2019年01月08日

The Beau Brummels『Bradley's Barn』

元祖フォーク・ロック・バンドのカントリー・ロック☆The Beau Brummels『Bradley's Barn』
the beau brummels bradley's barn.jpg
発表年:1968年
ez的ジャンル:USカントリー・サイケ・ロック
気分は... :Leon Russellが重なる・・・

今回は60年代に活躍したUSフォーク・ロック・バンドThe Beau Brummelsがカントリー・ロックにアプローチした『Bradley's Barn』(1968年)です。

The Beau Brummelsは1964年にサンフランシスコで結成されたグループ。The Byrdsに先駆けてフォーク・ロックを演奏していたバンドとして再評価されているグループです。

オリジナル・メンバーはSal Valentino(vo)、Ron Elliott(g)、Declan Mulligan(g)、Ron Meagher(b)、John Petersen(ds)という5名。

1964年にシングル「Laugh, Laugh」でデビュー。USシングル・チャート第15位のヒットとなりました。続く2ndシングル「Just a Little」も同チャート第8位のヒットとなっています。これらヒット・シングルはデビュー・アルバム『Introducing the Beau Brummels』(1965年)に収録されています。同じ1965年には早くも2ndアルバム『The Beau Brummels, Volume 2』(1965年)をリリースしています。

その後Warner Brosへ移籍し、『Beau Brummels '66 』(1966年)、『Triangle』(1967年)、そして本作『Bradley's Barn』(1968年)といったアルバムをリリースしますが、商業的成功を収めることができず1968年に解散してしまいます。その後、1975年にリユニオン・アルバム『The Beau Brummels』(1975年)をリリースしています。

ヒットしたのは初期作品ですが、アルバム単位ではサイケ・フォーク・ロック色の強い『Triangle』(1967年)、カントリー・ロックにアプローチした『Bradley's Barn』(1968年)の再評価も高いのでは?

本作『Bradley's Barn』(1968年)は、同じ1968年にリリースされたカントリー・ロック名盤として知られるThe Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』と同じくナッシュビルでレコーディングされたアルバムであり、録音スタジオBradley's Barnの名をそのままアルバム・タイトルにしています。

前作『Triangle』(1967年)でSal Valentino(vo)、Ron Elliott(g)、Ron Meagher(b)で3人組となったThe Beau Brummelsですが、本作ではSal ValentinoRon Elliottのデュオになってしまいます。

プロデュースはLenny Waronker

レコーディングにはJerry Reed(g)、Wayne Moss(g)、Norbert Putnum(b)、David Briggs(key)、Kenny Buttrey(ds)といったナッシュビルの名うてのセッション・ミュージシャンが参加しています。

当ブログで何度も述べていますが、僕はカントリーが苦手であり、正直The Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』もビミョーです。

しかしながら、本作にはカントリー苦手の僕も惹かれる魅力があります。今回記事を書くに際して、改めて本作とThe Byrds『Sweetheart Of The Rodeo』を聴き直してみましたが、やはりダントツで本作の方が好きですね。

僕の場合、カントリーのイモ臭い部分が苦手なのですが、本作にはそういうイモ臭さを感じません。その大きな要因は、Leon Russellとイメージが重なるSal Valentinoのヴォーカルと、カントリーにサイケ等のエッセンスも織り交ぜた一筋縄ではいかないサウンドかもしれません。

今回改めて聴き直して、Leon Russell好きの僕だから、本作がしっくりくることが分かりました。

Randy Newman作の「Bless You California」以外はメンバー及びRobert Durandによるオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Turn Around」
本作らしいサイケなカントリー・サウンドを楽しめるオープニング。サイケな空気と枯れたレイドバック感の融合が素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RAA8R-BunyA

「An Added Attraction (Come And See Me)」
ブルージーなカントリー・サウンドが魅力です。Sal Valentinoの歌い回しがMick Jaggerのように聴こえるのは僕だけでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=pA-jF7KUUTQ

「Deep Water」
スワンプ大将Leon Russellを先取りしたかのような曲調&ヴォーカルのサイケ・カントリー・ロック。
https://www.youtube.com/watch?v=zDK2PEDq0o0

「Long Walking Down To Misery」
一歩間違えるとイモ臭いカントリーに陥りそうですが、そうならないのは巧みなバッキングとSal Valentinoのヴォーカルのおかげかもしれません。ハープシコードがアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=p2Um39uCm28

「Little Bird」
気取らないレイドバック・サウンドと味わい深いSal Valentinoのヴォーカルが格好良い、酒が進む1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=HTzEKYDGQqs

「Cherokee Girl」
ストリングスを配し、緩急をつけたカントリー・ロック・サウンドでダイナミックに展開します。少しやり過ぎ感もありますが、楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EgLFbvmYE98

「I'm A Sleeper」
派手さはありませんが、1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=OdXMthJKW7Y

「The Loneliest Man In Town」
予備知識がなければ、Leon Russellによるホンキートンク・チューンと勘違いしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=OQb5Z5rWwCE

「Love Can Fall A Long Way Down」
アルバムで最もドライヴ感のある仕上がり。David Briggsのオルガンが60年代後半の西海岸サイケっぽくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yFOo8lFX7jI

「Jessica」
この曲もSal Valentinoの歌い回しがLeon Russell調なのがいいですね。終盤に雰囲気が変わるのもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=tHrA-S2gC-k

「Bless You California」
ラストはRandy Newman作品。一癖あるRandy Newman作品を見事にカヴァーしていますが、本作の雰囲気にはフィットしていないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=FDTrkEqmCUs

The Beau Brummelsの他作品もチェックを!

『Introducing the Beau Brummels』(1965年)
イントロデューシング・ボー・ブラメルズ

『The Beau Brummels, Volume 2』(1965年)
Volume 2

『Beau Brummels '66 』(1966年)
Beau Brummels 66

『Triangle』(1967年)
Triangle

『The Beau Brummels』(1975年)
Beau Brummels

『San Fran Sessions』(1996年)
San Fran Sessions

『Live!』(2000年)
Live!
posted by ez at 02:12| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月07日

Eddie Palmieri With Harlem River Drive『Recorded Live At Sing Sing』

N.Y.サルサ/ラテン史に残る名ライヴ☆Eddie Palmieri With Harlem River Drive『Recorded Live At Sing Sing』
Recorded Live at Sing Sing
発表年:1972年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ/ラテン
気分は... :サルサで更生!

ニューヨーク・サルサ/ラテンを代表するピアニストEddie Palmieriの名ライヴ盤Eddie Palmieri With Harlem River Drive『Recorded Live At Sing Sing』(1972年)です。

Eddie Palmieriに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の5枚です。

 『Vamonos Pal Monte』(1971年)
 Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)
 『Sentido』(1973年)
 『The Sun Of Latin Music』(1974年)
 『Unfinished Masterpiece』(1975年)

本作『Recorded Live At Sing Sing』(1972年)は、タイトルにあるように、ニューヨーク州のシンシン刑務所での慰問ライヴを収録したライヴ・アルバムです。ちなみにシンシン刑務所は、多くの凶悪犯罪者を収容する最高度の警備レベルを誇る刑務所です。

そんな特殊な会場で行われたライヴですが、犯罪者達を熱狂させた演奏は、N.Y.サルサ/ラテン史に残る名ライヴとして高い評価を得ています。

Eddie Palmieri(p)以下、Ray Maldonado(tp)、Jose Rodriguez(tb)、Ronnie Cuber (sax)、Harry Viggiano(g)、Andy Gonzalez(b)、Ray Romero(congas)、Jerry Gonzalez(per)、Charlie Santiago (timbales)、Nicky Marrero(bongos)、Reggie Barnes(ds)、Hank Anderson(fender b)、Cornell Dupree(g)といったミュージシャンがHarlem River Driveのメンバーとしてクレジットされています。

また、ヴォーカル陣としてIsmael QuintanaArturo CampaArturo Franquizが参加しています。

さらにスペシャル・ゲストとして、兄Charlie Palmieri(org)をはじめ、Jimmy Norman(vo)、Alvin Taylor(vo)、Lorene Hanchard(vo)等の名がクレジットされています。

実質、演奏しているのは4曲ですが、「Pa La Ocha Tambo」「V.P. Blues」「Azucar (Part 2 And Part 3)」という10分超の演奏はどれもエキサイティングであり、N.Y.サルサ/ラテンの醍醐味を堪能できます。特に「Azucar (Part 2 And Part 3)」のクロスオーヴァーなハードドライヴ・サウンドの格好良さはサイコーです。

犯罪者達を熱狂させたN.Y.サルサ/ラテン絶頂期の演奏をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Introduction」
Joe GainesによるMC。

「Pa La Ocha Tambo」
Eddie Palmieri作。N.Y.サルサらしい哀愁グルーヴですが、Palmieriのエレピのせいか、熱狂の中にもクールな洗練を感じます。サルサ・グルーヴに乗った哀愁ヴォーカルと鮮やかなホーン・アンサンブルに続き、主役Eddie Palmieriのソロも大きくフィーチャーされ、聴衆が盛り上がります。本作の熱狂が凝縮されたオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=w8fPvB6w2PY

「V.P. Blues」
Eddie Palmieri/Victor Venegas作。ジワジワと高揚させていくインスト・サルサ・グルーヴ。各プレイヤーの簡潔なソロも含めて、クールなのにエキサイティングなのが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eS_aRUqVpvU

「Muneca (New Version)」
Eddie Palmieri作。王道の哀愁サルサ・グルーヴ。サルサらしいコーラスワーク、ホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9uPIz8i8xBU

「Introduction」
Paquito NavarroによるMC。

「Jibaro/My Pretty Nigger」
ここは演奏ではなく(多分)スタンダップ・コメディで盛り上げます。

「Azucar (Part 2 And Part 3)」
Eddie Palmieri作。本作のハイライトに挙げる人も多いであろうHarlem River Driveらしいスリリングなハードコア・ラテン・グルーヴ。サルサ/ラテンに収まらないクロスオーヴァーなハード・ドライヴ・サウンドを満喫できます。ヴォーカルはJimmy Norman。Cornell Dupreeのファンキー&ハードなギター、Charlie Palmieriの覚醒的なオルガンも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=L-vbrVvlmtg

1974年には本作の続編『Recorded Live At Sing Sing Vol. 2』がリリースされていますが、CDでは入手しづらい模様です。

Eddie Palmieriの70年代の諸作もチェックを!

『Justicia』(1969年)
Justicia

『Superimposition』(1970年)
Superimposition

『Vamonos Pal Monte』(1971年)
Vamonos Pa'l Monte

Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)
Harlem River Drive

『Sentido』(1973年)
センティード(BOM1439)

『In Concert at the University of Puerto Rico』(1973年)
イン・コンサート・アット・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・プエルト・リコ (BOM1812)

『The Sun Of Latin Music』(1974年)
ザ・サン・オブ・ラテン・ミュージック (BOM1202)

『Unfinished Masterpiece』(1975年)
アンフィニッシュド・マスターピース(紙ジャケット仕様)

『Lucumi, Macumba, Voodoo』(1978年)
ルクミ、マクンバ、ヴードゥー
posted by ez at 03:33| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月06日

Mental Abstrato『Uzoma』

ATCQ、J Dilla愛に満ちたブラジル産ジャジーHip-Hop☆Mental Abstrato『Uzoma』
ウゾマ UZOMA
発表年:2018年
ez的ジャンル:ブラジル産ジャジーHip-Hop
気分は... :コレが僕の聴きたいHip-Hop!

新作アルバムからブラジルのHip-HopユニットMental Abstrato、8年ぶりの2ndアルバム『Uzoma』です。

MCのOmig One、トラックメイカーCalmao TranquisらによるブラジルHip-HopユニットMental Abstratoノウハウ紹介は、デビュー・アルバム『Pure Essence』(2010年)に続き、2回目となります。

当時"ブラジルのJazz Liberatorz"と称され、ジャズ・テイスト満載であったデビュー・アルバム『Pure Essence』(2010年)は、『ezが選ぶ2010年の10枚』にもセレクトしたお気に入りの1枚でした。

それから8年という長いインターバルを置き、遂に2ndアルバム『Uzoma』がリリースされました。

本作にけるMental AbstratoのメンバーはOmig One(prog、per)、Calmao Tranquis(beats、prog)、Guimas Santos(b)という3名。『Pure Essence』(2010年)リリース直後にGuimas Santosが加入し、3名体制になった模様です。

それ以外にRodrigo Brandao(spoken word)、Erica Dee(vo)、Claudya(vo)、Ozay MooreOthello)(rap)、Daniel Amorin(b)、Dj Vitonez(scratch)、Dj Soares(scratch、collages)、Thiago Duar(g)、Marcelo Castilha(el-p)、Fernando TRZ(key、syn)、Mauricio Fleury(org)、Kiko de Sousa(key)、Beto Montag(vibe、effects)、Andre Juarez(vibe)、Lucas Cirilo(harmonica)、Bocato(tb)、Gil Duarte(tb、vo)、Marcelo Monteiro(bs、fl)、Caue Vieira(fl)、Richard Firmino(tb、tp)、Sintia Piccin(ts)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはMental Abstrato自身。

アルバムは前作『Pure Essence』(2010年)と同様に、ブラジル産ならではのジャジーHip-Hopを堪能できます。ヴォーカル、ラップ入りトラックとインスト・トラックが半々ですが、どちらも充実の内容となっています。

個人的にはA Tribe Called Quest(ATCQ)J Dilla絡みの「Mr. Cal」「Suco de Acerola (Tribute to J Dilla)」「Noite Vazia」という3曲に歓喜しました。

それ以外にも、USネオソウル調の「For You」、Ozay Moore(Othello)をフィーチャーしたジャジー&メロウ「Blue Skies」、ブラジル音楽好きの人も楽しめる「Samambaia Rainha」「O Mar」、センス抜群のジャジー・サウンドを楽しめる「James Bongo」「Menino Angoleiro」「Afroonirico」の3トラック、激シブのオープニング「Khamisi」など聴き所満載です。

もう少し早く聴いていたら、『ezが選ぶ2018年の10枚』にもセレクトしていたかも?

全曲紹介しときやす。

「Khamisi」
Rodrigo Brandaoをフィーチャー。土着的なグルーヴとノスタルジックなホーン・アンサンブルはブラジル産ジャジーHip-Hopならではの味わいなのでは?Rodrigo Brandaoのスポークン・ワードもシブくてたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=QlAfuoo5Lhk

「O Mar」
Gil Duarteをフィーチャー。パーカッシヴ・ビートとGuimas Santosのベースの絡みが格好良いトラックとGil Duarteの憂いを帯びたヴォーカルの組み合わせがグッド!Hip-Hopファンに限らず、ブラジル音楽好きの人であれば気に入りそうな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0oYZfqV_2EU

「Mr. Cal」
A Tribe Called Quest『The Low End Theory』収録のHip-Hopクラシック「Jazz (We've Got)」を引用したジャジー・トラック。トラック全体の音色が『The Low End Theory』ライクなのが最高です。ATCQ好きの人は思わずニンマリしてしまうはず!
https://www.youtube.com/watch?v=0oYZfqV_2EU

「For You」
Erica Deeをフィーチャー。キュートかつレイジーなErica Deeのヴォーカルとジャジー&メロウ・トラックの組み合わせは、USジャジーHip-Hop/ネオソウル好きにフィットするのでは!
https://www.youtube.com/watch?v=ZKK-Qt8zWD4

「Suco de Acerola (Tribute to J Dilla)」
サブタイトルにあるように故J Dillaに捧げられた1曲。Q-Tip、Ali Shaheed Muhammad、Jay Dee (J Dilla)によるプロデュース・チームThe Ummahのサウンド・プロダクションの完成形A Tribe Called Quest『The Love Movement』収録のHip-Hopクラシック「Find A Way」を引用したインスト。Hip-Hopというよりクラブジャズ仕様のアッパーなブラジリアン・グルーヴといった仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=OndL61x9dG4

「Afroonirico」
彼らのジャズ・センスを満喫できるダーク・トーンのジャジー・インスト。Thiago Duarのギターが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=14d8kHKSKYA

「Samambaia Rainha」
ブラジルのベテラン女性シンガーClaudyaをフィーチャー。哀愁モードのブラジリアン・グルーヴ。新しいものと伝統的なものを違和感なく融合させるあたりがブラジル人アーティストらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cdP5kxja4K8

「Noite Vazia」
Bocatoのトロンボーンをフィーチャー。Jay Dee (J Dilla)「Rico Suave Bossa Nova」でもサンプリングされたMilton Banana Trio「Cidade Vazia」を引用したジャジー&メロウかつブラジリアンなインスト・チューン。メロウ・エレピとヴァイヴのコンビネーションがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_AeQ9vMKMrs

「Blue Skies」
僕の大好きなUSラッパー、Ozay Moore(Othello)をフィーチャー。ジャジーHip-Hopファン、Othelloファンには間違いないジャジー&メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hrFVK6yecNE

「Down」
Guizadoのトランペット・ソロをフィーチャーしたインスト。哀愁トランペットが引き立つジャジー・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=tPlxYF5Oa0U

「James Bongo」
James Bondをもじったタイトルそのままにスパイ・ジャズ調のスリリングなサウンドを楽しめます。僕の密かなお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=avtrdj2LVgY

「Menino Angoleiro」
ラストもセンス抜群のジャジー・サウンドを満喫できるインスト・トラックで締め括ってくれます。サード・ワールドならではのジャジー・サウンドって感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mueTnBfOTwg

未聴の方は、1st『Pure Essence』(2010年)もぜひチェックを!

『Pure Essence』(2010年)
Pure Essence
posted by ez at 01:15| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月05日

Frank McComb『The Truth Vol.2』

未発表作品集とは思えないクオリティ☆Frank McComb『The Truth Vol.2』
TRUTH VOL.2
発表年:2006年
ez的ジャンル:ジェントル系男性ソウル・シンガー
気分は... :不遇にめげず・・・

今回は"21世紀のDonny Hathaway"と称される男性ソウル・シンガーFrank McComb『The Truth Vol.2』(2006年)です。

"21世紀のDonny Hathaway"として日本でも根強い人気を誇るFrank McCombの紹介に関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『The Truth』(2003年)
 『Straight From The Vault(Special Edition)』(2006年)
 『A New Beginning』(2011年)

『The Truth』(2003年)で日本のR&B/ソウル・ファンを虜にしたFrank McComb

本作『The Truth Vol.2』(2006年)は、その『The Truth』(2003年)の続編となります。

なんて書きましたが、結局、『The Truth』(2003年)や本作『The Truth Vol.2』(2006年)は、お蔵入りになっていた楽曲群を本人の意思に関係なくリリースした未発表作品集です。

そのため、本作『The Truth Vol.2』(2006年)は、同時期にリリースされた『The 1995 Bootleg』(2006年)と内容が重複している部分があるので注意してください。

それでも、素晴らしい内容のアルバムに仕上がっているのがFrank McCombというアーティストの凄さかもしれませんね。

プロデュースはSteve Harvey

レコーディングにはFrank McComb(key、vo)以下、Sekou Bunch(b)、Freddie Washington(b)、元Rufus & Chaka KhanBobby Watson(b)、Steve Harvey(ds、per)、Harvey Mason(ds)、Doc Powell(g)、Tony Maiden(g)、Jimi Macon(g)、Billy Preston(org)、Paulinho Da Costa(per)、Jerry Hey(horns)、Derek Watkins(sax)、Branford Marsalis(sax)、Louis Van Taylor(sax)、Lynn Davis(back vo)等が参加しています。

"21世紀のDonny Hathaway"と称されるMcCombですが、個人的にはStevie Wonder的な部分にも惹かれます。

そのStevie Wonderのカヴァー「Golden Lady」をはじめ、
「Only In My Dreams」「Somebody Like You」「Do You Remember」といったStevieライクな楽曲が僕のお気に入りです。

それ以外に「More Than Friends」「Labelled As Love」といったジェントルな魅力に溢れたバラードもおススメです。

ちなみに国内盤はジャケが異なるのでご注意を!

『The Truth Vol. 2 aka Motown Sessions』(2007年)※国内盤
ザ・トゥルース aka モータウン・セッションズ

「Golden Lady」以外はFrank McCombのオリジナルです(参加メンバーとの共作含む)。

全曲紹介しときやす。

「More Than Friends」
これぞ"21世紀のDonny Hathaway"といった趣のオープニング。メロウなローズの音色と美しいストリングスをバックに、ジェントルなヴォーカルで歌い上げる素敵なミディアム・バラード。Donny HathawayStevie Wonderを足して2で割ったようなMcCombのヴォーカルの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZmcXdusrxOY

「Only In My Dreams」
70年代のStevie Wonder作品をイメージさせるドリーミーなミディアム・グルーヴ。薄っすらラテンの隠し味がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=r20kDc6q7c4

「Golden Lady」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルは名盤『Innervisions』(1973年)収録です。当ブログではこれまでJose FelicianoReel Peopleのカヴァーも紹介済みです。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、McCombらしいジェントルな魅力に溢れた好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=FDvFdG2l2aM

「So Lovely」
コンテンポラリーなミディアム・ソウル。力みのないオトナのコンテンポラリー・ソウルといった感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=VEAQTFkFZ5I

「Somebody Like You」
McCombのピアノに加え、ベテランBilly Prestonのハモンドがいい味出しているStevie Wonder調のミディアム・バラード。McCombのソウル愛に溢れた聴く者をハッピーにしてくれる素敵な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=x9vQ9-SZgQw

「Tomorrow's Not Promised」
ジャジー&メロウな魅力に溢れたアーバン・ソウル。Jerry Hey、Branford Marsalisといったホーン陣の好アシストも光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=vKnHmrSECZc

「Do You Remember」
ウーリッツァーの響きが印象的なソウル・グルーヴ。70年代テイストをコンテンポラリーにアップデートさせた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=lX3J8J5DHkc

「Labelled As Love」
McCombお得意のメロウなローズの音色に乗ったジェントル・バラード。さり気なさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=whMI2wQflWc

「Intimate Times」
『The Truth』(2003年)にも収録されていた楽曲のヴァージョン違い。このあたりは販売元の無理矢理感がありますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=j0W5_H_zkpQ

「Left Alone」
『Straight From The Vault(Special Edition)』(2006年)にも収録されているバラード。抑えたトーンながらもDonny Hathaway調ヴォーカルを楽しめます。

「Mr. Integrity」
インストのジャジー・グルーヴ。McCombのエレピ・プレイを楽しめます。

「24/365/10」
エレピによる弾き語りの小曲。

「Satan's Jam」
タイトルの通り、スタジオでのジャム・セッション。これも未発表作品集ならではの取って付けた感が・・・

「Love Is On It's Way」
ラストはStevie Wonder調のソウル・グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k-APrbZokpE

Frank McCombの他作品もチェックを!

『Love Stories』(2000年)
Love Stories

『The Truth』(2003年)
Truth

『Straight From The Vault(Special Edition)』(2006年)
ストレイト・フロム・ザ・ヴォルト-スペシャル・エディション

『Live in Atlanta Vol. 1』(2007年)
LIVE In Atlanta Vol.1(DVD付)

『A Tribute to the Masters』(2007年) ※インスト・アルバム
Tribute to the Masters

『Live in Atlanta Vol. 2』(2008年)
Vol. 2-Live in Atlanta

『A New Beginning』(2011年)
A New Beginning

『The Living Room』(2012年)
Living Room

『Live At The Bitter End』(2013年)
Remembering Donny Hathaway

『Soulmate: Another Love Story』(2016年)
Soulmate: Another Love Story
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2019年01月04日

Boobie Knight & The Universal Lady『Earth Creature』

人気曲「The Lovomaniacs」収録のファンク作品☆Boobie Knight & The Universal Lady『Earth Creature』
アース・クリーチャー [名盤1000円]
発表年:1974年
ez的ジャンル:謎の大所帯ファンク・バンド
気分は... :エロジャケ続きですが・・・

今回は70年代ファンク作品からBoobie Knight & The Universal Lady『Earth Creature』(1974年)です。

昨日の7669『7669 East From A Bad Block』(1993年)に続き、新年早々エロジャケ続きとなってしまいました(笑)

Boobie Knight & The Universal Ladyは、Boobie Knightを中心としたファンク・ユニット。

メンバーはBoobie Knight(org、ds、vo)、Michael Averett(g、b、vo)、Len Fletcher (ds、congas)、J. W. Williams(ds、congas、vo)、Tee (TNT) Torres(g、b、vo)、Tom Sellitti(ts、ss、clarinet)、Mervyn Joseph(ts、ss、fl)、Mark Montana(tp)、Al Johnson(tp、flh)という9名。

Brunswick傘下のDakar Recordsからリリースされた本作『Earth Creature』(1974年)が、グループ唯一のアルバムとなります。

リーダーBoobie Knightは、本作以前にBoobie Knight & The Soulcietyというユニットを組み、RCA Victorからアルバム『Soul Ain't No New Thing』(1972年)をリリースしています(プロデュースはHarvey Fuqua)。

結果的に、Boobie Knight & The Soulciety『Soul Ain't No New Thing』(1972年)と本作Boobie Knight & The Universal Lady『Earth Creature』(1974年)という2枚のアルバムを残してBoobie Knightは音楽シーンから消えてしまいました。

話を本作『Earth Creature』(1974年)に戻すと、Sly & The Family StoneFunkadelicThe Jimmy Castor Bunchのフォロワー的なファンク作品に仕上がっています。

本作のハイライトといえば、定番サンプリング・ソースとしても人気の「The Lovomaniacs」。本作が再評価されるのも「The Lovomaniacs」が収録されているからでしょう。

それ以外にも「Feeling My Cheerios」「Burn The Saturday Night Fever」「Somebody Touch Me (In The Right Place)」「Flaming Youth」「Ain't Nobody Betta Dan You」「Earth Creature」といったファンク好きの心を擽る前のめりのファンク・グルーヴがズラリと並びます。

プロデュースはAlonzo Tucker

傑作とは思いませんが、不思議な魅力を持ったファンク作品です。

エロいジャケが気になる方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Feeling My Cheerios」
Funkadelicに通じるロッキンなファンク・チューンでアルバムは幕を開けます。ドライヴ感がいいですね。

「Burn The Saturday Night Fever」
映画『Saturday Night Fever』(1977年)以前に、このタイトルを付けるあたりにセンスを感じます。ノリ重視のアッパーなファンク・チューンですが、The Jimmy Castor Bunchばりに哀愁ラテンのエッセンスを取り入れているあたりが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BixqUzHpMuA

「April」
ラテン・フレイヴァーのミディアム・グルーヴ。このあたりはN.Y.ラテンの影響を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=It5RHRrR1Bw

「Power Greater Than Man」
60年代ソウル・テイストの仕上がり。色々な地名が聞こえてくるのが楽しいですね。

「Somebody Touch Me (In The Right Place)」
猪突猛進な疾走感が格好良いファンク・グルーヴ。ダイナミックな躍動感がたまりません。僕はかなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=Aoc_UMFHLG4

「Flaming Youth」
Sly & The Family Stone的な格好良さがあります。突き抜けた感じがいいですね。OutKast「Gasoline Dreams」のサンプリング・ソースとなっています。

「Ain't Nobody Betta Dan You」
James Brown調グルーヴで疾走するファンク・チューン。格好良いリフに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=VaaaUIQ0whA

「A Woman Will Make You Love」
ドゥー・ワップ調のソウル・バラード。アルバムの中でいいアクセントとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RQ9K87dCDGg

「The Lovomaniacs」
前述のように本作のハイライト。♪Sex♪を連呼しながらファンキー・ホーンとアッパーなギター・リフが炸裂する暴走ファンク。馬鹿馬鹿しさと格好良さが同居している感じが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=afAIiwd6dE8

定番サンプリング・ソースとしても大人気。Grandmaster Flash & The Furious Five「She's Fresh」、Kool G Rap & DJ Polo「Men at Work」、N.W.A「Real Niggaz」、EPMD「I'm Mad」Digital Underground「Heartbeat Props」、Ice-T「Ice M.F.T」、DJ Shadow「Lesson 4」、50 Cent feat. Tony Yayo「The Mechanic」、7A3「Express the Mind」、Bomb the Bass「Hey You!」、III Most Wanted「Nitty Gritty」、Twin Hype「Do It to the Crowd」、Mantronix「Gangster Boogie (Walk Like Sex... Talk Like Sex)」、Black, Rock & Ron「My Hometown」、Maestro Fresh Wes「Tear It Up」、K-Stone「Victim of Society」、Stereo MC's「Gee Street」、Dilated Peoples「World on Wheels」、Summer Cem「100」等のサンプリング・ソースとなっています。
Grandmaster Flash & The Furious Five「She's Fresh」
 https://www.youtube.com/watch?v=675AUtFJdnE
Kool G Rap & DJ Polo「Men at Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=32T2brk1bIM
EPMD「I'm Mad」
 https://www.youtube.com/watch?v=GuA2bzYgGog
Ice-T「Ice M.F.T」
 https://www.youtube.com/watch?v=p0W8vs2rekg
50 Cent feat. Tony Yayo「The Mechanic」
 https://www.youtube.com/watch?v=kETjxyakF88
Twin Hype「Do It to the Crowd」
 https://www.youtube.com/watch?v=Bwkj5wd0kc0
Bomb the Bass「Hey You!」
 https://www.youtube.com/watch?v=alQBkH08BDU
K-Stone「Victim of Society」
 https://www.youtube.com/watch?v=-VVTxZ3w6SA

「Earth Creature」
ラストは不穏な空気の漂うファンク・ロックのタイトル曲で締め括ってくれます。ダークな格好良さに惹かれます。

このノリのアルバムを、あと1、2枚はリリースして欲しかったですね。

さぁ、今日から通常モードで仕事しようっと!
posted by ez at 02:38| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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