク含む)という大作をリリースし続ける創造力とエネルギーに感服します。

ヴォコーダー賞
Brandon Coleman『Resistanc』
Resistance [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC573)
「Sexy」
https://www.youtube.com/watch?v=fOTPWgA2e9o

注目のキーボード奏者の最新作はヴォコーダーを巧みに用いたL.A.アーバン・ファンク。ヴォコーダー好きにはたまらない1枚となりました。

ユーモア賞
Louis Cole『Time』
Time [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC575)
「Weird Part of The Night」
https://www.youtube.com/watch?v=glgPZmSwC4M

エレクトロ・ポップ・ユニットKNOWERの活動でも注目を浴びている異才Louis Cole。真面目なのか?不真面目なのか?ユニークながらも職人技が冴える音世界を楽しませてもらいました。

意図したわけではありませんが、特別賞の3枚はすべてL.A.産の作品となりました。

サウス・ロンドンとL.A.・・・今年の僕の音楽嗜好を象徴しているかもしれませんね。

素晴らしい音楽の数々に感謝!
当ブログの閲覧者の皆様に感謝!
それでは良いお年を!
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2018年12月30日

Richard Spaven『Real Time』

Jordan Rakeiが大きく関与した最新作☆Richard Spaven『Real Time』
リアル・タイム
発表年:2018年
ez的ジャンル:敏腕ドラマー系UKジャズ
気分は... :今年最後のセレクトは・・・

明日は年末恒例『ezが選ぶ2018年の10枚』をエントリー予定なので、通常エントリーは今回が2018年最後となります。

セレクトしたのは新作アルバムからUKの敏腕ドラマーRichard Spavenの最新作Richard Spaven『Real Time』です。そのうち紹介しようと思っていたら、あっという間に年末に・・・何とか年内にエントリーできて良かったです。

UKの敏腕ドラマーRichard Spavenの紹介は、1stソロ・アルバム『Whole Other』(2014年)、2ndアルバム『The Self』(2017年)に続き、3回目となります。

また、オランダ人プロデューサー/キーボード奏者Vincent Helbersらと組んだクロスオーヴァー・ユニットSeravinceのアルバム『Hear To See』(2012年)も当ブログで紹介済みです。

2ndアルバム『The Self』(2017年)は、現行ジャズとUKクラブジャズを行き来するUKの敏腕ドラマーらしい逸品であり、昨年の大晦日のエントリー『ezが選ぶ2017年の10枚』でもセレクトした愛聴盤でした。

その『The Self』から短いインターバルでリリースされたのが3rdアルバムとなる本作『Real Time』です。

まず本作で注目すべきは、オーストラリア、ブリスベン出身で現在はロンドンを拠点とする男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiが4曲でのフィーチャリングも含めて全9曲中7曲に参加している点です。

『Cloak』(2016年)、『Wallflower』(2017年)という2枚で次世代ネオソウル/R&B方面のみならず現行ジャズ方面からも注目される存在となったJordan Rakei

これまでも『Cloak』(2016年)にSpavenが参加し、そのお返しとして『The Self』(2017年)にRakeiが参加するという交流を深めていた2人ですが、新作ではその2人のコラボ色がより強調される形となりました。

プロデュースはRichard Spaven自身。ドイツ出身の若手クリエイターFrederic Robinsonとの共同プロデュースが4曲があります。また、『The Self』(2017年)にも参加していたオランダ出身のビートメイカーJameszooとの共同プロデュース曲もあります。

アルバムにはThe Cinematic Orchestraのギタリストとしても知られ、Spavenが全面プロデュースしたアルバム『City』(2015年)も好評であったStuart McCallum(g)をはじめ、Robin Mullarkey (b)、Oli Rockberger(key)といったミュージシャンが参加しています。

どうしても現行ジャズの文脈で語られてしまいやすいミュージシャンですが、本人はジャンルの枠に囚われない音楽性を嗜好していることが本作を聴けばよく分かります。その意味で、同じくジャンルに囚われない音世界を嗜好するJordan Rakeiは絶好のコラボ・パートナーだったのかもしれませんね。

また、Jordan Rakeiと同じ位、本作に貢献しているのがStuart McCallumであり、彼のプレイにも注目です。

Busta Rhymesのカヴァー「Show Me What You Got」Andy Bey作品のカヴァー「Celestial Blues」以外はSpavenと参加メンバーによるオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Spin」
Jordan Rakeiをフィーチャーしたオープニング。PVでも分かるように、敏腕ドラマーSpavenと注目の次世代ネオソウルSSW Jordan Rakeiとのコラボらしい1曲に仕上がっています。まずはSpavenらしい研ぎ澄まされたドラミングを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=mjK2r1sAktw

「Helsinki Trio」
Jordan Rakei不参加曲。ギター、キーボード、ベース、ドラムによるクールなインストを披露してくれます。哀愁モードのクールな演奏にSpavenの美学を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=VAfnru5nqzk

「Faded」
Jordan Rakeiをフィーチャー。Jordan Rakeiとのコラボらしいメロディアスな哀愁モードの次世代ネオソウルに仕上がっています。Jordan Rakeiファンはニンマリの仕上がりなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=hOQwUSLymbc

「Rescue」
SpavenとStuart McCallumという現行ジャズとクラブミュージックの両方に精通した2人のソングライティングらしい哀愁グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kkQNBFlgXtc

「Show Me What You Got」
Jay Dee(J Dilla)がプロデュースしたBusta Rhymes作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Anarchy』(2000年)に収録されています。Jordan Rakeiをフィーチャー。Jay Dee(J Dilla)名曲のビートをSpavenが叩き出すというだけでも興奮しますね。Rakeiのヴォーカル、Stuart McCallumも含めて、抑えたトーンのクールなカヴァーに仕上げるあたりがSpavenのセンスの良さですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=tMoyB5mjYPs

「Control」
Jordan Rakei不参加曲。Stuart McCallumのギター・プレイを楽しむ1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=wm-7FcZHuAQ

「Celestial Blues」
ジャズ・シンガー/ピアニストAndy Beyの作品をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介したGary Bartz NTU Troop『Harlem Bush Music - Uhuru』(1971年)に収録されています。また、作者Andy Beyヴァージョンは『Experience And Judgment』(1974年)に収録されています。Jameszooとの共同プロデュースであり、Jordan RakeiとJameszooをフィーチャー。エレクトロニカと次世代ジャズを融合させた本ヴァージョンはコズミックなAndy Beyヴァージョンの雰囲気に近いかもしれませんね。Stuart McCallumのギターが実にいい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=gbeOMatEfmI

「Stay Close」
ドラム、ギター、キーボードのみのサウンドにRakeiのコーラスが加わる哀愁チューン。サウンド・スケープ的な魅力もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=AG8vkyG-bLk

「Loved One」
ラストはRakeiのヴォーカルに呼応してジワジワと高揚してくるビューティフル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4HH9lvfzghs

ご興味がある方はRichard Spaven関連の他作品もチェックを!

Seravince『Hear To See』(2012年)
ヒア・トゥ・シー

『Whole Other』(2014年)
ホール・アザー

『The Self』(2017年)
ザ・セルフ

未聴の方はJordan Rakeiのアルバムもチェックを!

Jordan Rakei『Cloak』(2016年)
クローク

Jordan Rakei『Wallflower』(2017年)
Wallflower [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN245)
posted by ez at 01:08| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月29日

Fools Gold『Mr. Lucky』

AOR路線へシフトした2ndアルバム☆Fools Gold『Mr. Lucky』
ミスター・ラッキー(期間生産限定盤)
発表年:1977年
ez的ジャンル:カントリー・ロック系AOR
気分は... :大掃除せねば!

今回はAOR人気の高い1枚、Denny HensonTom Kellyのデュオ作品Fools Gold『Mr. Lucky』(1977年)です。

Tom Kellyは、後にBilly SteinbergとのコンビでCyndi Lauper「True Colors」Heart「Alone」The Bangles「Eternal Flame」Madonna「Like a Virgin」Whitney Houston「So Emotional」等の大ヒット曲を書き上げ、人気ソングライターとなった人です。

Denny HensonTom Kellyというイリノイ州出身の2人はThe Guildというバンドでレコード・デビューを果たしますが、グループはすぐに解散してしまいます。その後、2人は同郷のDan Fogelbergのバックバンドに参加し、この時のメンバーDenny Henson(g、key、vo)、Tom Kelly(b、g、vo)、Ron Grinel(ds、per)、Doug Livingston(key、g、vo)という4名でFools Goldを結成します。

バンドは1976年にカントリー・ロックなデビュー・アルバム『Fools Gold』(1976年)をリリースするものの、商業的成功を収めることができず、バンドはDenny HensonTom Kellyのデュオ体制となり、レコード会社を移籍することになります。

そして、リリースされた2ndアルバムが本作『Mr. Lucky』(1977年)となります。
前作のカントリー・ロック路線からAOR路線へシフトした内容となっています。

プロデュースはKeith Olson。さらにDavid Fosterがアレンジを手掛けています。

レコーディングにはDavid Paich(key)、Mike Porcaro(b)、Jeff Porcaro(ds、per)といったToto勢をはじめ、David Foster(key)、Andrew Gold(g)、Waddy Wachtel(g)、Dan Fogelberg(g)、Doug Livingston(g)、Bill Champlin(org)、Mel Collins(ts、as)、Colin Tully(as)、Tom Scott(as)等のミュージシャンが参加しています。

個人的には都会的ファンキー・サウンドの「Mr. Lucky」、爽快ウエストコースト・ロック「Runnin' And Hidin'」、名バラードの趣のある「Where Did Our Love Go Wrong」あたりがおススメです。

カントリー・ロック路線とAOR路線が程良く調和した「Sweet Country Air」「Gypsy Brew」あたりもいいですね。

楽曲は全て彼らのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Sweet Country Air」
本作らしいAOR路線が発揮されたオープニング。楽曲自体はカントリー・ロック調ですが、都会的なアレンジで華のある仕上がりになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C7Yyt9pI1lY

「I Can Hear The Whistle Blow」
コレはモロにカントリー調。美しいハーモニーも聴けますが、正直、このタイプを僕は求めていません。
https://www.youtube.com/watch?v=4XzbPVhuizU

「Wouldn't I Love To Love You」
このデュオのジェントルな魅力が伝わってくる感動バラード。美しいハーモニー&メロディで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fY_mdf1Gkck

「Runnin' And Hidin'」
都会的サウンドと共に疾走する爽快ロック。ウエストコースト・ロックがお好きな人であれば気に入るはず!Waddy Wachtelのギターが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mcL1Q18wCio

「Fly Away」
優しいハーモニーで魅せるバラード。メロウ・エレピの音色がよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=ZKaymIOEQfo

「Gypsy Brew」
カントリー・ロック・フレイヴァーを残しつつ、本作らしい都会的サウンドを堪能できる仕上がり。爽快ヴォーカルワークも含めて、このデュオの魅力を満喫できるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=P53buFnxBPU

「Mr. Lucky」
タイトル曲はブルーアイド・ソウル調の都会的ファンキー・チューン。前作からのファンはギャップを感じるのかもしれませんが、僕は大好きです。むしろ、このタイプはあと1、2曲あってもいいくらいかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Z86KWDQSEgA

「Where Did Our Love Go Wrong」
AOR好きはグッとくるであろう感動バラード。AOR名曲の風格が漂います。僕もバラード系ならばコレが一番好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=lukjuxLj-eo

「Captain」
ラストはアコースティック・ギターを配した美しいバラードで締め括ってくれます。彼ら本来の姿はコレなのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=EZ6t07pvc2g

『Fools Gold』(1976年)
Fools Gold
posted by ez at 11:22| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月27日

LA. Connection『Now Appearing』

Cameoが全面バックアップしたファンク作品☆LA. Connection『Now Appearing』
ナウ・アピアリング
発表年:1982年
ez的ジャンル:Cameo印ファンク
気分は... :Cameo好きはぜひ!

今回は人気ファンク・バンドCameoが全面バックアップしたファンク・アルバムLA. Connection『Now Appearing』(1982年)です。
『LA. Connection』のタイトルでリリースされた盤もあります。

LA. Connectionは、ルイジアナ出身のファンク・バンド。
バンド名のLAはロサンゼルスではなくルイジアナの略です。
本作『Now Appearing』(1982年)がグループ唯一のアルバムとなります。

メンバーはRoger Harris(vo)、Warren Taylor(vo)、Wilbert Richardson(g)、James Wilson(key、back vo)、Charles Richardson(b、back vo)、Michael Caesar(ds、per)、Stacy Cole(tp、flh、back vo)、Webster Jackson(woodwinds、vo)という8名。

メンバーのうち、リード・ヴォーカルのRoger Harris(vo)は、本作以前にもLarry Blackmon/Anthony LockettというCameoメンバーがプロデュースしたファンク作品Mantra『Mantra』(1981年)にも参加し、1988年にはThe Manhattansに参加しています。

本作『Now Appearing』(1982年)に話を戻すと、CameoのリーダーLarry Blackmonがプロデュースし、Larry BlackmonTomi JenkinsNathan LeftenantCharlie SingletonGregory JohnsonというCameoがアルバムに参加し、ソングライティングにも大きく関わっています。

それ以外にOtis Redding Jr.(g)、Morris Ogletree(key)、Lloyd Oby(tb)、Walter Perry(tp)、Sparklin Brown Sugar(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

中身はCameo色を前面に打ち出したCameo印のファンク作品に仕上がっています。

この時期のCameo本体は、大所帯ファンク・バンドからリストラを断行し、スリム化を図っていたのに対し、本作では以前のCameoのような大所帯ファンク・バンドの魅力を前面に打ち出しているのが面白いですね。

「Burn Me Up」「Shake It」あたりが人気だと思いますが、「Get It Up」「Come Into My Heart」「Jealousy」もかなりいいと思います。

「I'll Find A Way」「Promise Me」というラスト2曲のスロウもCameoファンならばニンマリするはず!

Cameo好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Get It Up」
Larry Blackmon/Gregory Johnson/Nathan Leftenant作。ダイナミックな重量ファンクがオープニング。大所帯ファンク・バンドらしい華やかさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=DOIQvkQya6w

「Shake It」
Charles Richardson/Larry Blackmon作。ナスティな女性コーラスと軽快なギター・カッティングが印象的なファンク・チューン。鮮やかなホーン・アンサンブルも含めて大所帯ファンク・バンドらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tdy2c8gO8Bk

「Come Into My Heart」
Larry Blackmon作。曲調、ヴォーカルワークも含めてCameoのアルバムに収録されていそうなミディアム・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=k8LTgpf5hrU

「Burn Me Up」
Larry Blackmon/LA. Connection作。ソリッドなファンク・グルーヴが格好良い1曲。Cameo好きならば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=sThFEUowLLE

「Jealousy」
Larry Blackmon/Ed Brady作。ダンサブルなシンセが導くファンク・チューン。嫌味のないシンセの音色と爽快ヴォーカル・ワークの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gkqTmcK3TEk

「I'll Find A Way」
Larry Blackmon/Ed Brady作。スウィートな雰囲気に包まれたスロウ・チューン。Cameo作品のスロウ・チューンを彷彿させます。
https://www.youtube.com/watch?v=GZOqKfXSB1U

「Promise Me」
Anthony Lockett/Larry Blackmon作。前述のMantra『Mantra』(1981年)でも取り上げられていたスロウ・バラード。切々としたリード・ヴォーカルとスウィート・コーラスの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=GhbGy6jRwo4

ご興味がある方はCameoの過去記事もご参照下さい。

Cameo『Cardiac Arrest』(1977年)
カーディアック・アレスト

Cameo『Cameosis』(1980年)
Cameosis

Cameo『Feel Me』(1980年)
フィール・ミー

Cameo『Knights Of The Sound Table』(1981年)
魔法の騎士

Cameo『She's Strange』(1984年)
She's Strange

Cameo『Word Up!』(1986年)
Word Up!

Cameo『Machismo』(1988年)
cameo machismo.jpg

Cameo『Real Men ... Wear Black』(1990年)
Real Men Wear Black
posted by ez at 00:51| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

Doris Monteiro『Doris Monteiro』

妖艶なボサノヴァ/ジャズ・サンバ☆Doris Monteiro『Doris Monteiro』
サマー・サンバ
発表年:1964年
ez的ジャンル:妖艶ボサノヴァ/ジャズ・サンバ
気分は... :パーティー!パーティー!

今宵は遊びモードで弾けまくり!
クリスマスだし、まぁ、いいかぁ!

今回は60年代ブラジルものから都会的なメロウ・サウンドが魅力の1枚、Doris Monteiro『Doris Monteiro』(1964年)です。

1934年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー/女優Doris Monteiroの紹介は、『Simplesmente』(1966年)、『Agora』(1976年)に続き3回目となります。

レコーディングにはWalter Wanderley(org)、Luiz Marinho(b)、Theo De Barros(el-b)、Edison Machado (ds)、Tenorio Jr.(p)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはArmando Pittigliani、アレンジはMaestro Gaya

アルバム全体としては、Doris Monteiroの妖艶なヴォーカルを存分に満喫できるボサノヴァ/ジャズ・サンバ作品に仕上がっています。

楽曲としては、Marcos Valle作品とDurval Ferreira作品がそれぞれ4曲取り上げられているのが特徴です。

サウンド的には、特にWalter Wanderleyのオルガンを配した楽曲が印象的です。「Samba de Verao」「Baiaozinho」「Falaram Tanto de Voce」「E Vem o Sol」等Wanderleyのオルガンの独特の響きとMonteiroのクール・ヴォイスの相性は抜群だと思います。

Wanderley参加曲以外であれば、「Vou de Samba Com Voce」「Diz Que Fui Por Ai」「Sambou Sambou」あたりもおススメです。

Doris Monteiroの妖艶ヴォーカルに悩殺されたい方はぜひチェックを!

全曲を紹介しときやす。

「Samba de Verao」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。「Summer Samba」「So Nice」のタイトルでも知られる名曲をカヴァー。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)、『Samba '68』(1968年)で聴くことができます。ここではWalter Wanderleyのオルガンの響きとMonteiroのクール・ヴォイスがマッチしたクールな「サマー・サンバ」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8Ee__zLfiV0

本曲に関して、当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley TrioBebel GilbertoO QuartetoBossa TresWanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio With Rosinha De Valencaヴァージョンも紹介済みです。

「Dois Peixinhos」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire作。華やかなホーン・サウンドとTenorio Jr.の小粋なピアノがMonteiroのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=u0O6hjN0oKc

「Baiaozinho」
Eumir Deodato作。当ブログではRoberto Menescalヴァージョンも紹介済みです。Monteiroのヴォーカルに寄り添うWalter Wanderleyのオルガンのキュートな音色が絶妙!僕好みの軽やかなジャズ・サンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FnJKH-ui1Zw

「Vou de Samba Com Voce」
Joao Mello作。軽快に疾走するリズミックなジャズ・サンバ。Monteiroのヴォーカルも軽やかです。トロンボーンを中心としたダイナミックなホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rL-HjFQtrVg

「Deus Brasileiro」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcos自身のヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)で聴くことができます。当ブログではTitaヴァージョンも紹介済みです。憂いを帯びたWanderleyのオルガンと共に始まるジャズ・サンバは何処となく寂しげです。
https://www.youtube.com/watch?v=2XnTuO-phG0

「Diz Que Fui Por Ai」
Ze Keti/Hortencio Rocha作。当ブログではNara Leaoヴァージョンも紹介済みです。Tenorio Jr.のピアノと華やかなホーン隊をバックに、Monteiroがしっとり歌い上げる品格のあるメロウ・ボッサ
https://www.youtube.com/watch?v=4-4dRBOT4dI

「Vivendo de Ilusao」
Durval Ferreira/Orlando Henriques作。落ち着いた雰囲気の中でMonteiroの艶やかなヴォーカルを満喫できるオトナ・ボッサ。
https://www.youtube.com/watch?v=UMZSH3EmNmE

「Falaram Tanto de Voce」
Durval Ferreira/Orlandivo作。Walter Wanderleyのオルガンが冴えるグルーヴィー・ジャズ・サンバ。Walter Wanderley好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=0vyPKX21ghU

「Sambou Sambou」
Joao Donato/Joao Mello作。Donatoのオリジナルは『Sambou, Sambou(Muito a Vontade)』(1962年)に収録されています。当ブログではThe G/9 Groupヴァージョンも紹介済みです。艶めかしいMonteiroの語り口にグッとくるエレガントなジャズ・サンバ。
https://www.youtube.com/watch?v=BHn5J3Ajsik

「E Vem o Sol」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcosのオリジナルはデビュー・アルバム『Samba "Demais"』に収録されています。当ブログではWanda Saヴァージョンも紹介済みです。Monteiroの妖艶ヴォーカルに悩殺されるオトナのオルガン・ボッサに仕上がっています。たまりませんな。
https://www.youtube.com/watch?v=cUSlnJJGFo8

「Razao do Amor」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcosのオリジナルはデビュー・アルバム『Samba "Demais"』に収録されています。ギターを従え、少し憂いを帯びた歌声を聴かせてくれる哀愁ボッサ。
https://www.youtube.com/watch?v=pzQakOU7DOo

「Verdade Em Paz」
Durval Ferreira/Pedro Camargo作。ラストはしっとりとしたオルガン・ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nFJf7Geq0wY

Doris Monteiroの他作品もチェックを!

『Vento Soprando』(1961年)
Vento Soprando- Colecao As Divas

『Gostoso E Sambar』(1963年)
Gostoso E Sambar

『Simplesmente』(1966年)
シンプレスメンチ

『Doris Monteiro』(1970年)
Doris Monteiro

『Doris』(1971年)
Doris Monteiro

『Doris』(1973年)
Doris

『Agora』(1976年)
アゴーラ

Doris E Lucio『No Projeto Pixinguinha』(1976年)
No Projeto Pixinguinha
posted by ez at 00:08| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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