発表年:1975年
ez的ジャンル:Van McCoy系ディスコ
気分は... :ハッスル!ハッスル!
昨晩は今年一発目の忘年会、僕以外はアカデミックな世界に身を置く諸先輩であり、大きな刺激を受けてきました。諸先輩の知的好奇心に脱帽です。
さて、Van McCoyプロデュースのディスコ作品Faith Hope & Charity『Faith, Hope & Charity』(1975年)です。
Faith, Hope & Charityは、1969年にフロリダ州タンパで結成されたソウル・ヴォーカル・グループ。
オリジナル・メンバーはZulema Cusseaux、Brenda Hilliard、Al Baileyの3名。メンバーのうち、Zulema Cusseauxは、後にソロ・アーティストとしても活躍するフリーソウル・ファンにもお馴染みのアノZulemaです。
Zulemaは1stアルバム『Faith Hope & Charity』(1970年)、2ndアルバム『Heavy Love』(1972年)に参加した後、グループを脱退してソロ・アーティストに転向しています。デビュー・アルバムからのシングル「So Much Love」はUS R&Bチャート第12位のヒットとなっています。
デビュー当初からVan McCoyと交流のあった彼らでしたが、USチャート第1位となったディスコ・クラシック「The Hustle」を収録したVan McCoy & the Soul City Symphony『Disco Baby』(1975年)に、Brenda Hilliard、Al Baileyが参加したことで、Van McCoyとの結びつきを強めます。
そして、McCoyの推薦でDiane Destryをメンバーに迎え、McCoyプロデュースのディスコ路線で再始動を図ったアルバムが本作『Faith, Hope & Charity』(1975年)です。そして、シングル・カットされた「To Each His Own」がUS R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、狙いがズバリ的中しました。
その後もVan McCoyプロデュースで『Life Goes On』(1976年)、『Faith, Hope & Charity』(1978年)といったアルバムをリリースしています。
さて、本作『Faith, Hope & Charity』(1975年)ですが、ヒット・シングル「To Each His Own」をはじめ、「The Hustle」の影響下のディスコ・チューンがズラリと並んだディスコ作品に仕上がっています。勿論、Van McCoyの全面プロデュース&アレンジです。
レコーディングには、Eric Gale(g)、Richard Tee(el-p、key)、、Gordon Edwards(b) 、Steve Gadd(ds)といったStuff勢をはじめ、David Spinozza(g)、Leon Pendarvis(el-p、key)、Arthur Jenkins(congas)等の名うてのミュージシャンが参加しています。
当然ハイライトは「To Each His Own」ですが、それ以外であれば、「Let's Go To The Disco」、「Don't Go Looking For Love」、「Mellow Me」、「Find A Way」あたりがおススメです。
「Just One Look」、「Rescue Me」というカヴァー2曲以外は、Van McCoyのソングライティングです(共作含む)。
当時のVan McCoyの絶好調ぶりが窺えるディスコ作品です。
全曲紹介しときやす。
「Let's Go To The Disco」
タイトル通りのイケイケのディスコ・チューンがオープニング。Van McCoyのそつのない仕事ぶりが窺えます。
https://www.youtube.com/watch?v=SrSbeWYach0
「Just One Look」
Doris Troy、1963年のR&Bヒットをカヴァー。お馴染みの楽曲をキャッチーなディスコ・チューンに変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=H14Ew7cdkXE
「Find A Way」
Brenda Hilliardのソウルフル・ヴォーカルが映えるダンス・チューン。クラヴィネットの響きとエレガントなストリングスが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=oe5Q5KHHpPU
「Don't Go Looking For Love」
シングル・カットされ、US R&Bチャート第38位となっています。華やかなストリングス&ホーン・アレンジがいい感じのエレガントなダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=c4MzpYRTWK8
「Mellow Me」
スキャット・コーラス&タイトル連呼パターンのディスコ・チューン。華のあるディスコ・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=adqcwDTI8Kc
「Disco Dan」
タイトルからして確信犯的なディスコ・チューン。こういうのを堂々とやるVan McCoyの潔さに脱帽デス。
https://www.youtube.com/watch?v=wFmfb8LRfjc
「Rescue Me」
Fontella Bass、1965年のR&Bヒットをカヴァー。Brenda Hilliardのソウルフル・ヴォーカルに魅了されるダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=bJ7inNcqES0
「Little Bit Of Love」
Van McCoyが以前に手掛けたBrenda & The Tabulations、1972年のシングルをカヴァー。 新加入のDiane Destryがリード・ヴォーカルを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=OITenl2w2yE
「To Each His Own (That's My Philosophy)」
前述のように、US R&Bチャート第1位の大ヒットとなったグループの代表曲。ソウル・ヴォーカル・グループらしいヴォーカル・ワークとVan McCoyらしいディスコ・サウンドが見事にマッチしたダンス・クラシック。エレガントな雰囲気がいいですね。Van McCoyもアルバム『The Real McCoy』(1976年)にて「(To Each His Own) That's My Philosophy」のタイトルで自身のヴァージョンをリリースしています。
https://www.youtube.com/watch?v=mqsmZRqquxk
国内再発CDには「To Each His Own (That's My Philosophy)(Edited Version)」、「Find A Way (Single Version)」、「Don't Go Looking For Love (Single Version)」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
『Life Goes On』(1976年)